Storage Cluster機能を利用するには、以下の手順で事前設定を行ってください。
ETERNUS ディスクアレイの登録とライセンスの登録
ETERNUS ディスクアレイの登録
Storage Cluster機能を使用する、すべてのETERNUS ディスクアレイを装置登録してください。
参照
ETERNUS ディスクアレイの登録手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ETERNUS ディスクアレイの登録」を参照してください。
ライセンスの登録
手順1で登録したETERNUS ディスクアレイに、Storage Clusterオプションライセンスを登録してください。
Storage Cluster機能を使用するすべてのETERNUS ディスクアレイに、ライセンスを登録する必要があります。
参考
Storage Clusterオプションライセンスを登録するには、以下のライセンスが登録されている必要があります。
ETERNUS SF Storage Cruiser Standard Editionライセンス
ETERNUS SF AdvancedCopy Manager Standard Editionライセンス
参照
ライセンスの登録手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ライセンスの登録」を参照してください。
サーバとFCスイッチの登録/設定
FCスイッチの登録 (FC構成の場合だけ)
Storage Cluster機能を使用するすべてのFCスイッチを装置登録してください。
参照
FCスイッチの登録手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「FCスイッチの登録」を参照してください。
Storage Clusterコントローラーの設定
自動Failoverを使用する場合は、Storage Clusterコントローラーの設定が必要です。
Storage Clusterコントローラーの設定は、Webコンソールではなく、サーバにログインして操作および確認する必要があります。
参照
Storage Clusterコントローラーの設定手順は、「9.5 Storage Clusterコントローラー」を参照してください。
業務サーバの登録
Storage Cluster機能で使用する業務サーバを、すべて登録してください。
参照
業務サーバの登録手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「サーバの登録」を参照してください。
Storage Cluster構成の設定
Storage Cluster機能に必要なETERNUS ディスクアレイの構成を設定します。構成例は「図9.13 Storage Cluster構成例(PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイがActiveな場合)」のとおりです。
図9.13 Storage Cluster構成例(PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイがActiveな場合)
以下の設定が必要です。
RECパスのためのポート
業務サーバに接続するためのポート
FC構成とiSCSI構成で、設定手順が異なります。それぞれの構成における設定手順は以下のとおりです。
FC構成の場合
iSCSI構成の場合
注意
iSCSI構成の場合、手順4「ポートの設定 (業務サーバに接続するためのポート)」を手順3「TFOグループの設定」の前に実施すると、IPアドレスの競合が発生して、業務サーバからPrimary/Secondaryストレージにアクセスできなくなるおそれがあります。FC構成とiSCSI構成を間違えないようにしてください。
それぞれの設定内容の詳細は、以下のとおりです。
ポートの設定
Storage Cluster機能では、ETERNUS ディスクアレイのポートを以下の2通りの用途で使用します。
Storage Cluster機能では、同期転送方式を使用して、PrimaryストレージとSecondaryストレージの業務ボリュームの内容を等価に保ちます。そのコピー経路となるRECパスを設定するための、PrimaryストレージとSecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイのポートが必要です。
Storage Cluster機能におけるRECパスを設定するためのポートには、以下の条件があります。
ポートのインターフェースタイプは"FC"または"iSCSI"である必要があります。"FCoE"は使用できません。
ポートモードは"RA"または"CA/RA"である必要があります。
必要に応じて、それぞれのETERNUS ディスクアレイに対して、ポートモードを変更してください。
参照
ポートモードの変更手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「FCポート/iSCSIポート/SASポートの設定変更」を参照してください。
Storage Cluster機能では、Primary/SecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイ間で、業務サーバに接続するためのポートをペア化します。フェイルオーバ/フェイルバック時にアクセスするポートを自動的に切り替えることで、業務ボリュームへのアクセスを継続します。
業務サーバに接続するポートには、以下の条件があります。
ポートのインターフェースタイプは"FC"または"iSCSI"である必要があります。"FCoE"は使用できません。
ポートモードは"CA"である必要があります。"CA/RA"は使用できません。
ペアに指定するポートのポートパラメーターは、すべて同じである必要があります。
ただし、iSCSI構成の場合、かつPrimaryストレージとSecondaryストレージを異なるサブネット間で運用する場合は、Primary/Secondaryストレージに異なるiSCSI IPアドレスを設定できます。
Primary/Secondaryストレージ間で構築するCAポートペアは、同一のインターフェースタイプである必要があります。
複数のCAポートペアを構築する場合、同一のインターフェースタイプである必要があります。
1台のETERNUS ディスクアレイに複数のTFOグループを作成する場合、それぞれのTFOグループのCAポートペアは、同一のインターフェースタイプである必要があります。
マルチパス接続を行う場合は、関連付けられたすべてのポートをペア化するために、Primary/SecondaryストレージのそれぞれのETERNUS ディスクアレイに、同じ数のポートを用意する必要があります。ポートは、2つ以上必要です。
必要に応じて、それぞれのETERNUS ディスクアレイに対して、ポートモードおよびポートパラメーターを変更してください。
参照
ポートモードおよびポートパラメーターの変更手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「FCポート/iSCSIポート/SASポートの設定変更」を参照してください。
RECパスの設定
「RECパスのためのポート」で設定したポートを使用し、Primary/SecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイ間に、RECパスを設定します。RECパスの設定は、PrimaryストレージまたはSecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイから一度実行するだけで、両方のETERNUS ディスクアレイに設定されます。Webコンソールで以下の手順を実施してください。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
カテゴリーペインの項目が、Storage Cluster機能に関する項目に切り替わります。
カテゴリーペインで、[RECパス]をクリックします。
作成されているRECパスが、メインペインに表示されます。
アクションペインで、[ウィザード]の下にある[リモートコピー設定]をクリックします。
リモート・アドバンスト・コピー設定ウィザード画面が表示されるので、[次へ]ボタンをクリックします。
リモートパートナーを選択する画面が表示されます。
リモートコピーのコピー先となるETERNUS ディスクアレイを選択して、[次へ]ボタンをクリックします。
コピーテーブルサイズを設定する画面が表示されます。
コピー元とコピー先の両方のETERNUS ディスクアレイに対して、コピー・パラメーターを設定したあと、[次へ]ボタンをクリックします。
RECパスを設定する画面が表示されます。
ETERNUS ディスクアレイ間のリモートコピー経路と接続タイプを選択して、[次へ]ボタンをクリックします。
RECバッファを設定する画面が表示されます。
Storage Cluster機能の運用にはRECバッファは必要ないため、[次へ]ボタンをクリックします。
設定の確認画面が表示されます。
情報が正しければ、[閉じる]ボタンをクリックします。
注意
RECパスの回線速度および圧縮率の設定は、1つ以上のRECパスを追加した場合だけ有効です。既存のRECパスの削除だけを実施する場合は、指定した回線速度および圧縮率は設定されません。
TFOグループの設定
「業務サーバに接続するためのポート」を使用し、Primary/SecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイ間に、TFOグループを設定します。TFOグループの設定は、PrimaryストレージまたはSecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイから一度実行するだけで、両方のETERNUS ディスクアレイに設定されます。
ポイント
ファームウェア版数がV10L70以降のETERNUS ディスクアレイでは、TFOグループを作成した際、CAポートのLinkdownが発生したときに自動Failoverするように設定されます。CAポートのLinkdownが発生しても自動Failoverしないようにするには、ETERNUS CLIを利用してTFOグループの設定を変更する必要があります。利用するETERNUS CLIのコマンド名および書式は、ETERNUS ディスクアレイ付属のマニュアルを参照してください。
なお、TFOグループにおいてCAポートLinkdown時の自動Failover機能を利用するには、そのTFOグループが以下のすべての条件を満たしている必要があります。
Failoverモードが"Auto"である
Failbackモードが"Manual"である
注意
自動Failoverモードを使用するには、Storage Clusterコントローラーが必要です。Storage Clusterコントローラーの設定および確認手順は、「9.5 Storage Clusterコントローラー」を参照してください。
1対のETERNUS ディスクアレイに複数のTFOグループを作成する場合、1つのCAポートペアを複数のTFOグループで指定できません。
双方向のStorage Cluster機能で運用する場合は、「図9.14 双方向のStorage Cluster機能の運用を行う構成例」のように、1対のETERNUS ディスクアレイにおいて、PrimaryストレージとSecondaryストレージを入れ替えた2つのTFOグループを作成する必要があります。
図9.14 双方向のStorage Cluster機能の運用を行う構成例
マルチパス接続などの場合に、ある1つのLUN/アフィニティグループに対して、複数のアクセスパス(ホストアフィニティ)が設定されていることがあります。このようなアクセスパス(ホストアフィニティ)に含まれるポートをTFOグループのCAポートペアに指定する場合、対象のLUN/アフィニティグループと関連付けられたすべてのポートを同時に選択してください。
Secondaryストレージ側のCAポートに対するアクセスパス(ホストアフィニティ)の設定は、TFOグループの設定後に行ってください。TFOグループの設定前に、Secondaryストレージ側のCAポートに対するアクセスパス(ホストアフィニティ)を設定すると、その時点でSecondaryストレージ側のボリュームが業務サーバに認識され、トラブルとなる可能性があります。このため、ポートペアの選択画面では、アクセスパス(ホストアフィニティ)を設定済みのSecondaryストレージ側のCAポートは選択できません。
TFOグループにCAポートを追加する場合は、PrimaryストレージのTFOステータスが"Active"、SecondaryストレージのTFOステータスが"Standby"である必要があります。
ETERNUS ディスクアレイ(ETERNUS DX S4 series, ETERNUS AF S2 seriesを除く)において、V10L70より前のファームウェア版数でTFOグループを作成していた場合、ETERNUS ディスクアレイのファームウェアをV10L70以降にアップグレードしても、そのTFOグループはCAポートLinkdownによる自動Failover機能を利用しない設定になっています。そのTFOグループでCAポートLinkdownによる自動Failover機能を利用するには、ETERNUS CLIを利用してTFOグループの設定を変更する必要があります。利用するETERNUS CLIのコマンド名および書式は、ETERNUS ディスクアレイ付属のマニュアルを参照してください。
TFOグループを設定するには、Webコンソールで以下の手順を実施してください。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
作成されているTFOグループが、メインペインに表示されます。
アクションペインで、[TFOグループ]の下にある[設定]をクリックします。
TFOグループ設定ウィザード画面が表示されます。
ETERNUS ディスクアレイとオプションの選択画面が表示されます。
TFOグループを新規作成する場合
リモートのETERNUS ディスクアレイを選択し、どちらのETERNUS ディスクアレイをPrimaryストレージとするかを指定します。
既存のTFOグループを変更する場合
Primary/Secondaryストレージの指定は変更できません。
Failoverモードの初期値は"Auto"が選択されています。手動でフェイルオーバを行う場合は、"Manual"を選択してください。
Failbackモードの初期値は"Manual"が選択されています。自動でフェイルバックを行う場合は、"Auto"を選択してください。
入力が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
TFOグループ設定画面が表示されます。
Primary/Secondaryストレージのポート一覧から、ペアにするポートをそれぞれ1つずつ選択して、[追加]ボタンをクリックします。削除する場合は、[ポートペア一覧]テーブルから不要なペアを選択して、[削除]ボタンをクリックします。
必要な設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
設定の確認画面が表示されます。
情報が正しければ、[設定]ボタンをクリックします。
TFOV総容量の拡張
Storage Cluster機能の対象とするボリュームの、装置あたりの総容量(以降、“TFOV総容量”と呼びます)を設定できます。TFOV総容量は、業務ボリュームの総容量に合わせて拡張してください。
拡張作業は、必要に応じてPrimaryストレージとSecondaryストレージのそれぞれの装置に対して実施してください。
Webコンソールを使ってTFOV総容量を設定する手順は、以下のとおりです。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
カテゴリーペインの項目が、Storage Cluster機能に関する項目に切り替わります。
カテゴリーペインで、[設定]をクリックします。
設定されているTFOV総容量が、メインペインに表示されます。
アクションペインで、[設定]の下にある[変更]をクリックします。
「Storage Clusterの設定」画面が表示されます。
[TFOV総容量]の項目で、設定したい容量を選択します。
[設定]ボタンをクリックします。