システムに必要なネットワークの構成を決定します。
使用するサーバのNICを決定します。
管理LANに割り当てるNIC
iSCSI用LANに割り当てるNIC(iSCSIを利用する場合だけ)
業務LANに割り当てるNIC
運用環境に応じて、以下の設定を決定します。
NICの冗長設定
LANスイッチブレードのネットワーク設定(PRIMERGY BXシリーズの場合)
以下の説明と「管理サーバ、管理対象サーバ、管理クライアントおよびVLANのネットワーク構成の例(PRIMERGY BX600の場合)」を参照し、ネットワークの構成を設計してください。
管理LAN
管理LANとは、マネージャーが管理対象サーバのエージェントや各管理対象装置と通信するために使用するLANです。
管理サーバと管理対象サーバ
管理サーバと管理対象サーバが使用するNICの数は、以下のとおりです。
非冗長構成の場合: 1つ
冗長構成の場合: 2つ
なお、HBA address rename使用時は、冗長構成、非冗長構成にかかわらず、2つのNICが必要です。
詳細は、「HBA address rename使用時に必要なネットワーク構成」を参照してください。
管理対象サーバがPRIMERGYシリーズの場合
非冗長構成の場合
NIC1(Index1)
冗長構成またはHBA address renameを使用する場合
NIC1(Index1)とNIC2(Index2)
管理対象サーバが使用する上記のNICはデフォルトの値であり、管理対象サーバの登録時に変更できます。
詳細は、「操作ガイド VE」の「7.3.2 ブレードサーバの登録」または「7.4.1 ラックマウント型サーバとタワー型サーバの登録」を参照してください。
管理対象サーバがPRIMEQUESTの場合
非冗長構成の場合
パーティションに割り当てられているGSPBで番号が1番小さいNIC (注)
冗長構成の場合
パーティションに割り当てられているGSPBのオンボードLANの番号が1番小さいNICと2番目に小さいNIC (注)
注) PRIMEQUEST 2000シリーズの場合、GSPBをIOUに読み替えてください。また、Extended Partitionの場合、IOUのGbEを割り当ててください。
参考
管理対象サーバがブレードサーバの場合、同一シャーシ内で搭載されているLANスイッチブレードのモデルによっては、NIC3~NIC6を使用できないことがあります。
管理クライアント
管理クライアントは、管理サーバに設定されている管理LAN側のIPアドレスと、管理LANに設置されるサーバ管理装置のIPアドレスに通信できるように、ルーティング設定を行ってください。
管理クライアントが管理LAN内に設置されている場合、ルーティング設定は必要ありません。
注意
ブレードサーバについて、マネジメントブレードをLANスイッチブレードに接続した場合、LANスイッチブレード故障時にマネジメントブレードにアクセスできなくなるため、マネジメントブレードはLANスイッチブレードに接続せずにシャーシの外の管理LAN用LANスイッチに直接接続することをお勧めします。
HBA address renameでI/O仮想化を行う場合、管理LANに10Gbpsの拡張NICを指定すると、バックアップ・リストア、クローニングを利用できません。
管理LAN上にDHCPサーバとPXEサーバを配置しないでください。
管理LANに使用するNICには複数のIPアドレスを設定しないでください。
クローニングで、複数台のサーバに同じクローニングイメージを配付する場合、管理LANのスイッチにIGMP snooping機能の設定が必要になることがあります。IGMP snooping機能を設定しなかった際は、同一ネットワーク内に速度の異なるポートがある場合、または同時にイメージ操作を実行している場合に、転送性能が低下することがあります。
LANスイッチブレードがPRIMERGY BX900/BX400シリーズであり、かつIBPモードで動作している場合、ServiceLANとServiceVLANのグループ定義内では管理LANを使用しないでください。
iSCSI用LAN
iSCSI用LANとは、管理対象サーバとストレージ装置が通信するためのLANです。
管理対象サーバが使用するNICの数は、以下のとおりです。
非冗長構成の場合: 1つ
冗長構成の場合: 2つ
業務LAN、管理LANとは別のLANにする必要があります。
注意
iSCSI用LANには、以下の留意点があります。
タグVLANは使用できません。
チーミングは使用できません。
クラスタ構成では使用できません。
接続するスイッチのSTPはOFFにする必要があります。
iSCSI用LANで使用するIPアドレスにDHCPは利用できません。固定IPアドレスを設定してください。
その他の留意点については、使用するハードウェアのマニュアルを参照してください。
業務LAN
業務LANとは、管理対象サーバがサービスを提供するためにイントラネットやインターネットなど内外のネットワークと接続するためのLANです。
管理対象サーバの業務LANは、管理LANの通信に影響を与えないように、管理LAN以外のNICを使用することをお勧めします。
VMゲストが使用するネットワーク設定に関する留意事項については、「9.2.1 利用する製品別の設定」の「サーバ仮想化ソフトウェアの設定について」を参照してください。
冗長構成やタグVLANにより、NICを複数の業務VLANで共有することもできます。
参考
管理対象サーバがブレードサーバの場合、同じシャーシ内で搭載されているLANスイッチブレードのモデルによっては、NIC3~NIC6は使用できません。
このとき、管理対象サーバの業務LANは、拡張NICとLANスイッチブレードを追加しNIC7とNIC8を使用するか、管理LANのNICを共有して使用します。
管理LANのNICを共有する場合、管理対象サーバの業務LANは、すべてタグVLANを設定します。
LANスイッチブレードのネットワーク設定(PRIMERGY BXシリーズの場合)
ブレードシステムの環境では、複数サブネットのLAN集約を実現するために、LANスイッチブレードのVLANを使用します。
LANスイッチブレードがPRIMERGY BX900/BX400シリーズであり、かつIBPモードで動作している場合、上記VLANの設定の代わりにIBPのポートグループ設定を行う事で同様のサービスを利用できます。
LANスイッチブレードの各ポートにはVLAN IDが設定できます。
同じVLAN IDが設定されたポート間だけが通信できるようになります。
これにより、1つのスイッチで複数のサブネットを混在できます。
LANスイッチブレードの内部ポート(サーバブレード側)と外部ポートに設定するVLANを決定します。
内部ポート
管理LANにつながるNIC(「管理LAN」を参照)に対応するポートには、必ずポートVLANを設定してください。
管理LANにつながるNICを業務LANとしても利用したい場合、タグVLANを設定してください。
業務LANにつながるNIC(「業務LAN」を参照)に対応するポートには、サブネットごとのVLAN ID(ポート/タグVLAN)をVLAN ID1(デフォルトVLAN)以外で割り当ててください。
タグVLANを設定する場合、管理対象サーバのネットワークインターフェースにもタグVLANを設定します。本製品では、管理対象サーバのネットワークインターフェースに対してタグVLANは設定されないため、手動で設定してください。
外部ポート
LANスイッチブレードが外部のLANスイッチと接続するスイッチポートを決定し、管理LANと業務LANのVLAN IDを決定します。
タグVLANを設定する場合、接続先である外部のLANスイッチのポートに同じVLAN IDを設定します。
注意
管理LANのVLAN IDを変更する場合、以下の手順で行ってください。
管理サーバとLANスイッチブレード間の通信を可能にします。
以下の2つの変更を、手動で同時に行ってください。
- 管理LANと接続する外部ポートのVLAN IDを変更します。
- LANスイッチブレードの管理IPアドレスのVLAN IDを変更します。
管理対象サーバの管理LANのVLAN IDを変更します。
LANスイッチブレードのVLAN設定は、クローニングイメージの採取・配付を行っても、配付先に自動設定されません。クローニングイメージを配付する前に、配付先サーバのVLAN設定を行ってください。
以下の場合、RORコンソールでVLANは設定できません。
外部ポートの設定
リンクステートグループ
ポートバックアップ機能
LANスイッチブレード PY CB DCB SW 10Gb 18/6/6の場合
内部ポートの設定
LANスイッチブレード PY CB DCB SW 10Gb 18/6/6を使用し、内部ポートにAMPPを設定している場合
外部/内部ポートの設定
リンクアグリゲーション
ただし、以下の機種は除きます。
・LANスイッチブレード PY CB Eth Switch/IBP 10Gb 18/8
・LANスイッチブレード PY CB Eth Switch 10/40Gb 18/8+2(スイッチモード、エンドホストモード)
・LANスイッチブレード PY CB Eth Switch/IBP 1Gb 36/8+2
・LANスイッチブレード PY CB Eth Switch/IBP 1Gb 36/12
・LANスイッチブレード PY CB Eth Switch/IBP 1Gb 18/6
非活性化(機種依存)
LANスイッチブレードがConverged Fabricモードで動作している場合、またはLANスイッチブレード PY CB 10Gb FEX Nexus B22の場合
LANスイッチブレード PY CB DCB SW 10Gb 18/6/6の場合
各ポートに設定するVLANは、以下のすべての条件を満たす必要があります。
各ポートに2つ以上のポートVLAN を定義しないでください。
ポートVLANとタグVLANで、同じVLAN IDを設定しないでください。
以下のLANスイッチブレードをPRIMERGY BX900シリーズのシャーシで使用する場合、コネクションブレードスロットCB5/6以外に搭載してください。
LANスイッチブレード PY CB Eth Switch/IBP 1Gb 36/8+2
LANスイッチブレード PY CB Eth Switch/IBP 1Gb 36/12
LANスイッチブレード PY CB Eth Switch/IBP 1Gb 18/6
LANスイッチブレード PY CB 10Gb FEX Nexus B22をPRIMERGY BX900シリーズのシャーシで使用する場合、内部ポートが16個しかないため、スロット17またはスロット18に搭載しているサーバブレードは内部ポートを使用できません。
物理サーバ上のNICに接続するLANスイッチのポートのVLAN IDとVLANの種類を決定してください。
物理サーバ名
NICのindex番号
VLAN ID
VLANの種類(ポート/タグVLAN)
注意
サーバ上のOSは物理上のNICとインターフェース名(Windowsはローカル エリア接続X、LinuxはethX)を関連付けます。
NICが複数搭載されている場合、OSの種類、またはLANドライバのインストールの順番に応じて、インターフェース名のindex番号(X)が物理上のNICのindex番号(実装順番)と異なることがあります。
OSコマンドやツールなどで確認してください。
詳細は、使用するハードウェアマニュアルを参照してください。
なお、本製品では物理上のNICのindex番号(実装順番)を使用します。
【Windows】【Hyper-V】
本製品で、システムイメージのバックアップ・リストア、またはクローニングを行う場合、管理対象サーバのNetBIOS over TCP/IPを有効にしてください。
なお、NetBIOS over TCP/IPを有効にしたあと、管理対象サーバの再起動が必要です。
管理サーバ、管理対象サーバ、管理クライアントおよびVLANのネットワーク構成の例(PRIMERGY BX600の場合)
図7.1 ポートVLANの場合
図7.2 タグVLANの場合
参考
「管理サーバ、管理対象サーバ、管理クライアントおよびVLANのネットワーク構成の例(PRIMERGY BX600の場合)」のように専用の管理LANを設置することをお勧めします。
以下の機能を利用する場合、本製品に同梱されるDHCPサーバを使用して管理対象サーバに管理IPアドレスを割り当てるため、専用の管理LANが必要です。
バックアップ・リストア
クローニングイメージの採取・配付
HBA address rename
LANスイッチブレードを使用する構成では、専用の管理LANを設置する場合、管理LANと業務LANでLANスイッチブレードを共有して使用するため、VLANの設定が必要です。
HBA address rename使用時に必要なネットワーク構成
HBA address renameを使用した管理対象サーバを起動するときは、本製品のマネージャーとの通信が必要です。本製品のマネージャーが停止した場合でも、管理対象サーバが起動できるように、以下のどちらかの構成にしてください。
本製品のマネージャーをクラスタ構成とし、管理LANをPRIMECLUSTER GLSの伝送路二重化機能を利用して冗長化した構成
詳細は、「導入ガイド VE」の「付録C マネージャーのクラスタ運用設定・削除」を参照してください。
HBA address rename設定サービスを配置する構成
ここでは、HBA address rename設定サービスを配置する場合のネットワーク構成の設計について説明します。
HBA address rename設定サービスについては、「導入ガイド VE」の「第6章 HBA address rename設定サービスの設定」を参照してください。
本サービスは管理サーバと同一セグメントの管理LANに配置する必要があります。
本サービスは管理LAN上に1つだけ動作します。2つ以上起動しないでください。
本サービスはNIC2(Index2)を利用します。
管理対象サーバのNIC2を管理LANに接続してください。
NIC2はデフォルトの値であり、管理対象サーバの登録時に変更できます。
詳細は、「操作ガイド VE」の「7.3.2 ブレードサーバの登録」または「7.4.1 ラックマウント型サーバとタワー型サーバの登録」を参照してください。
本サービスは管理サーバから定期的に管理対象サーバ情報を確保し、この情報を元に動作します。したがって、常時電源をONにできるサーバに配置します。
本サービスと管理サーバ間のLANスイッチ間結線は二重化してください。
注意
HBA address rename設定サービスはSystemcastWizardやほかのDHCPサービス、PXEサービスと同じサーバ上で同時起動できません。
本サービスの構成例は以下のとおりです。
図7.3 HBA address rename設定サービスを起動させる構成例(PRIMERGY BX600の場合)
管理LANのLANスイッチ間は、リンクアグリゲーションで冗長化します。
NIC2(Index2)を管理LANに接続します(デフォルトの場合)。
管理LANのネットワークに別のサーバを接続し、HBA address rename設定サービスを動作させます。
HBA address rename設定サービスを動作させたサーバまたはパソコンは、管理対象サーバ運用時には常に電源をONにしておきます。
VIOM連携使用時に必要なネットワーク構成
VIOM連携を使用時は、LANスイッチブレードまたはIBP(Intelligent Blade Panel)を使用してネットワークを構成します。
詳細は、ServerView Virtual-IO Managerのマニュアルを参照してください。
VIOM連携の設定については、「操作ガイド VE」の「7.1 VIOM連携の登録」を参照してください。
本サービスの構成例は以下のとおりです。
図7.4 VIOM連携の構成例(PRIMERGY BX900でSANを使用する場合)
図7.5 VIOM連携の構成例(PRIMERGY BX900でiSCSIを使用する場合)
IBPを使用する場合、管理LANはIBPの第1外部ポートに接続します。
また、IBPの第1ポートと接続する管理LANスイッチのポートはSpanning Tree Protocol(STP)を無効にしてください。
本製品で実現する機能
本製品はPRIMERGY BXシリーズのLANスイッチブレードのVLANおよびポートグループに対して以下の機能を提供します。
GUIによるVLAN設定
LANスイッチブレードのポートのVLAN IDをRORコンソールから設定できます。
サーバ切替え時に連動したLANスイッチブレードのVLAN ID切替え
サーバ切替えで、関連するLANスイッチブレードのVLAN IDの設定を業務継続できるように変更します。
「図7.6 自動リカバリ、サーバの切替え・切戻しにおけるVLAN制御の仕組み」に示すように、切替え先サーバに接続するLANスイッチブレードのポートに設定されているVLAN IDと、切替え元サーバに接続するLANスイッチブレードのポートに設定されているVLAN IDを交換します。
図7.6 自動リカバリ、サーバの切替え・切戻しにおけるVLAN制御の仕組み
サーバ切替え時に連動したLANスイッチブレードのポートグループ切替え
サーバ切替えで、関連するLANスイッチブレードがIBPモードで動作している場合、LANスイッチブレードのポートグループの設定を業務継続できるように変更します。
注意
VLAN IDとポートグループの切替え対象は、管理対象サーバが接続するLANスイッチブレードのポートです。シャーシ間の切替えのように、LANスイッチブレードを跨ぐサーバ切替えの場合、事前に切替え先と切替え元のLANスイッチブレードの外部ポートに同一VLANまたはポートグループを設定したうえで、同一ネットワークに接続してください。
複数の管理LANサブネットがある場合のネットワーク構成
複数の管理LANサブネットがある場合、ルータの設定を行ってください。
ルータの設定については、「7.6 ネットワーク環境の設定」を参照してください。
ネットワーク構成の例は以下のとおりです。
図7.7 複数の管理LANサブネットがある場合の構成例