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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.1.2 導入ガイド
FUJITSU Software

C.2.11 オーバーコミット

ここでは、L-Serverのオーバーコミットについて説明します。


オーバーコミット

本製品では、VMwareのCPUやメモリのオーバーコミットを利用できます。

VMwareのCPUやメモリのオーバーコミットとは、サーバに実装されているCPUやメモリのリソース量よりも、多くのリソースをゲストOSに対して仮想的に割り当てられる機能のことです。

本製品では、L-Serverを作成する際に、VMwareのCPUやメモリのオーバーコミットを利用するため以下の機能を提供します。

L-Serverについては、「設計ガイド CE」の「2.2.3 L-Server」、「C.2.7 L-Server作成」、または「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「第16章 L-Serverの作成」を参照してください。
リソースプールについては、「設計ガイド CE」の「2.2.2 リソースプール」または「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「第20章 リソースプールの操作」を参照してください。
空き容量の表示またはL-Server換算表示については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「20.6 表示」を参照してください。


入手順

以下の手順で、オーバーコミットを導入します。

  1. オーバーコミット用のVMプールの作成

    VMプールの作成方法については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「第20章 リソースプールの操作」を参照してください。

    ポイント

    • オーバーコミットを使用するL-Serverと使用しないL-Serverを作成する場合、オーバーコミットを使用するVMプールと使用しないVMプールの両方を作成する必要があります。

    • ROR V2.3.0、または、V3.0.0の管理サーバからアップグレードを行い、オーバーコミット機能の設定方法の移行手順をしていない場合、別途、定義ファイルを編集する必要があります。詳細は「リリース情報」の「2.3.1.1 オーバーコミット定義ファイル」を参照してください。

    注意

    • オーバーコミットのVMプールには、オーバーコミットをサポートしているVM種別(VMware、Hyper-V、RHEL-KVM、Solaris Containers、OVM for SPARC)のVMホストだけを登録してください。オーバーコミットをサポートしていないVM種別のVMホストが登録されている場合、そのVMホストをほかのVMプールへ移動してください。
      オーバーコミットをサポートしていないVM種別のVMホストが、オーバーコミットのVMプールに登録されている場合、そのVMホストに対して以下の操作はできません。

      • L-Serverの作成

      • 構築済み仮想マシンのL-Serverへの関連付け

        RHEL-KVMについては、構築済み仮想マシンのL-Serverへの関連付けは未サポートです。

    • ユーザーがアクセスできる範囲にオーバーコミットのVMプールが複数存在した場合、リソースプールの優先順位に関係なく、それらのリソースプールに含まれるすべてのVMホストから、配備先のVMホストが選択されます。

    • オーバーコミットで使用するVMプール内の、VMホスト上に構築された仮想マシンと関連付けたL-Serverは、オーバーコミット属性が有効になります。

  2. VM固有情報定義ファイルの作成

    VM固有情報定義ファイルを作成します。VM固有情報定義ファイルは、L-Serverテンプレートにオーバーコミットの値を設定せず、ユーザーグループごとに異なる設定を行う場合に作成してください。
    VM固有情報定義ファイルの作成については、「C.1 仮想L-Server作成で共通に利用する定義ファイル」を参照してください。

  3. L-Serverテンプレートのエクスポート

    L-Serverテンプレートのエクスポートについては、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「15.2.1 エクスポート」を参照してください。

    L-Serverテンプレートの操作(手順3.~手順5.)は、GUIを利用して行うこともできます。
    GUIを利用したL-Serverテンプレートの操作については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「15.1 ウィザード形式のGUIによる操作」を参照してください。

  4. L-Serverテンプレートの編集

    L-Serverテンプレートにオーバーコミットを設定します。
    L-ServerテンプレートのXML定義については、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.2.2 仮想L-Serverテンプレート」に従って編集してください。

    なお、VM固有情報定義ファイルを使用してオーバーコミットの各値を設定する場合、"オーバーコミットの有効/無効"以外の以下の要素を設定しないでください。L-Serverテンプレートでオーバーコミットに関する値を設定した場合、その値が優先されます。

    • CPU予約性能

    • CPUシェア

    • メモリ予約容量

    • メモリシェア

    参考

    L-Serverテンプレート名を編集しないでインポートすると、既存のL-Serverテンプレートの内容が上書きされます。エクスポートした際のL-Serverテンプレートと異なる名前に変更してインポートすると、L-Serverテンプレートが追加されます。

  5. L-Serverテンプレートのインポート

    L-Serverテンプレートのインポートについては、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「15.2.3 インポート」を参照してください。

  6. L-Serverの作成

    手順5.で作成したL-Serverテンプレートを利用してL-Serverを作成します。
    詳細は、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「16.1 L-Serverテンプレートを利用したL-Serverの作成」を参照してください。

    L-Serverテンプレートを利用しない場合、コマンドを利用してL-Serverを作成します。「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「第16章 L-Serverの作成」に従ってL-ServerのXMLを編集したあと、rcxadm lserver createコマンドを実行します。
    rcxadm lserverコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.6 rcxadm lserver」を参照してください。

    ポイント

    RORコンソールの[リソース]タブからオーバーコミットを使用するL-Serverを作成する場合、L-Serverテンプレートを指定してください。

  7. L-Serverに対するオーバーコミットの設定確認

    L-Serverに対するオーバーコミットの設定を確認するには、rcxadm lserver showコマンドを実行します。

    コマンドの出力結果に、"OverCommit: true"の行が含まれているか確認してください。

    rcxadm lserverコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.6 rcxadm lserver」を参照してください。

    注意

    L-Serverの起動に失敗した場合、L-Serverの設定により方法が異なります。
    以下を実行してください。

    • L-Serverの設定で、[運用位置]が[起動毎に変更]の場合

      L-Serverの起動を再実行してください。リソースに空き領域があるVMホストがあれば、何回か起動を行うと空き領域のあるVMホストで起動できます。

    • L-Serverの設定で、[運用位置]が[固定]の場合

      VMホストを自動選択しないため、L-Serverの運用位置を変更して起動するか、同じVMホスト上のほかのL-Serverを移動または停止させたあとに起動してください。

      運用位置の変更については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「16.3 個々のパラメーターを指定した仮想L-Serverの作成」を参照してください。
      運用位置の移動については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「17.7 VMホスト間の移動(マイグレーション)」を参照してください。


L-Serverの仕様変更

ここでは、L-Serverの仕様変更について説明します。

L-Serverの仕様変更は、rcxadm lserver modifyコマンドを実行します。
rcxadm lserverコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.6 rcxadm lserver」を参照してください。

注意

L-Serverの仕様を変更する場合、VMホストの稼動している物理サーバのリソース(CPU数、CPU周波数、メモリ容量)がCPU予約性能、メモリ予約容量よりも小さい場合、L-Serverの仕様変更は失敗します。

また、CPU性能やメモリ容量が、CPU予約性能やメモリ予約容量の値よりも小さくなる場合も、L-Serverの仕様変更は失敗します。

リソースを割り当てたL-Serverの仕様変更を行う際は、L-Serverに設定済みの値が優先されるため、VM固有情報定義ファイルの情報は反映されません。そのようなL-Serverの仕様変更を行う際は、XMLに変更する値を記載し、コマンドを使用して変更してください。