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Interstage List Works V10.3.1 環境構築手引書
FUJITSU Software

7.3.5 移行ツールの説明

各移行パターンで、共通に使用する移行ツールの概要と移行ツール実行部分の手順について説明します。

同一サーバに移行する場合を例に、移行ツール実行の流れ(概要)を以下に示します。

注1:

移行ツールは、「移行情報ファイル」の情報を入力として実行されます。「移行情報ファイル」は保管フォルダ構成情報ファイルの格納先を変更するなど、移行時の情報を変更したい場合に準備します。とくに変更しない場合は、準備する必要はありません。ただし、移行元とは別フォルダ構成で移行するときは必ず準備します。

注2:

移行ツール実行後は、「保管フォルダ構成情報ファイル」が作成されます。このファイルは、保管データベースへのローダ情報となります。スクリプトを使用して保管データベースへ情報をロードします。


移行情報ファイル

移行情報ファイルは、移行の情報を設定するためのユーザが準備するテキストファイルです。以下のセクションで構成されます。

[TransitionInformation]セクション(移行情報セクション)

移行処理で変更可能な以下の指定が設定できます。

  • 保管フォルダ構成情報ファイル格納先の指定

  • 移行ツールで使用する作業ディレクトリの指定

作業ディレクトリに必要な容量は、以下の見積もりにより求めることができます。

作業ディレクトリに必要な容量(Byte)
  =  1024 × ((移行する保管フォルダ数  ×  (グループ数 + ユーザ数))+ 移行する帳票数 + 2)
   +  移行する保管フォルダ数  ×  300

[TransitionFolder]セクション(保管フォルダセクション)

保管フォルダを移行元とは別フォルダ構成で移行する場合に以下の情報を指定します。移行する第一階層の保管フォルダの数分指定します。このセクションを指定しない場合は、移行元と同じディレクトリに移行されます。

  • 移行元保管フォルダ(第一階層)の指定

  • 移行先保管フォルダ(第一階層)の指定

  • 移行先保管フォルダ名(第一階層)の指定

上記の3つの情報は、セットで指定します。そのため、各情報を指定する定義名に付ける番号は、それぞれ同一番号(4ケタの数字)を指定する必要があります。同一番号での指定が1つでも省略された場合は、その番号の指定は有効になりません。

また、複数のフォルダを指定する場合は、連番の昇順で指定します。途中の番号が抜けている場合、または、その番号が有効にならない場合は、有効な番号までの定義で移行されます。

移行情報ファイルのひな型が、「インストール媒体のSample」または「List Worksのインストール先フォルダ\Samples」フォルダ配下に「TransitionInformation.txt」というファイル名で用意されています。

移行情報ファイルの詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。

注意

保管フォルダがすでに存在する環境に対して、第一階層の保管フォルダを追加する場合は、以下の注意が必要です。

  • 移行情報ファイルの「AfterFolderXXXX」(移行先保管フォルダ(第一階層)の指定)には、すでに定義されているリスト管理サーバの保管フォルダの場所は、絶対に指定しないでください。

  • 移行情報ファイルの「AfterNameXXXX」(移行先保管フォルダ名(第一階層)の指定)には、すでに定義されているリスト管理サーバの保管フォルダ名は、絶対に指定しないでください。

上記の指定をして移行すると、List Worksと保管データベースに不整合が発生し、環境の再構築が必要となります。


保管フォルダ構成情報ファイル

以下の3つのファイルを「保管フォルダ構成情報ファイル」といいます。

保管フォルダ構成情報ファイルは、移行ツールを実行すると、移行情報ファイルに指定されている格納先、または、格納先が省略されている場合は、リスト管理サーバ環境設定の【資源】タブで「格納場所」の「作業ファイル」に指定した場所に格納されます。「作業ファイル」の初期値は、「List Worksのインストール先フォルダ\Temp」です。

移行ツールを複数回実行した場合、識別子を除いたファイル名に追番が付加された形のファイル名(例えば、LwFolderNode_001.dat)で上記3つのファイルが格納されます。


移行情報ファイルの指定例

移行元が以下のフォルダ構成(Cドライブ配下)の場合を例に、移行情報ファイルの指定例を示します。移行後のフォルダの場所はDドライブ配下とします。


保管フォルダ構成情報ファイルの格納先を指定する場合
[TransitionInformation]
FolderConstruct=C:\Transition      ←「C:\Transition」配下に、保管フォルダ構成情報ファイルが格納されます。
WorkDirectry=C:\Work
[TransitionFolder]
BeforeFolder0001=C:\Folder1
AfterFolder0001=D:\Folder1
AfterName0001=総務課用
BeforeFolder0002=C:\Folder2
AfterFolder0002=D:\Folder2
AfterName0002=業務課用
BeforeFolder0003=C:\Folder3
AfterFolder0003=D:\Folder3
AfterName0003=その他用

保管フォルダ構成情報ファイルの格納先を省略した場合
[TransitionInformation]      ←(注)
WorkDirectry=C:\Work
[TransitionFolder] 
BeforeFolder0001=C:\Folder1
AfterFolder0001=D:\Folder1
AfterName0001=総務課用
BeforeFolder0002=C:\Folder2
AfterFolder0002=D:\Folder2
AfterName0002=業務課用
BeforeFolder0003=C:\Folder3
AfterFolder0003=D:\Folder3
AfterName0003=その他用

注:保管フォルダ構成情報ファイル格納先の指定を省略した場合は、リスト管理サーバ環境設定の【資源】タブで、「格納場所」の「作業ファイル」に指定した場所に、保管フォルダ構成情報ファイルが格納されます。
コマンドに移行情報ファイルの指定を省略した場合、または[TransitionInformation]セクションを省略した場合も同様です。


移行ツール実行中のメッセージ

移行ツールの起動直後に、以下の続行確認メッセージが出力されます。続行する場合は「y」を入力します。中断する場合は「n」を入力します。

  続行確認メッセージ:移行処理を続行します。続行しますか?(y/n)

移行ツールの実行中は、以下のメッセージが順に出力されます(1つの動作につき、全体の1%が移行されるごとに「.」が出力されます)。

  移行処理中です。
  移行情報作成中.....(略).....完了
  保管フォルダ移行中.....(略).....完了

移行ツールの実行が正常に終了した場合は、以下のメッセージが出力されます。

  移行処理は正常に終了しました。
  移行対象フォルダ数  :nnn
  移行対象帳票数      :nnn
  移行フォルダ数      :nnn
  移行帳票数          :nnn
  移行対象外フォルダ数:nnn
  移行対象外帳票数    :nnn

移行ツールの実行中にエラーが発生した場合は、続行不可能なエラーか続行可能なエラーかによって、以下の2種類のメッセージが出力されます。

続行不可能なエラーが発生した場合

処理中に続行不可能なエラーが発生し、処理を中断しました。

  詳細:領域不足が発生しました。
  対処:作業ディレクトリ、移行先のディスク容量を確認し、十分なディスク容量を確保してください。

  詳細:メモリ不足が発生しました。
  対処:不要なアプリケーションを終了してください。

  詳細:List Worksサービスが起動中です。
  対処:移行ツール実行時には、List Worksサービスを停止させてください。

  説明:詳細で示される内容により、移行処理が実行できませんでした。対処に従って処理を行い、バックアップを復元してから移行処理を実行してください。

続行可能なエラーが発生した場合

移行処理中にエラーとなった資源が存在します。エラーとなった資源と詳細はログを確認してください。なお、移行対象外フォルダ、および移行対象外帳票とは、移行元に情報だけが存在し、実体が存在しないなどの場合により、移行できないフォルダおよび帳票のことです。

  移行対象フォルダ数  :nnn
  移行対象帳票数      :nnn
  移行フォルダ数      :nnn
  移行帳票数          :nnn
  移行対象外フォルダ数:nnn
  移行対象外帳票数    :nnn
  失敗フォルダ数      :nnn
  失敗帳票数          :nnn
  ログファイル名      :C:\ListWORKS\Manage\Log\LwTransitionLog.csv
  対処:ログファイルの内容を確認し対処を行い、再度、移行ツールを実行する。
  説明:移行処理中に、移行できなかった資源が存在します。

エラーが発生した場合の対処方法を“7.3.17 注意事項”に掲載していますので、エラーが発生した際は、そちらも参照してください。

移行ツール実行中のログ

移行ツールのパラメタで移行資源のログ出力指定をしている場合は、移行中に正常、エラーとなったすべての資源に対するログが出力されます。指定していない場合は、各フォルダでの開始・終了が出力され、移行処理中にエラーとなった資源が存在する場合には、そのエラー情報が出力されます。

ログは、リスト管理サーバ環境設定の【操作ログ】タブで「ログファイルの扱い」の「格納場所」に指定した場所配下のログファイル(LwTransitionLog.csv)に出力されます。移行ツールが実行されるたびに上書きされます。

ログの形式を以下に示します。


ログの形式(開始/終了)

項目

開始/終了処理

開始

終了

年月日

開始した時間の年月日

終了した時間の年月日

時分秒

開始した時刻

終了した時刻

フォルダ種別

「保管」/「受信」

処理種別

「移行開始」

「移行終了」

ユーザID

処理を依頼したユーザID

ステータス

「情報」/「警告」/「エラー」

詳細情報

復帰時の詳細情報(ステータスが「警告」/「エラー」のときだけ出力)

帳票ID

帳票名

入力サーバ名

サーバ名

入力フォルダ名

入力ファイル名

出力サーバ名

出力フォルダ名

出力ファイル名

その他1

その他2

-:対象情報がなく、表計算ソフトなどでは空白が表示されます。


ログの形式(フォルダ/帳票)

項目

フォルダ移行/帳票移行処理

フォルダ

帳票

年月日

移行した時間の年月日

移行した時間の年月日

時分秒

移行した時刻

移行した時刻

フォルダ種別

「保管」/「受信」

処理種別

「フォルダの移行」

「帳票の移行」

ユーザID

処理を依頼したユーザID

ステータス

「情報」/「警告」/「エラー」

詳細情報

復帰時の詳細情報(ステータスが「警告」/「エラー」のときだけ出力)

帳票ID

処理対象帳票のサーバ内識別子

帳票名

処理対象帳票名

入力サーバ名

サーバ名

入力フォルダ名

移行元フォルダ名

入力ファイル名

移行元ファイル名

出力サーバ名

出力フォルダ名

移行先フォルダ名

出力ファイル名

移行先ファイル名

その他1

その他2

-:対象情報がなく、表計算ソフトなどでは空白が表示されます。