Oracle VM Server for SPARC環境でコールドマイグレーションを行う前の操作について説明します。
注意
本操作を実施する前に、“17.2.1 制御ドメイン上でクラスタのライブマイグレーション操作を行う場合”の事前設定を実施してください。
すべてのクラスタ対象の制御ドメイン上で、シャットダウン機構に登録されたXSCFのユーザ名とパスワードの組合せ、およびXSCFへの接続方法が、同一になっていることを確認してください。
移動先のサーバに対して以下の設定が行われていることを確認してください。
本操作を実施する前に、マイグレーション対象のゲストドメインが停止していることを確認してください。
ldm list-domainコマンドを使用して、STATEがbound状態で表示されていることを確認してください。
STATEがinactive状態の場合はbound状態にしてください。bound状態にすることで、論理ドメインの構成情報をXSCFに認識させることができます。
本操作の実施後、コールドマイグレーションを中止する場合、“17.3.2.2 コールドマイグレーション後の操作”は不要です。
クラスタの設定変更(制御ドメイン)
コールドマイグレーション前に、クラスタの設定を変更します。
移行元の制御ドメインのクラスタノードで、以下のコマンドを実行します。
ゲストドメインが停止状態の場合、コマンド復帰値が1で終了することを確認してください。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clovmmigrate -p source-ldom
移動対象のゲストドメイン名
本コマンドを実行すると、source-ldomに指定されたゲストドメインの停止状態を確認します。
Oracle VM Server for SPARC環境でコールドマイグレーションを行った後の操作について説明します。
注意
“17.3.2.1 コールドマイグレーション前の操作”を実施後、コールドマイグレーションを中止する場合、本手順は不要です。
ゲストドメインを起動する前に、本操作を始めてください。
手順1.~3.の操作は、制御ドメインで実行してください。
手順4.の操作は、ゲストドメインで実行してください。
本操作を行うには、保存されている論理ドメインの構成情報が6個以下である必要があります。以下のコマンドを実行し、保存されている論理ドメインの構成情報を確認してください。
また、保存されている論理ドメインの構成情報名に「config_tmp」がないことを確認してください。
# ldm list-spconfig
保存されている論理ドメインの構成情報が7個以上の場合は、以下のコマンドで、論理ドメインの構成情報を削除し、6個以下にしてください。
# ldm remove-spconfig 構成名
論理ドメインの構成情報名に「config_tmp」が存在する場合は、以下のコマンドで、論理ドメインの構成情報名「config_tmp」を削除してください。
# ldm remove-spconfig config_tmp
論理ドメインの構成情報の詳細については、“SPARC M12/M10 ドメイン構築ガイド”の“論理ドメイン構築に関する操作とコマンド”を参照してください。
クラスタの設定変更(制御ドメイン)
コールドマイグレーション後の、クラスタの設定を変更します。
移行元の制御ドメインのクラスタノードで、以下のコマンドを実行します。
ゲストドメインが停止状態の場合、コマンドの復帰値は1となります。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clovmmigrate -u source-ldom target-host
移動対象のゲストドメイン名
移動先の制御ドメインのIPアドレスまたは/etc/inet/hostsに登録されているホスト名
本コマンドを実行すると、移動元の制御ドメインと移動先の制御ドメインで論理ドメインの構成情報を保存します。
ゲストドメインの状態確認と構成情報の保存(制御ドメイン)
移動先の制御ドメインで以下のコマンドを実行し、コールドマイグレーションで移動したゲストドメインの状態を確認してください。
# ldm list-domain
移動したゲストドメインがbound状態の場合、次の手順に進んでください。
移動したゲストドメインがinactive状態の場合、ゲストドメインをbound状態にしてください。ゲストドメインをbound状態にした後、移動元と移動先の制御ドメインで論理ドメインの構成情報を保存してください。ゲストドメインをbound状態にすることで、論理ドメインの構成情報をXSCFに認識させることができます。詳細は“SPARC M12/M10 システム運用・管理ガイド”を参照してください。
ゲストドメインの起動(制御ドメイン)
コールドマイグレーションで移動した停止中のゲストドメインを起動してください。
ゲストドメインを起動すると、ゲスト間クラスタの全ノードで、以下に示すクラスタ設定が変更されます。
シャットダウン機構の設定変更(XSCF-LAN#0のIPアドレス、XSCF-LAN#1のIPアドレス、SFの重み)
シャットダウン機構の状態確認(ゲストドメイン)
ゲストドメインの各ノードで以下のコマンドを実行し、コールドマイグレーション後のクラスタの設定が正しく行われたことを確認します。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clsnmpsetup -l # /opt/SMAW/bin/sdtool -s
注意
TestFailedまたはInitFailedが表示された場合は、シャットダウン機構の設定が変更されなかった可能性があります。
/var/adm/messagesファイルに7245番のメッセージが出力されている場合は、XSCFへのSSH初回接続が完了していません。“PRIMECLUSTER 活用ガイド<メッセージ集>”を参照してください。
それ以外の場合は、再度、手順1.から実施してください。
例:2ノード構成のゲストドメイン間クラスタでguest2をマイグレーションした場合(“図17.1 クラスタ構成例”)
guest2 # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clsnmpsetup -l device-name cluster-host-name PPAR-ID domain-name IP-address1 IP-address2 user-name connection-type ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- xscf cfguest1 0 guest1 10.20.30.71 10.20.40.71 xuser ssh xscf cfguest2 1 guest2 10.20.30.73 10.20.40.73 xuser ssh guest2 # ^^ ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ guest2 # ↑ ↑マイグレーション先のXSCFのIPアドレス guest2 # ↑マイグレーション先のPPAR-ID guest2 # /opt/SMAW/bin/sdtool -s Cluster Host Agent SA State Shut State Test State Init State ------------ ----- -------- ---------- ---------- ---------- cfguest1 SA_xscfsnmpg0p.so Idle Unknown TestWorked InitWorked cfguest1 SA_xscfsnmpg1p.so Idle Unknown TestWorked InitWorked cfguest1 SA_xscfsnmpg0r.so Idle Unknown TestWorked InitWorked cfguest1 SA_xscfsnmpg1r.so Idle Unknown TestWorked InitWorked cfguest2 SA_xscfsnmpg0p.so Idle Unknown TestWorked InitWorked cfguest2 SA_xscfsnmpg1p.so Idle Unknown TestWorked InitWorked cfguest2 SA_xscfsnmpg0r.so Idle Unknown TestWorked InitWorked cfguest2 SA_xscfsnmpg1r.so Idle Unknown TestWorked InitWorked guest2 #