サーバアプリケーションを作成するには、次の手順をたどる必要があります。
COBOL実行基盤インタフェースを含めずに、通常のCOBOLアプリケーションと同様に業務ロジックを作成し、コンパイル、リンク、デバッグ、および修正の作業を繰り返します。
そのあと、COBOL実行基盤インタフェースを含めてコンパイル、およびリンクを実行し、アプリケーションライブラリを作成します。デバッグは、アプリケーション連携実行基盤にアプリケーションライブラリを配備した状態で実行します。
サーバアプリケーションのコンパイル・リンクは、以下の方法で行います。
ここでは、COBOL実行基盤インタフェースを含めないサーバアプリケーションのコンパイル、リンク、およびデバッグ方法について説明します。COBOL実行基盤インタフェースを含むサーバアプリケーションのコンパイルおよびリンクについては“14.4.6 COBOL実行基盤インタフェースを含むコンパイル・リンク”を参照してください。
COBOL/CORBAリモート開発機能を利用した開発では、ソースファイルの作成からサーバアプリケーションのビルドまでをすべてWindows開発環境側で作業し、ビルドするとサーバアプリケーションがサーバ側に作成されます。
COBOL/CORBAリモート開発機能の詳細については“NetCOBOL Studio ユーザーズガイド”の“リモート開発”を参照してください。
サーバアプリケーションを作成するために、Interstage Studio上に作成したCOBOLプロジェクトに対して、以下の作業を行います。
翻訳オプションの設定
リモート開発の設定
プリコンパイラの設定(データベースアクセス管理機能を使用する場合)
メイクファイルの生成
サーバアプリケーションのビルド
サーバアプリケーションのデバッグ
◆翻訳オプションの設定
プロジェクトで管理するソースファイルを翻訳するときに有効になる翻訳オプションを指定します。スレッドモード版のサーバアプリケーションを作成する場合は翻訳オプション“THREAD(MULTI)”が必要です。
アプリケーション連携実行基盤で動作するサーバアプリケーションでは以下の翻訳オプションを指定してはいけません。
NOALPHAL
BINARY(WORD,MLBOFF)
BINARY(BYTE)
ASCOMP5(ALL)
ASCOMP5(BINARY)
ASCOMP5(COMP)
参照
そのほかの翻訳オプションについては、“NetCOBOL Studio ユーザーズガイド”の“翻訳オプション”を参照してください。
■リモート開発の設定
COBOL/CORBAリモート開発機能で使用するために、以下の設定を行います。
サーバ情報の設定
プロジェクトのリモート開発設定
◆サーバ情報の設定
サーバと連携するための情報を設定します。
以下の手順でInterstage Studioの[新規]ダイアログボックスを表示し、サーバ情報を設定します。
メニューバーから[ウィンドウ] > [設定]を選択します。[設定]ダイアログボックスが表示されます。
[設定]ダイアログボックスの左のペインで[COBOL] > [リモート開発]を選択します。[リモート開発]ページが表示されます。
[リモート開発]ページで[新規]をクリックします。[新規]ダイアログボックスが表示されます。
[新規]ダイアログボックスでサーバ情報を設定します。設定する情報については、“NetCOBOL Studio ユーザーズガイド”の“サーバに接続するための準備”を参照してください。
◆プロジェクトのリモート開発設定
COBOL/CORBAリモート開発機能を利用してリモート開発を行うCOBOLプロジェクトに、リモート開発の情報を設定します。
以下の手順でプロジェクトにリモート開発の情報を設定します。
[依存]ビューまたは[構造]ビューでリモート開発のサーバ情報を設定するプロジェクトを選択します。
コンテキストメニューから[プロパティ]を選択します。[プロパティ]ダイアログボックスが表示されます。
[プロパティ]ダイアログボックスの左のペインで[リモート開発]を選択すると、[リモート開発]ページが表示されます。[ホスト名]は“◆サーバ情報の設定”で設定したホスト名を選択します。また、[サーバディレクトリ]には資産を転送するサーバディレクトリをフルパスで指定してください。
参照
プロジェクトのリモート開発設定の詳細については、“NetCOBOL Studio ユーザーズガイド”の“サーバに接続するための準備”を参照してください。
■プリコンパイラの設定(データベースアクセス管理機能を使用する場合)
データベースアクセス管理機能を使用するプログラムは、プロジェクトでプリコンパイラの設定を行います。プリコンパイラのコマンドおよびコマンドパラメタは使用するデータベースシステムにあわせて設定してください。指定するコマンドおよびパラメタは、“第20章 データベースアクセス管理機能”を参照してください。コマンド、およびコマンドパラメタの設定方法は、“NetCOBOL Studio ユーザーズガイド”の“プリコンパイラを使用したCOBOLプログラムの作成”を参照してください。
注意
プリコンパイラのコマンドを呼び出すためには、COBOLプロジェクトのプリコンパイラ連携情報、またはコマンドを実行する環境の環境変数にコマンドのフルパスを設定する必要があります。
ポイント
プリコンパイラ入力ソースをCOBOLエディタで編集する場合、プリコンパイラ入力ソースの拡張子をCOBOLエディタへ関連付ける必要があります。以下の手順でプリコンパイラ入力ソースの拡張子をCOBOLエディタへ関連付けてください。
メニューバーから[ウィンドウ] > [設定]を選択します。
[設定]画面が表示されます。
[設定]画面の左のペインから[一般] > [エディタ] > [ファイルの関連付け]を選択します。
[ファイルの関連付け]ページでプリコンパイラ入力ソースの拡張子をCOBOLエディタへ関連付けます。
■メイクファイルの生成
サーバアプリケーションをビルドするためのメイクファイルを生成します。メイクファイルの生成方法については、“NetCOBOL Studio ユーザーズガイド”の“メイクファイルの生成手順”を参照してください。
データベースアクセス管理機能を使用する場合は、プリコンパイラが使用するライブラリも追加する必要があります。リンクするライブラリについては、“第20章 データベースアクセス管理機能”を参照してください。
注意
メイクファイルの生成時に、[オプション設定]ダイアログボックスでターゲット名を変更した場合、ビルド対象のCOBOL実行基盤インタフェースと不整合が発生する場合があります。メイクファイルのターゲット名を変更した場合は、COBOLプロジェクトのターゲット名をメイクファイルのターゲット名と一致させた状態でCOBOL実行基盤インタフェースを生成してください。
以下の条件でメイクファイルを生成した場合、メイクファイルの生成によって生成したメイクファイルを修正する必要があります。
サーバ側のNetCOBOL製品のバージョンがV9.1以前の場合、かつ
“■プリコンパイラの設定(データベースアクセス管理機能を使用する場合)”で、プリコンパイラの出力ソースの拡張子に“cobol”を指定した場合
以下にメイクファイルの修正箇所を示します。
ファイル名 | 編集前(注1) | 編集後(注1) | 説明 |
---|---|---|---|
Makefile | (省略) | (省略) | プリコンパイラによって出力される“xxxx.cobol”(注2)が主プログラムではない場合、コンパイルオプションから“-M”を取り除きます。 |
(省略) | (省略) | プリコンパイラの出力ソースの仕様に合わせます。 |
注1)“△”は、実際のファイルではタブを示します。
注2)拡張子を除くファイル名の部分はプロジェクトごとに異なります。
注3)拡張子“.scob”はSymfoware Serverのプリコンパイラ入力ソースの例です。
■サーバアプリケーションのビルド
COBOL/CORBAリモート開発機能を利用して、サーバアプリケーションをビルドします。以下に、サーバアプリケーションをビルドする手順を示します。
プロジェクトのコンテキストメニューから[リモート開発] > [ビルド]を選択してください。サーバに格納された資産を使用して、実行環境上でビルドが実行されます。
処理が正常終了した場合、“■リモート開発の設定”で指定したサーバディレクトリにライブラリが生成されます。
参照
COBOL/CORBAリモート開発機能を利用したサーバアプリケーションのビルドの詳細については、“NetCOBOL Studio ユーザーズガイド”の“リモート開発”を参照してください。
■サーバアプリケーションのデバッグ
リモートデバッガを使用して、Windowsの開発環境からサーバアプリケーションをリモートデバッグします。リモートデバッグの詳細については、“NetCOBOL Studio ユーザーズガイド”の“リモートデバッグ”を参照してください。
Interstage Studio上でのビルドツールを使用したWindows開発環境でのビルドでは、ソースファイルの作成からサーバアプリケーションのビルドまでをWindows開発環境側で作業します。ビルドするとサーバアプリケーションはWindows開発環境に作成されます。
サーバアプリケーションを作成するために、Interstage Studio上に作成したCOBOLプロジェクトに対して、以下の作業を行います。
翻訳オプションの設定
プリコンパイラの設定(データベースアクセス管理機能を使用する場合)
リンクするライブラリの設定
サーバアプリケーションのビルド
サーバアプリケーションのデバッグ
■翻訳オプションの設定
プロジェクトで管理するソースファイルを翻訳するときに有効になる翻訳オプションを指定します。スレッドモード版のサーバアプリケーションを作成する場合は翻訳オプション“THREAD(MULTI)”が必要です。
アプリケーション連携実行基盤で動作するサーバアプリケーションでは以下の翻訳オプションを指定してはいけません。
NOALPHAL
BINARY(WORD,MLBOFF)
BINARY(BYTE)
ASCOMP5(ALL)
ASCOMP5(BINARY)
ASCOMP5(COMP)
参照
そのほかの翻訳オプションについては、”NetCOBOL Studio ユーザーズガイド”の“翻訳オプション”を参照してください。
■プリコンパイラの設定(データベースアクセス管理機能を使用する場合)
データベースアクセス管理機能を使用するプログラムは、プロジェクトでプリコンパイラの設定を行います。プリコンパイラのコマンドおよびコマンドパラメタは使用するデータベースシステムにあわせて設定してください。指定するコマンドおよびパラメタは、“第20章 データベースアクセス管理機能”を参照してください。
コマンド、およびコマンドパラメタの設定方法は、”NetCOBOL Studio ユーザーズガイド”の“プリコンパイラを使用したCOBOLプログラムの作成”を参照してください。
ポイント
プリコンパイラ入力ソースをCOBOLエディタで編集する場合、プリコンパイラ入力ソースの拡張子をCOBOLエディタへ関連付ける必要があります。以下の手順でプリコンパイラ入力ソースの拡張子をCOBOLエディタへ関連付けてください。
メニューバーから[ウィンドウ] > [設定]を選択します。
[設定]画面が表示されます。
[設定]画面の左のペインから[一般] > [エディタ] > [ファイルの関連付け]を選択します。
[ファイルの関連付け]ページでプリコンパイラ入力ソースの拡張子をCOBOLエディタへ関連付けます。
■リンクするライブラリの設定
データベースアクセス管理機能を使用する場合は、プリコンパイラが使用するライブラリも追加する必要があります。
リンクするライブラリについては、“第20章 データベースアクセス管理機能”を参照してください。
リンクするライブラリの設定方法は、”NetCOBOL Studio ユーザーズガイド”の“リンクオプションの設定”を参照してください。
■サーバアプリケーションのビルド
Interstage Studio上でのビルドツールを使用してサーバアプリケーションをビルドします。
ビルド対象のプロジェクトを選択して、コンテキストメニューから[プロジェクトのビルド]を選択してください。
ポイント
Interstage Studioのメニューバーの[プロジェクト] > [自動的にビルド]がチェックされている場合、コンパイルは自動で実行されます。
■サーバアプリケーションのデバッグ
Interstage Studio上でCOBOLデバッガを使用して、Windows開発環境上でサーバアプリケーションをデバッグします。
COBOLデバッガを使用したデバッグの詳細については、”NetCOBOL Studio ユーザーズガイド”の“デバッグ機能”を参照してください。
NetCOBOLのcobolコマンドを使用したビルドは、Windows開発環境上で作成したソースファイルをFTPなどでサーバに転送し、サーバ上で行います。cobolコマンドを使用したビルドは、以下の作業を行います。
翻訳オプションの設定
プリコンパイルの実行(データベースアクセス管理機能を使用する場合)
サーバアプリケーションの作成
サーバアプリケーションのデバッグ
■翻訳オプションの設定
COBOLコンパイラに与える翻訳オプションを設定します。スレッドモード版のサーバアプリケーションを作成する場合は翻訳オプション“THREAD(MULTI)”が必要です。
なお、アプリケーション連携実行基盤で動作するサーバアプリケーションでは以下の翻訳オプションを指定してはいけません。
NOALPHAL
BINARY(WORD,MLBOFF)
BINARY(BYTE)
ASCOMP5(ALL)
ASCOMP5(BINARY)
ASCOMP5(COMP)
参照
そのほかの翻訳オプションについては、“NetCOBOL ユーザーズガイド”または“NetCOBOL 使用手引書”の“翻訳オプション”を参照してください。
■プリコンパイルの実行(データベースアクセス管理機能を使用する場合)
データベースアクセス管理機能を使用するサーバアプリケーションを作成する場合は、プリコンパイルを実行し、SQL文が埋め込まれたソースファイルからコンパイル可能なソースファイルを作成します。プリコンパイルのコマンド、パラメタ、およびリンクするライブラリについては、“第20章 データベースアクセス管理機能”を参照してください。
■サーバアプリケーションの作成
NetCOBOLのcobolコマンドを使用してCOBOLソースファイルを翻訳し、サーバアプリケーションを作成します。cobolコマンドを使用したCOBOLソースファイルの翻訳については、“NetCOBOL ユーザーズガイド”または“NetCOBOL 使用手引書”の“cobolコマンド”を参照してください。
■サーバアプリケーションのデバッグ
作成したサーバアプリケーションを、NetCOBOLのデバッグ機能を使用してデバッグします。
NetCOBOLのデバッグ機能を使用したデバッグ方法については、“NetCOBOL ユーザーズガイド”の“テスト支援機能”または“NetCOBOL 使用手引書”の“プログラムのデバッグ”を参照してください。