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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.2.0 DRオプション 説明書
FUJITSU Software

4.2.12 一括コマンドによる切替え【切替え先サイト】

一括コマンドによる切替えを実施します。

切替え情報を自動採取する設定が有効になっている場合、一括コマンドによる切替えを行うことで設定が無効になります。

イメージの保守モードが設定されている場合、一括コマンドの実行前に、以下のコマンドでイメージの保守モードを解除してください。

【Windowsマネージャー】

>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm imagemgr set -attr vm.clone.maintenance=false <RETURN>

【Linuxマネージャー】

# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm imagemgr set -attr vm.clone.maintenance=false <RETURN>


一括コマンドの実行前にイメージの保守モードを解除した場合、必要に応じて以下のコマンドでイメージの保守モードを設定してください。

【Windowsマネージャー】

>インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm imagemgr set -attr vm.clone.maintenance=true <RETURN>

【Linuxマネージャー】

# /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm imagemgr set -attr vm.clone.maintenance=true <RETURN>

参考

  • rcxrecoveryコマンドは、以下の内容を実施します。

    • ストレージのマッピング

      切替え元サイトと切替え先サイトのストレージの対応関係を定義したファイルにしたがって、ストレージリソースのマッピングを行います。

    • インポート資源の分離

      以下の単位でインポートリソースを分割します。

      • グローバルプール内のリソースと各テナントリソース

      • 物理L-Serverリソースと仮想L-Serverリソース

    • 切替え先サイトの環境削除

      切替え先サイトの業務で使用していた以下の環境を削除します。

      • L-Platformテンプレート

      • L-Platform構成情報

      • 各種リソース情報

      • 課金情報

      • メータリングログ

      • 利用料金

    • 各種情報のインポート

      以下の情報をインポートします。

      • L-Platformテンプレート

      • L-Platform構成情報

      • 各種リソース情報

      • 課金情報

      • メータリングログ

      • 利用料金ファイル

  • Active-Active運用の場合、切替え先サイトには、切替え元サイトと切替え先サイトの課金情報がマージされて登録されています。課金情報を確認し、必要に応じて課金情報の変更、削除を行ってください。

    課金情報の変更と削除については、「運用ガイド CE」の「15.3 課金情報の運用」を参照してください。

注意

  • 構築済みの物理サーバと関連付けたL-Serverは、Disaster Recoveryの復旧の対象外です。
    切替え後に再度L-Serverと関連付ける運用を容易にする場合、事前に以下のrcxadm configコマンドを切替え元サイトで実行し、設定情報を退避しておいてください。

    【Windowsマネージャー】

    >インストールフォルダー\SVROR\Manager\bin\rcxadm config filter -convert -indir indir -outdir outdir <RETURN>

    【Linuxマネージャー】

    # /opt/FJSVrcvmr/bin/rcxadm config filter -convert -indir indir -outdir outdir <RETURN>

    outdirにconvert.txtというファイル名で以下の情報が出力されます。
    復旧手順が完了したあと、以下の内容でL-Serverの関連付け、およびscopeの再設定を行ってください。

    [command]
    rcxadm lserver convert -with BX900_1 -name physical_lserver_1
    rcxadm lserver convert -with BX900_3 -name physical_lserver_2 -to /tenant_1
    rcxadm lserver convert -with BX900_6 -name physical_lserver_3 -label test_label3 -comment test_comment3 -to /folder_1
    [user]
    user_1, physical_lserver_1
    user_1, /tenant_1/physical_lserver_2
    user_2, /folder_1/physical_lserver_2
    [usergroup]
    usergroup_1, physical_lserver_1
    usergroup_2, /folder_1/physical_lserver_3

  • ETERNUSのダイナミックLUNミラーリングを使用したストレージは、被災時の切替え運用を実施すると切替え先サイト側では事前に作成されたLUNとして扱われます。L-Platformを削除してもストレージが解放されないなど運用が変更になります。

  • rcxrecoveryコマンドを使用したインポートは、L-Serverの作成などの、リソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)が変更される操作やrcxmgrexportコマンドを使用するエクスポート操作と同時に実行しないように運用してください。

  • rcxrecoveryコマンドに-allonオプションまたは-alloffオプションを指定しない場合、rcxrecoveryコマンドによって復旧される各L-Serverの電源状態は、切替え元サイトで切替え情報を採取した時点と同じになります。L-Serverの起動順序は、L-Serverに設定された起動優先度(priority)に従います。

  • RCコンソールに表示されるL-Platformの電源状態は、切替え直後は正常に表示されない場合があります。切替え処理が完了した後、3分程度お待ちください。

  • 性能情報(ダッシュボード及び稼動状況表示で表示される情報)は、切替え元サイトの構成に依存する情報のため、切替え先サイトへの切り替えで引き継がれません。切り替えた以降の切替え先サイトでの情報が表示されます。

  • 切替え元サイトと切替え先サイトの管理サーバの、RORコンソール接続用ネットワークのIPアドレスが異なる環境で、FQDNを切替え先サイトに引き継ぐ運用を行う場合には、切替えが完了した時点でDNSサーバに登録しているFQDNの通知先IPアドレスを切替え先サイトの管理サーバに切り替えてください。

    FQDNを切替え先サイトに引き継ぐ運用を行う場合、RORコンソールを使用するクライアントは、切替え完了後にWebブラウザのキャッシュ(インターネットの一時ファイル)をクリアしてください。

    テスト証明書を使用する運用で、導入時に切替え先サイトの証明書をブラウザにインポートしていない場合はインポートしてください。

    詳細は、「導入ガイド CE」の「第5章 ブラウザへの証明書のインポート」を参照してください。

  • Disaster Recoveryで切替え先サイトに切替えを実施した際、インポートの失敗により切替えできないことがあります。このような場合、インポート失敗時の異常に対処した後、再度切替えを実施します。
    途中まで切替え処理が実施されていた場合、再度切替えを実施すると、すでに切替え済みのリソースに対する処理はスキップされ、切替えが実施されていないリソースに対する処理が実施されます。
    切替え先サイト構成情報をクリアする指定(-nocleanupオプションを設定しない場合)で切替えを実施した場合で、"cleanup of resources"の処理が"completed"となった場合には、-nocleanupオプションを付加して再度切替えを行ってください。
    L-ServerのインポートでVMゲストが復旧できなかった場合の例を以下に説明します。

    例1

    1. インポートで異常が発生したため、以下のエラーが表示されます。

      >rcxrecovery <RETURN>
      FJSVrcx:ERROR:62569:/tenant1/l-platform1/l-server1:lserver:import was interrupted. Message=:67154: VM Guest not found
    2. エラーの原因を特定するため、当該リソースの状態を表示します。

      >rcxadm config show -type lserver -name /tenant1/l-platform1/l-server1 -dir dir1 -format xml<RETURN>

      -dirでは以下のフォルダーの中でエクスポート日付が最新のフォルダーを指定してください。

      • rcxrecovery -dirオプションに指定したフォルダー

      【Windowsマネージャー】

      • fa_dr.rcxpropで#rcxrecovery_defineに指定したインポートフォルダー\ManagerExport\RORエクスポート日付

      【Linuxマネージャー】

      • fa_dr.rcxpropで#rcxrecovery_defineに指定したインポートフォルダー/ManagerExport/RORエクスポート日付

    3. 問題が発生したリソースをエクスポートファイルから削除します。削除したリソース名は記録しておいてください。

      >rcxadm config filter -exclude lserver -name /tenant1/l-platform1/l-server1 -indir dir1 -outdir dir2 <RETURN>
    4. 手順3.のコマンドで出力されたエクスポートファイルを、手順3.の-indirで指定したフォルダーに上書きします。

    5. 再度、インポートを実施します。

      >rcxrecovery -nocleanup<RETURN>

    例2

    1. インポートで異常が発生したため、以下のエラーが表示されます。

      >rcxrecovery <RETURN>
      FJSVrcx:ERROR:67335:registering of VM guest failed. detail=(registervm L-ServerB-2:task result error, vmerrno=104,ip=192.168.201.70,host=192.168.201.115)
    2. 異常が発生したL-Serverを特定します。

      切替え情報格納フォルダー配下で、エクスポート日付が最新のフォルダー内にあるl_servers.xmlファイルを確認してください。

      【Windowsマネージャー】
      fa_dr.rcxpropで#rcxrecovery_defineに指定したインポートフォルダー\ManagerExport\RORエクスポート日付\l_servers.xml

      【Linuxマネージャー】
      fa_dr.rcxpropで#rcxrecovery_defineに指定したインポートフォルダー/ManagerExport/RORエクスポート日付/l_servers.xml

      xmlファイル内で、エラーメッセージに表示されたVMゲスト名(L-ServerB-2)を検索し、そのエントリが含まれるL-Serverタグのnameとidを確認してください。

      <LServer name="L-ServerB" id="******">
      ...
      <VmGuest name="L-ServerB-2">

    3. 切替え情報格納フォルダー配下にあるresource_folders.xmlを確認します。

      xmlファイル内に、手順2.で確認したidのL-Serverが含まれるL-platformとテナントが存在した場合、その名前を確認してください。

      <Folder name="TenantB" tenant="TENANT">
      ...
      <Folder name="L-platformB" tenant="LPlatform">
      ...
      <LServer name="L-ServerB" id="******">

    4. 問題が発生したリソースをエクスポートファイルから削除します。削除したリソース名は記録しておいてください。

      >rcxadm config filter -exclude lserver -name /tenantB/l-platformB/L-ServerB -indir dir1 -outdir dir2 <RETURN>

      -nameに手順2.~3.で確認したテナント名、L-Platform名、L-Server名をスラッシュ("/")で繋げて指定してください。

      • テナントに含まれる場合

        /tenantB/l-platformB/L-Server-B

      • テナントに含まれない場合

        /L-Server-B

      -indirに手順2.で確認したフォルダーを指定してください。

      【Windowsマネージャー】
      fa_dr.rcxpropで#rcxrecovery_defineに指定したインポートフォルダー\ManagerExport\RORエクスポート日付

      【Linuxマネージャー】
      fa_dr.rcxpropで#rcxrecovery_defineに指定したインポートフォルダー/ManagerExport/RORエクスポート日付

    5. 手順4.のコマンドで出力されたエクスポートファイルを、手順4.の-indirで指定したフォルダーに上書きします。

    6. 再度、インポートを実施します。

      >rcxrecovery -nocleanup<RETURN>

【OVM for SPARC】

  • クローニングイメージ(システムパッケージ)は復旧の対象外です。

    クローニングイメージを復旧させる場合は、切替え完了後に、切替え先サイトにて以下の手順を実行してください。

    1. 切替え元サイトに存在するクローニングイメージと同じ名前のクローニングイメージを作成します。

    2. 切替え元サイトから移行したイメージプールに、手順1.で作成したクローニングイメージを登録します。

    3. イメージ情報の同期を実行してください。

    詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 CE」の「8.3.7 イメージ情報の同期」を参照してください。

  • OVM for SPARCを切替えた場合、auto-boot?の値は"true"になります。

    auto-boot?の値を"false"で運用する場合には、切替え後にOVM for SPARC上でauto-boot?の値を"false"に変更してください。

  • 切替えの前後で、NICのMACアドレスが異なる値になることがあります。その場合、ゲストOSでのNICの認識順にも影響が発生します。

    切替え前のIPアドレスによる通信が、切替え後にもできるか確認してください。通信できない場合、ゲストOS上でのネットワークの設定変更、およびVM管理製品でのNICの設定変更を行ってください。

  • 切替え前にVM管理製品で設定した項目は、切替え先でも同様にVM管理製品で再設定してください。

  • 切替え対象にデータディスクが接続されている、かつ、ゲストOS上でZFSを使用している場合、切替え後はルート以外のZFSストレージプールがエクスポートされた状態になります。

    ゲストOSの起動後に、必要に応じてZFSストレージプールのインポートを行ってください。ZFSストレージプールが一時的にエクスポートされた状態になることで影響を受けるサービスがある場合は、再起動などの対処を行ってください。
    ZFSストレージプールのインポート方法については、Solaris OSのドキュメントを参照してください。

ポイント

切替え情報を自動採取する設定が有効である場合、クリーンアップを行うことで設定が無効になります。
4.2.16 構成情報のエクスポートと切替え情報の自動採取の再開【切替え先サイト】」を参照し、必要に応じて設定を有効にしてください。