目標値を設定したボリュームは、目標を達成するために帯域幅が自動調整されます。共有リソースの範囲において、目標値を設定したボリュームのレスポンスタイムを速くするために帯域幅が調整される影響で、目標値を設定していないボリュームのレスポンスタイムが遅くなることがあります。目標値を設定していないボリュームとは、以下のすべての条件を満たすボリュームを指します。
QoS自動化の調整対象となっている("Enable"を設定している)ボリューム
QoS自動化優先度に"No Set"(優先度設定なし)を設定している、かつ目標レスポンスタイムを設定していないボリューム
目標値を設定したボリュームの性能調整の影響を受けるのは、以下のリソースを共有するボリュームです。
共有リソース | 共有の説明 |
---|---|
Tierプール | 同一Tierプール上に存在する |
CM | ホストアフィニティ設定で、使用するCMが同じである |
CA/CMポート | ホストアフィニティ設定で、使用するCA/CMポートが同じである |
スイッチPort | ホストアフィニティ設定で、使用するスイッチPortが同じである |
ただし、ホストとの接続種類によって影響するリソースが異なります。
リソース名 | ホストとの接続種類 | ||
---|---|---|---|
FC接続 | FCoE接続 | iSCSI接続 | |
Tierプール | ○ | ○ | ○ |
CM | ○ | ○ | ○ |
CA/CMポート | ○ | ○ | × |
スイッチport | ○ | ○ | × |
○: 影響するリソース
×: 影響しないリソース
ボリュームにおける共有リソースについて、「図5.3 ボリュームと共有リソースの例」の構成例を基に説明します。
1つのTierプール内の複数のボリュームをサーバに割り当て、別々の業務がそれぞれのボリュームを同時に利用した場合、そのTierプールに負荷が集中して、Tierプールに存在するボリュームに影響が発生します。
「図5.3 ボリュームと共有リソースの例」では、以下のボリュームが該当します。
Tierプール#1を共有しているVol#1、Vol#2、Vol#3、およびVol#4 (a-1)
Tierプール#2を共有しているVol#5およびVol#6 (a-2)
Tierプール#3を共有しているVol#7およびVol#8 (a-3)
Tierプール#4を共有しているVol#9およびVol#10 (a-4)
CMの共有による影響は、「図5.3 ボリュームと共有リソースの例」の中では、以下のボリュームが該当します。
CM#0を共有しているVol#1、Vol#2、Vol#3、Vol#4、Vol#5、およびVol#6 (b-1)
CA/CM Portの共有による影響は、「図5.3 ボリュームと共有リソースの例」の中では、以下のボリュームが該当します。
CM#1-CA#0-PORT#0を共有しているVol#7、Vol#8、Vol#9、およびVol#10 (c-1)
スイッチ Portでの共有による影響は、「図5.3 ボリュームと共有リソースの例」の中では、以下のボリュームが該当します。
ストレージ側スイッチPortのPORT#2を共有しているVol#5およびVol#6 (d-1)
サーバ側スイッチPortのPORT#4を共有しているVol#7、Vol#8、Vol#9、Vol#10、およびVol#A (d-2)
図5.3 ボリュームと共有リソースの例