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Interstage List Works V10.4.0 帳票保管活用機能解説書(拡張パッケージ)
FUJITSU Software

4.9 ID印刷による保護

ID印刷による保護は、クライアントサーバ運用でリスト管理サーバの帳票を扱う場合に有効となります。ID印刷を行うかどうかは、帳票情報で設定します。

印刷者のユーザIDや印刷日時により、印刷された帳票に対する責任の所在を明確にすることができます。また、記入情報の有無を確認することにより、印刷物が不正に改ざんされていないかを確認できます。これにより、帳票を外部に持ち出すこと、および記入情報によってデータを改ざんしたように見せかけることを、抑止することができます。

 帳票情報については、“セットアップガイド”を参照してください。

ID印刷による保護は、以下の印刷における運用で有効なセキュリティ機能です。

ID印刷を行うと、List Worksから印刷した帳票に、「印刷者のユーザID」「印刷日時」「記入情報の有無」の順に、帳票の各ページに情報を出力します。複数ページを1枚の用紙に印刷した場合は、ページ数分、印刷IDが印刷されます。

印刷者のユーザID

帳票の各ページに、ユーザIDが印刷されます。サーバ名、ドメイン名などは印刷されません。印刷処理によって、印刷されるユーザIDが異なります。

ローカル印刷、およびリモート印刷の場合

リスト管理サーバにログオンして、ローカル印刷/リモート印刷を実行したユーザIDが印刷されます。

帳票の受信時、印刷フォルダに振り分けて自動印刷した場合(Windows版/Solaris版のみ)

運用形態によって、印刷されるユーザIDが異なります。印刷されるユーザIDは以下のとおりです。

運用形態

印刷されるユーザID

富士通ホスト帳票のFNA通信形態の分散印刷運用

富士通ホスト帳票のTCP/IP運用形態の分散印刷運用

[バッチジョブ出力の場合]
  JCLに指定したユーザIDが印刷されます。

[デマンド出力(PRTFILEコマンド)の場合]
  PRTFILEコマンドの投入者が印刷されます。

[オンラインアプリケーション出力(APS/DSP)、かつ応用プログラムから格納された場合]
  AIM.応用プログラム名が印刷されます。

[オンラインアプリケーション出力(APS/DSP)、かつワークステーションから格納された場合]
  AIM.ワークステーション名が印刷されます。

[オンラインアプリケーション出力(APS/DSP)、かつ格納元が特定できない場合]
  AIM(固定値)が印刷されます。

富士通ホスト帳票のファイル転送運用

帳票登録コマンドを実行したユーザ名が印刷されます。

一般アプリ帳票

帳票情報で指定した作成者名が印刷されます。作成者名が指定されていない場合は、アプリケーションサーバにログインしているユーザ名で印刷されます。

List Creator帳票

NetCOBOL/MeFt帳票

IBMビジネスサーバ帳票

帳票情報で指定した作成者名が印刷されます。作成者名が指定されていない場合はList Worksサービスのログインアカウントが印刷されます。


リモート印刷の開始/再開をした場合<Windows版のみ>

リスト管理サーバにログオンして、リモート印刷の開始/再開をしたユーザIDが印刷されます。


印刷日時

印刷処理を開始した日時を「YYYY/MM/DD HH:MM:SS」の形式で、すべてのページに印刷します。リモート印刷の開始/再開を行った場合、リモート印刷を開始/再開した日時を、すべてのページに印刷します。


記入情報の有無

記入情報が存在するページには「記入あり」が、記入情報がないページには「記入なし」と印刷されます。List Worksクライアントの【ページ設定】の「印刷項目」、またはWeb連携の環境設定ファイル(ListPrint.properties)において、存在する記入情報が印刷しない項目として設定されている場合は、「記入なし」と印刷されます。


印刷結果

ユーザID「List Works」が、2006年3月18日 15時00分00秒に記入情報があるページを、印刷位置を「左上」に指定して印刷した場合の例

注意

  • マイ コンピュータの帳票については、ID印刷を行うことはできません。マイコンピュータの帳票に対しては、以下の方法によりセキュリティを確保することを奨励します。

    • 帳票のアクセス権によって、マイ コンピュータへの複写、名前を付けて保存、ファイリング、PDF表示/PDF保存などの帳票操作を抑止する

    • エリアIDや暗証番号の設定を行う

  • PDF表示/保存された帳票については、ID印刷を行うことはできません。
    Linux版では、PDF変換後の帳票も、ID印刷を行えません。

  • List Works V7.0以前から移行した帳票や、ID印刷を指定しないで登録した帳票については、ID印刷を行うことはできません。また帳票を登録後に、ID印刷情報を変更することもできません。ID印刷による保護を行う場合は、登録時にID印刷をするように帳票情報で設定してください。

  • Linux版の場合、PDF形式に変換するときに、ID印刷を行うことはできません。

  • Linux版の場合、ID印刷の情報が設定された帳票に対して、選択範囲の印刷、および検索結果の行一覧/表形式の一覧の印刷を行うと、エラーとなります。

  • ID印刷の情報が指定された帳票に対して印刷を実行した場合、以下の機能については、印刷そのものが抑止されます。

    • ローカル印刷での検索結果の行一覧の印刷

    • ローカル印刷での表形式一覧の印刷

    • ローカル印刷での選択範囲の印刷


ポイント

  • Linux版では、リモート印刷時にID印刷を行うことはできません。帳票のアクセス権でリモート印刷を抑止することにより、帳票のセキュリティを確保することを推奨します。

  • 印刷開始原点は(0,0)と見なし、プリンタの印刷禁止域を除いた位置からID印刷します。

  • 連結表示した帳票を印刷した場合、連結対象の帳票にID印刷を指定した帳票が1つでもあれば、連結されたすべての帳票に対して、ID印刷されます。

  • 帳票情報の「ユーザIDの印刷指定」「印刷日時の印刷指定」「記入情報の有無の印刷指定」については、論理和で扱われます。「ユーザIDの印刷指定」「印刷日時の印刷指定」「記入情報の有無の印刷指定」以外の帳票情報については、連結表示した帳票で、かつ最初に設定されているID印刷関連の帳票情報が適用されます。

    以下に例を示します。
    例)下記の帳票を、A帳票、B帳票、C帳票の順に連結する場合
    A帳票:ID印刷を行わない
    B帳票:「記入情報の有無の印刷指定」が有効
    C帳票:「ユーザIDの印刷指定」「印刷日時の印刷指定」が有効

    A帳票、B帳票、およびC帳票を連結表示して印刷した場合、「印刷者のユーザID」「印刷日時」「記入情報の有無」がID印刷される。
    「印刷者のユーザID」「印刷日時」「記入情報の有無」以外のID印刷関連の帳票情報は、B帳票の帳票情報が適用される。

  • 「ユーザIDの印刷指定」「印刷日時の印刷指定」「記入情報の有無の印刷指定」以外の帳票情報については、連結表示した帳票で最初にID印刷を行う

  • リストビューアで印刷プレビューを行った場合、印刷プレビューを操作した日時が、ID印刷の印刷日時として表示されます。

ポイント

フォントについて

  • 印刷IDはページ設定の「印刷倍率」に従って、拡大/縮小されて印刷されます。

  • ID印刷の文字は最前面に印刷されます。

  • 間違ったフォント名、クライアント端末に存在しないフォント名を指定した場合は、「MSゴシック」で印刷されます。