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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 16.5 運用ガイド
FUJITSU Storage

4.1.4 事前準備

本項では、バックアップ運用に必要な事前準備について説明します。

4.1.4.1 サービスの起動

バックアップ運用を行うには、運用管理サーバおよび管理対象サーバでAdvancedCopy Managerのサービスが起動されている必要があります。サービスは、通常、システム起動時に自動的に起動します。

起動に失敗していた場合および一度サービスを停止した場合は、「第2章 サービスの起動と停止」を参照して、サービスを手動で起動してください。

4.1.4.2 Webコンソールの起動

バックアップ運用をバックアップ管理画面から行う場合は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「Webコンソールの起動方法」を参照し、Webコンソールを起動してください。

4.1.4.3 管理対象サーバの登録

運用管理サーバで、管理対象の管理対象サーバを登録します。

この作業は、Webコンソールで実施します。

注意

本作業は、管理対象サーバから運用管理サーバのIPアドレスへ通信できることを確認したあと、実施してください。運用管理サーバのIPアドレスは、stgxfwcmdispsrvコマンドで確認してください。

4.1.4.4 管理対象サーバ配下のデバイス情報の取込み

この作業は、Webコンソールおよびstgxfwcmsetdevコマンドで実施できます。
Webコンソールでの操作手順は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「デバイスの追加/再読込み」を参照してください。

作業後、Webコンソールまたはstgxfwcmdispdevコマンドの表示結果に、該当するデバイスにSymfoware情報が表示されていることを確認してください。なお、stgxfwcmsetdevコマンドでも確認できます。

注意

  • Symfowareのデータベースの構成情報を取得するため、管理対象サーバ配下のデバイス情報を取り込む前に、Symfowareのデータベースを起動してください。

  • 管理対象サーバ上のデバイス情報は、一度リポジトリに格納する必要があります。

  • Symfoware情報を取得するには、事前にSymfoware Server Advanced Backup Controllerが動作している必要があります。デバイス情報取得後にSymfoware Server Advanced Backup Controllerをインストールした場合は、デバイス取得を再実施してください。
    なお、インストール先のシステム環境により、ソフトウェアのバージョンレベルは異なります。詳細は、関連するソフトウェアのマニュアルなどを参照してください。

  • この操作は、選択した管理対象サーバに定義されているデバイスの総数に比例した時間がかかります。デバイス数が多い場合はCPU負荷やI/O負荷の低い状態で実施してください。目安として、負荷のない状態で、1デバイス(パーティション)あたり約0.5秒かかりますので、参考としてください。

  • バックアップ同期処理または同期型レプリケーション処理を実行している場合は、デバイス情報を正しく取得できない場合があります。そのため、デバイス情報の取込みは、すべての同期処理をキャンセルした状態で実施してください。

  • JIS2004追加文字を含むマウントポイントを割り当てたデバイスは、マウントポイント情報を取得できません。そのため、デバイス情報を取り込むボリュームには、JIS2004追加文字を使用したマウントポイントを割り当てないでください。

4.1.4.5 バックアップ運用を行うサーバの環境設定

この作業は、swstsvrsetコマンドで実施します。

ポイント

  • 運用管理サーバが管理対象サーバを兼ねている場合、運用管理サーバでもこの作業が必要です。

  • 事前にSymfoware Server Advanced Backup Controllerが動作している必要があります。サーバの環境設定後にSymfoware Server Advanced Backup Controllerをインストールした場合は、サーバの環境設定を再実施してください。

4.1.4.6 デバイスの運用種別設定

バックアップしたいSymfowareのデータベーススペースを構築したパーティションを業務ボリューム、バックアップ先となるボリュームをバックアップボリュームとして定義します。

業務ボリュームの設定

バックアップしたいSymfowareのデータベーススペースを構築したパーティションを、swstdevinfosetコマンドで業務ボリュームとして定義します。

ロググループの場合、ロググループに含まれるすべてのデータベーススペースが配置されているそれぞれのパーティションを、業務ボリュームとして登録する必要があります。1つでも登録から漏れると、AdvancedCopy Managerは登録から漏れたデータベーススペースをバックアップできず、データベースのリカバリー時に表間のリレーションの整合性が保てなくなります。

Symfowareのデータベーススペースが設定されていないデバイスは、Symfoware用の業務ボリュームとして設定できません。

注意

  • Symfoware用の業務ボリュームに割り当てられたRDBシステム名やデータベーススペース名、ロググループ名などを変更した場合は、以下の手順で業務ボリュームとして再登録してください。

    1. 登録済みの業務ボリュームのすべてのバックアップ履歴情報を、履歴情報削除コマンドで削除します。

    2. 登録済みの業務ボリュームのすべてのバックアップポリシーを削除します。

    3. デバイス情報設定コマンドで、業務ボリュームとしての登録を削除します。

    4. 再度、「4.1.4.4 管理対象サーバ配下のデバイス情報の取込み」を行います。

    5. デバイス情報設定コマンドで、業務ボリュームとして再登録します。

  • ロググループに含まれる業務ボリュームを登録から削除する場合は、その業務ボリュームのバックアップポリシーおよびバックアップ履歴情報をすべて削除してから、実施してください。

  • SDXオブジェクト上に配置されたSymfowareデータベーススペースはサポートしていません。

バックアップボリュームの設定

swstdevinfosetコマンドで、バックアップ先とするバックアップボリュームを設定してください。バックアップボリュームを登録済みの場合、この作業は不要です。

バックアップ管理が必要とするバックアップボリュームの本数は、「4.1.2.5 バックアップボリュームの準備」を参照してください。

注意

  • バックアップボリュームとして登録したパーティションの構成などを変更する場合は、構成を変更する前にバックアップボリュームの登録から削除し、構成変更後に再度「4.1.4.4 管理対象サーバ配下のデバイス情報の取込み」を行ってから、swstdevinfosetコマンドで登録する必要があります。

  • バックアップボリュームは、業務ボリュームと同じサイズである必要があります。

  • ドライブ文字またはマウントポイントの割り当てられているデバイスは、バックアップボリュームに設定できません。

4.1.4.7 バックアップポリシーの設定

swstbkpolsetコマンドで、業務ボリュームまたはロググループにバックアップポリシーを設定します。

バックアップポリシーをロググループに設定すると、そのロググループに含まれるすべての業務ボリュームに同じバックアップポリシーが設定されます。

バックアップポリシーの詳細は、「4.1.2.4 バックアップポリシーの決定」を参照してください。

注意

バックアップポリシーの設定時は、バックアップ運用に必要なバックアップボリュームが登録されている必要があります。バックアップ運用に必要なバックアップボリューム数は、「4.1.2.5 バックアップボリュームの準備」を参照してください。

設定されているバックアップポリシーは、swstbkpoldispコマンドで表示できます。

バックアップポリシーが設定されているロググループにデータベーススペースを追加し、業務ボリュームとして設定した場合は、ロググループ単位でバックアップポリシーを再設定してください。

4.1.4.8 前後処理スクリプトのカスタマイズ

以下の条件に該当する場合、バックアップ前後処理スクリプトのカスタマイズが必要です。

カスタマイズ方法は、「付録A バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。

ポイント

AdvancedCopy Managerアップグレードした場合

アップグレード後のスクリプトは更新されている場合があります。そのため、旧バージョンレベルで使用していたスクリプトを再利用するのではなく、旧バージョンレベルで使用していたスクリプトに対して実施したカスタマイズを、アップグレード後のスクリプトに対して同様にカスタマイズを実施してください。

4.1.4.9 デバイスマップファイルの準備

AdvancedCopy Managerのバックアップ運用では、バックアップボリュームとして登録されているボリューム群から、業務ボリュームの容量と同一のボリュームを、AdvancedCopy Managerが自動的に選択し、バックアップ先として利用します。

しかし、運用の都合上、バックアップ先ボリュームを意識したい場合は、あらかじめ「デバイスマップファイル」という業務ボリュームとバックアップボリュームの対応ファイルを作成しておく必要があります。

デバイスマップファイルは、バックアップを行う管理対象サーバの任意の場所に作成します。このファイルをバックアップ実行時に指定することで、バックアップ先を意識した運用が可能です。

ポイント

複数世代を管理する場合は、複数のデバイスマップファイルが必要です。
バックアップまたは同期処理の開始時に使用できるデバイスマップファイルは、以下のどちらかの条件を満たしている必要があります。

  • 未使用のバックアップボリュームを指定している

  • そのバックアップで削除される履歴で使用されているバックアップボリュームを指定している

そのため、バックアップボリュームを複数使用する運用の場合は、バックアップボリュームの状況に合わせてデバイスマップファイルを使い分ける必要があります。

4.1.4.9.1 デバイスマップファイルの記述方法

デバイスマップファイルの記述例を以下に示します。

# コメント行は「#」ではじめます。
# 業務ボリューム名      出力先バックアップボリューム名

# Normal Disks
g1d0p1                  g1d1p1
g1d0p2                  g1d1p2
g1d0p3                  g1d1p3

# LOG01/GRP1
   # この部分にもコメントを記述できます。
g1d2p1                  g1d3p1
g1d2p2                  g1d3p2
g1d2p3                  g1d3p3

# LOG02/GRP2
g1d4p1                  g1d5p1
g1d4p2                  g1d5p2
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デバイスマップファイルの記述規則は、以下のとおりです。