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ETERNUS SF Storage Cruiser 16.2 運用ガイド
FUJITSU Storage

8.3.1 設計

8.3.1.1 課金運用方針の決定

レポーティング機能を用いた課金業務の実現にあたって、課金の方針を検討します。検討する要件の例は、以下のとおりです。

以下の要件を基に、レポーティング機能の各種設定と課金アプリケーションの作成を行います。

8.3.1.2 ボリューム割当て期間の考え方

ボリューム割当て期間の考え方

レポーティング機能は、定期的に収集した情報からボリューム割当て期間を算出するため、実際にセンター利用者が割り当てたボリューム割当て期間とレポーティング機能が認識するボリューム割当て期間は異なります。基本的には、1つのボリュームの割当て期間は、サーバと接続してからサーバと切断するまでの期間とします。ただし、サーバと接続中のボリュームを構成する情報に変更があった場合は、別の新しいボリュームとして扱うため、この場合はボリュームが2つ出力されます(“ボリュームを構成する情報に変更”とは、「表8.2 要素が保持している属性」に書かれたHeader情報以外のどれかの要素に変更があった場合を指します)。ボリュームの構成ごとに出力することで、ボリュームの構成に応じた課金が可能です。

レポーティング機能が認識するボリューム割当て期間の利用開始日時・利用終了日時の定義は、以下のとおりです。

1日ごとに情報収集コマンドを実行した場合の例は、以下のとおりです。

レポーティング機能が認識するボリューム割当て期間は、以下のとおりです。

この例は、収集間隔を1日にしているため、最大で23時59分の誤差が発生します。情報収集間隔と誤差の関係は、「表8.1 収集間隔と収集される情報量による影響度」のとおりです。

表8.1 収集間隔と収集される情報量による影響度

情報収集間隔

蓄積情報量

レポート情報に反映される時間のずれ

長い

少ない

大きい

短い

多い

小さい

レポート出力期間内のボリューム割当て期間の考え方

レポートファイルには、レポート出力期間内のレポーティングが認識するボリューム割当て期間を基にレポート情報を出力します。ユーザーがレポート作成時に指定するレポート出力期間とレポーティングが認識するボリューム割当て期間が重なった箇所が、レポートファイルに出力されるボリューム割当て期間となります。

レポーティング機能が認識するボリューム割当て期間は、4/8~4/22です。以下のレポート出力期間の場合のレポートファイルに出力されるボリューム割当て期間は、以下のとおりです。

番号

レポート出力期間

レポートファイルに出力される
ボリューム割当て期間

備考

1)

4/1~4/7

なし

レポート出力期間がボリューム割当て期間から外れているため

2)

4/10~5/10

4/10~4/22

-

3)

4/1~5/1

4/8~4/22

-

8.3.1.3 レポート情報の保存期間の決定

レポート作成コマンドは、あらかじめポリシーで設定された保存期間を基に、その期間を越えた古い情報を情報蓄積ファイルから削除します。

まず、レポート情報をどのくらい保存しておくかを決定します。レポート情報の保存期間は以下の要因を基に決定します。

決定した保存期間は、ポリシーファイルに設定することで有効となります。

参照

保存期間の設定方法は、「8.3.2.2 ポリシーの設定」を参照してください。

注意

レポート情報の削除は、レポート作成コマンドの実行時に、ポリシーに設定された保存期間を基に削除します。そのため、情報蓄積ファイルのレポート情報が保存期間を過ぎてもレポート作成コマンドを実行しなければ、レポート情報は削除されません。