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ETERNUS SF Storage Cruiser 16.7 運用ガイド
FUJITSU Storage

9.4.1 導入

Storage Cluster機能を利用するには、以下の手順で事前設定を行ってください。

  1. ETERNUS ディスクアレイの登録とライセンスの登録

  2. サーバとFCスイッチの登録/設定

  3. Storage Cluster構成の設定

  4. TFOV総容量の拡張

ETERNUS ディスクアレイの登録とライセンスの登録

  1. ETERNUS ディスクアレイの登録

    Storage Cluster機能を使用する、すべてのETERNUS ディスクアレイを装置登録してください。

    参照

    ETERNUS ディスクアレイの登録手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ETERNUS ディスクアレイの登録」を参照してください。

  2. ライセンスの登録

    手順1で登録したETERNUS ディスクアレイに、Storage Clusterオプションライセンスを登録してください。
    Storage Cluster機能を使用するすべてのETERNUS ディスクアレイに、ライセンスを登録する必要があります。

    参考

    Storage Clusterオプションライセンスを登録するには、以下のライセンスが登録されている必要があります。

    • ETERNUS SF Storage Cruiser Standard Editionライセンス

    • ETERNUS SF AdvancedCopy Manager Standard Editionライセンス

    参照

    ライセンスの登録手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ライセンスの登録」を参照してください。

サーバとFCスイッチの登録/設定

  1. FCスイッチの登録 (FC構成の場合だけ)

    Storage Cluster機能を使用するすべてのFCスイッチを装置登録してください。

    参照

    FCスイッチの登録手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「FCスイッチの登録」を参照してください。

  2. Storage Clusterコントローラーの設定

    自動Failoverを使用する場合は、Storage Clusterコントローラーの設定が必要です。

    Storage Clusterコントローラーの設定は、Webコンソールではなく、サーバにログインして操作および確認する必要があります。

    参照

    Storage Clusterコントローラーの設定手順は、「9.5 Storage Clusterコントローラー」を参照してください。

  3. 業務サーバの登録

    Storage Cluster機能で使用する業務サーバを、すべて登録してください。

    参照

    業務サーバの登録手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「サーバの登録」を参照してください。

Storage Cluster構成の設定

Storage Cluster機能に必要なETERNUS ディスクアレイの構成を設定します。構成例は「図9.13 Storage Cluster構成例(PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイがActiveな場合)」のとおりです。

図9.13 Storage Cluster構成例(PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイがActiveな場合)

以下の設定が必要です。

FC構成とiSCSI構成で、設定手順が異なります。それぞれの構成における設定手順は以下のとおりです。

注意

iSCSI構成の場合、手順4「ポートの設定 (業務サーバに接続するためのポート)」を手順3「TFOグループの設定」の前に実施すると、IPアドレスの競合が発生して、業務サーバからPrimary/Secondaryストレージにアクセスできなくなるおそれがあります。FC構成とiSCSI構成を間違えないようにしてください。

それぞれの設定内容の詳細は、以下のとおりです。

ポートの設定

Storage Cluster機能では、ETERNUS ディスクアレイのポートを以下の2通りの用途で使用します。

RECパスのためのポート

Storage Cluster機能では、同期転送方式を使用して、PrimaryストレージとSecondaryストレージの業務ボリュームの内容を等価に保ちます。そのコピー経路となるRECパスを設定するための、PrimaryストレージとSecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイのポートが必要です。

Storage Cluster機能におけるRECパスを設定するためのポートには、以下の条件があります。

  • ポートのインターフェースタイプは"FC"または"iSCSI"である必要があります。"FCoE"は使用できません。

  • ポートモードは"RA"または"CA/RA"である必要があります。

必要に応じて、それぞれのETERNUS ディスクアレイに対して、ポートモードを変更してください。

参照

ポートモードの変更手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「FCポート/iSCSIポート/SASポートの設定変更」を参照してください。

業務サーバに接続するためのポート

Storage Cluster機能では、Primary/SecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイ間で、業務サーバに接続するためのポートをペア化します。フェイルオーバ/フェイルバック時にアクセスするポートを自動的に切り替えることで、業務ボリュームへのアクセスを継続します。

業務サーバに接続するポートには、以下の条件があります。

  • ポートのインターフェースタイプは"FC"または"iSCSI"である必要があります。"FCoE"は使用できません。

  • ポートモードは"CA"である必要があります。"CA/RA"は使用できません。

  • ペアに指定するポートのポートパラメーターは、すべて同じである必要があります。
    ただし、iSCSI構成の場合、かつPrimaryストレージとSecondaryストレージを異なるサブネット間で運用する場合は、Primary/Secondaryストレージに異なるiSCSI IPアドレスを設定できます。

  • Primary/Secondaryストレージ間で構築するCAポートペアは、同一のインターフェースタイプである必要があります。

  • 複数のCAポートペアを構築する場合、同一のインターフェースタイプである必要があります。

  • 1台のETERNUS ディスクアレイに複数のTFOグループを作成する場合、それぞれのTFOグループのCAポートペアは、同一のインターフェースタイプである必要があります。

  • マルチパス接続を行う場合は、関連付けられたすべてのポートをペア化するために、Primary/SecondaryストレージのそれぞれのETERNUS ディスクアレイに、同じ数のポートを用意する必要があります。ポートは、2つ以上必要です。

必要に応じて、それぞれのETERNUS ディスクアレイに対して、ポートモードおよびポートパラメーターを変更してください。

参照

ポートモードおよびポートパラメーターの変更手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「FCポート/iSCSIポート/SASポートの設定変更」を参照してください。

RECパスの設定

RECパスのためのポート」で設定したポートを使用し、Primary/SecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイ間に、RECパスを設定します。RECパスの設定は、PrimaryストレージまたはSecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイから一度実行するだけで、両方のETERNUS ディスクアレイに設定されます。Webコンソールで以下の手順を実施してください。

  1. グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
    登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。

  2. メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。

  3. カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
    カテゴリーペインの項目が、Storage Cluster機能に関する項目に切り替わります。

  4. カテゴリーペインで、[RECパス]をクリックします。
    作成されているRECパスが、メインペインに表示されます。

  5. アクションペインで、[ウィザード]の下にある[リモートコピー設定]をクリックします。
    リモート・アドバンスト・コピー設定ウィザード画面が表示されるので、[次へ]ボタンをクリックします。
    リモートパートナーを選択する画面が表示されます。

  6. リモートコピーのコピー先となるETERNUS ディスクアレイを選択して、[次へ]ボタンをクリックします。
    コピーテーブルサイズを設定する画面が表示されます。

  7. コピー元とコピー先の両方のETERNUS ディスクアレイに対して、コピー・パラメーターを設定したあと、[次へ]ボタンをクリックします。
    RECパスを設定する画面が表示されます。

  8. ETERNUS ディスクアレイ間のリモートコピー経路と接続タイプを選択して、[次へ]ボタンをクリックします。
    RECバッファを設定する画面が表示されます。

  9. Storage Cluster機能の運用にはRECバッファは必要ないため、[次へ]ボタンをクリックします。
    設定の確認画面が表示されます。

  10. 情報が正しければ、[閉じる]ボタンをクリックします。

注意

RECパスの回線速度および圧縮率の設定は、1つ以上のRECパスを追加した場合だけ有効です。既存のRECパスの削除だけを実施する場合は、指定した回線速度および圧縮率は設定されません。

TFOグループの設定

業務サーバに接続するためのポート」を使用し、Primary/SecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイ間に、TFOグループを設定します。TFOグループの設定は、PrimaryストレージまたはSecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイから一度実行するだけで、両方のETERNUS ディスクアレイに設定されます。

ポイント

ファームウェア版数がV10L70以降のETERNUS ディスクアレイでは、TFOグループを作成した際、CAポートのLinkdownが発生したときに自動Failoverするように設定されます。CAポートのLinkdownが発生しても自動Failoverしないようにするには、ETERNUS CLIを利用してTFOグループの設定を変更する必要があります。利用するETERNUS CLIのコマンド名および書式は、ETERNUS ディスクアレイ付属のマニュアルを参照してください。

なお、TFOグループにおいてCAポートLinkdown時の自動Failover機能を利用するには、そのTFOグループが以下のすべての条件を満たしている必要があります。

注意

  • 自動Failoverモードを使用するには、Storage Clusterコントローラーが必要です。Storage Clusterコントローラーの設定および確認手順は、「9.5 Storage Clusterコントローラー」を参照してください。

  • 1対のETERNUS ディスクアレイに複数のTFOグループを作成する場合、1つのCAポートペアを複数のTFOグループで指定できません。

  • 双方向のStorage Cluster機能で運用する場合は、「図9.14 双方向のStorage Cluster機能の運用を行う構成例」のように、1対のETERNUS ディスクアレイにおいて、PrimaryストレージとSecondaryストレージを入れ替えた2つのTFOグループを作成する必要があります。

    図9.14 双方向のStorage Cluster機能の運用を行う構成例

  • マルチパス接続などの場合に、ある1つのLUN/アフィニティグループに対して、複数のアクセスパス(ホストアフィニティ)が設定されていることがあります。このようなアクセスパス(ホストアフィニティ)に含まれるポートをTFOグループのCAポートペアに指定する場合、対象のLUN/アフィニティグループと関連付けられたすべてのポートを同時に選択してください。

  • Secondaryストレージ側のCAポートに対するアクセスパス(ホストアフィニティ)の設定は、TFOグループの設定後に行ってください。TFOグループの設定前に、Secondaryストレージ側のCAポートに対するアクセスパス(ホストアフィニティ)を設定すると、その時点でSecondaryストレージ側のボリュームが業務サーバに認識され、トラブルとなる可能性があります。このため、ポートペアの選択画面では、アクセスパス(ホストアフィニティ)を設定済みのSecondaryストレージ側のCAポートは選択できません。

  • TFOグループにCAポートを追加する場合は、PrimaryストレージのTFOステータスが"Active"、SecondaryストレージのTFOステータスが"Standby"である必要があります。

  • ETERNUS ディスクアレイ(ETERNUS DX S4 series, ETERNUS AF S2 seriesを除く)において、V10L70より前のファームウェア版数でTFOグループを作成していた場合、ETERNUS ディスクアレイのファームウェアをV10L70以降にアップグレードしても、そのTFOグループはCAポートLinkdownによる自動Failover機能を利用しない設定になっています。そのTFOグループでCAポートLinkdownによる自動Failover機能を利用するには、ETERNUS CLIを利用してTFOグループの設定を変更する必要があります。利用するETERNUS CLIのコマンド名および書式は、ETERNUS ディスクアレイ付属のマニュアルを参照してください。

TFOグループを設定するには、Webコンソールで以下の手順を実施してください。

  1. グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
    登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。

  2. メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。

  3. カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
    作成されているTFOグループが、メインペインに表示されます。

  4. アクションペインで、[TFOグループ]の下にある[設定]をクリックします。
    TFOグループ設定ウィザード画面が表示されます。

  5. ETERNUS ディスクアレイとオプションの選択画面が表示されます。

    • TFOグループを新規作成する場合
      リモートのETERNUS ディスクアレイを選択し、どちらのETERNUS ディスクアレイをPrimaryストレージとするかを指定します。

    • 既存のTFOグループを変更する場合
      Primary/Secondaryストレージの指定は変更できません。

    Failoverモードの初期値は"Auto"が選択されています。手動でフェイルオーバを行う場合は、"Manual"を選択してください。
    Failbackモードの初期値は"Manual"が選択されています。自動でフェイルバックを行う場合は、"Auto"を選択してください。
    入力が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
    TFOグループ設定画面が表示されます。

  6. Primary/Secondaryストレージのポート一覧から、ペアにするポートをそれぞれ1つずつ選択して、[追加]ボタンをクリックします。削除する場合は、[ポートペア一覧]テーブルから不要なペアを選択して、[削除]ボタンをクリックします。

  7. 必要な設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
    設定の確認画面が表示されます。

  8. 情報が正しければ、[設定]ボタンをクリックします。

TFOV総容量の拡張

Storage Cluster機能の対象とするボリュームの、装置あたりの総容量(以降、“TFOV総容量”と呼びます)を設定できます。TFOV総容量は、業務ボリュームの総容量に合わせて拡張してください。

拡張作業は、必要に応じてPrimaryストレージとSecondaryストレージのそれぞれの装置に対して実施してください。
Webコンソールを使ってTFOV総容量を設定する手順は、以下のとおりです。

  1. グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
    登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。

  2. メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。

  3. カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
    カテゴリーペインの項目が、Storage Cluster機能に関する項目に切り替わります。

  4. カテゴリーペインで、[設定]をクリックします。
    設定されているTFOV総容量が、メインペインに表示されます。

  5. アクションペインで、[設定]の下にある[変更]をクリックします。
    「Storage Clusterの設定」画面が表示されます。

  6. [TFOV総容量]の項目で、設定したい容量を選択します。

  7. [設定]ボタンをクリックします。