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Systemwalker Operation Manager Systemwalker for ERPパッケージジョブ連携ガイド SAP ERP編
FUJITSU Software

4.1.4 接続用情報の登録

通信環境の設定が完了したら、次に接続用情報を登録します。

接続用情報とは、Systemwalker Operation ManagerがSAP ERP システムとの通信セションを開設するときに使用する情報のことです。接続用情報には、ユーザ名や接続時に参照する接続先システム定義名などの情報があります。

Systemwalker Operation Managerは、ここで登録した接続用情報を使って、SAP ERP システムとの通信セションを開設し、SAP ERP システムジョブを投入します。

4.1.4.1 SAP ERP システムへのユーザ登録

接続用情報の登録作業で最初に行う作業は、SAP ERP システムへのユーザの登録です。Systemwalker Operation Managerは、ここで登録されたユーザを使って、SAP ERP システムとの通信セションを開設します。

ユーザの登録は、SAP ERP システムに対して行います。作業は、SAP ERPのシステム管理者が、SAPGUIを使って行います。

SAPGUIは、SAP ERPが提供する機能です。SAPGUIの使い方やユーザの登録手順については、SAP ERPのドキュメントを参照してください。

4.1.4.2 セション開設用情報の登録

セション開設用情報とは、Systemwalker Operation ManagerがSAP ERP システムとの通信セションを開設するときに使用する情報をまとめた情報のことです。初期設定ファイルsapnwrfc.iniのDEST制御文に定義した接続先システム定義名や、SAP ERP システムに登録したユーザの名前などは、通信セションを開設するときに使用する情報として、セション開設用情報に登録しておきます。

セション開設用情報の登録は、SAP ERP ジョブ連携を導入したSystemwalker Operation Manager サーバ上で、システム管理者が行います。セション開設用情報の登録は、r3usraddコマンドおよびr3passwdコマンドを使って行います。

コマンドの使用例

コマンドの使用例を以下に示します。

# r3usradd -d CSP -c 01 -u fujitsu -l ja example
# r3passwd example
new passwd:
Retype new passwd:

r3usraddコマンドおよびr3passwdコマンドの詳細は、“6.3.1 r3usradd セション開設用情報の登録”および“6.3.4 r3passwd セション開設用パスワードの変更”を参照してください。

登録したセション開設用情報を変更する場合は、r3usrmodコマンドを使用します。また、削除する場合は、r3usrdelコマンドを使用します。

クラスタシステムの場合

クラスタシステムの場合は、運用系および待機系それぞれで、同じセション開設用情報を登録する必要があります。

また、セション開設用情報を変更・削除する場合は、すべてのノードのセション開設用情報を変更または削除する必要があります。

セション開設用情報の登録、変更、削除は、それぞれのノードでコマンドを使って行う以外に、1つのノードでコマンドを使って作成されたセション開設用情報ファイルを、他のノードにコピーすることでもできます。

セション開設用情報ファイルのコピーは、“旧バージョンレベルが導入されている場合”に記載された、セション開設用情報ファイルの退避・復元方法を参考にしてください。

4.1.4.3 Systemwalker Operation Manager サーバへのユーザ登録

前項で登録したセション開設用情報は、“システム管理者”または“セション開設用情報と同じ名称のグループに所属するユーザ”だけが使用できます。その他のユーザがセション開設用情報を使用しても、SAP ERP システムとの通信セションを開設することはできません。システム管理者以外のユーザにセション開設用情報を使用させる場合は、以下の作業を行ってください。

  1. セション開設用情報名と同じ名称のグループを登録する

  2. ユーザを登録し、1.で登録したグループに所属させる

作業は、SAP ERP ジョブ連携を導入したSystemwalker Operation Manager サーバ上で、システム管理者が行います。なお、UNIX版とWindows版では登録方法が違います。

UNIX版の場合

ユーザの登録やグループの登録などに使用するコマンドの使用例およびコマンドと値を以下に示します。

コマンドの使用例

# groupadd example
# useradd -g example swomgr
# passwd swomgr
New password:
Re-enter new password:

コマンドと値

NIS、NIS+などを使用している場合は、使用するコマンドが違います。詳細は、各OSのマニュアルを参照してください。

Windows版の場合

ここでは、ローカルグループの登録手順、ユーザの作成、およびグループへの登録手順の概要を説明しています。詳細は、Windowsのオンラインヘルプを参照してください。

最初に、ローカルグループの登録を行います。

ローカルグループの登録手順の概要を、Windows Server 2016の場合を例として、以下に示します。

  1. [新しいグループ]ダイアログボックスの表示

    [コンピューターの管理]ウィンドウのツリーで、[ローカルユーザーとグループ]-[グループ]を選択し、[操作]メニューから[新しいグループ]を選択すると、[新しいグループ]ダイアログボックスが表示されます。

  2. ローカルグループの登録

    [新しいグループ]ダイアログボックスで、セション開設用情報名と同じ名称の[グループ名]と、必要に応じて[説明]を入力して[作成]ボタンを選択します。一覧に登録したグループ名が追加されます。

次にユーザの作成を行います。

ユーザの登録手順の概要を以下に示します。

  1. [新しいユーザー]ダイアログボックスの表示

    [コンピューターの管理]ウィンドウのツリーで、[ローカルユーザーとグループ]-[ユーザー]を選択し、[操作]メニューから[新しいユーザー]を選択すると、[新しいユーザー]ダイアログボックスが表示されます。

  2. ユーザの作成

    [新しいユーザー]ダイアログボックスで、[ユーザー名]などの必要事項を入力して[作成]ボタンを選択すると、一覧に作成したユーザ名が追加されます。

最後に、作成したユーザを、セション開設用情報名と同じ名称のグループに登録します。

  1. [ユーザーの選択]ダイアログボックスの表示

    [コンピューターの管理]ウィンドウのグループの一覧で、該当するグループを右クリックし、[グループに追加]、[追加]をクリックすると、[ユーザーの選択]ダイアログボックスが表示されます。

  2. ユーザの登録

    [選択するオブジェクト名を入力してください]に、作成したユーザ名を記載し、[OK]ボタンを押します。

以上でローカルグループの登録、ユーザの作成およびグループへの登録が完了します。

4.1.4.4 セション開設用情報のパス設定

セション開設用情報のパスとして設定するのは、sapnwrfc.iniのパスです。パスの設定は、sapnwrfc.iniを作成したSystemwalker Operation Manager サーバ上で行います。パスの設定方法は、UNIX版とWindows版で異なります。

UNIX版の場合

パスは、以下のいずれかのユーザの環境変数を定義するファイル(.profile、.login)に設定してください。

以下の例では、sapnwrfc.iniファイルがシステム管理者のホームディレクトリ上にある場合を想定しています。

例) shまたはkshを使用している場合、.profileに以下のパスを追加します。

RFC_INI=$HOME/sapnwrfc.ini
export RFC_INI

例) cshを使用している場合、.loginに以下のパスを追加します。

setenv RFC_INI $home/sapnwrfc.ini

Windows版の場合

パスは、Administratorsグループに属するユーザを使用して、sapnwrfc.iniファイルのパスをシステム環境変数に設定します。

パスをシステム環境変数に設定する手順の概要は以下のとおりです。詳細を知りたい方は、Windowsのオンラインヘルプを参照してください。

  1. [システムのプロパティ]ダイアログボックス-[環境変数]ダイアログボックスの表示

    1. [コントロールパネル]で[システムとセキュリティ]をクリックします。

    2. [システム]をクリックし、[システムの詳細設定]をクリックします。

    3. [詳細設定]タブの[環境変数]ボタンをクリックします。

  2. パスをシステム環境変数に設定

    1. [環境変数]ダイアログボックスで、[システム環境変数]内の[新規]ボタンをクリックします。

    2. [新しいシステム変数]ダイアログボックスで、[変数名]に“RFC_INI”、[変数値]にsapnwrfc.iniのフルパス(ファイル名を含む)を入力して[OK]ボタンをクリックします。

    3. [システム環境変数]一覧に追加されたシステム環境変数が正しいことを確認して、[OK]ボタンをクリックします。

    設定内容を反映するためには、Windowsを再起動する必要があります。

以上で、セション開設用情報のパス設定は完了です。

参考

V16.0.0以降では、環境変数RFC_INIに定義したパスの終端が“sapnwrfc.ini”ではないファイル名が指定された場合、ディレクトリ名までを有効として、そのディレクトリ配下のsapnwrfc.iniファイルを参照します。