クラスタシステムを構成する任意の 1 ノードで、以下の手順を実施します。
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クラスタシステムを構成する任意の 1 ノードに、システム管理者権限でログインします。
共用ディスク定義ファイルの作成
共用ディスク定義ファイルとは、クラスタシステムの各ノードと各共用ディスク装置の物理的な接続構成を記述するファイルです。以下の形式で記述します。
リソースキー名 デバイス名 ノード識別名 リソースキー名 デバイス名 ノード識別名 : |
各ノードに接続されている共用ディスク装置のデバイスごとに、"リソースキー名 デバイス名 ノード識別名" を 1 行で記述します。
"リソースキー名"、"デバイス名"、"ノード識別名" の区切りは、空白 1 文字です。
"リソースキー名"、"デバイス名"、"ノード識別名" には、以下の値を記述します。
リソースキー名には、共用ディスク装置のデバイスごとの共用関係を示すリソースの名前を指定します。同一のディスクに対しては、同じ名前を指定する必要があります。リソースキー名は、"shd 番号" の形式で指定します。"shd" は固定文字列です。"番号" は 4 桁の任意の数字です。複数の共用ディスクがある場合、"番号" には異なる数字を指定してください。
[例] /dev/sdb と /dev/sdc が複数のノードに共用接続されている場合
/dev/sdb のリソースキー名: shd0001 /dev/sdc のリソースキー名: shd0002
デバイス名には、共用ディスク装置のデバイスパスをフルパスで指定します。
サーバ間ミラーリング機能を使用する場合は、「4.6 サーバ間ミラーリングを行うディスクの設定【4.3A40以降】【RHEL6】」で作成した iSCSI デバイスのデバイスパスをフルパスで指定します。記述できる iSCSI デバイスは 16 個までです。ミラーリングする iSCSI デバイスの対を記述してください。ミラーリングする iSCSI デバイスの対のうちの片方だけを登録することはできません。
[例] /dev/sdb の場合
/dev/sdb
注意
DM-MPを使用する場合
- デバイス名は /dev/mapper/mpathX の形式で記述してください。
- デバイス名を /dev/dm-X の形式で記述しないでください。
- mpath デバイスを構成するネイティブデバイス (sd デバイス) を記述しないでください。
仮想環境のゲストの場合
- ゲストにおけるデバイス名を記述してください。
例えば、KVM ゲストの virtio ブロックデバイスの場合、管理 OS におけるデバイス名 /dev/sdX ではなく、 KVM ゲストにおけるデバイス名 /dev/vdX を記述してください。
共用ディスク装置のデバイスが存在するノードの識別名を指定します。ノード識別名は、clgettree(1) コマンドで確認できます。
参照
clgettree(1) コマンドの詳細は、clgettree(1) コマンドのマニュアルページを参照してください。
[例] 以下の場合、node1 と node2 がノード識別名です。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree
Cluster 1 cluster
Domain 2 PRIME
Shared 7 SHD_PRIME
Node 3 node1 ON
Node 5 node2 ON |
以下に、ノード node1 と node2 で、共用ディスク装置のデバイス /dev/sdb と dev/sdc を共用している場合の、共用ディスク定義ファイルの例を示します。
shd0001 /dev/sdb node1 shd0001 /dev/sdb node2 shd0002 /dev/sdc node1 shd0002 /dev/sdc node2 |
共用ディスク装置を追加し、追加した共用ディスク装置をリソースデータベースに登録する場合は、追加した共用ディスク装置の情報のみを定義します。
[例] shd0001およびshd0002がすでにリソースデータベースに登録されている状態で、追加した共用ディスク装置/dev/sdd (*1) をリソースデータベースに登録する場合
共用ディスク定義ファイルの例を示します。
shd0003 /dev/sdd node1 shd0003 /dev/sdd node2
*1) 注意
共用ディスク装置を追加したことにより、デバイス名ずれが発生することがあるため、必ず追加した共用ディスク装置のデバイス名を確認して定義してください。
clautoconfig(8) コマンドによるリソース登録の実行
clautoconfig(8) コマンドを実行することにより、手順 2. で作成した共用ディスク定義ファイルに記述されている共用ディスク装置の情報を、リソースデータベースに登録します。clautoconfig(8) コマンドは、以下の形式で指定します。
[形式]
/etc/opt/FJSVcluster/bin/clautoconfig -f 共用ディスク定義ファイルのフルパス
[例]
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clautoconfig -f /var/tmp/diskfile |
注意
clautoconfig(8) コマンドが異常終了した場合は、表示されたメッセージの対処法に従い、対処してください。clautoconfig(8) コマンドのメッセージについては、以下を参照してください。
4.3A20以前の場合
「PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書」
4.3A30以降の場合
「PRIMECLUSTER 活用ガイド<メッセージ集>」
共用ディスク装置のデバイス名がノードによって異なる場合、共用ディスク定義ファイルに記述されているすべてのデバイスファイルが存在しているノードで、clautoconfig(8)コマンドを実行してください。clautoconfig(8)コマンドを実行したノードに、共用ディスク定義ファイルに記述されているデバイスファイルが存在しない場合、以下のエラーメッセージが出力され、リソース登録が失敗します。
FJSVcluster: ERROR: clautoconfig: 6900: Automatic resource registration processing terminated abnormally. (detail: /dev/sdX)
例) 各ノードに以下のデバイスファイルが存在する場合について説明します。
ノード | 内蔵ディスク | 共用ディスク |
---|---|---|
node1 | sda、sdb、sdc | sdd、sde |
node2 | sda、sdb | sdc、sdd |
この場合、共用ディスク定義ファイルの内容は以下のとおりです。
shd0001 /dev/sdd node1 shd0001 /dev/sdc node2 shd0002 /dev/sde node1 shd0002 /dev/sdd node2 |
共用ディスク定義ファイルには、sdc、sdd、sde のデバイスファイルが記述されています。
ノードnode1にはsdc、sdd、sdeのデバイスファイルが存在しますが、ノードnode2にはsdeのデバイスファイルが存在しません。このため、この例では、clautoconfig(8)コマンドはノードnode1で実行する必要があります。
登録されたリソースの確認
リソースデータベースに登録された共用ディスク装置の情報を確認します。登録された情報を確認するには、clgettree(1) コマンドを使用します。
以下に、手順 2. で例として示した共用ディスク定義ファイルを指定してリソース登録を行った場合の、clgettree(1) コマンドの出力の例を示します。
"DISK" クラスのリソースが、共用ディスク装置のデバイスのリソースです。"SHD_DISK" クラスのリソースが、共用ディスク装置のデバイスの共用関係を示すリソースです。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree |
注意
clautoconfig(8) コマンドは、共用ディスク定義ファイルに記述されている共用ディスク装置が、ノードに接続されているかどうか確認しません。clautoconfig(8) コマンド実行後に、共用ディスク定義ファイルの誤りに気づいた場合、クラスタシステムを構成するすべてのノードで以下の復旧手順を実施した後、再度リソース登録を実施してください。共用ディスク装置以外のハードウェア装置のリソースが登録されていた場合は、それらのリソースも登録し直す必要があります。
[復旧手順]
リソースデータベースのリセット
clinitreset(8) コマンドを使って、リソースデータベースをリセットします。
参照
詳細は、clinitreset(8) コマンドのマニュアルページを参照してください。
ノードの再起動
ノードを再起動します。