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NetCOBOL V12.1 NetCOBOL Studio ユーザーズガイド
FUJITSU Software

11.5.1 CORBAサーバアプリケーションの開発手順

11.5.1.1 CORBAサーバプロジェクトの作成

注意

CORBAサーバアプリケーションのターゲット生成規則

CORBAサーバアプリケーションでは、ビルド時に、メインプログラム(.EXE)、ビジネスロジックのライブラリ(.DLL)のターゲットが作成されます。
[依存]ビューでメインプログラムとして設定しているCOBOLソースからメインプログラムは生成され、その他のCOBOLソースはすべてビジネスロジックのライブラリに結合されます。

UNICODEオブジェクトを作成する場合

Interstage Application ServerにはUNICODE対応用のリポジトリファイル、ライブラリファイルが提供されています。UNICODEのアプリケーションを開発する場合の詳細は、“NetCOBOL ユーザーズガイド”および“Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”を参照してください。

CORBAサーバプロジェクト生成ウィザードで[Unicodeを使用する]を指定することにより、UNICODE対応用のファイルを使用してビルドを行うことができます。

CORBAサーバプロジェクト生成ウィザードを使用して、CORBAサーバアプリケーションのためのCORBAサーバプロジェクトを作成します。

11.5.1.1.1 CORBAサーバプロジェクト生成ウィザード

CORBAサーバプロジェクト生成ウィザードは、CORBAサーバプロジェクトを作成します。

CORBAサーバプロジェクト生成ウィザードでは、作成するプロジェクトに対してターゲットの定義やビルド環境の設定を行います。

注意

CORBAサーバプロジェクトでは、ターゲット種別としてCORBAサーバだけが選択できます。
実際には、exeファイルとdllファイルが作成されます。

CORBAサーバプロジェクトは、以下の手順で作成します。

  1. Interstage Studioワークベンチを起動します。

  2. メニューバーから[ファイル] > [新規] > [CORBAサーバプロジェクト]を選択します。

    → [新規CORBAサーバプロジェクト]ウィザードが起動されます。

  3. [CORBAサーバプロジェクト]ページで、プロジェクト基本情報を入力し、[次へ]ボタンをクリックします。

    プロジェクト基本情報の詳細は、“表4.4 プロジェクトの基本情報(COBOLプロジェクト)”を参照してください。

  4. [CORBAサーバプロジェクト]ページで、ターゲットを定義します。作成するCORBAサーバアプリケーションのターゲットファイルの名前を定義し、[次へ]ボタンをクリックします。

    表11.1 ターゲットの定義

    項目

    説明

    ターゲット種別

    CORBAサーバプロジェクトでは、[CORBAサーバ]が固定で選択されます。

    CORBAサーバ

    その他のターゲットの定義情報は、“表4.5 ターゲットの定義”を参照してください。

  5. ターゲットの定義で[プリコンパイラを使用する]をチェックした場合、プリコンパイラ連携情報の設定画面が表示されます。プリコンパイラ連携情報を指定し、[次へ]ボタンをクリックします。

    プリコンパイラ連携情報は、“表4.6 プリコンパイラ連携情報”を参照してください。

  6. [ビルド環境]ページで、CORBAサーバ用のビルド環境を定義します。ビルド環境を定義し、[次へ]ボタンをクリックします。

    表11.2 ビルド環境

    項目

    説明

    Unicodeを使用する

    Unicodeを使用する場合に指定します。

  7. [選択]ページでコード生成の有無を選択します。[コード生成を行う]を選択した場合、CORBAサーバプロジェクト生成ウィザード終了後に、ソースファイルを生成するウィザードが自動で起動されます。

  8. [完了]ボタンをクリックします。

11.5.1.2 ひな型(IDLファイルおよびCOBOLソースファイル)の生成と編集

CORBAサーバアプリケーション生成ウィザードを使用してIDLファイルおよびCOBOLソースファイルのひな型を生成します。

11.5.1.2.1 生成されるファイルの種類

CORBAサーバアプリケーション生成ウィザードによって、以下のファイルが生成されます。

生成ファイル

説明

生成されるファイル名

IDLファイル(*1)

インタフェースファイル

USインタフェース名.idl

COBOL

ソースファイル

メインプログラム

CORBAサーバ初期/終了処理

インタフェース名.cob

ビジネスメソッド

プログラム

ビジネスメソッド定義

モジュール名-インタフェース-IMPL.cob

サーバアプリケーション登録プログラム

サーバアプリケーションの登録

モジュール名-インタフェース--INIT.cob

IDLコンパイラが生成したスケルトン用ファイル

"モジュール名"で始まるCOBOLソースファイル

*1: IDL(Interface Definition Language:インタフェース定義言語)は、オブジェクトのインタフェースを定義する言語です。IDLにより、サーバアプリケーションが提供するインタフェースを定義します。

生成されるIDLファイルの形式

モジュール宣言(module)は、サーバアプリケーション1つに対して1つのモジュールの定義を行います。モジュール内にビジネスメソッド用のクラスを定義すると、IDLファイルにインタフェース宣言(interface)が追加されます。

IDLファイルの詳細は、“Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”を参照してください。

生成されるIDLファイルの形式を以下に示します。

// モジュール宣言
module M1 {
    // インタフェース宣言
    interface intf1 {
         // 定数宣言
         const long a = 1 ;
         // 型宣言
         typedef sequence<long 10> b ;
         // 構造体宣言
         struct c {
             short item1 ;
             long item2 ;
             long long item3 ;
         } ;
        // 例外宣言
        exception CDException {
            string CDExceptionMsg ;
            long  CDExceptionCode ;
        } ;
        // オペレータ宣言
        long op1(in short param1, out long param2, inout long param3)
        raises ( CDException );
    };
};
表11.3 IDLファイルの内容

IDL定義

説明

モジュール宣言

サーバアプリケーションに対応する宣言です。1つのアプリケーションに対して1個のモジュール定義を宣言します。

インタフェース宣言

クラスに対応する宣言です。ビジネスメソッドのクラスに対応します。

定数宣言

ビジネスメソッド内で使用する定数を宣言します。

型宣言

ビジネスメソッド内で使用する型を宣言します。繰り返し項目の定義に使用します。

構造体宣言

構造体を宣言します。オブジェクト指向COBOLでは、集団項目の定義に対応します。CORBAサーバアプリケーション生成ウィザードでは、構造体の要素の型として構造体を定義することはできません。

例外宣言

例外が発生した場合に通知するレコードの内容を宣言します。実際の例外の通知処理などは、プログラム内でコーディングする必要があります。
以下の要素をオプションで自動生成します。内容は固定なので、変更したい場合は、CORBAサーバアプリケーション生成ウィザードでIDLファイルを生成した後に修正してください。

exception CDException {
    string CDExceptionMsg ;
    long CDExceptionCode ;
} ;

オペレータ宣言

ビジネスメソッドの宣言1個に対して、1個生成されます。また、オプションで例外宣言を選択した場合は、例外が発生した場合に例外宣言で宣言したレコードを返却する定義が生成されます。

11.5.1.2.2 ファイルの編集

ひな型作成後は、IDLファイルの編集およびCOBOLソースファイルの編集は自由に行うことができますが、その場合は必ずIDLファイルとCOBOLソースファイルの内容の同期をとる必要があります。例えば、定義済みのメソッド定義を変更した場合は、IDLファイルおよびCOBOLソースファイルの両方を修正する必要があります。

IDLファイル

インタフェースの内容を変更した場合は、ビジネスメソッドプログラムと等価になるように修正します。

メインプログラム

選択されたアプリケーション形態に対して標準的なものを生成しているため、カスタマイズが必要な場合のみ修正します。

ビジネスメソッドプログラム

各メソッドの手続きを実装します。

追加する処理の内容については、“Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”も参照してください。

サーバアプリケーション登録プログラム

サーバアプリケーションがCORBAサーバとして使用できるように登録する処理です。修正せずに使用します。

IDLコンパイラが生成したスケルトン用ファイル

修正せずに使用します。

11.5.1.2.3 CORBAサーバアプリケーション生成ウィザード

CORBAサーバアプリケーション生成ウィザードは、以下の手順で起動します。

なお、CORBAサーバプロジェクト生成ウィザードの[選択]ページで[コード生成を行う]を選択した場合は、CORBAサーバプロジェクト生成ウィザード終了後に、CORBAサーバアプリケーション生成ウィザードが自動で起動されます。

  1. メニューバーから[ファイル] > [新規] > [その他]を選択します。

    → [新規]ウィザードが起動されます。

  2. [新規]ウィザードで[COBOL] >[ソース] > [CORBAサーバアプリケーション]を選択し、[次へ]ボタンをクリックします。

    → [CORBAサーバアプリケーション生成ウィザード]が起動されます。

  3. [モジュール宣言]ページで、モジュール名や例外宣言などの情報を指定し、[次へ]ボタンをクリックします。

    表11.4 モジュール宣言

    項目

    説明

    プロジェクト名

    作成するCORBAサーバアプリケーションのソースファイルを格納するプロジェクトを指定します。プロジェクト名は必須入力です。

    モジュール名

    作成するCORBAサーバアプリケーションのモジュール名を指定します。

    クラス名

    作成するCORBAサーバアプリケーションのクラス名が表示されます。

    クラス名はプロジェクト名と同じになります。また、ウィザード終了後のIDLファイルでは、インタフェース名として使用されます。

    詳細

    作成するCORBAサーバアプリケーションのソースファイルに追加する処理を選択します。

    例外の生成

    デフォルトの例外宣言を生成するかどうかを指定します。チェックした場合は、以下の宣言がIDLファイル中に生成されます。

    exception CDException {
         string CDExceptionMsg ;
         long  CDExceptionCode ;
     } ;

    デフォルト処理の生成

    定型処理を生成するかどうかを指定します。チェックした場合は、COBOLソースファイル中にCORBAサーバアプリケーションの定型処理が生成されます。

    コメントの生成

    コメントを生成するかどうかを指定します。チェックした場合は、IDLファイル中にコメントが生成されます。

    プリコンパイラを使用する

    [プロジェクト名]で入力したプロジェクトにプリコンパイラ連携情報が設定されている場合だけ有効です。

    作成するCOBOLソースファイルの拡張子を、プリコンパイラ連携情報で設定した入力ソースファイルの拡張子にするかどうかを指定します。

    プリコンパイラ連携情報は、“表4.6 プリコンパイラ連携情報”を参照してください。

    注意

    ソース生成中に実行されるIDLの翻訳にはあらかじめInterstageのサービスが起動されている必要があります。

    [モジュール宣言]ページに「IDLを翻訳する環境が整っていません」というメッセージが表示された場合には、一度[キャンセル]ボタンをクリックしてウィザードを終了し、Interstageのサービスを起動してから再度、CORBAアプリケーション生成ウィザードを起動してください。

  4. [定数宣言]ページで、インタフェース宣言に必要な定数の情報を指定し、[次へ]ボタンをクリックします。

    表11.5 定数宣言

    項目

    説明

    定数の定義

    CORBAサーバアプリケーションのインタフェース宣言に必要な定数を宣言します。

    宣言する定数の型を選択します。
    定義可能な型およびCOBOLとIDLのマッピングは、“表11.6 定数の型”を参照してください。

    定数名

    定義する定数名を指定します。

    初期値

    定数の初期値を指定します。
    初期値は、IDLファイル中に生成されるため、IDLの形式で記述します。記述形式は、“表11.7 定数の初期値”を参照してください。

    追加

    定数宣言を新規に追加します。

    削除

    選択した定数宣言を削除します。

    表11.6 定数の型

    定義可能な型

    COBOL

    IDL

    2バイト整数

    PIC S9(4) COMP-5

    short

    2バイト整数(符号無)

    PIC 9(4) COMP-5

    unsigned short

    4バイト整数

    PIC S9(9) COMP-5

    long

    4バイト整数(符号無)

    PIC 9(9) COMP-5

    unsigned long

    単精度浮動小数点

    COMP-1

    float

    倍精度浮動小数点

    COMP-2

    double

    英数文字

    PIC X(1)

    char

    ブール

    PIC 1(1)

    boolean

    英数文字列

    PIC X(n)

    string

    表11.7 定数の初期値

    文字定数の場合

    文字をシングルクォーテーションで囲む(例:'A')

    文字列定数の場合

    文字列をダブルクォーテーションで囲む(例:"ABC")

    4バイト整数の場合

    数値(例:1)

    論理値の場合

    TRUEまたはFALSE

  5. [型宣言]ページで、インタフェース宣言に必要な型の情報を指定し、[次へ]ボタンをクリックします。

    CORBAサーバアプリケーションのインタフェース宣言に必要な型(繰返し項目)を宣言します。

    表11.8 型宣言

    項目

    説明

    宣言する変数名の型を選択します。
    定義可能な型およびCOBOLとIDLのマッピングは、“表11.9 変数名の型”を参照してください。

    変数名

    定義する変数名を指定します。

    全体桁

    型が英数文字列、日本語文字列または内部10進数の場合に、全体桁を指定します。

    小数桁

    型が内部10進数の場合に、小数桁を指定します。

    繰返し数

    1次元要素の繰返し数を指定します。

    追加

    型宣言を新規に追加します。

    削除

    選択した型宣言を削除します。

    表11.9 変数名の型

    定義可能な型

    COBOL

    IDL

    2バイト整数

    PIC S9(4) COMP-5

    short

    2バイト整数(符号無)

    PIC 9(4) COMP-5

    unsigned short

    4バイト整数

    PIC S9(9) COMP-5

    long

    4バイト整数(符号無)

    PIC 9(9) COMP-5

    unsigned long

    8バイト整数

    PIC S9(18) COMP-5

    long long

    内部10進数

    PIC xx(n) PACKED-DECIMAL 注1)

    fixed

    単精度浮動小数点

    COMP-1

    float

    倍精度浮動小数点

    COMP-2

    double

    英数文字

    PIC X(1)

    char

    日本語文字

    PIC N(1)

    wchar

    ブール

    PIC 1(1)

    boolean

    英数文字列

    PIC X(n)

    string

    日本語文字列

    PIC N(n)

    wstring

    注1) 内部10進数のCOBOL型は全体桁数と小数桁数の組合せによって変わります。詳細は、“Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“アプリケーションの開発(OOCOBOL)”を参照してください。

  6. [構造体宣言]ページで、インタフェース宣言で使用する構造体の情報を指定し、[次へ]ボタンをクリックします。

    ここでは、CORBAサーバアプリケーションのインタフェース宣言で使用する構造体を宣言します。

    表11.10 構造体宣言

    項目

    説明

    構造体の定義

    定義済みの構造体の一覧が表示されます。
    この一覧で選択中のメソッドが、[編集]、[削除]の対象になります。

    追加

    構造体を新規に追加します。
    [追加]をクリックすると、[構造体の定義]画面が表示されます。詳細は“表11.11 構造体の定義”を参照してください。

    編集

    選択した構造体の定義情報を変更します。
    [編集]をクリックすると、[構造体の定義]画面が表示されます。詳細は“表11.11 構造体の定義”を参照してください。

    削除

    選択した構造体を削除します。

    図11.1 [構造体の定義]画面

    [構造体の定義]画面では、CORBAサーバアプリケーションで使用する構造体を定義します。

    表11.11 構造体の定義

    項目

    説明

    構造体名

    定義する構造体名を指定します。

    変数名

    定義する変数名を指定します。

    宣言する変数名の型を選択します。
    定義可能な型およびCOBOLとIDLのマッピングは、“表11.12 変数名の型”を参照してください。

    全体桁

    型が英数文字列、日本語文字列または内部10進数の場合に、全体桁を指定します。

    小数桁

    型が内部10進数の場合に、小数桁を指定します。

    繰返し数

    1次元要素の繰返し数を指定します。

    追加

    構造体に要素を新規に追加します。

    削除

    選択した構造体の要素を削除します。

    表11.12 変数名の型

    定義可能な型

    COBOL

    IDL

    2バイト整数

    PIC S9(4) COMP-5

    short

    2バイト整数(符号無)

    PIC 9(4) COMP-5

    unsigned short

    4バイト整数

    PIC S9(9) COMP-5

    long

    4バイト整数(符号無)

    PIC 9(9) COMP-5

    unsigned long

    8バイト整数

    PIC S9(18) COMP-5

    long long

    内部10進数

    PIC xx(n) PACKED-DECIMAL 注1)

    fixed

    単精度浮動小数点

    COMP-1

    float

    倍精度浮動小数点

    COMP-2

    double

    英数文字

    PIC X(1)

    char

    日本語文字

    PIC N(1)

    wchar

    ブール

    PIC 1(1)

    boolean

    英数文字列

    PIC X(n)

    string

    日本語文字列

    PIC N(n)

    wstring

    任意の型 注2)

    任意の型

    任意の型

    注1) 内部10進数のCOBOL型は全体桁数と小数桁数の組合せによって変わります。詳細は、“Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“アプリケーションの開発(OOCOBOL)”を参照してください。

    注2) 型定義で指定した型(繰返し項目の型)を入力します。任意の型はすべて型定義で定義された型でなければなりません。

  7. [メソッド宣言]ページで、インタフェース宣言で使用するメソッドの情報を指定し、[次へ]ボタンをクリックします。

    CORBAサーバアプリケーションのインタフェース宣言で使用する利用者メソッド(ビジネスメソッド)を宣言します。

    表11.13 メソッド宣言

    項目

    説明

    利用者メソッドの定義

    定義済みの利用者メソッドの一覧が表示されます。
    この一覧で選択中のメソッドが、[編集]、[削除]の対象になります。

    詳細

    [利用者メソッドの定義]で選択した利用者メソッドの詳細情報が表示されます。

    追加

    利用者メソッド(ビジネスメソッド)を新規に追加します。
    [追加]をクリックすると、[利用者メソッドの定義]画面が表示されます。詳細は“表11.14 利用者メソッドの定義”を参照してください。

    編集

    [利用者メソッドの定義]で選択しているメソッドの定義情報を変更します。
    [編集]をクリックすると、[利用者メソッドの定義]画面が表示されます。詳細は“表11.14 利用者メソッドの定義”を参照してください。

    削除

    [利用者メソッドの定義]で選択している利用者メソッド(ビジネスメソッド)を削除します。

    図11.2 [利用者メソッドの定義]画面

    CORBAサーバアプリケーションで使用する利用者メソッドを定義します。

    表11.14 利用者メソッドの定義

    項目

    説明

    メソッド名

    定義する利用者メソッド名を指定します。

    戻り値の型

    メソッドの戻り値の型を選択します。
    定義可能な型およびCOBOLとIDLのマッピングは、“表11.15 戻り値の型”を参照してください。

    全体桁数

    戻り値の全体桁数を指定します。
    戻り値の型が英数文字列、日本語文字列および内部10進数の場合に全体桁数を指定します。

    小数部桁数

    戻り値の型の小数部桁数を指定します。
    戻り値の型が内部10進数の場合に小数部桁数を指定します。

    例外を発生させる

    作成するCORBAサーバアプリケーションで、乗算、除算の例外を通知する処理を生成するかどうかを指定します。
    チェックした場合は、プログラムソース中に乗算、除算の例外を通知する処理が生成されます。

    パラメタリスト

    パラメタの追加および削除、各パラメタの変数および型の編集ができます。パラメタの型は、型の一覧から選択することも、直接、値を入力することもできます。また、変数名には、全角文字と半角文字を組み合わせた文字列は指定できません。型には、全角文字は指定できません。

    変数名

    定義する変数名を指定します。

    宣言する変数名の型を選択します。
    定義可能な型およびCOBOLとIDLのマッピングは、“表11.16 変数名の型”を参照してください。

    全体桁

    型が英数文字列、日本語文字列および内部10進数の場合に、全体桁を指定します。

    小数桁

    型が内部10進数の場合に、小数桁を指定します。

    パラメタタイプ

    パラメタのタイプを選択します。
    inの場合は、入力用のパラメタとしてプログラムソース中に生成されます。
    outの場合は、出力用のパラメタとしてプログラムソース中に生成されます。
    inoutの場合は、入出力用のパラメタとしてプログラムソース中に生成されます。

    追加

    利用者メソッドにパラメタを新規に追加します。

    削除

    選択した利用者メソッドのパラメタを削除します。

    表11.15 戻り値の型

    定義可能な型

    COBOL

    IDL

    なし

    -

    oneway void

    2バイト整数

    PIC S9(4) COMP-5

    short

    2バイト整数(符号無)

    PIC 9(4) COMP-5

    unsigned short

    4バイト整数

    PIC S9(9) COMP-5

    long

    4バイト整数(符号無)

    PIC 9(9) COMP-5

    unsigned long

    8バイト整数

    PIC S9(18) COMP-5

    long long

    内部10進数

    PIC xx(n) PACKED-DECIMAL 注1)

    fixed

    単精度浮動小数点

    COMP-1

    float

    倍精度浮動小数点

    COMP-2

    double

    英数文字

    PIC X(1)

    char

    日本語文字

    PIC N(1)

    wchar

    ブール

    PIC 1(1)

    boolean

    英数文字列

    PIC X(n)

    string

    日本語文字列

    PIC N(n)

    wstring

    任意の型 注2)

    入力された型

    入力された型

    注1) 内部10進数のCOBOL型は全体桁数と小数桁数の組合せによって変わります。詳細は、“Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“アプリケーションの開発(OOCOBOL)”を参照してください。

    注2) 型定義または構造体定義で指定した型を入力します。

    表11.16 変数名の型

    定義可能な型

    COBOL

    IDL

    2バイト整数

    PIC S9(4) COMP-5

    short

    2バイト整数(符号無)

    PIC 9(4) COMP-5

    unsigned short

    4バイト整数

    PIC S9(9) COMP-5

    long

    4バイト整数(符号無)

    PIC 9(9) COMP-5

    unsigned long

    8バイト整数

    PIC S9(18) COMP-5

    long long

    内部10進数

    PIC xx(n) PACKED-DECIMAL 注1)

    fixed

    単精度浮動小数点

    COMP-1

    float

    倍精度浮動小数点

    COMP-2

    double

    英数文字

    PIC X(1)

    char

    日本語文字

    PIC N(1)

    wchar

    ブール

    PIC 1(1)

    boolean

    英数文字列

    PIC X(n)

    string

    日本語文字列

    PIC N(n)

    wstring

    任意の型 注2)

    入力された型

    入力された型

    注1) 内部10進数のCOBOL型は全体桁数と小数桁数の組合せによって変わります。詳細は、“Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“アプリケーションの開発(OOCOBOL)”を参照してください。

    注2) 型定義または構造体定義で指定した型を入力します。

  8. [完了]ボタンをクリックします。

CORBAサーバアプリケーション生成ウィザードでは、BOAインタフェースを利用したひな型を生成します。BOAインタフェースの詳細は、“Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”を参照してください。

ここでは、生成されるファイルの種類および生成されるIDLファイルの形式ついて説明します。

11.5.1.2.4 IDLファイル生成ウィザード

IDLファイル生成ウィザードは、CORBA/IDLのオブジェクト指向COBOLのマッピングに従い、構造を記述したクライアントインタフェース(IDL)ファイルを作成できます。

IDLファイル生成ウィザードは、以下の手順で起動します。

  1. メニューバーから[ファイル] > [新規] > [その他]を選択します。

    → [新規]ウィザードが起動されます。

  2. [新規]ウィザードで[COBOL] > [ソース] > [IDLファイル]を選択し、[次へ]ボタンをクリックします。

    → [IDLファイル生成ウィザード]が起動されます。

  3. [IDLファイル]ページでIDLファイルの基本情報を指定します。

    表11.17 IDLファイルの基本情報

    項目

    説明

    プロジェクト名

    IDLファイルを作成するプロジェクトのプロジェクト名を指定します。

    ファイル名

    ファイル名を入力します。

  4. [完了]ボタンをクリックします。

    → IDLファイルが生成されます。

11.5.1.3 ビルドする

CORBAサーバプロジェクトのビルドでは、以下の処理を一連の流れで行います。

自動的に設定されるオプション

CORBAサーバプロジェクト作成時に、以下のオプションは自動的にビルドオプションに設定されます。

翻訳オプション
  • Unicodeを使用しない場合

    LIB(Interstage Application Serverインストールフォルダ\odwin\include\oocob)
    REPIN(Interstage Application Serverインストールフォルダ\odwin\rep)
    THREAD(MULTI)
  • Unicodeを使用する場合

    LIB(Interstage Application Serverインストールフォルダ\odwin\include\oocob)
    REPIN(Interstage Application Serverインストールフォルダ\odwin\rep\Unicode)
    THREAD(MULTI)
    RCS(UTF16,LE)
リンカオプション

以下のライブラリをリンクします。

  • Unicodeを使用しない場合

    Interstage Application Serverインストールフォルダ\odwin\lib\odoocobsv.lib 
    Interstage Application Serverインストールフォルダ\odwin\lib\odcnsoocob.lib 
  • Unicodeを使用する場合

    Interstage Application Serverインストールフォルダ\odwin\lib\odoocobsvuc.lib 
    Interstage Application Serverインストールフォルダ\odwin\lib\odcnsoocobuc.lib 

上記以外のオプションを設定する場合は、[プロパティー]ダイアログボックスの[ビルド]ページから設定します。[ビルド]ページは以下の手順で表示します。

  1. [依存]ビューまたは[構造]ビューからCORBAサーバプロジェクトを選択します。

  2. メニューバーから[ファイル] > [プロパティー]を選択するか、コンテキストメニューから[プロパティー]を選択します。

    → [プロパティー]ダイアログボックスが表示されます。

  3. 左のペインで[ビルド]を選択します。

    → [ビルド]ページが表示されます。

プロジェクトのビルド

自動ビルドが設定されている場合、COBOLソースプログラムを保存した直後にビルドが実行されます。自動ビルドが設定されていない場合は、[依存]ビューまたは[構造]ビューから対象プロジェクトを選択し、メニューバーから[プロジェクト] > [プロジェクトのビルド]を選択してビルドを実行します。

ビルド時にはIDLコンパイラによってIDLファイルの翻訳が行われ、生成されたスケルトンなどのサーバアプリケーションに必要なファイルが翻訳対象として追加されます。

ビルドツールの構成を設定する

CORBAサーバプロジェクトの場合、[ビルドツール]には、以下が登録されています。

これらのビルドツールの構成は[ビルドツール]ページから変更できます。[ビルドツール]ページは、以下の手順で表示します。

  1. [依存]ビューまたは[構造]ビューからCORBAサーバプロジェクトを選択します。

  2. メニューバーから[ファイル] > [プロパティー]を選択するか、コンテキストメニューから[プロパティー]を選択します。

    → [プロパティー]ダイアログボックスが表示されます。

  3. 左ペインで[ビルドツール]を選択します。

    → [ビルドツール]ページが表示されます。

[ビルドツール]ページでは、プロジェクトに設定されているビルドツールの一覧が表示されます。表示された順序でビルドツールが実行されます。

項目

説明

アプリケーションから追加

アプリケーション種別からビルドツールを追加します。
[アプリケーションから追加]をクリックすると[アプリケーションからのビルドツールの追加]ダイアログボックスが表示され、一覧にないビルドツールを持つアプリケーションが一覧で表示されます。追加したいビルドツールを持つアプリケーションを一覧から選択します。

追加

プロジェクトにビルドツールを追加します。
[追加]をクリックすると[ビルドツールの追加]ダイアログボックスが表示され、プロジェクトに設定されていないビルドツールの一覧が表示されます。追加したいビルドツールを一覧から選択します。

削除

選択されたビルドツールを削除します。
注)ビルドツールの内、プロジェクトのビルドに必須なビルドツールは削除できません。

上へ

選択されたビルドツールの実行順序を変更します。
選択されたビルドツールは、直前に実行するビルドツールより前に実行します。

下へ

選択されたビルドツールの実行順序を変更します。
選択されたビルドツールは、直後に実行するビルドツールより後に実行します。

デフォルトの復元

プロジェクトを新規に作成したときのビルドツール構成に戻します。

適用

設定した内容が適用されます。

注意

  • ビルドツールを追加すると、以下のチェックが行われます。

    • 必要なビルドツールが利用可能であること

    • ビルドツールが特定の順序で並んでいること

  • ビルドツールの追加や実行順序を変更する場合は、ビルドツールの実行順序に注意してください。

    以下のビルドツールは、COBOLコンパイラより前に実行されるように設定してください。

    • IDLコンパイラ

    • プリコンパイラ

    以下のビルドツールは、COBOLコンパイラより後に実行されるように設定してください。

    • リソースコンパイラ

    • リンカ

ポイント

IDLコンパイラやリソースコンパイラなど、追加したビルドツールの詳細設定が必要な場合は、[適用]をクリックすると、詳細設定が行えるようになります。

IDLコンパイラ

IDLコンパイラはIDL定義ファイルからソースコードを生成するために使用します。生成されるソースコードは「クライアントスタブ」と「オブジェクトスケルトン」です。クライアントスタブはクライアントプログラムの開発に使用します。オブジェクトスケルトンはCORBAオブジェクトの実装に使用します。

[プロパティー]ダイアログボックスの左のペインで[ビルドツール] > [IDLコンパイラ]を選択すると[IDLコンパイラ]ページが表示されます。このページでIDLコンパイラのオプションを設定します。

項目

説明

インクルードファイルフォルダ

IDLファイル内の“#include”文で指定されたファイルを検索するフォルダ名を指定します。

その他のオプション

追加の翻訳オプションを指定します。2つ以上のオプションを指定する場合は、区切り文字としてスペースを挿入します。

インタフェースリポジトリに登録する

情報をインタフェースリポジトリに登録する場合に指定します。

11.5.1.4 デバッグする

プログラムのデバッグは、クライアントアプリケーションを作成してから行います。

同一端末にインストールされているInterstage Application Server上で、CORBAワークユニット起動構成を使用してサーバアプリケーションをデバッグします。CORBAサーバアプリケーションのデバッグは、アタッチデバッグと同様です。

参照

デバッグパースペクティブについては、“7.2 デバッグパースペクティブ”を参照してください。

11.5.1.4.1 ビルドモードの設定

プログラムをデバッグする場合は、[ビルドモード]を[デバッグ]に指定します。[ビルドモード]は以下の手順で設定します。

  1. [依存]ビューまたは[構造]ビューからCORBAサーバプロジェクトを選択し、メニューバーから[ファイル] > [プロパティー]を選択するか、コンテキストメニューから[プロパティー]を選択します。

    → [プロパティー]ダイアログボックスが表示されます。

  2. 左のペインで[ターゲット]を選択します。

    → [ターゲット]ページが表示されます。

  3. [ビルドモード]を[デバッグ]に指定します。

ビルドモードを変更した場合は、プロジェクトの再ビルドをする必要があります。

11.5.1.4.2 デバッグの開始

CORBAワークユニット起動構成を使用すると、ローカルPC上のCORBAサーバアプリケーションをデバッグすることができます。以下に、CORBAサーバアプリケーションをデバッグする手順を説明します。

  1. [依存]ビューまたは[構造]ビューからCORBAサーバプロジェクトを選択します。

  2. メニューバーから[実行] > [デバッグの構成]を選択します。またはツールバーでをクリックし[デバッグの構成]を選択します。

    → [デバッグ構成]ダイアログボックスが表示されます。

  3. 左のペインで[CORBAワークユニット]を選択しダブルクリックすると、右のペインに起動構成の設定ページが表示されます。

  4. 初期値で[名前]に起動構成名が表示されます。起動構成名は任意の名前に変更することができます。

  5. [メイン]タブの内容を確認し、必要に応じて追加または変更します。

    表11.18 CORBAワークユニット起動構成

    項目

    説明

    CORBAワークユニット名

    デバッグに使用するCORBAワークユニット名を指定します。
    指定するCORBAワークユニットは、Interstage Application Serverに作成されている必要があります。CORBAワークユニットの作成は、“11.5.1.4.3 CORBAワークユニットの作成”を参照してください。

    起動前に配備する

    資産を自動的に配備する場合チェックします。

    配備するプロジェクト名

    プロジェクトの名前を指定します。

  6. [デバッグ]ボタンをクリックします。

    → リモートデバッガコネクタが起動され、待機状態になります。

  7. クライアントアプリケーションを実行します。CORBAサーバアプリケーションが呼び出された時点からデバッグが開始できます。


[依存]ビューまたは[構造]ビューでCORBAサーバプロジェクトを選択し、メニューバーから[実行] > [デバッグ(G)] > [CORBAワークユニット]を選択することにより、デフォルトの設定でデバッガを起動できます。

注意

  • Interstageの管理に必要なサービス(基盤サービス)が起動されていない場合、[CORBAワークユニット名]にCORBAワークユニットの一覧が正しく表示されません。このような場合には基盤サービスを起動してからCORBAワークユニット起動構成を作成してください。基盤サービスを起動については、“Interstage基盤サービスの起動”を参照してください。

  • CORBAワークユニット起動構成を使用したデバッグをする場合、ローカルのInterstage Application Serverへの接続に必要なサービスを起動しておく必要があります。Windows VistaなどのUser Account Control(UAC)機能を持つOSでは、サービスの起動を行う際に管理者権限への昇格を求めるダイアログボックスが表示されます。その場合には表示に従って管理者権限への昇格を行ってください。

参考

.deploymentファイルの設定

CORBAワークユニットは、デバッグを行う前に資産を自動的に配備しますが、配備時に必要な情報は.deploymentファイルに記述されているものを使用します。.deploymentファイルの内容を以下に示します。

タグ

説明

implementation-repository-id

インプリメンテーションリポジトリIDを指定します。

interface-repository-id

インタフェースリポジトリIDを指定します。

binding-name

ネーミングサービス登録名を指定します。

workunit-name

CORBAワークユニット名を指定します。

.deploymentファイルは[CORBAサーバアプリケーション生成ウィザード]の実行時に、ウィザードで指定されたモジュール名とインタフェース名の情報をもとに生成されます。

11.5.1.4.3 CORBAワークユニットの作成

CORBAワークユニット(CORBAアプリケーションのワークユニット)を作成する方法には、以下があります。

Interstage管理コンソールからCORBAワークユニットの作成方法については、“Interstage Application Server 運用ガイド(基本編)”を参照してください。ここでは、ローカルデバッガ向けのCORBAワークユニット定義ファイルを使用して、ワークユニット生成コマンドからCORBAワークユニット(MyCORBADebug)を作成する方法を説明します。

ワークユニット生成コマンド(isaddwudef)の実行

CORBAワークユニット定義ファイルを引数にして、コマンドプロンプトから以下のコマンドを実行します。

isaddwudef NetCOBOLサンプルインストールフォルダ\CORBA\MyCORBADebug.wu

NetCOBOLのサンプルインストール先フォルダについては、“NetCOBOL ソフトウェア説明書”を参照してください。

CORBAワークユニット定義ファイル名に空白文字を使用する場合は、ファイル名を二重引用符で囲んでください。isaddwudefコマンドの詳細については、“Interstage Application Server リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。

注意

  • CORBAワークユニット定義ファイル内の"Path"、"Current Directory"プロパティーには、作業フォルダなどの情報が設定されます。通常は、Interstageインストール先フォルダの情報から値が設定されますが、パス構成に誤りがある場合は、必要に応じて設定を変更してください。

  • CORBAワークユニットの作成には、環境変数PATHおよび環境変数CLASSPATHの設定が必要です。これらの環境変数に対してエラーが発生した場合は、環境変数PATHおよび環境変数CLASSPATHを設定して、コンピューターを再起動してください。

11.5.1.5 実行する

CORBAサーバアプリケーションは以下の手順で実行します。

  1. 実行資産(実行ファイルとダイナミックリンクライブラリ)を実行環境にコピーする。

  2. ワークユニットの起動で使用するアプリケーション動作カレントディレクトリを作成する。

  3. CORBAサーバアプリケーションを配備する。

  4. ワークユニットを起動する。

  5. クライアントアプリケーションを実行する。

具体的な手順については、チュートリアルの“5. プログラムの実行”を参考にしてください。