Interstage Application Server V10.0(Interstage V10.0)での変更内容を説明します。
CORBAサービス資源移入後のCORBAサーバアプリケーションの動作について
odrestoresysコマンド(-uオプション未指定・-hオプション指定)でCORBAサービス資源を移入した場合の動作環境ファイル(config)の設定内容が変更されました。このため、CORBAサーバアプリケーション運用時の動作が異なります。
odrestoresysコマンド(-uオプション未指定・-hオプション指定)を実行すると、移出元の動作環境ファイル(config)にパラメタ「IIOP_hostname」が設定されていない場合でも、移入先の動作環境ファイル(config)のパラメタ「IIOP_hostname」に、-hオプションに指定したホスト名が設定されました。したがって、マシンにIPアドレス(またはホスト名)が複数設定されていた場合、CORBAサーバアプリケーションはパラメタ「IIOP_hostname」に設定されたIPアドレスからの接続要求を受け付け、他のIPアドレスから接続要求を行うと、エラーが発生していました。
odrestoresysコマンド(-uオプション未指定・-hオプション指定)を実行すると、移出元の動作環境ファイル(config)にパラメタ「IIOP_hostname」が設定されていない場合は、移入先の動作環境ファイル(config)のパラメタ「IIOP_hostname」は設定されていません。したがって、マシンにIPアドレス(またはホスト名)が複数設定されていた場合、CORBAサーバアプリケーションは設定されたすべてのIPアドレスからの接続要求を受け付けます。Interstage V9以前と同様の動作を行う場合は、移入先の動作環境ファイル(config)のパラメタ「IIOP_hostname」を設定してください。
ローカル通信時に使用されるIPアドレスについて
CORBAサービスにおいて、ローカルホスト内の通信で使用されるIPアドレスが変更されました。
ホストに割り当てられている実IPアドレスに対して通信を行います。
ループバックアドレス(IPv4では127.0.0.1、IPv6では::1)に対して通信を行います。
CORBAサービスのSSL環境について
odsetSSLコマンドで設定するSSL環境について、ユーザPINの暗号化強度を強化しました。Interstage V9以前から移入したSSL環境はそのまま使用できますが、強化された暗号化強度を使用する場合は、odsetSSLコマンドを再度実行する必要があります。
デフォルトJDK/JREのバージョンについて
デフォルトJDK/JREのバージョンが変更されました。
JDK/JRE 6を使用する場合、Interstage Application Serverのインストール時には、JDK/JRE 6.0のインストールディレクトリにorb.propertiesファイルが格納されません。CORBAサービスのJavaアプリケーションを実行する場合は、必ずORB(Object Request Broker)を指定してください。ORB(Object Request Broker)の指定方法については、「アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)」の「アプリケーションの開発(Java言語)」-「CORBAアプリケーションの実行」-「ORB(Object Request Broker)の指定」を参照してください。