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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 16.5 運用ガイド
FUJITSU Storage

8.3.5 リストアウィザード(for Exchange Server)によるリストア

本項では、リストアウィザード(for Exchange Server)でのリストアに必要な運用手順について説明します。

リストア作業の流れを以下に示します。

8.3.5.1 リストア環境の確認

以下の条件を確認します。

注意

Exchange Server 2013以降の場合、リストアウィザードの実行中に、リストアウィザードがMicrosoft Exchange Search Host Controllerサービスの停止と起動を行います。Microsoft Exchange Search Host Controllerサービスが停止すると、Exchangeのインデックスの作成や検索に影響する可能性があります。リストアウィザード(for Exchange Server)は、このサービスの停止による影響、すなわち、Exchangeの検索への影響を考慮して実行してください。

8.3.5.2 リストア前の作業(テープからリストアする場合)

ストレージ障害などでテープ(二次バックアップ)からリストアする場合は、事前に以下の手順1~6の作業が必要です。

  1. シャドウコピーの削除

    テープからリストアする場合は、シャドウコピーを削除します。

    1. アクティブメールボックスサーバにAdvancedCopy Managerユーザーでログインします。

    2. コマンドプロンプトを起動します。

    3. 以下のコマンドを実行します。

      C:\>C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpshadowadm_exchange delete -dbname dbName

      参考

      手順3のコマンドを実行すると、以下の処理が行われます。

      • バックアップサーバに存在するシャドウコピーが削除されます。

      • バックアップサーバのライタメタデータドキュメントとバックアップコンポーネントドキュメントが削除されます。

  2. QuickOPCセッションの停止

    テープからのリストア実行前に、リストア対象のExchange Serverデータベースに対するQuickOPCセッションを停止します。

    1. アクティブメールボックスサーバにAdvancedCopy Managerユーザーでログインします。

    2. コマンドプロンプトを起動します。

    3. 以下のコマンドを実行します。

      C:\>C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpshadowadm_exchange stopqopc -dbname dbName

      注意

      QuickOPCセッションが存在しない場合は、コマンドが異常終了します。
      処理を継続するために次の手順に進み、セッションの停止を確認してください。

  3. QuickOPCセッション停止の確認

    以下のコマンドを実行し、QuickOPCのセッションが停止していることを確認します。

    QuickOPCのセッションが停止している場合は、Trk列に"----"と表示されます。

    C:\>C:\Win32app\AdvancedCopyManager\bin\swsrpshadowadm_exchange status -dbname dbName
  4. ディスクの初期化

    ディスクの初期化を実施します。

    注意

    • ディスクがオフラインの場合、ディスクを初期化する前にオンラインにしてください。

    • 初期化するディスクのデータはすべて消去されるため、対象を間違えないように注意してください。

    1. バックアップサーバにAdvancedCopy Managerユーザーでログインします。

    2. コマンドプロンプトを起動します。

    3. 以下のコマンドを実行します。

      C:\ >diskpart
      DISKPART> select disk diskNumber
      DISKPART> clean
  5. パーティションの作成

    初期化前と同じ構成となるようにパーティションを作成し、ドライブ文字を割り当てます。

    1. バックアップサーバにAdvancedCopy Managerユーザーでログインします。

    2. サーバーマネージャー画面を起動します。

    3. [ディスクの管理]を選択します。

    4. 対象のボリュームで右クリックして「新しいシンプルボリューム」を選択し、ウィザードに従って初期化前と同じ構成となるようにパーティションを作成します。

    注意

    パーティションを作成できない場合、ディスクが読取り専用(read-only)ボリュームになっている可能性があります。そのときは、コマンドプロンプトで"Diskpart"を起動して、ディスクの読取り専用属性を解除してください。

  6. テープからデータをリストア

    データベース領域、トランザクションログ領域のバックアップデータを元の場所(バックアップを取得したバックアップ先ボリューム)にリストアします。

    1. バックアップサーバにAdvancedCopy Managerユーザーでログインします。

    2. 退避しておいたファイルを元の場所(バックアップを取得したバックアップ先ボリューム)にリストアします。

  7. テープからメタデータドキュメントをリストア

    メタデータドキュメントを元の場所(バックアップを取得した場所)にリストアします。
    メタデータドキュメントの保存先については、表8.6 メタデータドキュメントを参照してください。

    1. バックアップサーバにAdvancedCopy Managerユーザーでログインします。

    2. 退避しておいたファイルを元の場所(バックアップを取得した場所)にリストアします。

8.3.5.3 リストアの実行(ウィザードによるリストア)

操作手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ウィザードによるExchange Serverデータベースのリストア」を参照してください。

8.3.5.4 リストア処理状態の確認

リストア処理状態の確認は、Webコンソールの処理状態ペインで行います。処理状態ペインの表示内容の詳細は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「処理状態ペイン」を参照してください。

リストアウィザード(for Exchange Server)でリストアを実行すると、以下の情報が処理状態ペインに表示されます。

表8.7 リストア処理実行中の表示内容

項目名

表示内容

アクション

Restore Wizard for Exchange Server

状態

Executing

結果

-

表8.8 リストア処理終了の表示内容

項目名

表示内容

アクション

Restore Wizard for Exchange Server

状態

Completed

結果

正常時

Success

異常時

Failed

8.3.5.5 復旧確認

リストアウィザード(for Exchange Server)によるリストア完了後、Exchange Serverデータベースが正しく復旧されたことを確認します。

DAG構成の場合は、OPCの物理コピー完了後、パッシブデータベースのコピーを作成します。

ポイント

パッシブデータベースのコピー作成処理は、ネットワーク経由でコピーされるため、ネットワークやサーバに長時間の負荷がかかることが予想されます。したがって、休日や夜間など、業務への影響が小さい時間帯に実施することを推奨します。