相手ホストシステムのグループ化は、富士通メインフレームから発呼接続を行う場合に使用する機能です。
セション振分けを行うシステムでは、富士通メインフレームごとに配置や起動状態が異なる業務アプリケーションに接続するために、業務アプリケーションごとにサーバ負荷分散装置の仮想IPアドレスおよび富士通メインフレームのIPアドレスが必要です。しかし、富士通メインフレームから発呼接続を行う場合、NETSTAGE/FICは、サーバ負荷分散装置の仮想IPアドレスではなく、富士通メインフレームのIPアドレスと通信を行います。このとき、富士通メインフレームが使用するIPアドレスは、通信あて先(NETSTAGE/FICのIPアドレス)により選択されるため、富士通メインフレームの応用プログラムおよびAIMプロシジャには依存しません。
以上のことから、ある1つの富士通メインフレーム上の業務アプリケーションと通信を行うときでも、富士通メインフレームへの着呼接続を行う場合と富士通メインフレームから発呼接続を行う場合で、NETSTAGE/FICの通信相手のIPアドレスが異なります。このように、1つの富士通メインフレーム上の業務アプリケーションとの通信で使用するIPアドレスが、富士通メインフレームへ着呼接続を行う場合と富士通メインフレームから発呼接続を行う場合で異なるとき、それらのIPアドレスを定義する相手ホストシステム定義文(dhost定義文)では、dhostgrオペランドを指定して相手ホストシステムをグループ化してください。
これにより、1つの応用プログラム(enrsc定義文)およびAIMプロシジャ資源(apcrsc定義文)に対して、複数の相手ホストシステム(dhost定義文)を対応付けて通信することができます。
図1.16 相手ホストシステムのグループ化
dhost定義文については、“4.4.2 相手ホストシステム定義文(dhost)”を参照してください。