ホットスペア
GDSのボリュームでZFSストレージプールを構成する場合、ZFSストレージプールを構成するGDSのボリュームが属しているクラスにGDSのスペアディスクを登録することで、GDSのホットスペア機能が使用できます。
ZFS のホットスペア機能は使用できません。GDSのボリュームで構成されているZFSストレージプールには、ZFSホットスペアを追加しないでください。
スナップショット(スライス切離し方式によるスナップショットおよび GDS Snapshot)
共用クラスおよびローカルクラスでは、ZFSストレージプールを構成するボリュームのスナップショットを以下の条件で作成できます。
スナップショットを使用してバックアップ・リストアを行う場合、ZFS ストレージプールを構成するすべてのボリュームを対象にしてください。
ZFSストレージプールをエクスポートし、ボリュームを停止してから、スナップショットを作成してください。
スナップショットのボリュームをZFSストレージプールとしてインポートし、ZFSファイルシステムとしてマウントして使用することはできません。
ルートクラスでは、ZFSストレージプールを構成するボリュームのスナップショットは作成できません。詳細は、「A.2.10 ZFS ブート環境におけるシステムディスクのミラーリング」を参照してください。
ZFS ストレージプールのインポート
GDS のボリュームで構成されている ZFS ストレージプールに対して zpool import コマンドを実行する場合、-d オプションで GDS のボリュームのブロック型特殊ファイルのパスを指定してください。
例) ZFS ストレージプールをインポートする。
# zpool import -R / -d /dev/sfdsk/クラス名/dsk ストレージプール名 |
例) GDS のボリュームで構成されているインポート可能な ZFS ストレージプールの一覧を出力する。
# zpool import -d /dev/sfdsk/クラス名/dsk |
ルートクラスで ZFS を使用する場合
「A.2.10 ZFS ブート環境におけるシステムディスクのミラーリング」を参照してください。
共用クラスで ZFS を使用する場合
共用クラスのボリュームで ZFS ストレージプールを構成し、ZFS ファイルシステムを PRIMECLUSTER の切替ファイルシステムとして使用することができます。詳細は、「PRIMECLUSTER 導入運用手引書」を参照してください。
ローカルクラスで ZFS を使用する場合
ローカルクラスのボリュームを作成し、ZFS ストレージプールを作成した後、システムを再起動する前に以下の設定を行ってください。
システム起動時に自動的に ZFS ストレージプールをインポートするよう設定します。
以下のコマンドを実行するSMFサービスまたは起動スクリプトを作成してください。
zpool import -N -R / -d /dev/sfdsk/クラス名/dsk ストレージプール名 |
SMFサービスの場合
他のSMFサービスとの依存関係を以下のように設定してください。
dependency : svc:/milestone/fjsvsdx
dependent : svc:/system/filesystem/local
詳細は後述の「SMF サービスの作成方法」を参照してください。
起動スクリプトの場合
/etc/rcS.d ディレクトリに配置してください。
ZFS ストレージプールを構成するボリュームが属しているクラスに iSCSI ディスクが登録されている場合は、SMFサービスではなく、/etc/rc2.d/S06sfdsk2 より後に実行される起動スクリプトを作成してください。
システム停止時に自動的に ZFS ストレージプールをエクスポートするよう設定します。
以下のコマンドを実行するSMFサービスまたは停止スクリプトを作成してください。
zpool export ストレージプール名 |
SMFサービスの場合
他のSMFサービスとの依存関係を以下のように設定してください。
dependency : svc:/milestone/fjsvsdx
dependent : svc:/system/filesystem/local
詳細は後述の「SMF サービスの作成方法」を参照してください。
停止スクリプトの場合
/etc/rc0.d ディレクトリに配置してください。
ZFS ストレージプールを構成するボリュームが属しているクラスに iSCSI ディスクが登録されている場合は、SMFサービスではなく、/etc/rc0.d/K89sfdsk2 より前に実行される停止スクリプトを作成してください。
注意
上記の手順 1,2 の設定を行わない場合、システム起動時に ZFS ストレージプールが UNAVAIL 状態になり、ZFS ファイルシステムが使用できなくなります。この現象が発生した場合の対処方法は、「F.1.10 ファイルシステムに関する異常」の「(1) システム再起動後、ローカルクラス内のZFS ストレージプールが UNAVAIL 状態になる。」を参照してください。
manifest ファイルの記述方法
dependency の記述方法
<dependency name='XXXXX' grouping='require_all' restart_on='none' type='service'> <service_fmri value='svc:/milestone/fjsvsdx'/> </dependency> |
name にはシステム内で一意な名前を設定します。
grouping には 'require_all' を設定します。
dependent の記述方法
<dependent
name='YYYYY'
grouping='optional_all'
restart_on='none'>
<service_fmri value='svc:/system/filesystem/local'/>
</dependent> |
name にはシステム内で一意な名前を設定します。
grouping には 'optional_all' を設定します。
本 SMF サービスの起動失敗時に filesystem/local を起動させたくない場合、grouping に 'require_all' を設定してください。
起動処理の記述方法
<exec_method type='method' name='start' exec='ZFSをインポートする起動スクリプト' timeout_seconds='nn'/> |
exec には ZFS ストレージプールをインポートする method スクリプトのパスを設定します。
timeout_seconds はシステム要件に従って設定します。
停止処理の記述方法
<exec_method type='method' name='stop' exec='ZFSをエクスポートする停止スクリプト' timeout_seconds='nn'/> |
exec には ZFS ストレージプールをエクスポートする method スクリプトのパスを設定します。
timeout_seconds はシステム要件に従って設定します。
manifest ファイルと method スクリプトのサンプル
manifest ファイルと method スクリプトのサンプルが、以下にあります。
manifest ファイル
/etc/opt/FJSVsdx/sample/svc/sdxzfs_local.xml
method スクリプト
/etc/opt/FJSVsdx/sample/svc/sdxzfs_local
サンプルをコピーして使用する場合、method スクリプトを以下のように修正してください。
method スクリプトに記載されている GDS のクラス名および ZFS ストレージプール名を、実際のクラス名およびストレージプール名に変更する。
zpool importコマンド実行時に-Nオプションを指定する。
manifest ファイルと method スクリプトを配置し、権限の設定を行います。
manifest ファイルのパスが /var/svc/manifest/milestone/sdxzfs_local.xml、method スクリプトのパスが /lib/svc/method/sdxzfs_local の場合の実行例
# chmod 0444 /var/svc/manifest/milestone/sdxzfs_local.xml |
サービスを登録します。
# svccfg import manifest ファイル名 |
サービスの状態を更新します。
# svcadm refresh サービス名 |
ZFS ストレージプールをエクスポートします。
# zpool export ストレージプール名 |
サービスを有効にします。
# svcadm enable サービス名 |
サービスの状態と依存関係を確認します。
# svcs サービス名 |
参照
SMF サービスの作成方法、起動/停止スクリプトの作成方法の詳細については、Solaris のマニュアルを参照してください。