帳票の管理方法を設計します。どの帳票を、どのリスト管理サーバの、どのフォルダに登録するのかなどを決めます。
以下の項目について設計していきます。
帳票の分類
帳票の管理構成
帳票保管の管理
PDF帳票の管理
セキュリティ
オーバレイの管理方法
抜き出し検索
帳票項目
参考
設計時には、List Worksを問題なく運用できるよう、各フォルダ内の帳票数など考慮をしてください。
フォルダ数および帳票数の推奨値や限界値については、“付録G 帳票保管活用機能における推奨値と限界値”を参照してください。 大量帳票、多重運用時の留意事項については、“保守手引書”を参照してください。 |
帳票が発生する時期、利用期間、量、帳票の利用者、管理すべき組織などをもとに、帳票を分類します。
帳票には、たとえば以下のような要素があります。
帳票が作成される時期
電子化された帳票の利用期間とその処理
帳票の利用者
これらの要素を考慮して分類をします。分類の例を以下に示します。
帳票別に分類
職制別に分類
職制別に分類、さらに帳票別に分類
帳票のサイクル別に分類
注意
帳票の種類、帳票数、ページ数などは、フォルダの設計を行う上で非常に重要となります。これらの値は、正確に把握しておく必要があります。
分類した結果をもとに、帳票の保管場所の構成を決定します。
以下に管理構成の例を示します。
職制別
帳票別
職制別に管理し、さらに帳票別に管理する
職制別の例)
帳票別の例)
リスト管理サーバでは、設計した管理構成が、そのまま保管フォルダの構成になります。
保管フォルダの構成は、最下位のフォルダに帳票を格納するように設計します。途中のフォルダに帳票があると、フォルダの作成や削除、帳票のセキュリティ設計など、管理が複雑になる場合があります。
クライアントから保管フォルダの一覧や帳票一覧を表示したときのレスポンスは、保管フォルダや登録している帳票の個数に比例します。このため、保管フォルダの設計には十分な注意が必要です。
List Worksでは、帳票、またはフォルダに付加された情報をもとに保管期間の管理をします。また、保管の有効期限が過ぎた帳票に対して、別フォルダに複写/移動したり、設定により自動削除したりできます。
帳票保管の管理を、以下の項目について設計します。この情報は、保管フォルダの作成時や帳票の登録時に付加する帳票情報に有効になります。
管理する帳票に対して、どのくらいの期間保管するのか
帳票の有効期限は、フォルダ単位に設定するか、帳票ごとに設定するのか
また、帳票の有効期限が過ぎた帳票の扱いについて設計します。
運用管理者が別フォルダに複写後に削除するか
運用管理者が別フォルダに移動して管理するか
帳票を自動削除する運用にするか
List Creator Enterprise Editionと連携して、帳票登録時に作成したPDF帳票を、管理する方法を決定します。
以下の項目について検討します。
どの帳票に対して、PDF帳票を作成するか(帳票の登録時に付加する帳票情報に設定)
作成したPDF帳票のセキュリティ
PDF帳票を作成する場合の注意事項については、“2.3.5 帳票の登録時自動PDF帳票作成”を参照してください。 |
帳票のセキュリティの方針を決定します。
セキュリティの方針を決定する場合、以下の点を考慮します。
帳票の種類
帳票を利用する対象者・職制と利用方法
帳票を管理する対象者・職制
List Worksのセキュリティ機能には、以下の種類があります。
ユーザ認証
アクセス権による保護
保管/受信/印刷フォルダに対するアクセス権
保管/受信/印刷フォルダの帳票に対するアクセス権
機能の利用制限による保護
エリアIDによる保護
暗証番号による保護
ID印刷による保護
操作ログ/実行履歴の改ざん有無の確認
List Worksで設定できるセキュリティ機能については、“2.5 セキュリティ”を参照してください。 |
保管フォルダや保管フォルダの帳票には、アクセスできるユーザやグループが設定できます。職制ごとのセキュリティを実現するために、グループを作成することをお勧めします。
参考
ユーザが所属するグループ数にあわせて、アクセス権チェックの処理に時間を要します。所属するグループ数は、5グループ以下とすることをお勧めします。
グループを作成する場合、職制ごとに管理者を設定し、職制内の印刷データの管理を行うことをお勧めします。
各帳票で使用するオーバレイの管理方法を決定します。オーバレイは新旧の世代別に管理することができます。Windows版リスト管理サーバ、およびList Worksクライアントでは、4096世代まで管理でき、Solaris 版リスト管理サーバでは255世代まで管理できます。1つのオーバレイを年度別に管理する場合などに有効です。
通常は、オーバレイの自動管理によって管理されますが、以下の場合は、オーバレイの世代を、リスト管理サーバのコマンドを使用して登録します。
Solaris版において、富士通ホスト帳票を扱う場合
Solaris版においてオープン帳票を扱う場合で、サーバ動作環境ファイルで自動的に世代管理を行わない設定をしたとき
その場合によるオーバレイの管理設計をします。たとえば、オーバレイ名、世代識別名、バージョンレベルによって管理します。
Solaris 版でのオーバレイの世代管理例を以下に示します。
帳票 | オーバレイ | |||
---|---|---|---|---|
主題 | 副題 | オーバレイ名 | 世代識別名 | バージョンレベル |
A製品売上げ | 2005年用 | FRMA | E10 | V10L10 |
2006年用 | E20 | V10L10 | ||
B製品売上げ | 2005年用 | FRMB | E10 | V10L10 |
2006年用 | E20 | V10L10 | ||
C製品売上げ | 2005年用 | FRMC | E10 | V10L10 |
2006年用 | E20 | V10L10 |
抜き出し検索を行うかどうか決定します。抜き出し検索は、帳票の登録前に、あらかじめ検索対象となる文字列を抽出しておくため、検索を高速に行うことができます。以下のような運用環境の場合、抜き出し検索を行うことをお勧めします。
決められた文字列で検索することが多い
検索対象の項目が、印刷データの決められた場所に存在する
抜き出し検索を行うためには、リスト管理サーバ上に抜き出し検索ファイルを作成します。抜き出し検索ファイルは、帳票に対して抜き出し検索範囲を設定し、保管フォルダのプロパティまたは帳票情報において抜き出し検索を有効とした後、帳票を登録することで作成されます。
またSolaris版においては、lvcrtsrhコマンドを使用して、保管フォルダの帳票から抜き出し検索ファイルを作成することができます。
抜き出し検索範囲の設定については、“操作手引書 利用者編”を参照してください。 保管フォルダのプロパティの設定については、“操作手引書 運用管理者編”を参照してください。 帳票情報については、“第6章 印刷データの準備”を参照してください。 lvcrtsrhコマンドについては、“コマンドリファレンス”を参照してください。 |
帳票項目の設定内容を決定します。以下のような場合、あらかじめ、帳票のどのデータをどのように扱うのかといった情報を定義(帳票項目の設定)する必要があります。
印刷データの決められた場所に存在する文字や数字を、決められた型(文字型、数値型、日付型)として扱う
印刷データの決められた場所に存在するデータを、ほかのアプリケーションと連携して扱う
帳票項目の設定については、“操作手引書 利用者編”を参照してください。 |