L-Serverのサーバ間の移動(マイグレーション)について説明します。
【物理サーバ】
物理L-Serverの場合、サーバ間の移動(マイグレーション)は利用できません。
以下の手順で、サーバ間の移動を行います。
オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューで[サーバ間の移動]を選択します。
[サーバ間の移動]ダイアログが表示されます。
移動先のVMホスト一覧から、移動先のVMホストを選択します。移動先のVMホスト一覧には、マイグレーションできるVMホストの一覧が表示されます。
[OK]ボタンをクリックします。
コマンドでは、rcxadm lserver migrateを実行します。
rcxadm lserver migrateコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.6 rcxadm lserver」を参照してください。
注意
移動先のVMホストは、CPUとメモリの空き容量が存在するものを選択してください。空き容量が不足している場合、サーバ間の移動や、L-Serverの起動に失敗する場合があります。
サーバ間の移動で[自動選択]を指定した場合、L-Server作成時に指定した[使用するVMホスト]の[使用するリソース種別]の値に応じて、動作が異なります。オーバーコミットを設定しているL-Serverの場合も同様です。
[使用するリソース種別]に[自動選択]を設定した場合
アクセスできるVMプールから移動先のVMホストが選択され、サーバ間の移動が行われます。
なお、オーバーコミットを使用している環境の場合、L-Serverに対するオーバーコミットの設定に応じて、以下のようになります。
オーバーコミットを設定しているL-Server
オーバーコミットが設定されたアクセスできるリソースプールから移動先のVMホストが選択され、サーバ間の移動が行われます。
オーバーコミットを設定していないL-Server
オーバーコミットが設定されていないアクセスできるリソースプールから移動先のVMホストが選択され、サーバ間の移動が行われます。
移動先のVMホストの選択条件については、「設計ガイド CE」の「2.2.3 L-Server」の「L-Server配備先の選択」を参照してください。
[使用するリソース種別]に[VMプール]を設定した場合
VMプールの中から移動先のVMホストが選択され、サーバ間の移動が行われます。
なお、オーバーコミットを使用している環境では、L-Serverに対するオーバーコミットの設定と、VMプールに対するオーバーコミットの設定が一致している必要があります。
移動先のVMホストの選択条件については、「設計ガイド CE」の「2.2.3 L-Server」の「L-Server配備先の選択」を参照してください。
[使用するリソース種別]に[VMホスト]を設定した場合
移動先が存在しないためサーバ間の移動が失敗します。なお、オーバーコミットを使用している環境では、L-Serverに対するオーバーコミットの設定と、VMホストが属するVMプールに対するオーバーコミットの設定が一致している必要があります。
以下のどれかを行ってください。
移動先のVMホスト一覧からVMホストを選択して再実行する。
[L-Serverの仕様変更]ダイアログで"使用するVMホスト"を"自動選択"に変更したあと、サーバ間の移動を再実行する。
[L-Serverの仕様変更]ダイアログで"使用するVMホスト"を"プール"に変更したあと、割り当てられたリソースを確認し、必要に応じてサーバ間の移動を再実行する。
[L-Serverの仕様変更]ダイアログで"使用するVMホスト"を"VMホスト"に変更したあと、割り当てられたリソースを確認し、必要に応じてサーバ間の移動を再実行する。
移動先VMホストに、VMホストを指定した場合、オーバーコミットの設定に依存せずに、サーバ間の移動が実行されます。
移動先VMホストに、VMホストを指定した場合、L-Platform内に別のL-Serverが存在しても、サーバ間の移動が実行されます。
なお、使用するVMホストに設定された情報は、以下の方法で確認できます。
オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを選択し、"リソース一覧"タブ内の"使用リソース"を確認する
オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを選択し、"リソース詳細"タブの"使用するリソース"を確認する
保守モードでは、仮想L-Serverのマイグレーションの自動選択対象から、対象VMホストを除きます。
ユーザー操作によるマイグレーションは可能です。
サーバ間の移動(マイグレーション)を行う場合、「設計ガイド CE」の「付録E 仮想L-Server作成のための事前準備」の各VM種別の章を参照してください。
【VMware】
クラスタを越えた移動(マイグレーション)を行う場合、VMwareではリソースプールを越えた移動(マイグレーション)になります。本製品では、VMwareのリソースプールは管理していないため、移動(マイグレーション)は同一のクラスタ(同一のリソースプール)内となります。
なお、VMwareのリソースプールについては、ヴイエムウェア社の「vSphere リソース管理ガイド」を参照してください。
【Solarisゾーン】
予備サーバの設定がされているVMホストに配備されている場合、マイグレーションはできません。
予備サーバの設定がされていないVMホストに配備されている場合、ディスクを共有し、予備サーバの設定がされていないVMホストの範囲で、マイグレーションができます。
【OVM for SPARC】
L-Serverのサーバ間の移動(マイグレーション)を行う場合、L-Serverが検出しているすべてのディスクにディスクリソースが関連付いている必要があります。また、以下のすべての条件を満たすものが移動先の候補になります。
L-Serverに割り当て済みのディスクリソースを共有しているVMホスト
VMホストに対する予備サーバの設定が同一のVMホスト
以下のどちらかの方法でL-Serverを指定したVMホストへ移動した場合、移動後のL-Serverは、ディスクリソースと関連付いていない状態、またはディスク情報が更新されない状態になる場合があります。
RORコンソールのサーバツリーからのサーバ間の移動
コマンドを使用し移動先のVMホストを指定したサーバ間の移動
サーバ間の移動で[自動選択]を指定した場合、L-Serverに割り当てられているディスクを共有しているL-Server(ゲストドメイン)が存在するVMホストへは、移動しません。
電源がONのL-Serverに対して、マイグレーション先に以下のVMホストを指定したライブマイグレーションを実行した場合の動作は、OVM for SPARCの仕様に依存します。
操作対象のL-Serverとディスクを共有している、電源がONのL-Server(ゲストドメイン)が存在するVMホスト
参考
仮想L-Serverの場合、サーバ間の移動は、ROR VEのVMホームポジションを利用できます。
詳細は、「操作ガイド VE」の「15.3 VMホームポジション」を参照してください。