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Interstage Application Server/Interstage Business Application Server Consolidation Option ユーザーズガイド
FUJITSU Software

6.1.1 業務ユニットとリソース

運用する業務ユニット数と各業務ユニットのリソースについて設計します。

設計時には、以下を考慮してください。

注意

Red Hat Enterprise Linux 6を使用する場合

運用中に業務ユニットを追加/変更/削除した場合、全業務ユニットを再起動する必要があります。

Red Hat Enterprise Linux 6を使用してシステムを構築する場合は、業務ユニットの操作と再起動を十分に考慮した設計をお勧めします。

以下を設計します

■業務ユニット数

本オプション製品で管理する業務ユニット数を決定します。

OSの性能や業務ユニットに割り当てるリソース、運用後の変更を考慮してください。

最大業務ユニット数

64


■業務ユニット名

業務ユニットを識別するための名前を決定します。業務ユニット名は、システムで一意にしてください。

範囲

1~16Byteまでの文字列

使用可能文字

半角英数字(大文字と小文字の区別あり)


ユーザー

業務ユニットを管理するOSのユーザーを決定します。
本ユーザーが、業務ユニット管理者になります。

業務ユニット管理者は、Interstage運用グループおよび業務ユニット管理グループに所属させてください。また、rootユーザーを業務ユニット管理者にすることはできません。

参照

Interstage運用グループについては、「7.2.1 ユーザー・グループの作成と設定」を参照してください。


■グループ

業務ユニットを管理するユーザー(業務ユニット管理者)が所属するOSのグループを決定します。
本グループが、業務ユニット管理グループになります。

以下に注意して設計してください。

リソース制御

各業務ユニットの以下のリソース制御を設計します。

移行前の業務システムのOSのリソースの使用状況については、Systemwalker Service Quality Coordinatorなどの性能監視ソフトウェアを使用して測定してください。

ここで設計するリソース制御の値は、業務ユニットの作・初期設定時に、cgroupに設定します。

リソース制御の設計項目と、cgroupのパラメタについて以下に示します。

OS

cgroupで設定するパラメタ

物理メモリ使用量の最大値

CPU時間の相対的配分

RHEL6

memory.limit_in_bytes

cpu.shares

RHEL7

MemoryLimit

CPUShares


注意

上記以外のパラメタについては、サポート対象外となります。

リソース制御の見積り手順

業務システムを集約するときのリソース制御の見積り手順について説明します。

以下の見積り手順は、既存の業務システムを余裕を持って動作させることを想定した算出方法です。CPUの1コアの性能は、移行前後で同等であることを想定しています。必要に応じて更に余裕を持たせたり、利用量の絞込みを行ったり、調整をしてください。

  1. 移行前のアプリケーションサーバのプロセスと、ユーザアプリケーションが利用するリソース使用量を測定します。

  2. 手順1で測定した移行元の各業務のリソース使用量の最大値を算出します。

  3. 移行先サーバが必要とするリソース使用量として、手順2の値に余裕を持たせるために目安として20%程度の加算をします。

  4. 手順3で求めた各業務システムの値を設定値として利用します。

  • 業務システムA

    CPUコア数 2コアのサーバの集約前リソース量が以下の場合

    全時間帯のメモリ使用量の最大値

    10GB

    最大値時間帯のCPU利用状況

    80%

    • 「物理メモリ使用量の最大値」の見積り

      10GB × 1.2 = 12GB
    • 「CPU時間の相対的配分」の見積り

      2コア × 0.8 × 1.2 ≒ 2
  • 業務システムB

    CPUコア数 4コアのサーバの集約前リソース量が以下の場合

    全時間帯のメモリ使用量の最大値

    5GB

    最大値時間帯のCPU利用状況

    50%

    • 「物理メモリ使用量の最大値」の見積り

      5GB × 1.2 = 6GB
    • 「CPU時間の相対的配分」の見積り

      4コア × 0.5 × 1.2 ≒ 2.4

上記見積りから、リソース制御の値は、それぞれ以下になります。

物理メモリ使用量の最大値

CPU時間の相対的配分

業務システムA

12G

2000

業務システムB

6G

2400


参考

CPU時間の相対的配分を以下のように設定した場合のリソース制御について
  業務ユニットA:業務ユニットB:業務ユニットC = 1500:1000:500


リソースに余裕がある場合は、リソースを有効に活用できるように、業務ユニットごとに自由にリソースが使用できます。以下の左図の例では、業務ユニットAとCのリソースに余裕があるため、業務ユニットBがリソースを占有しています。

リソースに余裕がなくなった場合は、ある特定の業務ユニットがリソースを占有しないように、CPU時間の相対的配分に設定した割合でリソースを制御します。以下の右図の例では、業務ユニットBがリソースを占有しないように、決められた配分でリソースを割り当てています。


注)本オプション製品だけをインストールして使用する場合を例に説明しています。他製品も使用する場合は、状況に合わせて検討してください。