ここでは、L-Serverのスナップショットについて説明します。
スナップショットは、ある時点のL-Serverの構成と状態を保存する機能です。仮想L-Serverの場合、サーバ仮想化ソフトウェアのスナップショットを利用します。
採取したスナップショットをリストアすると、以下のL-Serverのパラメーターは採取時の状態に戻ります。
CPU数
CPU性能
CPU配分比
メモリサイズ
メモリ配分比
OS種別
ディスクの構成とサイズ
ネットワーク
OSの設定項目
参考
以下のパラメーターは、サーバ仮想化ソフトウェアのスナップショット機能でリストアされません。そのため、L-Serverの仕様変更を行い採取時の値に戻します。
【VMware】
CPU制限値
CPU配分比
メモリ制限値
メモリ配分比
【Hyper-V】
OS種別
なお、リストア処理が異常終了してもこれらのパラメーターは採取時の値に戻っている場合があります。L-Serverのパラメーターを確認したあと、必要に応じて仕様変更してください。
【KVM】
採取したスナップショットをリストアすると、以下のL-Serverのパラメーターは採取時の状態に戻ります。
CPU数
CPU性能
メモリサイズ
最大メモリ量
ディスクの構成
ネットワーク
OSの設定項目
また、L-Serverのディスク構成や電源状態により、可能な操作が異なります。
詳細は、「導入ガイド CE」の「8.6.9 RHEL-KVM利用時の注意点」の「スナップショット」を参照してください。
注意
L-ServerのOSがLinuxの場合、スナップショット採取時のユーザー名とパスワードが保存されます。
セキュリティを確保するため、スナップショット採取後にパスワードを変更することをお勧めします。
【VMware】
CPU予約性能、メモリ予約容量はリストアされません。この値を変更すると、同一VMホスト上に存在するほかのVMゲストのリソース使用量によりL-Serverが起動できないことがあります。
【KVM】
VMホスト上から、スナップショット操作(採取、削除)をしないでください。本製品から行うスナップショット操作に失敗する場合があります。
同じL-Serverに対してスナップショットを複数回採取すると、スナップショットは、そのファイル名に対して自動的に1から始まる世代番号を付加して管理されます。一定の世代数(標準は3世代分)を超えて採取した場合、古い世代のものが自動的に削除されます。保存する最大世代数の変更は、rcxadm imagemgrコマンドで行います。
rcxadm imagemgrコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「5.9 rcxadm imagemgr」を参照してください。
スナップショットを採取する場合、ディスク上のデータやファイルシステムに不整合が発生しないように、電源OFF状態のL-Serverに対して採取することをお勧めします。
電源ON状態のL-Serverに対して採取する場合、事前に電源ON状態でスナップショットが採取できる設定にしてください。
電源ON状態でスナップショットが採取できる設定については、サーバ仮想化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。
コマンドでの操作については、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「4.1 rcxadm image」を参照してください。
注意
スナップショットをリストアした直後は、L-ServerとVM管理製品が管理するVMゲストの構成に差分が生じる場合があります。
VMゲストの構成の差分は、VM管理製品に対して定期的に問い合わせ、L-Serverの構成に反映されます。
定期的な問合せによるL-Serverの構成の反映については、「17.2 変更」を参照してください。
【物理サーバ】
物理L-Serverの場合、スナップショットは利用できません。
【Hyper-V】
Hyper-Vを利用する場合、「導入ガイド CE」の「8.3.11 Hyper-V利用時の注意点」を参照してください。
【Xen】
RHEL5-Xenを利用する場合、スナップショットは利用できません。
L-Serverのスナップショットは、GDSを利用して採取してください。
詳細は、「導入ガイド CE」の「8.4.7 RHEL5-Xen利用時の注意点」を参照してください。
【Citrix Xen】
Citrix Xenを利用する場合、電源ON状態のL-Serverに対して、スナップショットは利用できません。
参考
サーバ仮想化ソフトウェアの提供するスナップショットは、ディスクを更新した差分を記録する方式です。このため、ディスク装置が故障した場合、スナップショットも同時に利用できなくなります。スナップショットは、以下のようなトラブルへの対策として利用してください。
例
適用したパッチに問題があった場合の復旧
OSのパラメーター変更に問題があった場合の復旧
採取
ここでは、スナップショットの採取について説明します。
オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューで[スナップショット]-[採取]を選択します。
[スナップショットの採取]ダイアログが表示されます。
必要に応じて以下の項目を設定します。
スナップショットを識別するためのコメントを入力します。
パーセント("%")、円マーク("\")、ダブルクォーテーション( " )、および改行以外の文字で、日本語、半角文字に関係なく128文字以内の文字列を指定できます。
【Citrix-Xen】
上記に加えて、シングルクォーテーション(')はコメントの文字として使用できません。
【KVM】
上記に加えて、日本語と全角文字はコメントの文字として使用できません。
[OK]ボタンをクリックします。
スナップショットの採取が行われます。
コマンドでは、rcxadm image snapshotを実行します。
rcxadm image snapshotコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「4.1 rcxadm image」を参照してください。
リストア
ここでは、スナップショットのリストアについて説明します。
スナップショットのリストアは、L-Serverが停止している状態で行ってください。
オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューで[スナップショット]-[リストア]を選択します。
[スナップショットのリストア]ダイアログが表示されます。
リストアするスナップショットの世代を選択します。
[スナップショットのリストア]ダイアログに表示される警告メッセージの内容を確認し、[スナップショットをリストアする。]チェックボックスにチェックを入れます。
[OK]ボタンをクリックします。
スナップショットのリストアが行われます。
コマンドでは、rcxadm image restoreを実行します。
rcxadm image restoreコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「4.1 rcxadm image」を参照してください。
注意
以下の場合、L-Serverの仕様変更は行いません。必要に応じてサーバ仮想化ソフトウェアから変更を行ってください。
リストア対象のL-Serverに該当するVMゲストが、本製品に登録されていないVMホストへ移行したことがある場合
本製品が以下の状態で採取したスナップショットをリストアした場合
バージョンがV2.2.2以前
バージョンがV2.3.0で、以下の緊急修正が未適用
- T005433WP-03【Windows】
- T005567LP-01【Linux】
スナップショットのリストア操作について【KVM】
スナップショットのリストア操作時において、スナップショットの情報が保持するディスクリソースの数と、リストア対象の仮想L-Serverのディスクリソースの数が異なる場合、スナッップショットのリストア操作後に、ディスクリソース数が変化します。
詳細は、「トラブルシューティング集」の「5.3 仮想L-Serverに対するスナップショットのリストア操作後に、ディスクリソース数が変化する【KVM】」を参照してください。
削除
ここでは、不要になった世代のスナップショットの削除について説明します。
オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューで[スナップショット]-[削除]を選択します。
[スナップショットの削除]ダイアログが表示されます。
削除するスナップショットの世代を選択します。
[OK]ボタンをクリックします。
スナップショットの削除が行われます。
コマンドでは、rcxadm image deleteを実行します。
rcxadm image deleteコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「4.1 rcxadm image」を参照してください。