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Interstage List Works V10.3.1 環境構築手引書
FUJITSU Software

7.2.4 SEの環境からEEの保管フォルダの共有運用、または、クラスタシステムでの運用を行う環境に移行

V7.0L10以降のSEの環境から、EEの保管フォルダの共有運用、または、クラスタシステムでの運用を行う環境に移行する場合の移行手順を説明します。

保管フォルダの共有運用を行う環境への移行手順とクラスタシステムでの運用を行う環境への移行手順は、基本的に同じです。

移行手順を、以下の構成で保管フォルダの共有運用を行う場合を例に説明します。

移行対象のList WorksサーバをList Worksサーバ(a)とします。

追加するList WorksサーバをList Worksサーバ(b)とします


移行手順を以下に説明します。

注1:

移行元サーバのList WorksのバージョンがV9.0.1以降の場合に実施します。その際、List Worksサーバとアプリケーションサーバが別筐体の場合は、アプリケーションサーバ側で実施します。


(1) List Worksサーバ(a)、共有サーバの作業

手順1保管フォルダ格納用の共有フォルダ作成

共有サーバに、保管フォルダを格納するためのフォルダを作成して共有します。管理者とリスト管理サーバを利用する一般ユーザに対してフルコントロールの権限を許可するように、共有フォルダのアクセス権を設定してください。

  フォルダ作成の例)\\Server\Shared\Data
                      Server:サーバ名
                      Shared:共有名
                      Data  :フォルダ名

注意

保管フォルダを作成する共有サーバとリスト管理サーバは、同じドメインに属する必要があります。


手順2管理ファイル用の共有フォルダ作成

共有サーバに、保管フォルダを管理するファイルの格納場所を作成して共有します。管理者とリスト管理サーバを利用する一般ユーザに対してフルコントロールの権限を許可するように、共有フォルダのアクセス権を設定してください。

  フォルダ作成の例)\\Server\Shared\Manage
                      Server:サーバ名
                      Shared:共有名
                      Manage:フォルダ名

手順3帳票資源の格納先のアクセス権の設定

移行前の状態を保持するため、作成した共有フォルダに対して、移行元と同じアクセス権を設定します。移行先サーバに登録されていないユーザがある場合は、ユーザ登録をします。

移行対象の資源

移行元

移行先

保管フォルダ/帳票データ(関連ファイルを含む)

リストナビから各保管フォルダのプロパティを選択し、【詳細】タブの「フォルダの場所」に示されるフォルダを含んだ配下すべて

「保管フォルダ格納用の共有フォルダ作成」で作成したフォルダ配下

オーバレイ/帳票項目

リストナビから【リスト管理サーバオプション】を選択し、【作業ファイル】タブの「オーバレイ」に示されるフォルダ配下すべて

「管理ファイル用の共有フォルダ作成」で作成したフォルダ配下


手順4保管データベースの作成

共有サーバ上に保管データベースを作成します。

保管データベースを作成する方法については、“2.4 保管データベースとリスト管理サーバの環境設定”を参照してください。

注意

  • 保管データベースにOracle 8i、Oracle 9i、Oracle 10gを使用していた場合、Oracle 11g、Oracle 12cにバージョンアップする必要があります。

    Oracleデータベースのバージョンアップについては、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。
  • V10.2.0以前で使用していた保管データベースをそのまま使用することはできません。保管データベースは必ず再構築してください。

    保管データベースの再構築については、“保守手引書”を参照してください。

手順5帳票資源、保管データベースの退避

移行元サーバで、帳票と印刷資源の退避を実施します。

帳票と印刷資源を退避する方法については、“保守手引書”を参照してください。

注意

  • List Worksが提供しているスクリプトを使用して保管データベースを退避する場合は、移行前のバージョンレベルのList Worksが提供しているスクリプトを使用してください。

  • V9.1.0以前から本バージョンへ移行する場合で、Symfowareデータベースを使用している場合、保管データベースの退避は標準規模のSymfowareデータベースの退避方法で実施してください。

  • Symfowareデータベースを使用している場合は、RDBディクショナリの退避は必要ありません。


手順6List Worksの上書きインストール

List Worksサーバ(a)にList Worksを上書きインストールするまえに、Interstage Application Serverの準備をします。

List Worksと連携可能なInterstage Application Serverを確認し、運用に合わせてInterstage Application Serverのインストールおよびセットアップをします。また、運用に合わせて必要なソフトウェアをインストールします。

Interstage Application Serverの準備ができたら、List Worksを上書きインストールします。

List Worksと連携可能なInterstage Application Serverのバージョンなど、バージョン決定に必要な情報や、製品に同梱しているInterstage Application Serverのインストールおよびセットアップについては、“インストールガイド”を参照してください。
List Works のインストールについては、“2.2 必要なソフトウェアのインストール”および“インストールガイド”を参照してください。

手順7List Works EEの環境設定

List Worksサーバ(a)で、リスト管理サーバの環境設定を実施します。

リスト管理サーバの環境設定では、【リスト管理サーバ環境設定】ダイアログボックスの【データベース】タブの設定と接続確認は必ず行ってください。

リスト管理サーバの環境設定で保管フォルダを管理するファイルの格納場所(共有ディスク)を指定します。

リスト管理サーバの環境設定の実施後は、List Worksサーバ、または、List Worksサービスを再起動します。

Web連携機能を使用する場合は、再度、Web連携の環境設定を実施します。Web連携の画面やプロパティをカスタマイズしていた場合は、移行元のJSPファイルや環境設定ファイルをもとに、ファイルを編集します。

登録されていないユーザがある場合は、ユーザ登録をします。

リスト管理サーバやWeb連携などのList Worksの環境設定については、“第2章 List Worksサーバの環境構築 <Windows版の場合>”を参照してください。

手順8帳票資源の復元

List Worksサーバ(a)、および共有サーバで、帳票と印刷資源を退避時の状態まで復元します。

復元した後、移行元サーバと同様、スタンドアロン運用の環境が復元されていることを確認します。

リストナビでサーバに接続し、保管フォルダ、帳票が参照できるか確認します。

帳票と印刷資源を退避時の状態まで復元する方法については、“保守手引書”を参照してください。

注意

  • 帳票(保管フォルダ)は、移行元サーバで運用していた時と同じドライブに同じ構成で、ローカルディスクに復元してください。

  • オーバレイなどの印刷資源は“手順7:List Works EEの環境設定”で設定した共有ディスクの格納場所に復元してください。

手順9:保管データベースの復元

V10.2.0以前から本バージョンへ移行する場合は、退避したデータを使用して、保管データベースを復元します。

Symfowareデータベースの場合
  1. スクリプトの複写

    スクリプト(restoreLWDB.bat)を実行して、保管データベースを復元します。

    格納場所
      List Worksのインストール先フォルダ\db\symfo\LWDB\restoreLWDB.bat

    スクリプトを、共有サーバの作業用ディレクトリに複写します。

    例)
    複写元    :C:\ListWORKS\db\symfo\LWDB\restoreLWDB.bat
    複写先の例:C:\TEMP\LWDB\restoreLWDB.bat

    注意

    List Worksが提供しているスクリプトを使用して保管データベースを復元する場合は、移行後のバージョンレベルのList Worksが提供しているスクリプトを使用してください。

  2. スクリプトの修正

    1.で複写したスクリプト(restoreLWDB.bat)の修正をします。

    退避ファイルの格納先

    復元する退避ファイルの格納先に合わせ、スクリプトの以下の箇所(下線)を修正します。

    @rem /*-----------------------------------------------------------------*/
    @rem /*  リストアする退避ファイルの格納先を指定します。                 */
    @rem /*-----------------------------------------------------------------*/
    @SET RESTORE_DATA_FILE_PATH="C:\TEMP\LWDB_BAK"
    保管データベースのRDBシステム名

    保管データベースのRDBシステム名をLWDB以外に変更している場合は、スクリプトの以下の箇所(下線)を、環境に合わせて修正します。

    @rem /*-----------------------------------------------------------------*/
    @rem /* 保管データベースのRDBシステム名を指定します。                   */
    @rem /* RDBシステム名をLWDB以外にしている場合は、環境に合わせて変更して */
    @rem /* ください。                                                      */
    @rem /*-----------------------------------------------------------------*/
    @SET RDBNAME=LWDB
  3. スクリプトの実行

    2.で修正したrestoreLWDB.batを実行します。

    スクリプトの実行中にエラーが発生した場合は、ログファイル(restorelog_LWDB.txt)を参照し、エラーメッセージを確認します。ログファイルは、スクリプトを実行したカレントフォルダに出力されます。

    保管データベースの復元処理時に出力される可能性の高いメッセージを、“保守手引書”に抜粋して説明しています。参考にしてください。
    また、詳細なエラーメッセージの説明については、“Symfowareのマニュアル”を参照してください。
Oracleデータベースの場合

Oracleの各種ツール(Oracle Enterprise Managerなど)を使用して復元します。

Oracleの各種ツールの詳細については、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。

手順10保管フォルダの作成

List Worksサーバ(a)で、保管フォルダの共有運用、またはクラスタシステムでの運用において使用する保管フォルダを作成します。


手順11保管フォルダ、帳票データの移動

リストナビでサーバに接続し、“手順8:帳票資源の復元”で移行した保管フォルダ、および帳票データを、“手順10:保管フォルダの作成”で作成した保管フォルダに移動します。

移動作業の後、リストナビでサーバに接続し、保管フォルダ、帳票が参照できるか確認します。

注意

  • 第一階層の保管フォルダの移動はできません。

  • 第二階層以下の保管フォルダの移動を行う場合、一度に移動できる帳票数に制限がありますので注意してください。指定したフォルダとその配下のフォルダ配下の帳票数を総合計して、10,000帳票以内となります。これを超える場合、複数回に分けて移動してください。


手順12各フォルダ(保管フォルダ以外)の作成

List Worksサーバ(a)に、受信フォルダ、印刷フォルダ、ファイリングフォルダを再作成します。受信フォルダの振り分け先が保管フォルダの場合、共有された保管フォルダを振り分け先として設定します。

各フォルダの作成については、“2.6 リスト管理サーバの各フォルダ作成”を参照してください。

手順13電子保存装置(データ転送コネクタ)作成

移行元サーバのList WorksのバージョンがV9.0.1以降の場合は、List Worksサーバ(a)に、電子保存装置(データ転送コネクタ)を再作成します。

その際、List Worksサーバとアプリケーションサーバが別筐体の場合は、アプリケーションサーバ側で再作成します。

電子保存装置(データ転送コネクタ)の作成については、“操作手引書 運用管理者編”を参照してください。

(2) List Worksサーバ(b)の作業

手順1追加するサーバにList Works EEのインストール

追加するサーバ(List Worksサーバ(b))にList Works EEをインストールするまえに、Interstage Application Serverのインストールおよびセットアップをします。

Interstage Application Serverの準備ができたら、List Works EEをインストールします。

製品に同梱しているInterstage Application Serverのインストールおよびセットアップについては、“インストールガイド”を参照してください。
List Works のインストールについては、“2.2 必要なソフトウェアのインストール”および“インストールガイド”を参照してください。

手順2List Works EEの環境設定

保管データベースの環境設定やリスト管理サーバの環境設定を実施します。

リスト管理サーバの環境設定では、【リスト管理サーバ環境設定】ダイアログボックスの【データベース】タブの設定と接続確認は必ず行ってください。

Web連携機能を使用する場合は、Web連携の環境設定を実施します。

注意

リスト管理サーバの環境設定について

【保管フォルダ共有】タブの設定

  • 保管フォルダを管理するファイルの格納場所(共有フォルダ)を指定します。フォルダには、リスト管理サーバを利用する管理者と一般ユーザに対して、フルコントロール権限が必要です。

  • 保管フォルダを管理するファイルの格納場所は、“(1) List Worksサーバ(a)、共有サーバの作業”の“手順2:管理ファイル用の共有フォルダ作成”で作成した共有フォルダの場所を指定します。

    保管フォルダの共有運用を行う場合は、以下のように、必ず共有名の配下にあるフォルダをUNC名(\\Server\Shared\Manage)で指定してください。共有ディスクがIPv6環境の場合、UNC名のサーバ名には、ホスト名を指定してください。

      \\サーバ名\共有名\保管フォルダを管理するファイルを格納するフォルダ名

    クラスタシステムでの運用を行う場合は、共有ディスク(フェールオーバー クラスター マネージャーで設定してある物理ディスク)のフォルダ名をドライブ指定で設定してください。

【データベース】タブの設定

  • ホスト名に、保管データベースの存在するホスト名を指定します。ポート番号には、保管データベースの作成時に指定したポート番号を指定します。


手順3保管フォルダ参照の確認

リストナビを起動して、List Worksサーバ(b)に接続し、保管フォルダが参照できることを確認します。参照できなかった場合は、移行手順を見直してください。


手順4各フォルダ(保管フォルダ以外)の作成

List Worksサーバ(b)に、受信フォルダ、印刷フォルダ、ファイリングフォルダを作成します。受信フォルダの振り分け先が保管フォルダの場合、共有された保管フォルダを振り分け先として設定します。

各フォルダの作成については、“2.6 リスト管理サーバの各フォルダ作成”を参照してください。

手順5電子保存装置(データ転送コネクタ)作成

移行元サーバのList WorksのバージョンがV9.0.1以降の場合は、List Worksサーバ(a)に、電子保存装置(データ転送コネクタ)を作成します。

その際、List Worksサーバとアプリケーションサーバが別筐体の場合は、アプリケーションサーバ側で作成します。

電子保存装置(データ転送コネクタ)の作成については、“操作手引書 運用管理者編”を参照してください。