対象とするボリュームに対して、以下の観点から目標レスポンスタイムを設定します。
業務アプリケーションの性能要件
性能グラフから読み取った、現在の性能値
業務アプリケーションA、B、C、Dの性能要件から、各ボリュームが必要とする目標レスポンスタイムを決定します。
ここでは、以下の表の設定を例に説明します。
Tierプール名 | FTV名 | 目標レスポンスタイム | ストレージ自動階層制御との連携 |
---|---|---|---|
TrPool_1 | FTV#0 | 10ミリ秒 | 有効 |
FTV#1 | 20ミリ秒 | 無効 | |
TrPool_2 | FTV#2 | - | 無効 |
FTV#3 | 100ミリ秒 | 無効 |
目標レスポンスタイムを設定したボリュームの性能調整に合わせ、それらのボリュームとリソース(Tierプール、CM、CA/CMポート、FC-Switchのポート) を共有するほかのボリュームもI/O性能が制御されます。この例では、FTV#3はFTV#2とTierプールを共有しているため、FTV#2もQoS自動化機能の設定によってI/O性能が制御されます。
決定した目標レスポンスタイムをボリュームに設定して性能調整を行い、利用者が業務アプリケーションの運用に十分なI/O性能に達したと判断するまで、目標レスポンスタイムの設定を繰り返します。
ポイント
ストレージ自動階層制御との連携を有効に設定している場合は、QoS自動化機能の帯域調整で目標を達成できなかったときに、ストレージ自動階層制御の容量割当て比率を変更して、I/O性能が調整されます。
Windows環境でのコマンド実行例を、以下に示します。
Tierプール「TrPool_1」に存在するFTV#0に対して、QoS自動化の調整対象とし、目標レスポンスタイムを10ミリ秒に、ストレージ自動階層制御との連携を有効に設定します。
>$INS_DIR\Common\bin\esfadm volume qosset -ipaddr 192.0.2.10 -volume 0 -qosfunc enable -resptime 10 -quotatune on
($INS_DIRは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」です。)