FUJITSU Integrated System HA Database Ready(Nativeインタフェース)は、Symfoware/RDBと同様のインタフェースで接続できます。ただし、設定の一部が異なります。
DBサーバの設定
DBクライアントの設定
接続の種類はConnection Managerのみ
システム構成について説明します。
基本的には、Symfoware/RDBのシングル構成におけるConnection Managerの構成と同じです。
シングル構成と比較して、DBサーバ側がFUJITSU Integrated System HA Database Readyに置き換わる形になります。
図30.9 FUJITSU Integrated System HA Database Ready(Nativeインタフェース)の構成(TRO)
グローバルサーバからJournalTransferを通じてデータを受信してTRMのメッセージキューに格納します。
DBサーバ側では、RDBシステムおよび監視用のポートを、システムのservicesファイルに指定します。クライアント側からの要求は、Connection Managerの監視プロセスを通じて受け付けます。
DBクライアント側では、Symfowareのクライアント用の動作環境ファイルおよびConnection ManagerのAPC動作環境定義ファイルにより接続先を指定します。TROでは、SQLサーバ名に関連付けられたデータベース名を指定します。
APCプロセスを起動することにより、SymfowareクライアントからAPCプロセスを通じてDBサーバに接続し、データを格納します。
各種名前および値の例を以下に示します。
対象 | 名前または値 |
---|---|
RDBシステム名 | DBAP |
セットアップ時に指定するデータベースが使用するポート | 26551/tcp |
ダウン監視用ポート番号 | 12920/tcp |
データベース名 | DB1 |
SQLサーバ名 | SQLSV1 |
セットアップ時に指定する業務ネットワーク(IPv4) | 192.168.1.10 |
DBサーバ側のデータベースの設定を行います。
設定の詳細については、FUJITSU Integrated System HA Database Readyのマニュアルを参照してください。
DBクライアント側のデータベースの設定を行います。接続の種類はConnection Managerのみとなります。
設定の詳細については、FUJITSU Integrated System HA Database Readyのマニュアルを参照してください。
APC動作環境定義ファイルを作成します。
RDBシステムに接続先の情報を2組指定します。
RDBCOMTYPEを指定します。
RDBSYSTEM = (DBAP,IP1,通信ポート番号1, 12920, IP2,通信ポート番号2, 12920) |
RDBシステム名は"DBAP"固定とします。
IP1とIP2には、業務ネットワークとして設定したIPアドレスを指定します。
ダウン監視用ポート番号は12920固定とします。
例を以下に示します。
RDBSYSTEM = (DBAP,host1,26551,12920,host2,26551,12920) |
Symfowareのコマンドなど(例:rdbexecsqlコマンド)により、目的のデータベースに接続できることを確認してください。
DBクライアント側でTROに必要な環境変数を設定します。詳細については、"4.3.1 環境変数の設定"を参照してください。
なお、リモート接続では、環境変数RDBNAMEは不要です。
DBクライアント側でDB動作環境定義キーワードを指定します。
リモート接続に関するDB動作環境定義キーワードは以下のとおりです。
キーワード | 概要 |
---|---|
接続方式を指定します。 | |
リモート接続の種類を指定します。 | |
切断された場合の、再接続のリトライを行う回数を指定します。 | |
再接続のリトライを行う間隔を指定します。 |
例を以下に示します。
CONNECT_TYPE:REMOTE |
また、他のDB動作環境定義キーワードも必要に応じて指定してください。
なお、リモート接続では、SYMFO_SYSTEM_NAMEキーワードの指定は不要です。
また、RETRY_COUNTキーワードおよびRETRY_INTERVALキーワードの指定値は無効となります。
詳細については、"4.3.2 DB動作環境定義の作成"を参照してください。
DBクライアント側でDBサービス定義を作成します。
DBサービス定義については、ローカル接続と同じです。詳細については、"第8章 DBサービス定義"を参照してください。
STOREGROUP定義文のDATABASEオペランドには、DBクライアントの設定においてSQLサーバ名と関連付けたデータベース名を指定します。
指定例を以下に示します。
DATABASE = DB1 |
STOREGROUP定義文のOUTCODEオペランドは、データベース側のコード系に合わせてください。
詳細は、Symfoware Serverのマニュアルを参照してください。
DBクライアント側で逐次差分反映を開始します。
逐次差分反映の開始は、lxrtmdbコマンドにより行います。詳細については、"7.3.4 lxrtmdbコマンド"を参照してください。
リモート接続では、Symfowareのクライアント用の動作環境ファイルに指定されたユーザ(認可識別子)でデータベースに接続します。したがって、-uオプションの指定は不要です。
例を以下に示します。
lxrtmdb -s DBSVC1 -r STRGRP1 -o |
リモート接続における注意事項を説明します。
DBサーバ側でファイアウォールを運用している場合、DBサーバとDBクライアントの通信に使用するポートを許可するよう、DBサーバ側に設定します。
DBサーバ側で定義している以下のポートを許可してください。
通信手段 | ポート |
---|---|
Connection Manager | 以下で示すポートすべて - セットアップ時に指定した通信用ポート(デフォルト:26551) - ダウン監視用ポート番号(12920) |
逐次差分反映の動作中に、DBクライアント側でConnection Managerを停止(apcstop -eなど)しないでください。