クラスタシステムの環境設定の項目は、以下のとおりです。
クラスタシステムの基本的な項目
データベースシステムの環境作成
TRMの環境作成
JournalTransferの環境作成
TROの環境作成
クラスタシステムの環境作成
動作確認
環境設定の作業の流れは"図28.21 環境設定の手順"のとおりです。
図28.21 環境設定の手順
クラスタシステムの基本的な項目について説明します。
"役割"の決定
共有記憶装置の割り当て
IPアドレスの取得
クラスタシステムを構築するために必要な資源(共有記憶装置やIPアドレスなど)については、Windowsおよび各データベース製品のマニュアルを参照してください。
TROをクラスタシステムで動作させるためには、フェールオーバー クラスタリングに登録するTRO用の"役割"を決定する必要があります。
専用の"役割"を新規に作成します。データベースシステム、TRM、JounalTransferおよびTROを含めた業務の引継ぎ単位を考慮して"役割"を決定する必要があります。
Symfoware/RDBの場合
データベースシステムにSymfoware/RDBを使用する場合のTROの基本的な”役割”の構成を"図28.22 ”役割”構成(Symfoware/RDB)"に示します。
図28.22 ”役割”構成(Symfoware/RDB)
Symfoware/pgsの場合
データベースシステムにSymfoware/pgsを使用する場合のTROの基本的な”役割”の構成を"図28.23 ”役割”構成(Symfoware/pgs)"に示します。
図28.23 ”役割”構成(Symfoware/pgs)
Enterprise Postgresの場合
データベースシステムにEnterprise Postgresを使用する場合のTROの基本的な”役割”の構成を"図28.24 ”役割”構成(Enterprise Postgres)"に示します。
図28.24 ”役割”構成(Enterprise Postgres)
Oracleの場合
SQL Serverの場合
データベースシステムにSQL Serverを使用する場合のTROの基本的な”役割”の構成を"図28.26 ”役割”構成(SQL Server)に示します。
図28.26 ”役割”構成(SQL Server)
クライアント アクセス ポイントおよびSQL Serverのインスタンス名は、DBサービス定義のSTOREGROUP定義文のDATABASEオペランドへの指定値に使用します。クライアント アクセス ポイントはDATABASEオペランド内のコンピュータ名に対応します。DATABASEオペランドに指定可能な長さに収まるようにクライアント アクセス ポイントおよびSQL Serverのインスタンス名を設計してください。DATABASEオペランドについては、"8.3.4 STOREGROUP定義文"を参照してください。
TROをクラスタシステムで動作させるためには、以下のすべてのファイルを共有記憶装置上に作成しなければなりません。
データベースシステムの環境作成時に作成するファイル
TRM環境定義に指定するすべてのファイル
JournalTransferの起動パラメタ
TROが使用するデータベースの格納場所
Symfoware/RDB:データベーススペース
Symfoware/pgs:テーブル空間
Enterprise Postgres:テーブル空間
Oracle:表領域
SQL Server:データベース
そのため、必要なファイル容量を見積った後に、その容量を格納できる共有記憶装置上の物理ディスクを用意します。この物理ディスクを、TROを所属させる”役割”にリソースとして登録します。以降、ここで登録したリソースを"TRO用のディスクリソース"と呼びます。
Symfoware/RDBまたはSymfoware/pgsで作成するファイルについてはSymfoware Serverのマニュアルを、Enterprise Postgresで作成するファイルについてはEnterprise Postgresのマニュアルを、Oracleデータベース作成時に作成するファイルについてはOracleのマニュアルを、SQL Serverデータベース作成時に作成するファイルについてはSQL Serverのマニュアルを参照してください。
共有記憶装置に作成する資源を"図28.27 共有記憶装置上の物理ディスクの構成"に示します。
なお、物理ディスクは複数使用することも可能です。その場合、使用するすべての物理ディスクを、TROを所属させる”役割”にリソース登録しておきます。
図28.27 共有記憶装置上の物理ディスクの構成
クラスタシステムで共有して使用するIPアドレスを取得する必要があります。JournalTransferは、他のサーバからはこのIPアドレスで通信することになります。
また、データベースシステムがOracleの場合は、このIPアドレスはOracle Netのリスナーでも使用します。
各データベースシステムの環境作成手順を説明します。
Symfoware/RDBの環境作成
使用するデータベースシステムがSymfoware/RDBの場合の環境作成手順は、以下のとおりです。
図28.28 Symfoware/RDB環境の設定手順
Symfoware/RDBの環境作成
クラスタシステムでSymfoware/RDBを使用するためには、Symfoware/RDB環境がクラスタシステムに対応している必要があります。クラスタシステムに対応したSymfoware/RDB環境を作成する方法の詳細については、Symfoware Serverのマニュアルを参照してください。
Symfoware/pgsの環境作成
使用するデータベースシステムがSymfoware/pgsの場合の環境作成手順は、以下のとおりです。
図28.29 Symfoware/pgs環境の作成手順
Symfoware/pgsの環境作成
クラスタシステムでSymfoware/pgsを使用するためには、Symfoware/pgs環境がクラスタシステムに対応している必要があります。クラスタシステムに対応したSymfoware/pgs環境を作成する方法の詳細については、Symfoware Serverのマニュアルを参照してください。
概要は以下のとおりです。
片方のノード上で、データベースクラスタを作成します。
各ノードで、pg_ctl registerコマンドにより、データベースクラスタをWindowsのサービスとして登録します。なお、サービス登録時には、データベースクラスタが使用するポート番号も指定してください。
サービスをリソースとして登録します。
Enterprise Postgresの環境作成
使用するデータベースシステムがEnterprise Postgresの場合の環境作成手順は、以下のとおりです。
図28.30 Enterprise Postgres 環境の作成手順
Enterprise Postgresの環境作成
クラスタシステムでEnterprise Postgresを使用するためには、Enterprise Postgres環境がクラスタシステムに対応している必要があります。クラスタシステムに対応したEnterprise Postgres環境を作成する方法の詳細については、Enterprise Postgresのマニュアルを参照してください。
概要は以下のとおりです。
片方のノード上で、データベースクラスタを作成します。
各ノードで、pg_ctl registerコマンドにより、データベースクラスタをWindowsのサービスとして登録します。なお、サービス登録時には、データベースクラスタが使用するポート番号も指定してください。
サービスをリソースとして登録します。
Oracleの環境作成
使用するデータベースシステムがOracleの場合の環境作成手順は、以下のとおりです。
図28.31 Oracle環境の設定手順
Oracleの環境作成
クラスタシステムでOracleデータベースを使用するためには、Oracle環境がクラスタシステムに対応している必要があります。Oracle Fail Safeを使用してクラスタシステムに対応したOracleの環境を作成します。Oracle環境を作成する方法の詳細については、Oracle Fail Safeのマニュアルを参照してください。
SQL Serverの環境作成
使用するデータベースシステムがSQL Serverの場合の環境作成手順は、以下のとおりです。
図28.32 SQL Server環境の設定手順
SQL Serverの環境作成
クラスタシステムでSQL Serverを使用するためには、SQL Server環境がクラスタシステムに対応している必要があります。クラスタシステムに対応したSQL Server環境を作成する方法の詳細についてはSQL Serverのマニュアルを参照してください。
クラスタシステムでTRMを使用するためには、TRMの環境がクラスタシステムに対応している必要があります。
TRM環境の作成手順は以下のとおりです。
図28.33 TRM環境の作成手順
TRM環境定義の作成
クラスタサービスを使用する場合、TRM環境定義にクラスタシステム用としてClusterセクションを追加します。また、環境定義に指定するすべてのファイルは、共有記憶装置上の物理ディスクを指定する必要があります。
クラスタサービスを使用する場合のTRM環境定義の記述形式は以下のとおりです。なお、Clusterセクション以外の指定内容については、"17.2 TRM環境定義の記述"を参照してください。
[MQDConfiguration] QueueMax = 作成メッセージキュー数の最大値 MessageBufferMaxSize = メッセージバッファの最大長 [Transaction] TransactionFile = トランザクション管理ファイルの名前 [SystemFile] SystemFile1 = システム制御用ファイル1の名前 SystemFile2 = システム制御用ファイル2の名前 SystemFile2_Size = システム制御用ファイル2の容量 [QueueIndex] File = メッセージキュー管理ファイルの名前 [DiskQueue] File = ディスク型メッセージキューのメッセージ格納ファイルの名前 Size = ディスク型メッセージキューのメッセージ格納域の容量 [WatchQueueUsed] DiskQueue = ディスク型メッセージキューのメッセージ格納域の安全値と警告値 [Cluster] SystemDirectory = TRM用のクラスタサービスが使用するフォルダの名前 |
TRMのクラスタ機能が使用するシステムファイルを格納するフォルダを指定します。記述内容を、"表28.4 Clusterセクションの記述内容"に示します。
キーワード | 省略 | 記述方法 | 記述内容の説明 |
---|---|---|---|
SystemDirectory | 不可 | 絶対パスで指定します。 | TRMのクラスタ機能が使用するシステムファイルを格納するフォルダを指定します。 |
以下に、Clusterセクションの記述例を示します。
[Cluster] SystemDirectory = x:\trmsysdir |
TRMをクラスタアプリケーションで使用する場合、共用ディスク上に"17.1.2.2 ファイル容量の見積り"に示すファイル容量が必要です。
必要なファイル容量を確保してから以降の操作を実行してください。
TRM用のディスクリソースのオンライン
フェールオーバークラスター マネージャーを使用して、TRM用のディスクリソースをオンラインにします。
運用ノード上でのTRM環境の作成
運用ノード上でTRM環境を作成します。TRM環境の作成は、通常の環境作成と同様に、trmqdsetupコマンドを使用します。
以下に、trmqdsetupコマンドの実行例を示します。
trmqdsetup -p -f d:\trmdev\trmqdsetup.def |
コマンドの文法については、"20.2.1 trmqdsetup (TRMのシステム環境の作成)"を参照してください。
待機ノード上でのTRM環境の作成
待機ノード上でTRM環境を作成します。このとき、切替えディスクにアクセスできるようにする必要はありません。TRM環境の作成は、trmqdsetupコマンドを使用します。運用ノード上に環境を作成したときと同一内容のTRM環境定義、および待機ノード上での環境作成を意味する-hオプションを指定します。
以下に、trmqdsetupコマンドの実行例を示します。
trmqdsetup -p -f d:\trmdev\trmqdsetup.def -h |
クラスタ環境において待機系の場合に指定します。
その他の文法については、"20.2.1 trmqdsetup (TRMのシステム環境の作成)"を参照してください。
TRMの起動
共有記憶装置上の物理ディスクにアクセス可能なノード上で、TRMを起動します。
TRMの起動については、"18.1.1 TRMの起動"を参照してください。
メッセージキューの作成
TROおよびJournalTransferが使用するメッセージキューを作成します。
メッセージキューの作成は、trmqdcrtqコマンドで行います。trmqdcrtqコマンドの詳細については、"20.2.5 trmqdcrtq (メッセージキューの作成)"を参照してください。また、オプションの指定方法については、"23.2.3.1 TRMのメッセージキュー環境"を参照してください。
クラスタシステムでJournalTransferを使用するためには、JournalTransferの環境がクラスタシステムに対応している必要があります。
JournalTransfer環境の作成手順は以下のとおりです。
図28.34 JournalTransfer環境の作成手順
CKPTファイルの作成
JournalTransferが使用するCKPTファイルを作成します。
CKPTファイルの作成方法については、"23.2.3.1 TRMのメッセージキュー環境"を参照してください。
サービス定義の作成
JournalTransferサービスのサービス定義に、起動するJournalTransferシステムを定義します。
サービス定義の詳細については、"23.2.1 JournalTransferサービスのサービス定義"を参照してください。
起動パラメタの作成
JournalTransferが使用する起動パラメタを作成します。
起動パラメタは共有記憶装置上の物理ディスクに作成する必要があります。起動パラメタの詳細については、"23.2.2 JournalTransferシステムの起動パラメタ"を参照してください。
JournalTransferサービスの起動
JournalTransferを運用するためにJournalTransferサービスを起動します。
詳細については、"24.2.1 起動方法"を参照してください。
JournalTransferサービスの停止
JournalTransferサービスを停止します。
詳細については、"24.2.2 停止方法"を参照してください。
TRMの停止
TRMを停止します。
TRMの停止については、"18.1.6 TRMの停止"を参照してください。
TRM用のディスクリソースのオフライン
フェールオーバー クラスター マネージャーを使用して、TRM用のディスクリソースをオフラインにします。
TROの環境作成は、運用系と待機系の両ノードで行ってください。TROの環境作成の詳細については、"4.3 逐次差分反映環境の作成" を参照してください。
TROをフェールオーバー クラスタリングのクラスタシステムで動作させるための環境を作成する手順は以下のとおりです。
“役割”のプロパティの設定
リソースの登録
リソースのプロパティの設定
TROが所属する"役割"のプロパティを設定します。この"役割"に所属する他のリソースや業務運用を考慮して、システムとして適切な値を設定してください。
障害発生時にすぐにフェールオーバーするための、"役割"のプロパティの設定は、以下のとおりです。
期間(時間) | 0 |
各リソースのプロパティは、"28.3.1.6.3 リソースのプロパティの設定"に示す状態であることを前提とします。
TROをフェールオーバー クラスタリングで動作させるために、関連するリソースをすべてTRO用の”役割”に登録します。登録は、フェールオーバー クラスター マネージャーを使用して行います。
Symfoware/RDBの場合
データベースシステムにSymfoware/RDBを使用する場合に登録するリソースの一覧を"表28.5 TROのリソース一覧(Symfoware/RDB)"に示します。
リソース資源(リソース名) | リソースの種類 | 依存関係(依存先) |
---|---|---|
ドライブ名 | 物理ディスク | なし |
クライアント アクセス ポイント | ネットワーク | ドライブ名 |
Symfoware/RDBサービス | 汎用サービス | クライアント アクセス ポイント |
TRMサービス[注1] | 汎用サービス | Symfoware/RDBサービス |
JournalTransferサービス[注2] | 汎用サービス | TRMサービス |
TROサービスの起動[注2] | 汎用サービス | JournalTransferサービス |
逐次差分反映の起動[注3] | 汎用アプリケーション | TROサービスの起動 |
逐次差分反映の停止制御[注4] | 汎用スクリプト | 逐次差分反映の起動 |
[注1]TRMのシステム環境を作成したときに登録されたサービス名を登録します。詳細については、"17.1.5 TRMのシステム環境の作成"を参照してください。
[注2]括弧内の文字列を登録します。
[注3]逐次差分反映を起動する汎用アプリケーションとして登録できるバッチファイルは、以下のファイルで提供しています。ファイルを複写し、環境に合わせて修正したうえで使用してください。
インストールフォルダ\TRO\sample\lnktrosvc.bat |
[注4] 逐次差分反映を停止するための汎用スクリプトおよびバッチファイルは、以下のファイルで提供しています。ファイルを複写し、環境に合わせて修正したうえで使用してください。
インストールフォルダ\TRO\sample\stoptro.vbs | リソースに登録する汎用スクリプトのサンプルです。逐次差分反映を停止するためのバッチファイルのパスを環境に合わせて修正します。 |
インストールフォルダ\TRO\sample\stoptro.bat | 汎用スクリプトから呼ばれるバッチファイルのサンプルです。逐次差分反映を停止するためのコマンドを記述します。 |
Symfoware/pgsの場合
データベースシステムにSymfoware/pgsを使用する場合に登録するリソースの一覧を"表28.6 TROのリソース一覧(Symfoware/pgs)"に示します。
リソース資源(リソース名) | リソースの種類 | 依存関係(依存先) |
---|---|---|
ドライブ名 | 物理ディスク | なし |
クライアント アクセス ポイント | ネットワーク | ドライブ名 |
データベースクラスタのサービス | 汎用サービス | クライアント アクセス ポイント |
TRMサービス[注1] | 汎用サービス | データベースクラスタのサービス |
JournalTransferサービス[注2] | 汎用サービス | TRMサービス |
TROサービスの起動[注2] | 汎用サービス | JournalTransferサービス |
逐次差分反映の起動[注3] | 汎用アプリケーション | TROサービスの起動 |
逐次差分反映の停止制御[注4] | 汎用スクリプト | 逐次差分反映の起動 |
[注1]TRMのシステム環境を作成したときに登録されたサービス名を登録します。詳細については、"17.1.5 TRMのシステム環境の作成"を参照してください。
[注2]括弧内の文字列を登録します。
[注3]逐次差分反映を起動する汎用アプリケーションとして登録できるバッチファイルは、以下のファイルで提供しています。ファイルを複写し、環境に合わせて修正したうえで使用してください。
インストールフォルダ\TRO\sample\lnktrosvc.bat |
[注4] 逐次差分反映を停止するための汎用スクリプトおよびバッチファイルは、以下のファイルで提供しています。ファイルを複写し、環境に合わせて修正したうえで使用してください。
インストールフォルダ\TRO\sample\stoptro.vbs | リソースに登録する汎用スクリプトのサンプルです。逐次差分反映を停止するためのバッチファイルのパスを環境に合わせて修正します。 |
インストールフォルダ\TRO\sample\stoptro.bat | 汎用スクリプトから呼ばれるバッチファイルのサンプルです。逐次差分反映を停止するためのコマンドを記述します。 |
Enterprise Postgresの場合
データベースシステムにEnterprise Postgresを使用する場合に登録するリソースの一覧を"表28.7 TROのリソース一覧(Enterprise Postgres)"に示します。
リソース資源(リソース名) | リソースの種類 | 依存関係(依存先) |
---|---|---|
ドライブ名 | 物理ディスク | なし |
クライアント アクセス ポイント | ネットワーク | ドライブ名 |
データベースクラスタのサービス | 汎用サービス | クライアント アクセス ポイント |
TRMサービス[注1] | 汎用サービス | データベースクラスタのサービス |
JournalTransferサービス[注2] | 汎用サービス | TRMサービス |
TROサービスの起動[注2] | 汎用サービス | JournalTransferサービス |
逐次差分反映の起動[注3] | 汎用アプリケーション | TROサービスの起動 |
逐次差分反映の停止制御[注4] | 汎用スクリプト | 逐次差分反映の起動 |
[注1]TRMのシステム環境を作成したときに登録されたサービス名を登録します。詳細については、"17.1.5 TRMのシステム環境の作成"を参照してください。
[注2]括弧内の文字列を登録します。
[注3]逐次差分反映を起動する汎用アプリケーションとして登録できるバッチファイルは、以下のファイルで提供しています。ファイルを複写し、環境に合わせて修正したうえで使用してください。
インストールフォルダ\TRO\sample\lnktrosvc.bat |
[注4] 逐次差分反映を停止するための汎用スクリプトおよびバッチファイルは、以下のファイルで提供しています。ファイルを複写し、環境に合わせて修正したうえで使用してください。
インストールフォルダ\TRO\sample\stoptro.vbs | リソースに登録する汎用スクリプトのサンプルです。逐次差分反映を停止するためのバッチファイルのパスを環境に合わせて修正します。 |
インストールフォルダ\TRO\sample\stoptro.bat | 汎用スクリプトから呼ばれるバッチファイルのサンプルです。逐次差分反映を停止するためのコマンドを記述します。 |
Oracleの場合
データベースシステムにOracleを使用する場合に登録するリソースの一覧を"表28.8 TROのリソース一覧(Oracle)"に示します。
リソース資源(リソース名) | リソースの種類 | 依存関係(依存先) |
---|---|---|
ドライブ名 | 物理ディスク | なし |
クライアント アクセス ポイント | ネットワーク | ドライブ名 |
Oracle Netのリスナー | Oracle TNS Listener | クライアント アクセス ポイント |
Oracleデータベース | Oracle Database | Oracle Netのリスナー |
TRMサービス[注1] | 汎用サービス | Oracleデータベース |
JournalTransferサービス[注2] | 汎用サービス | TRMサービス |
TROサービスの起動[注2] | 汎用サービス | JournalTransferサービス |
逐次差分反映の起動[注3] | 汎用アプリケーション | TROサービスの起動 |
逐次差分反映の停止制御[注4] | 汎用スクリプト | 逐次差分反映の起動 |
[注1]TRMのシステム環境を作成したときに登録されたサービス名を登録します。詳細については、"17.1.5 TRMのシステム環境の作成"を参照してください。
[注2]括弧内の文字列を登録します。
[注3]逐次差分反映を起動する汎用アプリケーションとして登録できるバッチファイルは、以下のファイルで提供しています。ファイルを複写し、環境に合わせて修正したうえで使用してください。
インストールフォルダ\TRO\sample\lnktrosvc.bat |
[注4] 逐次差分反映を停止するための汎用スクリプトおよびバッチファイルは、以下のファイルで提供しています。ファイルを複写し、環境に合わせて修正したうえで使用してください。
インストールフォルダ\TRO\sample\stoptro.vbs | リソースに登録する汎用スクリプトのサンプルです。逐次差分反映を停止するためのバッチファイルのパスを環境に合わせて修正します。 |
インストールフォルダ\TRO\sample\stoptro.bat | 汎用スクリプトから呼ばれるバッチファイルのサンプルです。逐次差分反映を停止するためのコマンドを記述します。 |
SQL Serverの場合
データベースシステムにSQL Serverを使用する場合に登録するリソースの一覧を"表28.9 TROのリソース一覧(SQL Server)"に示します。
リソース資源(リソース名) | リソースの種類 | 依存関係(依存先) |
---|---|---|
ドライブ名 | 物理ディスク | なし |
クライアント アクセス ポイント | ネットワーク | なし |
SQL Server | SQL Server | ドライブ名 |
TRMサービス[注1] | 汎用サービス | SQL Server |
JournalTransferサービス[注2] | 汎用サービス | TRMサービス |
TROサービスの起動[注2] | 汎用サービス | JournalTransferサービス |
逐次差分反映の起動[注3] | 汎用アプリケーション | TROサービスの起動 |
逐次差分反映の停止制御[注4] | 汎用スクリプト | 逐次差分反映の起動 |
[注1]TRMのシステム環境を作成したときに登録されたサービス名を登録します。詳細については、"17.1.5 TRMのシステム環境の作成"を参照してください。
[注2]括弧内の文字列を登録します。
[注3]逐次差分反映を起動する汎用アプリケーションとして登録できるバッチファイルは、以下のファイルで提供しています。ファイルを複写し、環境に合わせて修正したうえで使用してください。
インストールフォルダ\TRO\sample\lnktrosvc.bat |
[注4] 逐次差分反映を停止するための汎用スクリプトおよびバッチファイルは、以下のファイルで提供しています。ファイルを複写し、環境に合わせて修正したうえで使用してください。
インストールフォルダ\TRO\sample\stoptro.vbs | リソースに登録する汎用スクリプトのサンプルです。逐次差分反映を停止するためのバッチファイルのパスを環境に合わせて修正します。 |
インストールフォルダ\TRO\sample\stoptro.bat | 汎用スクリプトから呼ばれるバッチファイルのサンプルです。逐次差分反映を停止するためのコマンドを記述します。 |
登録したリソースのプロパティを設定します。設定値は、業務アプリケーションの異常時の動作(再起動するのかフェールオーバーするのかなど)も考慮する必要があります。ここでは、ソフトウェアの障害などが発生した場合でも、グループ全体を別ノードへすぐにフェールオーバーすることにより、業務のダウン時間を極力短くする設定値で説明します。特に問題がなければ、この値に設定することをお勧めします。なお、ここで説明していない値については、リソース登録時の値をそのまま使用してください。
データベースの種類によっては、データベースに関連するリソースが自動的に作成されます。それらを含むすべてのリソースに対して、すぐにフェールオーバーするための値を設定してください。
全般
リソース登録後、コマンドプロンプトから、TRMサービスのセットアップ パラメータを設定してください。TRMシステム名が"TRM001"の場合は、以下のとおりです。
cluster resource "Transactional Replication MessageQueueDirector TRM001" /priv StartupParameters="" |
設定後にリソースのプロパティの[全般]タブを開き、セットアップ パラメータが、StartupParametersに指定した内容と一致することを確認してください。
依存関係 | 使用するデータベースシステムに応じて設定します。 |
リソースが失敗状態になった場合には、現在のノードで再起動を試みる | チェックします。[注1] |
指定期間内での再起動の試行回数 | 0を設定します。 |
再起動に失敗した場合は、この役割のすべてのリソースをフェールオーバーする | チェックします。 |
[注1] "役割"にリソースとして登録した各機能の起動を確認したあと、この値に設定してください。リソースの登録時点では、再開しない設定にしておいてください。
実行可能な所有者 | 両方のノードを設定します。 |
“役割”にリソースとして登録した各機能の動作確認を実施します。
起動
フェールオーバー
運用が自動継続できること
各操作はフェールオーバークラスター マネージャーを使用して行います。フェールオーバー クラスター マネージャーの詳細については、マイクロソフト社が提供しているマニュアルを参照してください。
また、障害が発生したノードでは、システムの再起動が必要です。
起動の確認
“役割”にリソースとして登録した各機能の起動を確認します。確認方法は以下のとおりです。
フェールオーバークラスター マネージャーを使用して、” 役割”をオンラインにします。すべてのリソースがオンラインになれば、正しく動作したことになります。オンラインにならないリソースがある場合は、イベントビューアなどを参照のうえ、オンラインにならない原因を取り除く必要があります。
なお、起動を確認する場合、各リソースのプロパティで[リソースが失敗状態になった場合には、現在のノードで再起動を試みる]をチェックしないことをお勧めします。[リソースが失敗状態になった場合には、現在のノードで再起動を試みる]に設定しておくと、起動に失敗した場合にフェールオーバーを繰り返すことになります。起動を確認したあとに、[リソースが失敗状態になった場合には、現在のノードで再起動を試みる]をチェックしてください。
フェールオーバーの確認
フェールオーバー クラスター マネージャーを使用して、TROの所属する”役割”内の任意のリソースに障害を発生させます。フェールオーバーが発生し、別ノードに”役割”が移動したあとにすべてのリソースがオンラインに遷移すれば正しく動作したことになります。フェールオーバーしない場合には、各リソースのプロパティの設定に誤りのあることが考えられます。設定を見直してください。また、別ノードでオンラインにならないリソースがある場合には、イベントビューアなどを参照のうえ、原因を取り除いてください。
運用が自動継続できることの確認
フェールオーバーの後に、運用が自動的に継続できることを確認します。フェールオーバー クラスタリングに登録したリソースの確認は完了しているため、ここでは逐次差分反映を観点とした確認を実施します。