業務アプリケーションの業務要件に応じて、以下の選択肢からQoS自動化優先度を決定してください。選択肢は、上から優先度の高い順に表記しています。
選択肢 | 説明 |
---|---|
Unlimited | I/O性能を制限しないボリュームに設定します。"High"よりも高いI/O性能になります。 |
High | 高いI/O性能を必要とするボリュームに設定します。 |
Middle | 高いI/O性能が必要だが、優先度に"High"が設定されているほかのボリュームがあって、I/Oが同じ時刻に競合する場合はI/O性能が制限されてもよいボリュームに設定します。 |
Low | ほかのボリュームを優先し、I/O性能が低くても問題ないボリュームに設定します。 "Low"を選択すると、QoS自動化機能は、"Low"を選択したボリュームの性能も考慮しながら、高優先度のほかのボリュームの性能を調整します。 |
No Set | I/O性能の目標設定が不要で、リソースを共有するほかのボリュームの性能調整のためにI/O性能が制限されてもよいボリュームに設定します。 "No Set"を選択すると、QoS自動化機能は、"No Set"を選択したボリュームの性能を考慮せず、ほかのボリュームの性能目標を達成するように性能を調整します。 |
注意
QoS自動化優先度や目標レスポンスタイムを設定したボリューム間の組合せには、以下の注意事項があります。
注意事項の条件を満たす場合に、性能調整が行われます。
QoS自動化優先度に"High"、"Middle"、または"Low"を設定する場合は、設定したボリュームとは別の、1つ以上のボリュームに、以下のどちらかの目標値を設定する必要があります。
QoS自動化優先度を設定したボリュームと異なるQoS自動化優先度を、"High"、"Middle"、および"Low"のどれかから設定
目標レスポンスタイムを0ミリ秒以外に設定
目標値(QoS自動化優先度または目標レスポンスタイム)を設定したボリュームが2つ以上あるとき、それ以外のボリュームに対して、QoS自動化優先度として"Unlimited"または"No Set"のどちらかを設定、または目標レスポンスタイムとして0ミリ秒を設定した場合も、I/O性能調整が行われます。
業務アプリケーションA、B、C、Dの業務要件から、各ボリュームについて、QoS自動化優先度とストレージ自動階層制御との連携を行うかを決定します。
ここでは、以下の表の設定を例に説明します。
Tierプール名 | FTV名 | QoS自動化優先度 | ストレージ自動階層制御との連携 |
---|---|---|---|
TrPool_1 | FTV#0 | High | 有効 |
FTV#1 | Middle | 無効 | |
TrPool_2 | FTV#2 | No Set | 無効 |
FTV#3 | Low | 無効 |
QoS自動化優先度を設定したボリュームの性能調整に合わせ、それらのボリュームとリソース(Tierプール、CM、CA/CMポート、FC-Switchのポート)を共有するほかのボリュームもI/O性能が制御されます。この例では、FTV#0はFTV#1とTierプールを共有しているため、FTV#1もQoS自動化機能の設定によってI/O性能が制御されます。
ポイント
ストレージ自動階層制御との連携を有効に設定している場合は、QoS自動化機能だけでI/O性能を調整できなかったときに、ストレージ自動階層制御の容量割当て比率を変更して、I/O性能が調整されます。
Windows環境でのコマンド実行例を、以下に示します。
Tierプール「TrPool_1」に存在するFTV#0に対して、QoS自動化の調整対象とし、QoS自動化優先度を"high"に、ストレージ自動階層制御との連携を有効に設定します。
>$INS_DIR\Common\bin\esfadm volume qosset -ipaddr 192.0.2.10 -volume 0 -qosfunc enable -priority high -quotatune on
($INS_DIRは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」です。)