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ETERNUS SF Storage Cruiser 16.4 運用ガイド Optimization機能編
FUJITSU Storage

5.4.1 QoS自動化優先度の決定

業務アプリケーションの業務要件に応じて、以下の選択肢からQoS自動化優先度を決定してください。選択肢は、上から優先度の高い順に表記しています。

選択肢

説明

Unlimited

I/O性能を制限しないボリュームに設定します。"High"よりも高いI/O性能になります。

High

高いI/O性能を必要とするボリュームに設定します。

Middle

高いI/O性能が必要だが、優先度に"High"が設定されているほかのボリュームがあって、I/Oが同じ時刻に競合する場合はI/O性能が制限されてもよいボリュームに設定します。

Low

ほかのボリュームを優先し、I/O性能が低くても問題ないボリュームに設定します。

"Low"を選択すると、QoS自動化機能は、"Low"を選択したボリュームの性能も考慮しながら、高優先度のほかのボリュームの性能を調整します。

No Set

I/O性能の目標設定が不要で、リソースを共有するほかのボリュームの性能調整のためにI/O性能が制限されてもよいボリュームに設定します。

"No Set"を選択すると、QoS自動化機能は、"No Set"を選択したボリュームの性能を考慮せず、ほかのボリュームの性能目標を達成するように性能を調整します。

注意

QoS自動化優先度や目標レスポンスタイムを設定したボリューム間の組合せには、以下の注意事項があります。
注意事項の条件を満たす場合に、性能調整が行われます。

  • QoS自動化優先度に"High"、"Middle"、または"Low"を設定する場合は、設定したボリュームとは別の、1つ以上のボリュームに、以下のどちらかの目標値を設定する必要があります。

    • QoS自動化優先度を設定したボリュームと異なるQoS自動化優先度を、"High"、"Middle"、および"Low"のどれかから設定

    • 目標レスポンスタイムを0ミリ秒以外に設定

    目標値(QoS自動化優先度または目標レスポンスタイム)を設定したボリュームが2つ以上あるとき、それ以外のボリュームに対して、QoS自動化優先度として"Unlimited"または"No Set"のどちらかを設定、または目標レスポンスタイムとして0ミリ秒を設定した場合も、I/O性能調整が行われます。

QoS自動化に関するパラメーターの設定例

業務アプリケーションA、B、C、Dの業務要件から、各ボリュームについて、QoS自動化優先度とストレージ自動階層制御との連携を行うかを決定します。

ここでは、以下の表の設定を例に説明します。

Tierプール名

FTV名

QoS自動化優先度

ストレージ自動階層制御との連携

TrPool_1

FTV#0

High

有効

FTV#1

Middle

無効

TrPool_2

FTV#2

No Set

無効

FTV#3

Low

無効

QoS自動化優先度を設定したボリュームの性能調整に合わせ、それらのボリュームとリソース(Tierプール、CM、CA/CMポート、FC-Switchのポート)を共有するほかのボリュームもI/O性能が制御されます。この例では、FTV#0はFTV#1とTierプールを共有しているため、FTV#1もQoS自動化機能の設定によってI/O性能が制御されます。

ポイント

ストレージ自動階層制御との連携を有効に設定している場合は、QoS自動化機能だけでI/O性能を調整できなかったときに、ストレージ自動階層制御の容量割当て比率を変更して、I/O性能が調整されます。

コマンド実行例

Windows環境でのコマンド実行例を、以下に示します。

  • Tierプール「TrPool_1」に存在するFTV#0に対して、QoS自動化の調整対象とし、QoS自動化優先度を"high"に、ストレージ自動階層制御との連携を有効に設定します。

    >$INS_DIR\Common\bin\esfadm volume qosset -ipaddr 192.0.2.10 -volume 0 -qosfunc enable -priority high -quotatune on

    ($INS_DIRは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」です。)