本節では、システムのバックアップおよびリストアの方法について説明します。
バックアップの方法には、以下の2種類があります。
本製品のサービスを停止し、システムをバックアップします。本製品の資産を一括で退避・復元するため、バックアップ時もリストア時もサービス停止が必要です。オフラインバックアップは、以下のタイミングで実行します。
本製品の導入完了時
連携アダプターの設定追加時
設定ファイルの変更時
オフラインバックアップおよびリストアの手順については、以降の"4.2.1 オフラインバックアップ"を参照してください。
本製品のサービスを停止することなく、Cloud Services Managementのリソース情報をバックアップします。
オンラインバックアップは、オフラインバックアップの実施が前提となります。
オフラインバックアップの実施手順については、"4.2.1.1 バックアップ"を参照してください。
注意
本手順によるバックアップでは、監査ログや設定ファイルはバックアップ対象となりません。
本製品の資産を動的に退避するため、バックアップ時はサービス停止の必要はありませんが、リストア時にはサービス停止が必要です。また、オンラインバックアップの事前設定を行う際も、サービス停止が必要となります。
差分ファイルが毎日生成されるため、ディスク容量に注意して運用してください。
オンラインバックアップは、PostgreSQLのPITR(Point In Time Recovery)の仕組みを利用しています。データベースの採取範囲の異なる、以下の2つのバックアップ方式を利用します。
ベースバックアップとは、データベースクラスタ(データベースのデータが記録されるファイル群)全体を バックアップするものです。fscsm_basebackup createコマンドを実行して取得します。
fscsm_basebackup createコマンドについては、"5.2.14 ベースバックアップ操作コマンド"を参照してください。
データベースの変更内容を記録するWAL(Write Ahead Logging)ファイルを定期的に退避します。ベースバックアップに対し、WALファイルに記録されている変更内容の反映を行うことでデータ内容の復旧を行うことができます。
オンラインバックアップおよびリストアの手順については、"4.2.2 オンラインバックアップ"を参照してください。
以下の条件では、オフラインバックアップには約1.0GB、オンラインバックアップには差分ファイルとして毎日96MB、ベースバックアップには約900MBのディスク容量が必要です。
組織数: 100
ユーザー数: 1000
業務システム: 300
サービス: 300
毎日以下を実施
各サービスの電源ON、電源OFF
注意
バックアップ・リストアを行う環境の注意事項について
バックアップおよびリストアを実施する場合、バックアップする環境とリストアする環境は、同じである必要があります。従って、以下の条件でのバックアップ・リストアは実施できません。
バックアップ元とリストア先でOSが異なる場合
ただし、OSのバージョンだけが異なる場合は、バックアップ・リストアは実施可能です。
オンラインバックアップにおける差分ファイル生成間隔は、バックアップ処理実行ファイルのスケジュール処理実行間隔となります。ディスク使用容量の状況から、適宜、実行間隔を延ばすなどの調整を行ってください。