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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.3.0 操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理)
FUJITSU Software

17.6.2 バックアップ・リストア

ここでは、L-Serverのバックアップ・リストアについて説明します。

物理L-Serverの場合に利用できます。

L-Serverのバックアップ・リストアは、L-Serverのシステムイメージをバックアップし、リストアする機能です。

同じL-Serverに対してバックアップを複数回採取すると、バックアップは、そのファイル名に対して自動的に1から始まる世代番号を付加して管理されます。一定の世代数(標準は3世代分)を超えて採取した場合、古い世代のものが自動的に削除されます。

採取したシステムイメージをリストアすると、L-Serverのシステムディスクの内容は採取時の状態に戻ります。

注意

  • システムイメージのバックアップ・リストアでは、ブート環境(ローカル/SAN/iSCSI)およびRAID構成にかかわらず、管理対象サーバのBIOSで認識された1台目のディスク(起動ディスク)の内容だけ、バックアップ・リストアの対象になります。
    なお、内蔵ディスクブート+SANデータ構成である場合は、イメージ操作対象ディスクを設定する必要があります。
    詳細は、「操作ガイド VE」の「9.1.13 イメージ操作対象ディスクの変更」を参照してください。
    2台目以降のディスク(データディスク)の内容はバックアップ・リストアできません。ほかのバックアップソフトウェアや、ストレージ装置のコピー機能を利用して、データのバックアップ・リストアを行ってください。
    なお、1台目のディスクに複数の区画(Windowsのドライブ、Linux/VMwareのパーティション)を設定している場合、すべてのパーティションがバックアップの対象になります。

    表17.16 システムイメージのバックアップ・リストア対象の例

    ディスク

    Windowsのディスク名

    Windowsのドライブ名

    バックアップ・リストア対象

    1台目

    ディスク 0

    C:

    E:

    2台目

    ディスク 1

    D:

    ×

    F:

    ×

  • バックアップ・リストアでは、管理対象サーバを再起動するため、業務を停止する必要があります。

  • リストアは、バックアップを採取したサーバにだけ実行できます。

  • UMCを有効にした管理対象サーバからバックアップを採取した場合、UMCを有効にした状態でサーバにリストアをしてください。

  • 先頭のパーティションは、基本パーティションである必要があります。

  • 以下のファイルシステムの場合にバックアップを採取できます。なお、LVM(Logical Volume Manager)を使用しているファイルシステムは使用できません。

    • NTFS

    • EXT3

    • EXT4

    • LinuxSwap

    ポイント

    Red Hat Enterprise Linux 7の場合、デフォルトのインストールではXFSのファイルシステムになります。

  • VMホストに対する本製品によるバックアップ・リストア時の動作は、サーバ仮想化ソフトウェアごとに異なります。
    VMホストの起動ディスク上にVMゲストが存在する場合の動作については、「設計ガイド VE」の「9.2.2 利用する製品別の機能」を参照してください。
    起動ディスク上にあるVMゲストをバックアップ・リストア対象にしない動作の場合、VMゲストの格納先を起動ディスク以外のディスク上にする運用にしてください。

  • VMホストをバックアップする場合、リストア後にサーバ仮想化ソフトウェアの構成管理が正常に行えるようにするため、VMゲストもバックアップしてください。バックアップ時には、VMメンテナンスモードが自動的に設定されるので、VMホストをVMメンテナンスモードに設定できる状態にしてください。

    サーバ仮想化ソフトウェアの高可用性機能を使用しているVMホストをバックアップする場合、共有ディスク上にあるVMゲストをすべてほかのVMホストに移動してからバックアップしてください。
    バックアップしたあとは、ほかのVMホストに移動したVMゲストを元のVMホストに戻してください。

    VMゲストのバックアップ方法と移動方法、およびVMメンテナンスモードについては、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアル、および「設計ガイド VE」の「9.2.2 利用する製品別の機能」を参照してください。

  • VMホストをリストアする場合、リストア後にサーバ仮想化ソフトウェアの構成管理が正常に行えるようにするため、VMホストのバックアップ時にバックアップしたVMゲストをリストアしてください。ただし、VMホストをバックアップしたあと、サーバ仮想化ソフトウェアの構成管理に影響する変更(VMゲスト構成情報の格納場所変更、追加、削除など)がないとき、VMホストのバックアップ時にバックアップしたVMゲストをリストアする必要はありません。
    リストア時には、VMメンテナンスモードが自動的に設定されるので、VMホストをVMメンテナンスモードに設定できる状態にしてください。

    サーバ仮想化ソフトウェアの高可用性機能を使用しているVMホストをリストアする場合、共有ディスク上にあるVMゲストをすべてほかのVMホストに移動してからリストアしてください。
    リストアしたあとは、ほかのVMホストに移動したVMゲストを元のVMホストに戻してください。

    VMゲストのリストア方法と移動方法、およびVMメンテナンスモードについては、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアル、および「設計ガイド VE」の「9.2.2 利用する製品別の機能」を参照してください。

  • 管理対象サーバを削除した場合、そのサーバからバックアップしたシステムイメージも削除されます。

  • システムイメージのバックアップ・リストア、または削除中は、同じ管理対象サーバのシステムイメージ(異なる世代も含む)を指定してバックアップ・リストア、削除はできません。

  • クローニングイメージを配付し、サーバ名を変更したサーバに対してシステムイメージをリストアする場合、サーバリソースツリーに表示されている"サーバ名"とイメージ一覧のシステムイメージ一覧に表示されている"サーバ名"が、変更後のサーバ名と一致しているか確認したあと、リストアしてください。

  • 管理対象サーバのWatchdog(一定時間OSが応答しない状態をハングと検出して、自動的にリセットまたは電源OFFする機能)が有効になっていると、バックアップ・リストア中に自動的にリセットまたは電源OFFされることがあります。
    バックアップ・リストアを行う前に、設定を無効にしてください。
    詳細は、管理対象サーバのマニュアルを参照してください。

  • リストア時に、バックアップ先のディスクサイズがシステムイメージをバックアップしたときと異なる場合、バックアップしたサーバよりもサイズが大きいディスクのときはリストアできます。
    リストア後はバックアップ時のディスクサイズを超える領域は未使用領域になります。未使用領域は新たにパーティションを作成すれば使用できます。

    バックアップしたサーバよりもサイズが小さいディスクへのリストア、バックアップ・リストアを使用する切替え・切戻し、およびクローニングはできません。

    予備サーバ、クローニングを行うサーバについてもディスクサイズを合わせてください。

  • システムイメージのバックアップ・リストア、クローニングイメージの採取・配付は同時に4つの処理まで実行できます。5つ以上の処理が要求された場合、実行中の処理が完了するまで待機状態になります。
    なお、バックアップ・リストア方式によるサーバ切替え・切戻し中に実行されるリストア処理も待機状態になります。バックアップ・リストア方式の自動リカバリまたは手動切替えを利用する場合、同時に実行するシステムイメージのバックアップ・リストア、クローニングイメージの採取・配付の処理数は3つまでにしてください。

  • PRIMEQUESTのサーバに対してバックアップ・リストアを行う際は、対象サーバのブートオプションの設定とBIOSのブートオプションの設定が一致しているか確認してください。異なる場合は設定を一致させてから処理を行ってください。ブートオプションの変更方法については、「7.1.10 ブートオプションの変更」を参照してください。
    また、PRIMEQUEST 1000 Type2の場合、UEFIのx2APICモードを無効にしてください。

  • PRIMEQUEST 2000シリーズはWindowsマネージャーの場合だけバックアップとリストアができます。オンボードLANのNICだけPXEブートに対応しています。

  • 管理対象サーバがLinuxで、by-id名を使用してディスクを認識している場合、採取したシステムイメージをディスク交換後にリストアできません。

  • 物理L-Serverにクラスタソフトウェアを導入している場合はサポートしていません。

  • バックアップ・リストアを行う場合、以下のすべての条件を満たす必要があります。

    • バックアップの場合

      • L-Serverの状態がリソース割当て済み(allocated)

      • L-Serverが起動状態

      • L-Serverがエージェント登録された状態

    • リストアの場合

      • L-Serverの状態がリソース割当て済み(allocated)

以下の手順で、システムイメージのバックアップ・リストアを行います。


バックアップ

  1. オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューで、[バックアップリストア]-[バックアップ]を選択します。
    [システムイメージのバックアップ]ダイアログが表示されます。

  2. 必要に応じて以下の項目を設定します。

    コメント

    システムイメージを識別するためのコメントを入力します。
    パーセント("%")、円マーク("\")、ダブルクォーテーション( " )、および改行以外の文字で、日本語、半角文字に関係なく128文字以内の文字列を指定できます。

  3. [OK]ボタンをクリックします。

    システムイメージがバックアップされます。

    システムイメージのバックアップ中は一時的にL-Serverが電源OFFになります。

    処理状況はRORコンソールの進捗状況エリアで確認できます。進捗状況エリアの[キャンセル]ボタンをクリックすると、確認ダイアログが表示され、処理を中断できます。

コマンドでは、rcxadm image backupを実行します。
rcxadm image backupコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「4.1 rcxadm image」を参照してください。


リストア

  1. オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューで、[バックアップリストア]-[リストア]を選択します。
    [システムイメージのリストア]ダイアログが表示されます。

  2. リストアするシステムイメージの世代を選択します。

    [システムイメージのリストア]ダイアログに表示される警告メッセージの内容を確認し、[システムイメージをリストアする。]チェックボックスにチェックを入れます。

  3. [OK]ボタンをクリックします。

    システムイメージがリストアされます。

    処理状況はRORコンソールの進捗状況エリアで確認できます。進捗状況エリアの[キャンセル]ボタンをクリックすると、確認ダイアログが表示され、処理を中断できます。

コマンドでは、rcxadm image restoreコマンドを実行します。
rcxadm image restoreコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「4.1 rcxadm image」を参照してください。


削除

ここでは、不要になった世代の、システムイメージのバックアップの削除について説明します。

  1. オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューで[バックアップリストア]-[削除]を選択します。

    [システムイメージの削除]ダイアログが表示されます。

  2. 削除するシステムイメージの世代を選択します。

  3. [OK]ボタンをクリックします。

    バックアップされたシステムイメージの削除が行われます。

コマンドでは、rcxadm image deleteを実行します。
rcxadm image deleteコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「4.1 rcxadm image」を参照してください。