Oracle VM Server for SPARC環境でライブマイグレーションを行う前の操作について説明します。
注意
全ノードであらかじめ/etc/opt/FJSVcluster/etc/clovmmigrate.confを作成しておいてください。詳細は“17.2.3 ゲストドメイン上でクラスタのライブマイグレーション操作を行う場合”を参照してください。
すべてのクラスタ対象の制御ドメイン上で、シャットダウン機構に登録されたXSCFのユーザ名とパスワードの組合せ、およびXSCFへの接続方法が、同一になっていることを確認してください。
移動先のサーバに対して以下の設定が行われていることを確認してください。
本操作を実施する前に、対象となるゲスト間クラスタの全ノードが動作していることを確認してください。
本操作を実施すると、“17.3.3.2 ライブマイグレーション後の操作”が完了するまで、クラスタシステムの切替えは行われません。
本操作の実施後、ライブマイグレーションを中止する場合でも、必ず、“17.3.3.2 ライブマイグレーション後の操作”は実施してください。
本操作の実施後、ライブマイグレーションに失敗した場合でも、必ず、“17.3.3.2 ライブマイグレーション後の操作”を実施してください。
クラスタシステムの切替え中には、ライブマイグレーション操作を行わないでください。
クラスタの設定変更(ゲストドメイン)
ライブマイグレーション前に、クラスタの設定を変更します。
ゲストドメインのいずれかのクラスタノードで、以下のコマンドを実行します。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clovmmigrate -p
本コマンドを実行すると、以下に示すクラスタ設定が全ノードで変更されます。
CFのクラスタインタコネクトのタイムアウト値 (現在の設定値 (デフォルト10秒) → 600秒)
シャットダウン機構の停止
Oracle VM Server for SPARC環境でライブマイグレーションを行った後の操作について説明します。
注意
“17.3.3.1 ライブマイグレーション前の操作”を実施後、ライブマイグレーションを中止する場合でも、本操作は実施してください。
“17.3.3.1 ライブマイグレーション前の操作”を実施後、ライブマイグレーションに失敗した場合でも、本操作を実施してください。
本操作が完了するまで、クラスタシステムの切替えは行われません。
手順1.と2.の操作は、制御ドメインで実行してください。
手順3.と4.の操作は、ゲストドメインで実行してください。
移動元の制御ドメインでの構成情報の保存(制御ドメイン)
移動元の制御ドメインで、論理ドメインの構成情報を保存します。
本操作は移動元の制御ドメインで実施してください。
詳細は“SPARC M12/M10 システム運用・管理ガイド”を参照してください。
移動先の制御ドメインでの構成情報の保存(制御ドメイン)
移動先の制御ドメインで、論理ドメインの構成情報を保存します。
本操作は移動先の制御ドメインで実施してください。
詳細は“SPARC M12/M10 システム運用・管理ガイド”を参照してください。
クラスタの設定変更(ゲストドメイン)
ライブマイグレーション後の、クラスタの設定を変更します。
ゲストドメインのいずれかのクラスタノードで、以下のコマンドを実行します。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clovmmigrate -u source-ldom target-host
移動対象のゲストドメイン名
移動先の制御ドメインのIPアドレスまたは/etc/inet/hostsに登録されているホスト名
ライブマイグレーションを中止するなど、ゲストドメインの移動がない場合でも、制御ドメインの指定は必要です。その場合は、移動元の制御ドメインのIPアドレスまたは/etc/inet/hostsに登録されているホスト名を指定してください。
本コマンドを実行すると、以下に示すクラスタ設定が全ノードで変更されます。
CFのクラスタインタコネクトのタイムアウト値 (600秒 →ライブマイグレーション前の設定値 (デフォルト10秒))
シャットダウン機構の設定変更(XSCF-LAN#0のIPアドレス、XSCF-LAN#1のIPアドレス、SFの重み)
シャットダウン機構の起動
シャットダウン機構の状態確認(ゲストドメイン)
ゲストドメインの各ノードで以下のコマンドを実行し、ライブマイグレーション後のクラスタの設定が正しく行われたことを確認します。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clsnmpsetup -l # /opt/SMAW/bin/sdtool -s
注意
TestFailedまたはInitFailedが表示された場合は、シャットダウン機構の設定が変更されなかった可能性があります。
/var/adm/messagesファイルに7245番のメッセージが出力されている場合は、XSCFへのSSH初回接続が完了していません。“PRIMECLUSTER 活用ガイド<メッセージ集>”を参照してください。
それ以外の場合は、再度、手順3.から実施してください。
例:2ノード構成のゲストドメイン間クラスタでguest2をマイグレーションした場合(“図17.1 クラスタ構成例”)
guest2 # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clsnmpsetup -l device-name cluster-host-name PPAR-ID domain-name IP-address1 IP-address2 user-name connection-type ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- xscf cfguest1 0 guest1 10.20.30.71 10.20.40.71 xuser ssh xscf cfguest2 1 guest2 10.20.30.73 10.20.40.73 xuser ssh guest2 # ^^ ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ guest2 # ↑ ↑マイグレーション先のXSCFのIPアドレス guest2 # ↑マイグレーション先のPPAR-ID guest2 # /opt/SMAW/bin/sdtool -s Cluster Host Agent SA State Shut State Test State Init State ------------ ----- -------- ---------- ---------- ---------- cfguest1 SA_xscfsnmpg0p.so Idle Unknown TestWorked InitWorked cfguest1 SA_xscfsnmpg1p.so Idle Unknown TestWorked InitWorked cfguest1 SA_xscfsnmpg0r.so Idle Unknown TestWorked InitWorked cfguest1 SA_xscfsnmpg1r.so Idle Unknown TestWorked InitWorked cfguest2 SA_xscfsnmpg0p.so Idle Unknown TestWorked InitWorked cfguest2 SA_xscfsnmpg1p.so Idle Unknown TestWorked InitWorked cfguest2 SA_xscfsnmpg0r.so Idle Unknown TestWorked InitWorked cfguest2 SA_xscfsnmpg1r.so Idle Unknown TestWorked InitWorked guest2 #
注意
ライブマイグレーション後に、クラスタノード間で時刻が同期していないことを警告する以下のメッセージが、switchlogや/var/adm/messagesファイルに出力される場合があります。
(WRP, 34) Cluster host <host> is no longer in time sync with local node. Sane operation of RMS can no longer be guaranteed. Further out-of-sync messages will appear in the syslog.
また、時刻が同期していない状態が継続すると、以下のメッセージが定期的に/var/adm/messagesファイルに出力される場合があります。
(WRP, 35) Cluster host <host> is no longer in time sync with local node. Sane operation of RMS can no longer be guaranteed.
時刻が同期されれば、このメッセージは出力されなくなります。
メッセージの詳細については、“PRIMECLUSTER 活用ガイド<メッセージ集>”を参照してください。