WebSphere MQを利用してメッセージの送受信をする場合の環境設定について説明します。
ポイント
MQアダプタ利用時の設定として、セットアップ・アンセットアップコマンドを実行する場合の留意事項は以下のとおりです。
管理者権限で実行してください。
同時に複数実行できません。
Interstage JMXサービスを事前に起動しておく必要があります。
MQアダプタを利用する場合、WebSphere MQの運用に必要なグループにシステム管理者およびInterstage運用者を追加してください。
WebSphere MQの運用に必要なグループについての詳細は、WebSphere MQの関連マニュアルを参照してください。
ISIサーバのセットアップ後にWebSphere MQをインストールした場合、ISIサーバのワークユニットのクラスパスに、以下のライブラリを追加してください。
<WebSphere MQ Java メッセージング インストールDir>\lib\com.ibm.mq.jar
<WebSphere MQ Java メッセージング インストールDir>\lib\com.ibm.mq.jmqi.jar
/opt/mqm/java/lib/com.ibm.mq.jar
/opt/mqm/java/lib/com.ibm.mq.jmqi.jar
インバウンドのMQアダプタのセットアップ
WebSphere MQからメッセージを受信する場合、インバウンドのMQアダプタのセットアップを行います。1つのインバウンドキュー(WebSphere MQのキュー)に対して、1つのMQアダプタをセットアップする必要があります。
インバウンドのMQアダプタのセットアップ手順は以下のとおりです。
インバウンドキュー(WebSphere MQのキュー)の準備
インバウンドのMQアダプタがメッセージを受信するインバウンドキューとしてWebSphere MQのローカル・キューを準備します。
WebSphere MQのローカル・キューは、“M.1 WebSphere MQのローカル・キューの設定”を参照して定義を行ってください。
ポイント
Interstage運用グループのユーザでMQアダプタを実行する場合は、対象のWebSphere MQのキュー・マネージャーおよびキューにInterstage運用グループのユーザでのアクセス権限を付与する必要があります。以下に、各リソースに付与する権限は以下のとおりです。権限を与える方法については、WebSphere MQの関連マニュアルを参照してください。
WebSphere MQのキュー・マネージャー
キュー・マネージャーに接続する権限
インバウンドキュー(WebSphere MQのキュー)
キューからメッセージを取得する権限
セットアップコマンドの実行
以下のコマンドを実行し、インバウンドのMQアダプタをセットアップします。コマンドの詳細は“ISI リファレンス”の“esisetup_mqrcv”コマンドを参照してください。
esisetup_mqrcv -q インバウンドキュー名 -m WebSphere MQのキュー・マネージャー名 [-r インバウンドルーティング名] -i 識別子
ポイント
“インバウンドキュー名”と“WebSphere MQのキュー・マネージャー名”が同じ組み合わせのインバウンドのMQアダプタを、複数登録しないでください。
上記コマンドの実行により、以下のリソースが自動的に生成されます。
リソース | 説明 | 備考 |
---|---|---|
インバウンドのMQアダプタ | WebSphere MQからメッセージを受信するワークユニットです。 | MQアダプタのワークユニット名は以下の規則で生成されます。 “ISIMQRcv_識別子” |
インバウンドのMQアダプタ設定ファイル | インバウンドのMQアダプタの動作環境を設定するファイルです。 | 設定ファイルの詳細は“インバウンドのMQアダプタ設定ファイル”を参照してください。 |
インバウンドのMQアダプタの起動
以下のコマンドを実行し、インバウンドのMQアダプタを起動します。起動方法の詳細は、“ISI 運用ガイド”の“インバウンドのMQアダプタの起動”を参照してください。
isstartwu ISIMQRcv_識別子
インバウンドのMQアダプタは、インバウンドルーティング定義によりサービスエンドポイントを動的に決定します。インバウンドルーティング定義の指定方法は、“インバウンドのMQアダプタ設定ファイル”を参照してください。
インバウンドのMQアダプタの設定項目を記載する設定ファイルです。インバウンドのMQアダプタごとに作成されます。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?> <MQRecvConfig xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"> <PropertyList> <Property name="msgdistribution">myrouting</Property> <Property name="mqmd.mapping.compatibility">true</Property> </PropertyList> </MQRecvConfig>
キー名 | 説明 | 指定例 |
---|---|---|
msgdistribution | インバウンドのMQアダプタで使用するインバウンドルーティング名を指定します。 esisetup_mqrcvコマンドでインバウンドルーティング名を指定した場合は、指定したインバウンドルーティング名が設定されます。 本指定値は省略不可です。省略した場合、インバウンドのMQアダプタの起動に失敗します。 | myrouting |
mqmd.mapping.compatibility | MQMDの値を持ちまわるかどうかを“true”または“false”で指定します。
本項目を省略した場合、falseが指定されたものとして動作します。 セットアップ直後は、本項目は省略されています。 | true |
<INSDIR>\etc\server\<MQアダプタ名(※)>\def\properties\MQRecvConfig.xml
/opt/FJSVesi/etc/server/<MQアダプタ名(※)>/def/properties/MQRecvConfig.xml
(※)MQアダプタ名は、esisetup_mqrcvコマンドで作成したインバウンドのMQアダプタ名が設定されます。
アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)のセットアップ
ISIからWebSphere MQへメッセージを送信する場合、アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)をセットアップします。1つのアウトバウンドキュー(WebSphere MQのキュー)に対して、1つのMQアダプタをセットアップする必要があります。
アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)のセットアップの手順は以下のとおりです。
アウトバウンドキュー(WebSphere MQのキュー)の準備
アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)がメッセージを送信するアウトバウンドキューとして、以下のどちらかのWebSphere MQのキューを準備します。
WebSphere MQのローカル・キュー
WebSphere MQのリモート・キュー
WebSphere MQのローカル・キューを利用する場合は、“M.1 WebSphere MQのローカル・キューの設定”を参照して定義を行ってください。
WebSphere MQのリモート・キューを利用する場合は、“M.2 WebSphere MQのリモート・キューの設定”および“M.3 WebSphere MQの伝送キューの設定”を参照して定義を行ってください。
ポイント
Interstage運用グループのユーザでMQアダプタを実行する場合は、対象のWebSphere MQのキュー・マネージャーおよびキューにInterstage運用グループのユーザでのアクセス権限を付与する必要があります。以下に、各リソースに付与する権限は以下のとおりです。権限を与える方法については、WebSphere MQの関連マニュアルを参照してください。
WebSphere MQのキュー・マネージャー
キュー・マネージャーに接続する権限
アウトバウンドキュー(WebSphere MQのキュー)
メッセージを書き込む権限
セットアップコマンドの実行
以下のコマンドを実行し、アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)をセットアップします。コマンドの詳細は“ISI リファレンス”の“esisetup_mqsnd”コマンドを参照してください。
esisetup_mqsnd -q アウトバウンドキュー名 -m WebSphere MQのキュー・マネージャー名 -i 識別子
ポイント
“アウトバウンドキュー名”と“WebSphere MQのキュー・マネージャー名”が同じ組み合わせのアウトバウンドのMQアダプタを、複数登録しないでください。
上記コマンドの実行により、以下のリソースが自動的に生成されます。
リソース | 説明 | 備考 |
---|---|---|
アウトバウンドのMQアダプタ | WebSphere MQへメッセージを送信するワークユニットです。 | MQアダプタのワークユニット名は以下の規則で生成されます。 “ISIMQSnd_識別子” |
アウトバウンドのMQアダプタ設定ファイル | アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)の動作環境を設定するファイルです。 | 設定ファイルの詳細は“アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)設定ファイル”を参照してください。 |
アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)の起動
以下のコマンドを実行し、アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)を起動します。起動方法は、“ISI 運用ガイド”の“アウトバウンドのMQアダプタの起動”を参照してください。
isstartwu ISIMQSnd_識別子
アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)の設定項目を記載する設定ファイルです。アウトバウンドのMQアダプタ(Oneway方式)ごとに作成されます。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?> <MQSendConfig xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"> <PropertyList> <Property name="retryCount">5</Property> <Property name="retryInterval">1000</Property> <Property name="mqmd.mapping.compatibility">true</Property> </PropertyList> </MQSendConfig>
キー名 | 説明 | 指定例 |
---|---|---|
retryCount | アウトバウンドキューが満杯などでメッセージ送信に失敗した場合、リトライする回数を指定します。 リトライ回数をオーバした場合は、メッセージの送信処理がエラー終了します。 指定可能な値は0~100の整数です。0を指定した場合、リトライは実行されません。 省略した場合、5(回)が設定されます。 | 5 |
retryInterval | リトライの間隔をミリ秒単位で指定します。 指定可能な値は0~60000(1分)の整数です。0を指定した場合、即座にリトライが実行されます。 省略した場合、1000(ミリ秒)が設定されます。 | 1000 |
mqmd.mapping.compatibility | MQMDの値を持ちまわるかどうかを“true”または“false”で指定します。
本項目を省略した場合、falseが指定されたものとして動作します。 セットアップ直後は、本項目は省略されています。 | true |
<INSDIR>\etc\server\<MQアダプタ名(※)>\def\properties\MQSendConfig.xml
/opt/FJSVesi/etc/server/<MQアダプタ名(※)>/def/properties/MQSendConfig.xml
(※)MQアダプタ名は、esisetup_mqsndコマンドで作成したアウトバウンドのMQアダプタ名が設定されます。
アウトバウンドのMQアダプタ(RequestResponse方式)のセットアップ
WebSphere MQとRequestResponse方式で通信する場合、要求メッセージ送信用のMQアダプタと応答メッセージ受信用のMQアダプタが必要になります。
これらのMQアダプタのセットアップの手順は以下のとおりです。
キュー(WebSphere MQのキュー)の準備
アウトバウンドのMQアダプタ(RequestResponse方式)が要求メッセージを送信するためのREQUESTキュー、および応答メッセージを受信するためのRESPONSEキューとして、以下のどちらかのWebSphere MQのキューを準備します。
WebSphere MQのローカル・キュー
WebSphere MQのリモート・キュー
WebSphere MQのローカル・キューを利用する場合は、“M.1 WebSphere MQのローカル・キューの設定”を参照して定義を行ってください。
WebSphere MQのリモート・キューを利用する場合は、“M.2 WebSphere MQのリモート・キューの設定”および“M.3 WebSphere MQの伝送キューの設定”を参照して定義を行ってください。
ポイント
Interstage運用グループのユーザでMQアダプタを実行する場合は、対象のWebSphere MQのキュー・マネージャーおよびキューにInterstage運用グループのユーザでのアクセス権限を付与する必要があります。以下に、各リソースに付与する権限は以下のとおりです。権限を与える方法については、WebSphere MQの関連マニュアルを参照してください。
WebSphere MQのキュー・マネージャー
キュー・マネージャーに接続する権限
REQUESTキューおよびRESPONSEキュー(WebSphere MQのキュー)
メッセージを書き込む権限
セットアップコマンドの実行
以下のコマンドを実行し、アウトバウンドのMQアダプタ(RequestResponse方式)をセットアップします。コマンドの詳細は“ISI リファレンス”の“esisetup_mqreqres”コマンドを参照してください。
esisetup_mqreqres -reqq REQUESTキュー名 -reqm REQUESTキューのキュー・マネージャー名 -resq RESPONSEキュー名 -resm RESPONSEキューのキュー・マネージャー名 -i 識別子
上記コマンドの実行により、以下のリソースが自動的に生成されます。
リソース | 説明 | 備考 |
---|---|---|
アウトバウンドのMQアダプタ(Request) | WebSphere MQヘ要求メッセージを送信するワークユニットです。 | MQアダプタ(Request)のワークユニット名は以下の規則で生成されます。 “ISIMQReq_識別子” |
アウトバウンドのMQアダプタ(Request)アダプタ設定ファイル | アウトバウンドのMQアダプタ(Request)の動作環境を設定するファイルです。 | 設定ファイルの詳細は“アウトバウンドのMQアダプタ(Request)設定ファイル”を参照してください。 |
アウトバウンドのMQアダプタ(Response) | WebSphere MQから応答メッセージを受信するワークユニットです。 | MQアダプタ(Response)のワークユニット名は以下の規則で生成されます。 “ISIMQRes_識別子” |
アウトバウンドのMQアダプタ(Response)のアダプタ設定ファイル | アウトバウンドのMQアダプタ(Response)の動作環境を設定するファイルです。 | 設定ファイルの詳細は“アウトバウンドのMQアダプタ(Response)設定ファイル”を参照してください。 |
MQアダプタの起動
以下のコマンドを実行し、MQアダプタを起動します。起動方法の詳細は、“ISI 運用ガイド”の“MQアダプタの起動”を参照してください。
isstartwu ISIMQRes_識別子 isstartwu ISIMQReq_識別子
アウトバウンドのMQアダプタ(Request)の設定項目を記載する設定ファイルです。アウトバウンドのMQアダプタ(Request)ごとに作成されます。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?> <MQSendConfig xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"> <PropertyList> <Property name="reqresp">true</Property> <Property name="retryCount">5</Property> <Property name="retryInterval">1000</Property> <Property name="mqmd.mapping.compatibility">true</Property> </PropertyList> </MQSendConfig>
キー名 | 説明 | 指定例 |
---|---|---|
reqresp | RequestResponse方式を利用するための設定です。 | true |
retryCount | REQUESTキューが満杯などでメッセージ送信に失敗した場合、リトライする回数を指定します。 | 5 |
retryInterval | リトライの間隔をミリ秒単位で指定します。 | 1000 |
mqmd.mapping.compatibility | MQMDの値を持ちまわるかどうかを“true”または“false”で指定します。
本項目を省略した場合、falseが指定されたものとして動作します。 | true |
<INSDIR>\etc\server\<MQアダプタ名(※)>\def\properties\MQSendConfig.xml
/etc/opt/FJSVesi/server/<MQアダプタ名(※)>/def/properties/MQSendConfig.xml
(※)MQアダプタ名は、esisetup_mqreqresコマンドで作成したMQアダプタ名(ISIMQReq_識別子)が設定されます。
アウトバウンドのMQアダプタ(Response)の設定項目を記載する設定ファイルです。アウトバウンドのMQアダプタ(Response)ごとに作成されます。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?> <MQRecvConfig xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"> <PropertyList> <Property name="reqresp">true</Property> <Property name="retryCount">5</Property> <Property name="recvTimeout">1000</Property> <Property name="mqmd.mapping.compatibility">true</Property> </PropertyList> </MQRecvConfig>
キー名 | 説明 | 指定例 |
---|---|---|
reqresp | RequestResponse方式を利用するための設定です。 | true |
retryCount | RESPONSEキューの受信エラーなどでメッセージの受信に失敗した場合、リトライする回数を指定します。 | 5 |
recvTimeout | 応答メッセージの受信待ち時間をミリ秒単位で指定します。 | 1000 |
mqmd.mapping.compatibility | MQMDの値を持ちまわるかどうかを“true”または“false”で指定します。
本項目を省略した場合、falseが指定されたものとして動作します。 | true |
<INSDIR>\etc\server\<MQアダプタ名(※)>\def\properties\MQRecvConfig.xml
/etc/opt/FJSVesi/server/<MQアダプタ名(※)>/def/properties/MQRecvConfig.xml
(※)MQアダプタ名は、esisetup_mqreqresコマンドで作成したMQアダプタ名(ISIMQRes_識別子)が設定されます。