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ETERNUS SF Storage Cruiser 16.7 運用ガイド
FUJITSU Storage

9.4.2 運用

9.4.2.1 業務ボリュームの割当て

Storage Cluster機能の運用を開始/変更するため、以下の手順で設定します。

  1. 業務ボリュームの準備

  2. アクセスパスの設定

  3. 設定の確認

  4. 手動Failoverと手動FailbackによるiSCSI IPアドレスの業務サーバへの認識

FC構成の場合の、業務ボリュームの割当てに関する構成例を「図9.15 Storage Cluster機能: 業務ボリュームの割当て構成例(FC構成の場合)」に示します。
iSCSI構成の場合は、図の中のFCスイッチがネットワークスイッチとなり、ゾーニング設定が存在しません。

図9.15 Storage Cluster機能: 業務ボリュームの割当て構成例(FC構成の場合)

業務ボリュームの準備

Storage Cluster機能で切替えを行うボリュームを用意します。この操作は、Primary/SecondaryストレージのそれぞれのETERNUS ディスクアレイで実施してください。

Storage Clusterで切替えを行うボリュームは、以下のすべての条件を満たす必要があります。

注意

CAポートペアに属するボリュームは、Storage Cluster機能で使用しないポートからは共有できません。

ポイント

  • Storage Cluster機能を利用している業務ボリュームのボリュームタイプが"Standard"、"TPV"、または"FTV"の場合は、ボリュームの容量を拡張できます。拡張方法は、「9.4.2.4 業務ボリュームの容量拡張」を参照してください。
    ボリュームタイプが"WSV"の場合は、ボリュームの容量を拡張できません。

  • 業務ボリュームの総容量が装置あたりのTFOV総容量を超える場合は、TFOV総容量を拡張してください。拡張方法は、「TFOV総容量の拡張」を参照してください。

参照

  • ボリュームを新規に作成する方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ボリュームの作成」または「FTVの作成」を参照してください。

  • アクセス状況データを同期させる方法は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』の「アクセス状況データの同期」を参照してください。

RAIDグループ、シン・プロビジョニングプール、またはTierプールに空き容量がない場合、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「RAIDグループに関する操作」、「シン・プロビジョニングに関する操作」、または「ストレージ自動階層制御に関する操作」を参照し、領域を確保してください。

すでにサーバに割り当てられているボリュームをStorage Cluster機能で使用する場合は、上記の条件を満たすようにSecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイにボリュームを作成してください。

また、アドバンスト・コピーが動作している場合は、停止してください。

参照

アドバンスト・コピーを停止する手順は、使用している機能に沿って、以下のどちらかを参照してください。

  • AdvancedCopy ManagerのCopy Control Module機能を使用している場合
    『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「[ストレージ]タブから始める操作」

  • AdvancedCopy Managerのバックアップ運用またはレプリケーション運用機能を使用している場合
    『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「[サーバ]タブから始める操作」-「アドバンスト・コピーに関する操作」

アクセスパスの設定

Storage Cluster機能で切り替えるボリュームをサーバに接続します。この操作は、Primary/SecondaryストレージのそれぞれのETERNUS ディスクアレイで実施してください。

Storage Cluster構成におけるアクセスパス設定は、以下の作業を行う必要があります。

アクセスパス設定は、上記の作業をまとめて実施でき、あるサーバとあるETERNUS ディスクアレイ間の複数のアクセスパスを同時に設定できる、ボリューム割当て機能の使用を推奨します。

Primary/Secondaryストレージに対して、Webコンソールまたはstorageadm zoneコマンドを使用してアクセスパス設定を実行することで、Secondaryストレージに対するアクセスパス設定の実行後にTFOポートペアが設定され、Storage Cluster機能によるボリュームの同期が開始されます。

注意

ボリューム割当て機能では、1つのHBAから同一ETERNUSディスクアレイに対して、複数のアクセスパスを設定できません。複数のアクセスパスを設定する場合は、アクセスパスの追加手順で、1つずつアクセスパスを設定してください。

ポイント

BS2000環境の場合、業務ボリューム数が513以上のアフィニティ/LUNグループを関連付けたホストアフィニティ設定が可能です。

参照

  • ボリューム割当ての手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ETERNUS ディスクアレイのボリュームの割当て」を参照してください。

  • アクセスパスの追加手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ETERNUS ディスクアレイのアクセスパスの追加」を参照してください。

アクセスパスの設定は、以下のとおりです。

注意

  • アクセスパス設定が条件を満たしていない場合は、装置側でエラーとなり、オペレーションログを表示します。対処方法は、『ETERNUS SF メッセージ説明書』を参照してください。

  • Primary/SecondaryストレージのLUNマッピング設定で、ホストLUNには同じ番号を設定してください。CAポートペアの2つのポートにホストアフィニティ設定されたボリュームのうち、ホストLUN No.(HLU)とボリューム容量が一致するボリュームが、同期対象のボリュームになります。

設定の確認

Storage Cluster機能が正しく設定されていることを確認してください。

ポイント

以下の2つの条件を満たす場合、Primary/Secondaryストレージ間でアクセス状況データを同期できます。

  • FTV間でStorage Cluster機能によるボリュームの同期が開始できるように設定している

  • ETERNUS ディスクアレイのストレージ自動階層制御機能を利用している

アクセス状況データの同期手順は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』の「アクセス状況データの同期」を参照してください。

注意

  • CAポートペアになっている2つのポートに対してホストアフィニティ設定されたボリュームのうち、HLU番号と容量が一致するボリュームが同期対象のボリュームとなります。HLU番号と容量を一致させてください。

  • ボリュームの同期では、ペアとなったボリューム間でイニシャルコピーが行われます。イニシャルコピーの所要時間は、転送時の回線速度、品質、圧縮率(データ内容依存)などの影響を受け、大きく変動します。
    所要時間の目安は、以下のとおりです。

    表9.6 イニシャルコピーの所要時間(物理容量が1TBのボリュームにおける目安値)

    イニシャルコピーの条件

    所要時間

    FC-RAポート、IPネットワークは1回線(1Gbit/sec)接続、FCスイッチの典型的なスループット値114MB/sec(=114,000,000byte/sec)(圧縮率50%、遅延なし)

    1.5時間

    FC-RAポート、IPネットワークは1回線(100Mbit/sec)接続、FCスイッチの典型的なスループット値12MB/sec(12,000,000byte/sec)(圧縮率50%、遅延なし)

    13時間

    iSCSI-RAポート、IPネットワークは1回線(1Gbit/sec)接続、iSCSI-RAでの典型的なスループット値26MB/sec(圧縮なし、遅延30msec)

    12時間

図9.18 Storage Cluster機能: 同期対象例

上の図は、以下のことを表しています。

  • StorageAのVol#0とStorageBのVol#10のペアは、HLU番号と容量が一致するので、同期(フェイルオーバ)の対象ボリュームです。

  • StorageAのVol#1とStorageBのVol#11のペアは、HLU番号が異なるため、同期の対象とはなりません。

  • StorageAのVol#2とStorageBのVol#12のペアは、容量が異なるため、同期の対象とはなりません。

HLU番号が一致しても、容量が異なるボリュームがひもづいているCAポート同士をペア化しようとした場合、処理は異常終了します。

手動Failoverと手動FailbackによるiSCSI IPアドレスの業務サーバへの認識

本手順は、iSCSI構成の場合、かつ異なるiSCSI IPアドレスでStorage Clusterを運用する場合に実施してください。

SecondaryストレージのiSCSI IPアドレスを業務サーバに認識させるための手順を記載しています。

  1. PrimaryストレージのiSCSI IPアドレスを業務サーバに認識させます。
    認識済みの場合、この手順は不要です。

  2. グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
    登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。

  3. メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。

  4. カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
    作成されているTFOグループが、メインペインに表示されます。

  5. メインペインで、異なるiSCSI IPアドレスで構築したTFOグループを選択し、アクションペインの[Failover]をクリックします。
    警告のダイアログが表示されます。

  6. [OK]ボタンをクリックします。

  7. SecondaryストレージのiSCSI IPアドレスを業務サーバに認識させます。

  8. メインペインで、異なるiSCSI IPアドレスで構築したTFOグループを選択し、アクションペインの[Failback]をクリックします。
    警告のダイアログが表示されます。

  9. [OK]ボタンをクリックします。

9.4.2.2 TFOグループのステータス更新

TFOグループのステータスは、定期的に自動更新されます。
即時に最新の状態に更新したい場合に、以下の手順を実施してください。

  1. グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
    登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。

  2. メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。

  3. カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
    作成されているTFOグループが、メインペインに表示されます。

  4. アクションペインで、[TFOグループの状態]の下にある[更新]をクリックします。
    ダイアログが表示されますので、[完了]をクリックします。
    本操作を行うと、選択した装置とペアを構成している装置のTFOステータスも更新されます。

    注意

    • ペアを構成している装置と通信ができない場合、操作はエラー終了します。この場合でも、選択した装置は更新されます。

    • TFOグループのステータスは、「9.4.2.8 TFOグループのステータス」を参照してください。

9.4.2.3 業務ボリュームの追加/削除

Storage Cluster機能の対象となるボリュームを変更する場合、ボリュームの追加/削除を行ってください。具体的には、Primary/SecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイに対して、アフィニティ/LUNグループの変更を行う必要があります。どのアフィニティ/LUNグループを変更するかを確認する手順は、以下のとおりです。

  1. グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
    登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。

  2. メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。

  3. カテゴリーペインで、[接続性]をクリックします。
    カテゴリーペインの項目が、接続性に関する項目に切り替わります。

  4. カテゴリーペインで、[ホストアフィニティ]をクリックします。
    ホストアフィニティの一覧が、メインペインに表示されます。
    [ポート]列にTFOグループのペアに指定しているポートを含むホストアフィニティを確認してください。そのホストアフィニティに設定されているアフィニティ/LUNグループを変更する必要があります。

参照

アフィニティ/LUNグループ変更の手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「アフィニティ/LUNグループの変更」を参照してください。

変更を実施したあと、ボリュームの同期がすべて完了してフェイルオーバを実行できるようになるまで、一定時間を要します。同期が完了し、フェイルオーバを実行できる状態になっているかを確認する手順は、「9.4.2.1 業務ボリュームの割当て」の「設定の確認」を参照してください。

注意

  • 1つのアフィニティ/LUNグループに定義できるボリューム数には上限があります。上限は、使用しているETERNUS ディスクアレイのマニュアルを参照してください。

  • Storage Cluster機能の対象となるボリュームのフォーマットはサポートしていません。

  • 以下のボリュームは追加できません。

    • ボリュームタイプがSDVまたはSDPVのボリューム

    • 無停止ストレージマイグレーションで使用するボリューム

    • 外部LU情報が"Inherited"のボリューム

    • 用途が"Veeam"のボリューム

    • アドバンスト・コピーを実行中のボリューム

9.4.2.4 業務ボリュームの容量拡張

Storage Cluster機能の対象となるボリュームが以下の条件を満たしている場合は、ボリュームの容量を拡張可能です。

ポイント

  • TFOペアのセッションが"Active"状態でない場合は、以下の原因が考えられます。

    • フェイルオーバまたはフェイルバックによる一時的なセッションの中断

    • REC経路の閉塞

    • RAID故障、RAID閉塞、または不良セクタの発生

    ETERNUS ディスクアレイの状態を確認し、必要に応じて「9.4.3 保守」の手順を実施してください。

  • 1回の容量拡張操作で指定できるボリュームのペアは1組です。

  • 不測の事態に備えるため、対象ボリュームのデータをバックアップしてから容量を拡張することを推奨します。

  • 容量拡張の際は、ペアとなっているボリューム間の同期が一時的に解除されるため、容量拡張が完了するまでボリューム間の同期が取られていない状態となります。容量拡張が完了したあとは、ボリューム間においてイニシャルコピーによる同期が行われます。イニシャルコピーの所要時間は、「表9.6 イニシャルコピーの所要時間(物理容量が1TBのボリュームにおける目安値)」を目安にしてください。

  • 業務ボリュームの容量を拡張したあとは、容量拡張後のボリューム容量を業務サーバに認識させる必要があります。

ボリュームタイプが"Standard"の場合は、LUNコンカチネーション機能によって業務ボリュームの容量を拡張します。LUNコンカチネーションによる業務ボリュームの容量拡張では、以下のことを実現できます。

注意

  • ボリュームタイプが"Standard"の業務ボリュームの容量を拡張するには、以下の条件を満たしている必要があります。

    • 指定可能な業務ボリュームの条件

      • 現在のボリューム容量が1GB以上であること

      • 連結ボリュームの容量が128TB未満であること

      • ボリュームの連結数が16未満であること

      • ボリュームのステータスが、"Broken"、"Data Lost"、"Not Ready"、および"Readying"でないこと

      • RAIDマイグレーションを実行中ではないこと

      • コピー範囲に"Totally"を指定したアドバンスト・コピーセッションがないこと

        コピー範囲に"Totally"を指定するケースには、以下があります。

        - AdvancedCopy Manager CCMのLUN to LUNコピー

        - ETERNUS SF AdvancedCopy Manager SRAを使用したコピー

        - ETERNUS VSS Hardware Providerを使用したコピー

        - ETERNUS Web GUIまたはETERNUS CLIから設定したSnapOPC+

    • 指定可能なRAIDグループの条件

      • 拡張後のボリューム連結数が16以下であること

      • RAIDグループのステータスが"Broken"でないこと

      • Standard、WSV、SDP、SDPVが登録されているRAIDグループであること、またはボリュームが登録されていないRAIDグループであること

      • シン・プロビジョニングプールおよびFlexible Tier Poolに属していないRAIDグループであること

      • Extreme Cache Poolとして登録されていないRAIDグループであること

      • RAIDグループに登録されているボリュームが、128個未満であること

      • RAIDグループに1GB以上の空き容量があること

      • 連結元ボリュームが属するRAIDグループを構成するドライブタイプと連結先RAIDグループを構成するドライブタイプが同じであること

      • RAIDグループが閉塞していないこと

  • ボリュームタイプが"TPV"または"FTV"の業務ボリュームの容量を拡張するには、以下の条件を満たしている必要があります。

    • 現在の容量が128TB未満であること

    • 対象ボリュームがTPVの場合、シン・プロビジョニングボリューム平準化を実行中でないこと

    • 対象ボリュームがFTVの場合、Tierプール平準化を実行中でないこと

    • RAIDマイグレーションを実行中でないこと

    • 装置内の全TPVおよび全FTVの総容量が、装置の最大プール容量を超えないこと

      装置に作成できる全TPVおよび全FTVの総容量は、装置の最大プール容量に依存します。装置に作成できる最大プール容量は、ETERNUS ディスクアレイ付属のマニュアルを参照してください。

    • コピー範囲に"Totally"を指定したアドバンスト・コピーセッションがないこと

      コピー範囲に"Totally"を指定するケースには、以下があります。

      - AdvancedCopy Manager CCMのLUN to LUNコピー

      - ETERNUS SF AdvancedCopy Manager SRAを使用したコピー

      - ETERNUS VSS Hardware Providerを使用したコピー

      - ETERNUS Web GUIまたはETERNUS CLIから設定したSnapOPC+

業務ボリュームの容量拡張は、PrimaryストレージまたはSecondaryストレージのどちらか一方に対して実行するだけで、PrimaryストレージおよびSecondaryストレージの両方に設定されます。

Webコンソールを使って業務ボリュームの容量を拡張する手順は、以下のとおりです。

  1. グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
    登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。

  2. メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。

  3. カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
    作成されているTFOグループがメインペインに表示されます。

  4. メインペインで、対象TFOグループの「名前」部分をクリックします。
    TFOグループの詳細画面が、メインペインに表示されます。

  5. メインペインで、[ボリューム]タブをクリックします。
    ローカルボリュームとリモートボリュームのペア情報が表示されます。

  6. 容量を拡張するボリュームに対応するチェックボックスをチェックしたあと、アクションペインで、[TFOV]の下にある[容量拡張]をクリックします。
    TFOV拡張ウィザード画面が表示されます。

  7. ボリュームタイプごとに、以下の手順を実施します。

    ボリュームタイプが"Standard"の場合
    1. 表示された「Primaryストレージ側のTFOV拡張」画面の[拡張後のボリューム容量]項目に、拡張後の容量を入力します。

      ポイント

      項目欄に入力できる文字数は、小数点(".")を含めて最大15文字です。単位に"MB"(メガバイト)を選択した場合は、小数点以下が切り捨てられます。単位に"GB"(ギガバイト)または"TB"(テラバイト)を選択した場合は、メガバイト単位に換算した値の小数点以下が切り捨てられます。

      容量は、2GB以上、かつRAIDグループの空き容量以下の値を入力してください。
      また、最大ボリュームサイズの128TBを超えないように入力してください。

      RAIDグループの「最大空き容量」と同じ容量を同じ形式("GB"または"TB"単位で同じ桁数)で入力すると、RAIDグループの最大空き容量をすべて使用するように補正された容量が追加されます。補正せずに入力した容量で追加したい場合は、"MB"単位で入力してください。

    2. PrimaryストレージのRAIDグループ一覧から、容量を確保するRAIDグループを選択します。

    3. [次へ]ボタンをクリックします。
      「Secondaryストレージ側のTFOV拡張」画面が表示されます。

    4. SecondaryストレージのRAIDグループ一覧から、容量を確保するRAIDグループを選択します。

    5. [次へ]ボタンをクリックします。
      「確認」画面が表示されます。

    6. 設定内容が正しいことを確認したあと、[容量拡張]ボタンをクリックします。

    ボリュームタイプが"TPV"または"FTV"の場合
    1. 表示された「TFOV拡張(TPV/FTV)」画面の[拡張後のボリューム容量]項目に、拡張後の容量を入力します。

      ポイント

      項目欄に入力できる文字数は、小数点(".")を含めて最大15文字です。単位に"MB"(メガバイト)を選択した場合は、小数点以下が切り捨てられます。単位に"GB"(ギガバイト)または"TB"(テラバイト)を選択した場合は、メガバイト単位に換算した値の小数点以下が切り捨てられます。

      容量は、25MB以上128TB以下の値を入力してください。

    2. 設定内容が正しいことを確認したあと、[容量拡張]ボタンをクリックします。

9.4.2.5 TFOV総容量の変更

TFOV総容量は変更可能です。変更手順は、「TFOV総容量の拡張」を参照してください。

ポイント

ペア化されているTFOグループが存在するときは、TFOV総容量を減らすことができません。TFOV総容量を減らす場合は、以下の作業を実施してください。

  1. 9.4.3.7 TFOペアの解除」の手順を実施してTFOペアを解除します。

  2. 9.4.2.3 業務ボリュームの追加/削除」を参照して不要な業務ボリュームを削除します。全TFOVの総容量を、手順3で設定するTFOV総容量以下にしてください。

  3. TFOV総容量を変更します。

  4. Storage Cluster運用を継続する場合は、手順1で解除したすべてのTFOペアに対して、「9.4.3.8 TFOペアの復旧」の手順を実施してTFOペアを復旧します。

9.4.2.6 手動Failover/Failback

Storage Clusterコントローラーを設置し、TFOグループ設定で自動Failoverを設定している場合は、ETERNUS ディスクアレイの故障を検知し自動的にフェイルオーバが実施されます。Storage Clusterコントローラーを設置しない場合や切替えのテストなど、今すぐ切り替える必要がある場合に、手動でフェイルオーバを実行することも可能です。手動でフェイルオーバを実行する場合は、通常モードと強制モードを選択できます。強制モードは「9.4.2.7 強制Failover」を参照してください。

TFOグループ設定で自動Failbackを設定している場合は、PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイが復旧したあと、フェイルバック可能な状態になったことを検知し、自動的にフェイルバックが実施されます。RAID故障から復旧した場合や任意のタイミングで切り替えたい場合は、手動でフェイルバックを実行することも可能です。

手動でフェイルオーバ/フェイルバックを実行する手順は以下のとおりです。フェイルオーバ/フェイルバックは、Primary/Secondaryストレージのどちらからでも実施できます。

  1. グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
    登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。

  2. メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。

  3. カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
    作成されているTFOグループがメインペインに表示されます。

  4. メインペインで、フェイルオーバまたはフェイルバックしたいTFOグループを選択し、アクションペインの[Failover]または[Failback]をクリックします。
    警告のダイアログが表示されます。

  5. フェイルオーバ/フェイルバックを実施する場合は、[OK]ボタンをクリックします。

ポイント

PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイの故障や撤去などによりETERNUS ディスクアレイと通信ができない場合は、手動でのフェイルオーバを実行できません。Primaryストレージのディスクアレイが停止していることを確認したあと、強制Failoverを実行してください。

9.4.2.7 強制Failover

PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイの故障や撤去などの理由により、業務サーバからアクセスできなくなった場合だけ、以下の手順で強制Failoverを実施してください。

  1. グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
    登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。

  2. メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
    PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイを選択してください。

  3. カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
    作成されているTFOグループが、メインペインに表示されます。

  4. メインペインで、強制FailoverしたいTFOグループを選択し、アクションペインの[強制Failover]をクリックします。
    警告のダイアログが表示されます。

  5. 強制Failoverを実施する場合は、[OK]ボタンをクリックします。

注意

PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイが業務サーバに接続されている場合は、本機能を実行しないでください。
本機能を実行すると、SecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイは、PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイの状態を確認したあとに安全なフェイルオーバを試みますが、状態を確認できない場合は、SecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイが強制的にActive状態になります。このとき、PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイがサーバに接続されていると、Primary/Secondaryストレージの両ストレージがActive状態となり、両系アクセスによるデータ破壊を起こす可能性があります。

9.4.2.8 TFOグループのステータス

TFOグループの各ステータスの意味は、以下のとおりです。

Active/Standby

そのディスクアレイがサーバに接続中(運用側)であるか、サーバに接続していない(待機側)かを示します。

ステータス

意味

Active

現在、そのディスクアレイがサーバに接続中(運用側)であることを示します。

Standby

現在、そのディスクアレイがサーバに接続していない(待機側)ことを示します。

Unknown
(注)

ネットワークの問題などにより、ステータスの更新に失敗しています。
故障によって切り替えられたディスクアレイは、ステータス更新が必ず失敗するため、"Unknown"となります。
9.4.2.2 TFOグループのステータス更新」を参照して、TFOグループのステータスの更新を実行してください。

注: "Unknown"は、全ステータス共通の意味であるため、以降省略します。

フェーズ

TFOグループの動作状態を示します。TFOグループの設定、フェイルオーバ/フェイルバックなどの操作や、ボリュームの同期状況などに応じて変化します。

ステータス

意味

Initial

TFOグループが設定されていますが、ボリュームが割り当てられていない状態です。
9.4.1 導入」と「9.4.2 運用」を参照して、設定作業を続行してください。

Maintenance

TFOポートペアやボリューム間のコピーセッションが強制的に解除された状態です。「9.4.1 導入」と「9.4.2 運用」を参照して、設定状況を見直すか、再設定してください。
Primary/Secondaryストレージともにこのステータスのときは、フェイルオーバ/フェイルバックを実行できる状態です。

Copying

PrimaryストレージからSecondaryストレージに向けてボリュームを同期しています。
同期が完了するまで待ち合わせてください。

Normal

ボリュームの同期が完了していて、フェイルオーバを実行できる状態です。

Failovered

フェイルオーバ完了直後の状態です。しばらくしてから更新してください。

Copying Back

Primaryストレージの復旧後、SecondaryストレージからPrimaryストレージに向けてボリュームを同期している状態です。
同期が完了するまで待ち合わせてください。

Failback Ready

Primaryストレージの復旧後、ボリュームの同期が完了していて、フェイルバックを実行できる状態です。

Failbacked

フェイルバック完了直後の状態です。
しばらくしてから更新してください。

Failed

ETERNUS ディスクアレイがダウンしている。または、REC経路が切断されている状態です。
フェイルオーバ/フェイルバックのシーケンス中で、このフェーズが表示された場合は、しばらくしてから更新してください。

Attention
(注)

Primary TFOグループとSecondary TFOグループでフェーズの不整合が発生しています。
Primary/SecondaryストレージのそれぞれのTFOグループ詳細画面で、[フェーズ]カラムの値を確認したあと、この表の各指示に従ってください。

注: Storage Clusterのオーバービュー画面だけに表示されます。

状態

TFOグループが正常な状態か、異常な状態のどちらであるかを示します。

ステータス

意味

Halt

TFOグループが異常な状態です。「Halt要因」を参照して、対処してください。

Normal

TFOグループが正常な状態です。

Disruption
(注)

Primary TFOグループとSecondary TFOグループで状態の不整合が発生しています。
Primary/SecondaryストレージのそれぞれのTFOグループ詳細画面で、[状態]カラムの値を確認したあと、この表の各指示に従ってください。

注: Storage Clusterのオーバービュー画面だけに表示されます。

Halt要因

TFOグループが異常な場合、その原因を示します。

ステータス

意味

None

TFOグループが正常な状態です。対処は不要です。

TFO Group Disconnected

接続先装置との経路が閉塞している、または起動されていない状態です。
経路閉塞の要因を取り除く、または接続先装置を起動してください。

Version Mismatch

接続先装置がStorage Cluster機能をサポートしていないか、ファームウェアがStorage Clusterをサポートしているバージョンではありません。ファームウェアが最新でない場合は、ファームウェアの更新を行ってください。

TFO Group Setting Missing

接続先装置のTFOグループの設定が存在しません。
9.4.1 導入」と「9.4.2 運用」を参照して、設定状況を見直すか、再設定してください。

TFO Group Setting Mismatch

Secondaryストレージの全RAポートでStorage Clusterのデータ転送が無効化されているか、接続元/先装置のTFOグループの設定に矛盾があります。以下のどちらかの対処を実施してください。

  • Secondaryストレージのポートパラメーターを見直す

  • 9.4.1 導入」と「9.4.2 運用」を参照して、TFOグループ設定状況を見直すか、再設定する

Monitoring Server Disconnected

Storage Clusterコントローラーへの経路が閉塞している、またはStorage Clusterコントローラーが起動されていない状態です。この状態はStorage Clusterコントローラーが設定されている場合だけ表示されます。以下のどちらの対処を実施してください。

  • Storage ClusterコントローラーとETERNUS ディスクアレイとの通信経路を見直す

  • 9.5 Storage Clusterコントローラー」を参照して、設定を見直すか、再設定する

注意

上記以外のステータスが表示されたときは、以下の操作を実行してください。

問題が解決しない場合は、表示されたステータスを記録して、当社技術員(SE)に連絡してください。