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PRIMECLUSTER Global Disk Services  説明書 4.3
FUJITSU Software

7.3.5 注意事項


7.3.5.1 物理ディスクの容量

交換前の物理ディスクよりも容量の小さい物理ディスクに交換することはできません。


7.3.5.2 物理ディスク交換できないディスク

ボリューム内で唯一有効な (ACTIVE または STOP 状態の) スライスが存在するディスクは、物理ディスク交換ができません。

例えば、以下の場合が該当します。

この場合、以下のいずれかの構成変更を行うことにより、物理ディスク交換が可能になります。

  1. 交換するディスクがミラーグループに接続されている場合、ミラーグループに新しいディスクを追加し、ボリュームの等価性コピーが正常に完了すると、物理ディスク交換が可能になります。

  2. シングルディスクを交換する場合、シングルディスクと使用していない他のディスクを新しいミラーグループに追加し、ボリュームの等価性コピーが正常に完了すると、物理ディスク交換が可能になります。

  3. 交換するディスクに存在するボリュームを削除すると、物理ディスク交換が可能になります。
    ボリュームを削除する前に、必要に応じてボリュームのデータをバックアップしてください。

予防保守の場合など、交換するディスクのデータが正当な場合は、a. および b. を推奨します。この場合、活性交換可能なディスク装置であれば、ボリュームを使用しているアプリケーションを停止せずにディスクを交換することができます。


7.3.5.3 プロキシボリュームがミラーリング構成の場合の物理ディスク交換

プロキシボリュームがミラーリング構成の場合、結合状態のプロキシボリュームを構成するディスクを交換すると、等価性回復コピーが実行されないため、交換したディスク上のプロキシボリュームのスライスは INVALID 状態になります。この場合、プロキシオブジェクトを、一度、分離 (Part) してから、再結合 (Rejoin) してください。

プロキシオブジェクトの分離および再結合の操作については、「B.2.1 sdxproxy - プロキシオブジェクトの操作」を参照してください。


7.3.5.4 VMware環境の場合

ゲスト OS が RHEL5.5以前のバージョンの場合、GDS 運用管理ビューの「物理ディスク復旧」または sdxswap -I コマンド実行時に、以下のエラーメッセージが出力され、物理ディスクの復旧が失敗することがあります。

ERROR: disk: device: not enough size

この現象は、以下の操作を実施したときに発生します。

  1. ディスクにアクセスできない状態でゲストOSを起動する。

  2. GDS運用管理ビューの「物理ディスク交換」またはsdxswap -Oコマンドを実行する。

  3. ディスクにアクセスできるようにハードウェアの復旧を行う。

  4. GDS運用管理ビューの「物理ディスク復旧」またはsdxswap -Iコマンドを実行する。

この現象が発生した場合、ゲストOSで以下のコマンドを実行してから、手順4を再度実行してください。

# echo 1 > /sys/block/sdX/device/rescan

7.3.5.5 ルートクラスまたはローカルクラスに登録されている内蔵ディスクの交換【RHEL6以降】

ディスク交換を行った後、デバイス名ずれが発生した状態(物理ディスク名がディスク登録時と異なる状態)では、GDS 運用管理ビューの「物理ディスク復旧」および sdxswap -I コマンドは実行できません。

GDS 運用管理ビューの「物理ディスク復旧」または sdxswap -I コマンドを実行する前に、以下の手順に従って、交換後の内蔵ディスクのデバイス名と GDS が管理しているデバイス名にずれが発生していないことを確認してください。

複数の内蔵ディスクを交換する場合は、一度に交換せず、内蔵ディスクを1つ交換するごとにデバイス名にずれが発生していないことを以下の手順で確認してください。

1) 交換前の物理ディスクの情報取得

内蔵ディスクを交換する前に、以下のコマンドの出力を取得します。

# ls -l /dev/disk/by-id
2) 交換後の物理ディスクの情報取得

内蔵ディスクを交換した後、以下のコマンドの出力を取得します。

# ls -l /dev/disk/by-id
3) 交換後の内蔵ディスクのデバイス名の確認

1) と 2) の情報を比較し、交換後の内蔵ディスクのデバイス名を確認します。

交換後の内蔵ディスクは、交換前に存在しなかった by-id 名のディスクです。

以下は、/dev/sda の物理ディスクを交換した場合の例です。

なお、ls コマンドの出力のうちパーティションの情報は比較対象にしないでください。

[交換前]

# ls -l /dev/disk/by-id
lrwxrwxrwx. 1 … scsi-aaaaaaaaaaaaaaaa -> ../../sda
lrwxrwxrwx. 1 … scsi-bbbbbbbbbbbbbbbb -> ../../sdb
lrwxrwxrwx. 1 … scsi-cccccccccccccccc -> ../../sdc

[交換後]

# ls -l /dev/disk/by-id
lrwxrwxrwx. 1 … scsi-xxxxxxxxxxxxxxxx -> ../../sda
lrwxrwxrwx. 1 … scsi-bbbbbbbbbbbbbbbb -> ../../sdb
lrwxrwxrwx. 1 … scsi-cccccccccccccccc -> ../../sdc
4) GDS が管理している内蔵ディスクのデバイス名の確認

以下のコマンドで、交換前の内蔵ディスクが、GDS でどのようなデバイス名で管理されているかを確認します。

<クラス名> には、交換前の内蔵ディスクが登録されているクラス名、<ディスク名> には、交換前の内蔵ディスクのディスク名を指定してください。

# /etc/opt/FJSVsdx/bin/sdxdevinfo -c <クラス名> -d <ディスク名>

例)

# /etc/opt/FJSVsdx/bin/sdxdevinfo -c RootClass -d rootDisk0001
class     disk         device   by-id
--------  --------     -------- --------
RootClass rootDisk0001 sda      3500000e111c01810
5) デバイス名ずれの有無の確認

3) で確認した交換後の内蔵ディスクのデバイス名と、 4) で確認した GDS が管理しているデバイス名が同じであれば、デバイス名ずれは発生していないと判断できます。

デバイス名ずれが発生している場合、システムを再起動して、デバイス名ずれが解消されたかを再度確認してください。

デバイス名ずれが解消されない場合、原因を特定して対処してください。