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PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.5
FUJITSU Software

17.3.1 制御ドメイン上でクラスタのライブマイグレーション操作を行う場合

17.3.1.1 ライブマイグレーション前の操作

Oracle VM Server for SPARC環境でライブマイグレーションを行う前の操作について説明します。

注意

  1. クラスタの設定変更(制御ドメイン)

    ライブマイグレーション前に、クラスタの設定を変更します。

    移行元の制御ドメインのクラスタノードで、以下のコマンドを実行します。

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clovmmigrate -p source-ldom
    source-ldom

    移動対象のゲストドメイン名

    本コマンドを実行すると、source-ldomに指定されたゲスト間クラスタの全ノードで、以下に示すクラスタ設定が変更されます。

    • CFのクラスタインタコネクトのタイムアウト値(現在の設定値(デフォルト10秒)→ 600秒)

    • シャットダウン機構の停止

    注意

    ライブマイグレーションを中止、または、失敗し、ゲストドメインが停止した場合、以下の復旧手順を実施してください。ゲストドメインが停止していない場合は、“17.3.1.2 ライブマイグレーション後の操作”を実行した後、再度“17.3.1.1 ライブマイグレーション前の操作”から実施してください。

    1. マイグレーションしていないノードでcftool -nコマンドを実行し、移動対象のゲストドメインがDOWNになったことを確認してください。DOWN状態になるまで、clovmmigrateコマンドを実行後、およそ600秒かかります。

    2. 移動対象のゲストドメインを起動してください。

    3. 17.3.1.2 ライブマイグレーション後の操作”を実行してください。

    上記の復旧手順を実行せず、移動対象のゲストドメインがDOWN状態になる前に停止していたゲストドメインを起動した場合、移動対象のゲストドメインでSF、CRM、RMSの起動に失敗します。ゲストドメインを再度停止し、上記の復旧手順を実行してください。

17.3.1.2 ライブマイグレーション後の操作

Oracle VM Server for SPARC環境でライブマイグレーションを行った後の操作について説明します。

注意

  • 本操作が完了するまで、クラスタシステムの切替えは行われません。

  • 手順1.の操作は、制御ドメインで実行してください。

  • 手順2.の操作は、ゲストドメインで実行してください。

  • 本操作を行うには、保存されている論理ドメインの構成情報が6個以下である必要があります。以下のコマンドを実行し、保存されている論理ドメインの構成情報を確認してください。

    また、保存されている論理ドメインの構成情報名に「config_tmp」がないことを確認してください。

    # ldm list-spconfig

    保存されている論理ドメインの構成情報が7個以上の場合は、以下のコマンドで、論理ドメインの構成情報を削除し、6個以下にしてください。

    # ldm remove-spconfig 構成名

    論理ドメインの構成情報名に「config_tmp」が存在する場合は、以下のコマンドで、論理ドメインの構成情報名「config_tmp」を削除してください。

    # ldm remove-spconfig config_tmp

    論理ドメインの構成情報の詳細については、“SPARC M12/M10 ドメイン構築ガイド”の“論理ドメイン構築に関する操作とコマンド”を参照してください。

  1. クラスタの設定変更(制御ドメイン)

    ライブマイグレーション後の、クラスタの設定を変更します。

    移行元の制御ドメインのクラスタノードで、以下のコマンドを実行します。

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clovmmigrate -u source-ldom target-host
    source-ldom

    移動対象のゲストドメイン名

    target-host

    移動先の制御ドメインのIPアドレスまたは/etc/inet/hostsに登録されているホスト名

    ライブマイグレーションを中止するなど、ゲストドメインの移動がない場合でも、制御ドメインの指定は必要です。その場合は、移動元の制御ドメインのIPアドレスまたは/etc/inet/hostsに登録されているホスト名を指定してください。

    本コマンドを実行すると、source-ldomに指定されたゲスト間クラスタの全ノードで、以下に示すクラスタ設定が変更されます。また、移動元の制御ドメインと移動先の制御ドメインで論理ドメインの構成情報を保存します。

    • CFのクラスタインタコネクトのタイムアウト値(600秒→ライブマイグレーション前の設定値(デフォルト10秒))

    • シャットダウン機構の設定変更(XSCF-LAN#0のIPアドレス、XSCF-LAN#1のIPアドレス、SFの重み)

    • シャットダウン機構の起動

  2. シャットダウン機構の状態確認(ゲストドメイン)

    ゲストドメインの各ノードで以下のコマンドを実行し、ライブマイグレーション後のクラスタの設定が正しく行われたことを確認します。

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clsnmpsetup -l
    # /opt/SMAW/bin/sdtool -s

    注意

    TestFailedまたはInitFailedが表示された場合は、シャットダウン機構の設定が変更されなかった可能性があります。
    /var/adm/messagesファイルに7245番のメッセージが出力されている場合は、XSCFへのSSH初回接続が完了していません。“PRIMECLUSTER 活用ガイド<メッセージ集>”を参照してください。

    それ以外の場合は、再度、手順1.から実施してください。

    例:2ノード構成のゲストドメイン間クラスタでguest2をマイグレーションした場合(“図17.1 クラスタ構成例”)

    guest2 # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clsnmpsetup -l
    device-name cluster-host-name  PPAR-ID  domain-name  IP-address1     IP-address2     user-name      connection-type
    -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
    xscf        cfguest1           0        guest1       10.20.30.71     10.20.40.71     xuser          ssh
    xscf        cfguest2           1        guest2       10.20.30.73     10.20.40.73     xuser          ssh
    guest2 #                       ^^                    ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
    guest2 #                       ↑                    ↑マイグレーション先のXSCFのIPアドレス
    guest2 #                       ↑マイグレーション先のPPAR-ID
    guest2 # /opt/SMAW/bin/sdtool -s
    Cluster Host    Agent                SA State      Shut State  Test State  Init State
    ------------    -----                --------      ----------  ----------  ----------
    cfguest1        SA_xscfsnmpg0p.so    Idle          Unknown     TestWorked  InitWorked
    cfguest1        SA_xscfsnmpg1p.so    Idle          Unknown     TestWorked  InitWorked
    cfguest1        SA_xscfsnmpg0r.so    Idle          Unknown     TestWorked  InitWorked
    cfguest1        SA_xscfsnmpg1r.so    Idle          Unknown     TestWorked  InitWorked
    cfguest2        SA_xscfsnmpg0p.so    Idle          Unknown     TestWorked  InitWorked
    cfguest2        SA_xscfsnmpg1p.so    Idle          Unknown     TestWorked  InitWorked
    cfguest2        SA_xscfsnmpg0r.so    Idle          Unknown     TestWorked  InitWorked
    cfguest2        SA_xscfsnmpg1r.so    Idle          Unknown     TestWorked  InitWorked
    guest2 #

注意

ライブマイグレーション後に、クラスタノード間で時刻が同期していないことを警告する以下のメッセージが、switchlogや/var/adm/messagesファイルに出力される場合があります。

(WRP, 34) Cluster host <host> is no longer in time sync with local node. Sane operation of RMS can no longer be guaranteed.
Further out-of-sync messages will appear in the syslog.

また、時刻が同期していない状態が継続すると、以下のメッセージが定期的に/var/adm/messagesファイルに出力される場合があります。

(WRP, 35) Cluster host <host> is no longer in time sync with local node. Sane operation of RMS can no longer be guaranteed.

時刻が同期されれば、このメッセージは出力されなくなります。メッセージの詳細については、“PRIMECLUSTER 活用ガイド<メッセージ集>”を参照してください。