SAP ERP ジョブ連携 動作設定は、SAP ERPスケジュールジョブを利用して、SAP ERP システムジョブを動作させるときの設定です。
SAP ERP ジョブ連携 動作設定は任意です。以下の場合に、SAP ERP ジョブ連携 動作設定を行います。
XMIログにMSGTYPE情報を出力したい場合
r3passwdコマンドで扱えるパスワードの英大文字・小文字を区別しない場合
以下を使用しない運用で、かつ、何らかの理由でSAP ERPシステムと連携するためのインタフェースXBP(eXternal Interface for Background Processing)のバージョンを1.0にしたい場合
サーバグループ
ジョブクラス
スプール情報のメール配信
SAP ERP ジョブ連携 動作設定では、必要に応じて以下のファイルを作成します。なお、デフォルトの設定で問題なければ、ファイルの作成は不要です。
定義ファイル名
r3job.conf |
定義ファイルの格納場所
SAP ERP ジョブ連携が導入されているサーバの任意の場所。
ただし、ファイル名(r3job.conf)長を含むフルパスでのパス名長は、最大で259バイトまでです。
定義ファイルの記載例
定義ファイルの記載例(V13.8.0以前との互換設定にする場合)を以下に示します。
PROT_NEW=SN1 |
r3job.confの詳細は、“7.1 r3job.conf SAP ERP ジョブ連携 動作設定ファイル”を参照してください。
MSGTYPE情報を出力する設定をした場合、r3execコマンドで指定したユーザ出口に、XMIログに加えてMSGTYPE情報が渡されます。また、ジョブが終了した後には、前回履歴でXMIログに加えてMSGTYPE情報を確認することができます。
接続先システムごとに、MSGTYPE情報を出力するかどうかを設定します。
[前回履歴の例]
MSGTYPEが出力された前回履歴の例を以下に示します。
importing NUMBER : 0 TYPE : ID : NUMBER : 000 MESSAGE : LOG_NO : LOG_MSG_NO : 000000 MESSAGE_V1 : MESSAGE_V2 : MESSAGE_V3 : MESSAGE_V4 : PARAMETER : ROW : 0 FIELD : SYSTEM : TRANSLATED : TRUNCATED : tables LOG : 0 lines tables JOB_PROTOCOL : Total 3 lines ENTERTIME : 110458 ENTERDATE : 20170606 MSGID : 00 MSGNO : 516 MSGTYPE : S
TEXT : ジョブが開始されました RABAXKEY : RABAXKEYLN : 0 MSGV1 : (以降省略)
[記述形式]
MSGTYPEを取得したい接続先システムごとに以下のようにr3job.confファイル内に登録します。MSGTYPEを取得する必要がない接続先システムについては、定義する必要はありません。
PROT_NEW=接続先システム定義名1 |
記述形式の詳細は、“7.1 r3job.conf SAP ERP ジョブ連携 動作設定ファイル”を参照してください。
注意
MSGTYPE情報を取得するためには、SAP ERP システム側において、以下のサービスパックが適用されている必要があります。
6.20 SAPKB62021
サービスパックについては、SAP社の公式サイトを確認してください。
デフォルトでパスワードの英大文字・小文字を区別します。英大文字・小文字の区別をしたくない場合の設定について説明します。
[記述形式]
パスワードの大文字・小文字の区別をしない(V13.8.0以前との互換)設定にする場合は、r3job.confファイル内に下記を記載します。複数行記載した場合、2つめ以降は無視されます。
PASSWD_ULCASE=OFF |
記述形式の詳細は、“7.1 r3job.conf SAP ERP ジョブ連携 動作設定ファイル”を参照してください。
SAP ERP ジョブ連携 動作設定ファイルのパスとして設定するのは、r3job.confファイルのパスです。環境変数名「R3JOB_CONF」にパスを設定します。パスの設定は、r3job.confファイルを作成したSystemwalker Operation Manager サーバ上で行います。パスの設定方法は、UNIX版とWindows版では異なります。
UNIX版の場合
パスは、以下のいずれかのユーザの環境変数を定義するファイル(.profile、.login)に設定してください。
システム管理者
セション開設用情報名と同じ名称のグループに所属するユーザ
以下の例では、r3job.confファイルが/export配下にある場合を想定しています。
例) shまたはkshを使用している場合、.profileに以下のパスを追加します。
R3JOB_CONF=/export/r3job.conf |
例) cshを使用している場合、.loginに以下のパスを追加します。
setenv R3JOB_CONF /export/r3job.conf |
Windows版の場合
パスは、Administratorsグループに属するユーザを使用して、r3job.confファイルのパスをシステム環境変数に設定します。
パスをシステム環境変数に設定する手順の概要は以下のとおりです。詳細を知りたい方は、Windowsのオンラインヘルプを参照してください。
[システムのプロパティ]ダイアログボックス-[環境変数]ダイアログボックスの表示
[コントロールパネル]で[システムとセキュリティ]をクリックします。
[システム]をクリックし、[システムの詳細設定]をクリックします。
[詳細設定]タブの[環境変数]ボタンをクリックします。
パスをシステム環境変数に設定
[環境変数]ダイアログボックスで、[システム環境変数]内の[新規]ボタンをクリックします。
[新しいシステム変数]ダイアログボックスで、[変数名]に“R3JOB_CONF”、[変数値]にr3job.confファイルのフルパス(ファイル名を含む)を入力して[OK]ボタンをクリックします。
[システム環境変数]一覧に追加されたシステム環境変数が正しいことを確認して、[OK]ボタンをクリックします。
設定内容を反映するためには、Windowsを再起動する必要があります。
以上で、SAP ERP ジョブ連携 動作設定ファイルのパス設定は完了です。