高速切替方式の設定の変更方法を記載します。変更後は、設定を運用に反映させる手順が必要です。なお、反映手順は、変更する際に使用したコマンド、シングル構成(クラスタを使用しない構成)、クラスタ構成により異なります。
反映手順
hanetconfigコマンド | シングル構成 | クラスタ構成 |
---|---|---|
仮想インタフェースのIPアドレス(-i) | 反映手順1 | 反映手順2 |
仮想インタフェース(-n) (新規追加) | 反映手順1 | 反映手順2 |
物理インタフェース(-t) | 反映手順1 | 反映手順2 |
hanethvrscコマンド | シングル構成 | クラスタ構成 |
---|---|---|
引継ぎ仮想IPアドレス(-i) | - | 反映手順2 |
hanetmaskコマンド | シングル構成 | クラスタ構成 |
---|---|---|
サブネットマスク(-m) | 反映手順1 | 反映手順1 |
hanetparamコマンド | シングル構成 | クラスタ構成 |
---|---|---|
監視間隔(-w) | 反映手順3 | 反映手順3 |
メッセージ出力(-m) | 反映手順3 | 反映手順3 |
クラスタ切替え(-l) | - | 反映手順2 |
システム起動時のクラスタ切替え(-c) | - | 反映手順2 |
監視回数(-s) | 反映手順3 | 反映手順3 |
ホスト名変換機能(-h) | 反映手順3 | 反映手順3 |
OSのネットワーク設定 | シングル構成 | クラスタ構成 |
---|---|---|
ネットワーク設定ファイル(/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ethX、/etc/sysconfig/network)、ホストファイル(/etc/hosts)等 | 反映手順4 | 反映手順4 |
反映手順1
設定変更後に以下のいずれかの手順を実行してください。
該当する仮想インタフェースを非活性化後、活性化する。
システムをリブートする。
resethanet -sを実行する
反映手順2
設定変更後に以下のいずれかの手順を実行してください。
システムをリブートする。
resethanet -sを実行する
反映手順3
設定変更コマンド実行後、即時に変更が運用に反映されます。反映手順は不要です。
反映手順4
OSのネットワーク設定ファイルを変更した場合は、手動によるネットワークサービスの再起動(/etc/init.d/network restart、service network restart)を実行せずに、必ずシステムをリブートしてください。
変更手順
構成情報の変更手順を以下に示します。変更後に、反映手順を実施することで、変更内容が有効になります。
該当する仮想インタフェースをstphanetコマンドで非活性化します。
詳細は“7.3 stphanetコマンド”を参照してください。
構成情報を変更します。
変更後、該当する仮想インタフェースをstrhanetコマンドで活性化します。
詳細は“7.2 strhanetコマンド”を参照してください。
パラメタの変更手順を以下に示します。
hanetparamコマンドによりパラメタを変更します。詳細は“7.6 hanetparamコマンド”を参照してください。
パラメタ変更後、反映手順としてシステムのリブートが必要な場合は実施してください。
変更可能な情報を以下に示します。なお、以下に記載されていない情報は変更できません。一度、定義を削除し、再定義してください。
構成定義の情報
hanetconfigコマンドとhanetmaskコマンドで以下の情報を変更できます。詳細は“7.1 hanetconfigコマンド”、“7.5 hanetmaskコマンド”を参照してください。
仮想インタフェースまたは論理仮想インタフェースのホスト名またはIPアドレス
仮想インタフェースが使用する物理インタフェース名
仮想インタフェース、論理仮想インタフェースのサブネットマスク
パラメタの情報
hanetparamコマンドで以下の情報を変更できます。詳細は“7.6 hanetparamコマンド”を参照してください。
伝送路監視間隔
メッセージ出力(相手監視)までの連続監視回数
クラスタ切替えまでの連続監視回数
仮想インタフェース活性化タイミング
メッセージ出力(物理インタフェース監視)
起動直後のクラスタ切替え
【例1】
運用中の仮想インタフェースに対して、仮想IPアドレスを変更する手順は以下のとおりです。
設定を確認します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig print
[IPv4,Patrol / Virtual NIC]
Name Hostname Mode Physical ipaddr Interface List
+-----------+---------------+----+-----------------+---------------------------+
sha0 192.168.100.10 t eth1,eth2
sha1 192.168.101.10 t eth1,eth2 |
該当するインタフェースを非活性化させます。sha0に対する仮想IPアドレスを変更するため、sha0の仮想インタフェースを非活性化させます。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/stphanet -n sha0 |
監視先を変更します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig modify -n sha0 -i 192.168.100.11 |
変更を反映します。“仮想/物理インタフェースのIPアドレス”をシングル構成下で変更したため、反映手順1に従い、“該当する仮想インタフェースを非活性化後、活性化する”、“システムをリブートする”、“resethanet -sを実行する“のいずれかを実行します。以下は、“該当する仮想インタフェースを非活性化後、活性化する”を使用した場合の実行例です。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/stphanet -n sha0 # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/strhanet -n sha0 |