【名前】
hanetmask - サブネットマスクの設定・変更・削除・表示
【形式】
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetmask command [args]
【機能説明】
hanetmaskコマンドは、仮想IPアドレスを活性化する際に指定するサブネットマスク値の設定/変更/削除/表示を行います。なお、仮想NIC方式で使用する仮想IPアドレスについては、本コマンドではなく、ifcfg-shaXでサブネットマスク値を設定します。
コマンド | 処理概要 | 実行権限 |
---|---|---|
create | サブネットマスクの設定 | スーパユーザ |
サブネットマスクの表示 | 一般ユーザ | |
modify | サブネットマスクの変更 | スーパユーザ |
delete | サブネットマスクの削除 | スーパユーザ |
(1) create コマンド
hanetconfigコマンドで定義した仮想IPアドレスに対するサブネットマスク値を設定します。createコマンドの形式は以下のとおりです。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetmask create -i network_address -m netmask |
-i network_address
サブネットマスク値を設定する仮想IPのネットワークアドレスを10進ドット表記で指定します。
-m netmask
-iで指定したネットワークアドレスに対するサブネットマスク値を10進ドット表記で指定します。
(2) print コマンド
現在のサブネットマスク情報をprintコマンドによって表示することができます。printコマンドの形式は以下のとおりです。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetmask print [-i network_address1[,network_address2,...]] |
-i network_address1[,network_address2,...]
表示するネットワークアドレスをカンマ(“,”)で区切って指定することができます。ここにはcreateコマンドの-iで指定したネットワークアドレスを指定します。
-iオプションを指定しなかった場合、現在設定されているサブネットマスク情報をすべて表示します。
以下にサブネットマスク情報の表示例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetmask print network-address netmask +---------------+---------------+ 10.34.151.0 255.255.255.0 |
表示 | 内容 |
---|---|
network-address | 仮想IPのネットワークアドレス |
netmask | ネットワークアドレスに設定するサブネットマスク値 |
(3) modify コマンド
createコマンドによって生成したサブネットマスク値を変更したい場合は、modifyコマンドを使用します。modifyコマンドの形式は以下のとおりです。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetmask modify -i network_address -m netmask |
-i network_address
変更するサブネットマスク情報のネットワークアドレスを10進ドット表記で指定します。
-m netmask
-iで指定したネットワークアドレスに対する変更後のサブネットマスク値を10進ドット表記で指定します。
(4) delete コマンド
createコマンドによって生成したサブネットマスク値を削除する場合は、deleteコマンドを使用します。deleteコマンドの形式は以下のとおりです。
/opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetmask delete -i {network_address1[,network_address2,...] | all} |
-i network_address1[,network_address2,...]
削除するネットワークアドレスをカンマ(“,”)で区切って指定することができます。ここにはcreateコマンドの-iで指定したネットワークアドレスを指定します。
-i all
現在設定されているすべてのサブネットマスク情報を削除します。
【注意事項】
仮想インタフェースが属するネットワークをサブネット分割する場合には、本コマンドにより必ずサブネットマスク値を設定してください。設定しない場合、他システムとの通信ができなくなります。なお、サブネット分割しない場合には、本コマンドを実行する必要はありません。
同一ネットワークに接続されたシステムでは、必ず同一のサブネットマスク値を設定するようにしてください。
NIC切替方式の場合、物理IPアドレスに設定されたサブネットマスク値(/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-ethX ファイル中に設定された値)と同一のサブネットマスク値を仮想IPのネットワークアドレスに設定してください。
本コマンドによる設定は、NIC切替方式、高速切替方式、またはGS連携方式をIPv4構成で使用する場合と、NIC切替方式、高速切替方式をデュアル構成で使用する場合、仮想NIC方式でIPv4のクラスタ引継ぎIPを使用する場合に必要です。IPv6構成のみの場合は設定する必要はありません。また、設定したサブネットマスクは、hanetconfigコマンドの-iオプション、-eオプションで指定するホスト名またはIPアドレス、hanethvrscコマンドの-iオプション、-eオプションで指定するホスト名またはIPアドレスが対象となります。
【使用例】
(1) create コマンド
ネットワークアドレス10.34.151.0に対し、255.255.255.0のサブネットマスクを定義する場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetmask create -i 10.34.151.0 -m 255.255.255.0 |
(2) print コマンド
サブネットマスク情報の一覧を表示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetmask print |
(3) modify コマンド
既に定義されているネットワークアドレス10.34.0.0に設定されているサブネットマスクを、255.255.0.0に変更する場合の例を示します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetmask modify -i 10.34.0.0 -m 255.255.0.0 |
(4) delete コマンド
すべてのサブネットマスク情報を削除します。
# /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetmask delete -i all |