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ETERNUS SF Storage Cruiser 16.2 運用ガイド
FUJITSU Storage

8.3.2 セットアップ

8.3.2.1 ライセンスの入手と設定

レポーティング機能を利用するには、ETERNUS SF Storage Cruiser Standard Editionライセンスが必要です。

当該ライセンスを未登録のETERNUS ディスクアレイは、レポーティング対象になりません。レポーティングを行うETERNUS ディスクアレイに当該ライセンスが登録されていない場合は、当該ライセンスを登録してください。

参考

ETERNUS ディスクアレイに対する当該ライセンスの確認は、情報収集コマンド実行時に行います。そのため、当該ライセンスを運用中に削除しても、すでに収集済みの情報はレポートに出力されます。

8.3.2.2 ポリシーの設定

情報蓄積ファイルに蓄積するレポート情報の保存期間をポリシーで設定します。

参照

ポリシーの設定方法は、「A.11 policy.confパラメーター説明」を参照してください。

8.3.2.3 コマンド定期実行の設定

Webコンソールからの設定

Webコンソールからストレージを選択したあと、レポーティング機能を有効にします。

ストレージごとにレポーティング機能のコマンド定期実行の起動/停止ができます。レポーティング機能を有効にすると、毎時5分に情報収集コマンド、毎月1日の午前6時30分にレポート作成コマンドが定期的に実行されます。定期実行により作成されるレポートの対象期間は、前月1日の0時0分から当月1日の0時0分までの1か月です。

独自アプリケーションの作成によるコマンド定期実行の設定

Webコンソールからの設定で実行される実行間隔よりもきめ細かい設定でレポート作成コマンドを実行させたい場合は、以下を行います。

注意

レポート作成コマンドのオプションに指定するレポート期間情報は、毎回適切な値を指定してください。

8.3.2.4 課金アプリケーションの作成

レポーティング機能が想定する一般的な課金方法は、レポートで出力する期間内にサーバが利用していたボリュームに対する利用料の請求でサーバ毎に集計します。
レポートファイルを課金アプリケーションで参照するには、サーバOSの管理者権限が必要です。

ボリュームの課金額の計算式は、以下のとおりです。

ボリュームの課金額 = 単価(a) × ボリュームの割当て容量(b) × ボリュームの割当て時間(c)

例として、RAIDレベルごとの単価は、以下のとおりとします。

RAIDレベル

1MBかつ1時間あたりの単価

RAID0

1円

RAID1

2円

RAID1+0

3円

RAID5

4円

RAID6

5円

RAID5+0

6円

サーバの課金額 = ボリュームごとの課金額の総和

サーバ単位に割り当てたボリュームの課金額を計算するには、例として以下の処理を行う課金アプリケーションを作成します(丸括弧内は要素名)。

foreach <サーバ情報(Servers)> {
  サーバへの課金額 = 0
  foreach <ETERNUS ディスクアレイ情報(DiskArrays)> {
    foreach <割当てボリューム情報(Volumes)> {
      RAID情報(RAIDGroup)からRAIDグループのタイプ(type)を取得
      取得したRAIDグループのタイプに従い料金表から単価を取得 … a
      ボリューム情報(Volume)からボリュームの割当て容量(capacity)を取得 … b
      ボリューム割当てに関する情報(Allocation)からボリュームの割当て時間を(end-startの差分)を取得 … c
      割当てボリュームの課金額 = a × b × c
      サーバへの課金額 += 割当てボリュームの課金額 }
  }
サーバへの課金額を出力
}

サーバ(ボリューム1とボリューム2が課金対象)の課金額を計算します。

ボリュームごとの条件は、以下のとおりです。

  • ボリューム1

    • RAIDレベル: RAID0(単価: 1円)

    • ボリュームの割当て容量: 100MB

    • ボリュームの割当て期間: 12/1 5:00~12/2 1:30 (計20.5時間)

  • ボリューム2

    • RAIDレベル: RAID6(単価: 5円)

    • ボリュームの割当て容量: 500MB

    • ボリュームの割当て期間: 12/10 11:00~12/10 14:00 (計3.0時間)

ボリュームごとの課金額は、以下のとおりです。

  • ボリューム1の課金額
    1(円) × 100(MB) × 21(時間) = 2,100(円)

  • ボリューム2の課金額
    5(円) × 500(MB) × 3(時間) = 7,500(円)

サーバの課金額は、以下のとおりです。

  • サーバの課金額
    2,100(円) + 7,500(円) = 9,600(円)