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Interstage List Works V10.4.0 帳票保管活用機能セットアップガイド(拡張パッケージ)
FUJITSU Software

3.4.1 List Works組込データベースの環境設定

List Worksが提供するデータベースを使用する場合は、以下の手順で保管データベースの環境設定を行います。なお、保管データベースの環境設定はスーパーユーザで行います。

作業項目

クラスタ環境での作業

(1) ディスクスペースの見積もり

(2) カーネルパラメタの編集

両ノード

(3) パーティションの作成

運用系ノード

(4) udevのブロックデバイス名を特定

(5) シンボリックリンクの作成

(6) RDBディレクトリの作成

(7) RDB構成パラメタファイルの作成

両ノード

(8) 保管データベースの作成 (データベース構築スクリプトの実行)

運用系ノード


クラスタ環境での保管データベースの環境設定は運用系ノードで(4)~(6)を除く(2)~(8)を行った後に、待機系ノードで行ってください。また、待機系ノードで作業するときは、共有ディスクを待機系側に切り替えてから作業する必要があります。

 切り替え方法などの詳細は、“PRIMECLUSTERのマニュアル”を参照してください。

(1) ディスクスペースの見積もり

保管データベースの運用には、運用に必要な資源ごとにパーティション(ディスクの区画)が必要です。パーティションに必要なサイズと定義ファイルを以下に示します。

資源

サイズ (注)

定義ファイル

ディスク・パーティション

RDBディクショナリ

100MB以上

createLWDB.sh

ローデバイス

RDBディレクトリファイル、パフォーマンスデータ格納ファイル

600MB以上

LWDB.cfg

ファイルシステム
または
ローデバイス(クラスタシステムで運用する場合のみ)

ログ管理ファイル
テンポラリログファイル

1500MB以上

LWDB.cfg
createLWDB.sh

ローデバイス

データベーススペース

Database見積もりツールの算出値のサイズ以上が必要です。
標準規模の場合は、1072MB以上です。

createLWDB.dat

ローデバイス

注:容量の拡張に備え、ある程度余裕のあるサイズを見積もることを推奨します。

例)RDBディクショナリ:1GB
   RDBディレクトリファイル、パフォーマンスデータ格納ファイル:1GB
   ログ管理ファイル、テンポラリログファイル:2GB
   データベーススペース:5GB

保管データベースの運用に必要なディスク容量の見積もりは、Database見積もりツールを使用して行います。見積もりによって求めた値は、“3.4.4 保管データベース作成用のファイル編集<List Works組込データベース、またはSymfowareを使用する場合のみ>”で使用します。

Database見積もりツール(dbmitsumori.xls)は、List Worksのインストールメディアに格納されています。

(2) カーネルパラメタの編集

Web連携機能を使用する(Interstage Application Serverを利用する)場合は、Linuxのカーネルパラメタを編集する必要があります。

なお、Web連携機能を使用する(Interstage Application Serverを利用しない)場合は、“3.3.1 システムパラメタの設定”の“標準的な構成の場合”で、すでに設定されています。

手順1:カーネルパラメタの編集

「/etc/sysctl.conf」ファイルを編集し、カーネルパラメタ値を変更します。

パラメタ名

必要数

扱い

kernel.shmmax

43632640

最大値

kernel.shmmni

160

加算

kernel.sem

(注)

kernel.msgmax

128

最大値

kernel.msgmnb

4096

最大値

kernel.msgmni

100

加算

kernel.shmall

10908160

加算

最大値:すでに設定されている値と比較して、大きい方の値を設定してください。
加算:すでに設定されている値に、必要数を加算した値を設定してください。

注:

以下の形式で指定します。

kernel.sem = para1 para2 para3 para4

para1 para2 para3 para4に下表の値を設定してください。

パラメタ名

必要数

扱い

para1

50

最大値

para2

960

加算

para3

変更する必要はありません。

para4

310

加算

現在設定されているカーネルパラメタ値は、sysctlコマンドで確認できます。

# /sbin/sysctl -a
手順2:Linuxカーネルへの反映

以下のコマンドを実行、またはシステムを再起動して、カーネルパラメタ値の変更をLinuxカーネルへ反映します。

# /sbin/sysctl -p /etc/sysctl.conf

(3) パーティションの作成

List Worksの保管データベースに必要なパーティションを、partedコマンドを利用して作成します。

ディスクから必要な大きさのパーティションを切り出してブロックデバイスを作成します。ブロックデバイスに対してシンボリックリンクを設定することで、ローデバイスとして使用します。

List Worksのデータベースの運用に必要な、以下の資源を格納するローデバイスを作成します。

ローデバイスは資源ごとに作成する必要があります。

なお、ブロックデバイスに対して初期化を行う必要はありません。


 各パーティションのサイズについては、“(1) ディスクスペースの見積もり”を参照してください。partedコマンドの詳細については、“Linuxシステムのマニュアル”を参照してください。

ポイント

各資源に対応するパーティションは、以降の作業の資源作成時に必要となります。各資源と対応するパーティションを控えることを推奨します。

(4) udevのブロックデバイス名を特定

ディスクのパーティションに対応するudevのブロックデバイス名を特定します。

udevのブロックデバイス名には、by-id名とby-path名があります。なお、特定したudevのブロックデバイスとディスクパーティションの情報は対応表などを作成することを推奨します。

by-id使用時のディスク交換やby-path使用時の接続構成変更により、udevのブロックデバイス名が変更になる可能性があります。udevのブロックデバイス名が変更になった場合、本設定およびアクセス権の設定ルールの変更を実施してください。

 udevのブロックデバイス名の詳細については、“Linuxシステムのマニュアル”を参照してください。
by-id名を使用する場合

ディスク(/dev/sda5)に対するudevのブロックデバイス名の特定をする場合の例を、以下に示します。

なお、/dev/sda5のudevのブロックデバイス名は、scsi-3600508e000000000a49181f95a10550epart5となります。

# cd /dev/disk/by-id
# ls -l
lrwxrwxrwx 1 root root 9 12 月 17 10:42 scsi-3600508e000000000a49181f95a10550e -> ../../sda
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12 月 17 10:42 scsi-3600508e000000000a49181f95a10550e -part1 -> ../../sda1
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12 月 17 10:42 scsi-3600508e000000000a49181f95a10550e -part2 -> ../../sda2
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12 月 17 10:42 scsi-3600508e000000000a49181f95a10550e -part3 -> ../../sda3
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12 月 17 10:42 scsi-3600508e000000000a49181f95a10550e -part4 -> ../../sda4
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12 月 17 10:42 scsi-3600508e000000000a49181f95a10550e -part5 -> ../../sda5
by-path名を使用する場合

ディスク(/dev/sda5)に対するudevのブロックデバイス名の特定をする場合の例を以下に示します。

なお、/dev/sda5のudevのブロックデバイス名は、/dev/disk/by-path/pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5となります。

# cd /dev/disk/by-path
# ls -l
lrwxrwxrwx 1 root root 9 12 月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0 -> ../../sda
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12 月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part1 -> ../../sda1
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12 月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part2 -> ../../sda2
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12 月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part3 -> ../../sda3
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12 月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part4 -> ../../sda4
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12 月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5 -> ../../sda5

(5) シンボリックリンクの作成

udevのブロックデバイスへシンボリックリンクを作成します。

シンボリックリンクの作成先は、/dev_lwdbディレクトリを作成後、/dev_lwdb配下に作成します。

/dev_lwdbディレクトリのアクセス権は、データベース管理者からアクセス可能なようにchownコマンドおよびchmodコマンドを使用してアクセス権の設定を行ってください。

# mkdir /dev_lwdb
# chmod 700 /dev_lwdb
# chown root:root /dev_lwdb
by-id名を使用する場合

udevのブロックデバイス(/dev/disk/by-id/scsi-3600508e000000000a49181f95a10550e-part5)へシンボリックリンク(raw1)を作成する場合の例を、以下に示します。なお、/dev_lwdb/raw1をローデバイス名と呼びます。

lrwxrwxrwx 1 root root 10 12 月 17 10:42 raw1 -> /dev/disk/by-id/scsi-3600508e000000000a49181f95a10550e-part5
# cd /dev_lwdb
# ln -s /dev/disk/by-id/scsi-3600508e000000000a49181f95a10550e-part5 raw1
# ls -l
by-path名を使用する場合

udevのブロックデバイス(/dev/disk/by-path/pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5)へシンボリックリンク(raw1)を作成する場合の例を、以下に示します。なお、/dev_lwdb/raw1をローデバイス名と呼びます。

# cd /dev_lwdb
# ln -s /dev/disk/by-path/pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5 raw1
# ls -l
lrwxrwxrwx 1 root root 10 12 月 17 10:42 raw1 -> pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5

(6) RDBディレクトリの作成

RDBディレクトリファイル、パフォーマンスデータ格納ファイルを配置するディレクトリを作成します。このディレクトリに、管理者の書き込み権を付与してください。

クラスタシステムで運用する場合は、この作業は不要です。

# mkdir /LWSFW

注意

すでに「/LWSFW」が使用されている場合は、使用されていないマウントポイントを作成してください。

また、以降の説明では、「/LWSFW」を、変更したマウントポイント名に置き換えてお読みください。

(7) RDB構成パラメタファイルの作成

  1. 以下のファイルを、テキストエディタで開いて編集します。

    /opt/FJSVlw-sv/tools/lwdb/FJSVrdb2b/etc/LWDB.cfg
    LWDB.cfgの編集箇所
    ####################################################################
    # RDBディレクトリファイル(非クラスタ運用の場合)  ← (注1)
    RDBDIRSPACE1=/LWSFW/rdbdir
    RDBDIRSPACE2=/LWSFW/rdbdir
    # RDBディレクトリファイル(クラスタ運用の場合)  ← (注2)
    #RDBDIRSPACE=/dev_lwdb/raw? 
    #
    RDBLOG=512,512
    RDBEXTMEM=42610
    RDBCNTNUM=712
    RDBPRJCODE=0xdc
    RDBSYSBUF=/etc/opt/FJSVlw-sv/dbsetup/lwdb
    RDBSQLENV=/opt/FJSVlw-sv/tools/lwdb/dbsetup/lwfssqlenv
    RDBDBSNUM=32
    RDBNETDBSNUM=32
    RDBSYSTEMID=25
    RDBLOGMANAGE=/dev_lwdb/raw?  ← (注3)
    #
    #↓RDBCORE,RDBREPORT,RDBPMについて  ← (注4)
    #  クラスタ運用の場合、ローカルディスク上のディレクトリを指定してください
    RDBCORE=/LWSFW/core
    RDBREPORT=/LWSFW/core
    RDBPM=/LWSFW/rdbpm
    注1:

    非クラスタシステムで運用する場合は、RDBディレクトリファイル格納先であるディレクトリを指定します。

        RDBDIRSPACE1=/LWSFW/rdbdir
        RDBDIRSPACE2=/LWSFW/rdbdir
    注2:

    クラスタシステムで運用する場合は、以下の作業を行ってください。

    ・先頭の#を削除します。

    ・RDBディレクトリファイルの配置先であるパーティションを指定します。

        RDBDIRSPACE=/dev_lwdb/raw?

    ・RDBDIRSPACE1、RDBDIRSPACE2の記述行を削除します。

    注3:

    ログ管理ファイルの配置先であるパーティションを指定します。

    RDBLOGMANAGE=/dev_lwdb/raw?

    注4:

    異常終了時のダンプ、メッセージログファイルおよびパフォーマンスデータ格納ファイルの出力先であるディレクトリを指定します。

        RDBCORE=/LWSFW/core
        RDBREPORT=/LWSFW/core
        RDBPM=/LWSFW/rdbpm

    なお、クラスタシステムで運用する場合は、ローカルディスク上のディレクトリを指定してください。

    注意

    ディスクのデバイス名の形式(/dev_lwdb/raw?)については、システムやディスク装置によって異なる場合があります。
    使用するシステムやディスク装置に合わせた形式で指定してください。

  2. 編集したファイルに合わせて、必要なディレクトリを作成します。作成したディレクトリに、管理者の書き込み権を付与してください。

    非クラスタシステムで運用する場合は、RDBDIRSPACE1、RDBDIRSPACE2、RDBCORE、RDBREPORT、RDBPMに指定したディレクトリを作成します。

    # mkdir /LWSFW/rdbdir
    # mkdir /LWSFW/core
    # mkdir /LWSFW/rdbpm

    クラスタシステムで運用する場合は、RDBCORE、RDBREPORT、RDBPMに指定したディレクトリを作成します。

  3. 物理メモリに300MB以上の余裕がある場合は、以下にあるrdbbufを、テキストエディタで開いて編集します。

    /etc/opt/FJSVlw-sv/dbsetup/lwdb/rdbbuf
    BUFFER8K

    値を「43170」に変更します。

(8) 保管データベースの作成(データベース構築スクリプトの実行)

データベース構築スクリプトを使用してデータベースを作成します。

作成手順を以下に示します。

手順1:カレントディレクトリの移動

以下を実行し、List Worksのインストールディレクトリにある、データベース構築スクリプトが格納されているディレクトリに移動します。

cd /opt/FJSVlw-sv/tools/lwdb/dbsetup/create

注意

データベース構築スクリプトは、移行時や容量拡張時も使用します。必要に応じて、データベース構築スクリプトをバックアップしてください。

手順2データベース構築スクリプトの編集

以下のファイルを、テキストエディタで開いて編集します。

createLWDB.shでは、以下の編集を行います。

createLWDB.shの編集箇所
# --------------------------------------------------------------
#    RDBディクショナリの作成先
# --------------------------------------------------------------
DBDICDIR=/dev_lwdb/raw? ← (注1)
注1:

「/dev_lwdb/raw?」にRDBディクショナリ用のパーティションを指定してください。

注意

ディスクのデバイス名の形式(/dev_lwdb/raw?)については、システムやディスク装置によって異なる場合があります。
使用するシステムやディスク装置に合わせた形式で指定してください。

手順3データベース構築スクリプトの実行

データベース構築スクリプト(createLWDB.sh)を、手順1のディレクトリで実行します。

実行例を以下に示します。

# ./createLWDB.sh

参考

List Works標準のデータベース構築スクリプトを実行した場合の所要時間の目安は、15分です。

なお、所要時間はサーバスペックなどにより左右されますので、ご注意ください。

手順4ログファイルの確認

データベース構築スクリプトの実行が完了したら、ログファイルを参照して、データベースの構築中にエラーが発生していないことを確認します。ログファイルは、データベース構築スクリプトの実行カレントディレクトリに出力されます。

例) /opt/FJSVlw-sv/tools/lwdb/dbsetup/create/dbsetuplog.txt
 データベース構築スクリプトの実行中に出力される可能性の高いメッセージを、“付録H データベース環境設定時のメッセージ”に抜粋して説明しています。参考にしてください。また、詳細なメッセージの説明については、“Symfowareのマニュアル”を参照してください。
手順5:データベースの接続確認

スクリプトの実行が完了したら、データベースへの接続確認を行います。

  1. 以下を実行します。

    # ./chkcrtLWDB.sh
  2. 以下のような結果が表示されれば、データベースは正常に構築されています。

    SELECT * FROM LW.LW_USER
    Number of records:0
    SQLSTATE:00000
    SQLMSG:JYP2001I 正常に終了しました.
    rdb:INFO:qdg02200i:rdbexecsqlが正常終了しました 復帰コード 00 (システム名=LWDB)

    エラーが発生した場合は、List Works組込データベースのエラーメッセージが表示されます。

    エラーメッセージが表示された場合は、データベースの作成に失敗している可能性がありますので、“付録H データベース環境設定時のメッセージ”を参考にしてください。