アプリケーションを実行するためには、以下のパラメタの設定が必要です。
アプリケーションの接続先のサーバ、サーバとの接続時間やサーバからのデータ待ち時間、通信データを暗号化した場合のCA証明書ファイルなど、アプリケーションの接続や通信に関するパラメタを設定します。以下の実行パラメタを設定します。
なお、CA証明書ファイルは、データベース管理者が認証局に発行手続きを行って取得後、アプリケーションを開発および実行するマシンに配布されます。
注意
DEFAULT_CONNECTIONおよびSERVER_SPECは、埋込みSQL連携の場合のみ設定することができます。
接続するデータベースに対するアクセス方法により、指定形式が異なります。
ローカルアクセスの場合
DEFAULT_CONNECTION = ([RDBシステム名.]データベース名)
リモートアクセスの場合
DEFAULT_CONNECTION = (SQLサーバ名,認可識別子,パスワード)
アプリケーションにCONNECT文を記述しない場合
CONNECT文にキーワード“DEFAULT”を指定した場合
CONNECT文のユーザ指定を省略した場合
サーバがマルチRDB運用をしている場合に結合するRDBシステム名を指定します。省略した場合は、環境変数RDBNAMEに設定されたRDBシステム名が指定されたとみなします。
接続するデータベース名を指定します。
接続するSQLサーバ名を指定します。
OSのログイン名、または、CREATE USER文で登録されている利用者名を指定します。
OSのパスワード、または、CREATE USER文で登録されているパスワードを指定します。
以下の場合、ログイン名およびパスワードの指定は不要です。
この場合、実行時のログイン名および実行時のパスワードが使用されます。
ローカルアクセスの場合
接続先ホスト名に自端末のIPアドレス、自端末のホスト名、“localhost”またはループバックアドレスを指定したリモートアクセスの場合
ログイン名およびパスワードは、各サーバでは以下のように扱われます。
ログイン名
ログイン名のパスワード
ユーザ名(ログオン名)
ユーザ名のパスワード
SERVER_SPEC = (通信方法,SQLサーバ名,データ資源名,ホスト名,ポート番号[,[接続サーバ種別]])
CONNECT文でSQLサーバ名を指定した場合、サーバとの通信状態を確立するために必要な情報を記述します。このため、CONNECT文で接続するSQLサーバ名は、アプリケーションの実行時にすべてSERVER_SPECに記述しておく必要があります。ローカルのデータベースだけにアクセスする場合は、この実行パラメタは指定しません。
リモートアクセスの通信方法として、以下のどちらかを選択します。
RDB2_TCP: TCP/IP通信を行います。通信データを暗号化しない場合に指定します。
RDB2_TCPS:TCP/IP(SSL)通信を行います。通信データを暗号化する場合に指定します。
データベース簡単運用では、通信データの暗号化はできません。
リモートアクセスで使用するポート番号を指定します。
Symfoware Serverのバージョンレベルや対象のプラットフォームによって、デフォルトのポート番号が異なります。サーバ側で定義されているポート番号を確認の上、指定してください。
参照
ポート番号の詳細については、“アプリケーション開発ガイド(埋込みSQL編)”を参照してください。
以下のどちらかを選択します。ただし、通信データを暗号化する場合には、OPENのみが指定できます。また、省略した場合は、OPENが指定されたものとみなします。
OPEN: Solaris、Linux、Windows(R)上のSymfoware/RDBと接続する場合に指定します。
GS: グローバルサーバ上のSymfoware/RDBと接続する場合に指定します。
注意
通信データを暗号化する場合、システム用の動作環境ファイルのパラメタ指定が必要です。詳細は、“セットアップガイド”を参照してください。
SSL_CLI_CA_CERT_FILE = (SQLサーバ名,CA証明書ファイル名)
サーバ認証で使用する認証局(Certificate Authority: CA)証明書ファイルの配置先を指定します。
通信データを暗号化しない場合に本パラメタを設定するとエラーになります。
SERVER_SPECで指定したSQLサーバ名を指定します。
CA証明書のファイル名を絶対パスで指定します。
指定できるファイル形式は、PEM形式のみです。
TRAN_TIME_LIMIT = (最大トランザクション実行時間)
1つのトランザクションで使用可能な時間を指定します。
指定時間を経過した場合には、トランザクションをロールバックして、接続中のコネクションを切断します。
本実行パラメタの設定は、“表B.1 動作環境ファイルのパラメタ一覧”の優先順位に従います。いずれの動作環境ファイルにも本実行パラメタが指定されなかった場合、以下の値が設定されます。
TRAN_TIME_LIMIT = (0)
最大トランザクション時間を、0~32767の範囲で指定します。単位は秒です。0を指定すると無制限になります。
アプリケーションを実行するためには、ソート処理用の領域や作業用の領域など、資源に関するパラメタの設定が必要です。以下のパラメタを設定します。
SORT_MEM_SIZE = (メモリサイズ)
ソート処理のために作業用ソート領域としてサーバ側で使用するメモリの大きさを指定します。この領域は、RDBプロセスのローカルメモリにセション単位に獲得されます。
ソート処理のデータ量がSORT_MEM_SIZEに指定した値を超えると、二次記憶の作業用ソート領域にデータを書き出し、書き出したデータのソートを行います。このとき、二次記憶からのソートデータの読み込み回数はソートデータの全体量とSORT_MEM_SIZEに指定した値に依存します。このため、ソートデータの全体量に応じて、SORT_MEM_SIZEに指定する値を見積もってください。
ソート処理のデータ量がSORT_MEM_SIZEに指定した値の1万倍以上になると、ソート処理で必要なメモリが不足し、「JYP2221E 実行時の制限値を超えました.code:“4”」のエラーとなる場合があります。ただし、メモリ上の作業域の必要最低限なサイズは、作業用ソート領域へのレコードの格納順に依存するため、SORT_MEM_SIZEに指定した値の1万倍は目安となります。
本実行パラメタの設定は、“表B.1 動作環境ファイルのパラメタ一覧”の優先順位に従います。いずれの動作環境ファイルにも本実行パラメタが指定されなかった場合、以下の値が設定されます。
SORT_MEM_SIZE = (2112)
サーバ側で使用するメモリの大きさを64~2097150の範囲で指定します。単位はキロバイトです。
WORK_ALLOC_SPACESIZE = ([初期量][,[増分量][,[最大量][,[保持指定]]]])
作業用ソート領域および作業用テーブルとしてサーバ側で使用するファイルサイズの初期量、増分量、最大量、保持指定を指定します。
本実行パラメタの設定は、“表B.1 動作環境ファイルのパラメタ一覧”の優先順位に従います。いずれの動作環境ファイルにも本実行パラメタが指定されなかった場合、以下の値が設定されます。
WORK_ALLOC_SPACESIZE = (10000,50000,WORK_PATHで指定したパス名のディスク容量,HOLD)
初期量、増分量、最大量、保持指定のいずれかの値が省略された場合は、その値のデフォルト値が指定されたものとみなします。
以下に指定例を示します。
WORK_ALLOC_SPACESIZE = (10000,50000)
WORK_ALLOC_SPACESIZE = (,50000,100000)
作業用ソート領域および作業用テーブルとして外部ファイルを作成する場合の初期量を5000~1000000の範囲で指定します。省略した場合は10000が指定されたものとみなします。単位はキロバイトです。
作業用ソート領域および作業用テーブルとして作成した外部ファイルを拡張する場合の増分量を1000~1000000の範囲で指定します。省略した場合は、50000が指定されたものとみなします。単位はキロバイトです。
作業用ソート領域および作業用テーブルとして作成する外部ファイルの最大量を5000~33553408の範囲で指定します。省略した場合は、WORK_PATHで指定したパス名のディスク容量が指定されたものとみなします。単位はキロバイトです。
以下の中から1つを選択します。省略した場合は、HOLDが指定されたものとみなします。
FREE:初期量として獲得した作業用ソート領域および作業用テーブルの外部ファイルは、DISCONNECT文の実行時に解放します。
拡張量として獲得した作業用ソート領域および作業用テーブルの外部ファイルは、その領域を使用したSQL文の実行完了時に解放します。
HOLD:作業用ソート領域および作業用テーブルとして作成した外部ファイルは、DISCONNECT文の実行時に解放します。
WORK_MEM_SIZE = (メモリサイズ)
作業用テーブルとしてサーバ側で使用するメモリの大きさを指定します。この領域は、RDBプロセスのローカルメモリにセション単位に獲得されます。
本実行パラメタの設定は、“表B.1 動作環境ファイルのパラメタ一覧”の優先順位に従います。いずれの動作環境ファイルにも本実行パラメタが指定されなかった場合、以下の値が設定されます。
WORK_MEM_SIZE = (128)
サーバ側で使用するメモリの大きさを64~2097150の範囲で指定します。単位はキロバイトです。
WORK_PATH = (パス名[,パス名]・・・)
サーバ側で使用するソート作業域、作業用テーブル域の獲得先ディレクトリを指定します。“Symfoware/RDBを起動するユーザID”および“RDBコマンドを実行するユーザID”には、指定するディレクトリへの書込み権が必要です。
本実行パラメタの設定は、“表B.1 動作環境ファイルのパラメタ一覧”の優先順位に従います。いずれの動作環境ファイルにも本実行パラメタが指定されなかった場合、以下の値が設定されます。
WORK_PATH = (/var/tmp)
WORK_PATH = (Symfoware/RDBがインストールされているディレクトリ\TMP)
作業用ソート領域および作業用テーブルの見積りについては“C.1 ソート作業域の見積り”を参照してください。
獲得先ディレクトリを指定します。
アプリケーションのデバッグおよび性能分析に関する設定を行うために、以下の実行パラメタを設定します。
ROUTINE_SNAP=({ON|OFF},ファイル名[,出力レベル])
ROUTINE_SNAP機能を利用するかどうかを指定します。
ROUTINE_SNAP機能は、SQL手続き文の実行情報をファイルに出力する機能です。
本実行パラメタの指定を省略した場合は、以下の値が設定されます。
ROUTINE_SNAP = (OFF)
参照
ROUTINE_SNAP機能の詳細および使用方法については、“アプリケーション開発ガイド(埋込みSQL 編)”の“アプリケーションのデバッグ”を参照してください。
ROUTINE_SNAP機能を利用する場合に指定します。
ROUTINE_SNAP機能を利用しない場合に指定します。
SQL手続き文の実行情報の出力先のサーバ側のファイル名を、絶対パスで指定します。指定されたファイルがすでに存在する場合は、情報を追加して出力します。
複数のアプリケーションが動作する場合は、クライアント用の動作環境ファイルの実行パラメタ(DIV_TRACE_FILE)の指定により、出力ファイル名の後にプロセスIDなどの情報を付加して、個別のトレース情報を出力します。
アプリケーションがマルチスレッド環境で動作する場合は、DIV_TRACE_FILEの指定に関係なく、出力ファイル名の後にプロセスIDやセションIDなどの情報を自動的に付加して、個別のトレース情報を出力します。
出力する情報のレベルとして、1または2を指定します。省略した場合は、2が指定されたものとみなします。
参照
出力レベルの指定と出力情報の対応については、“アプリケーション開発ガイド(埋込みSQL編)”の“ROUTINE_SNAP機能の利用方法”を参照してください。
SQL_SNAP = ({ON | OFF}[,[スナップファイル名][,[出力レベル][,[繰り返し幅]]]])
SQL_SNAP機能を利用するかどうかを指定します。
SQL_SNAP機能は、アプリケーションが実行したSQL文の情報をファイルに出力する機能です。
本実行パラメタの指定を省略した場合は、以下の値が設定されます。
SQL_SNAP = (OFF)
参照
SQL_SNAP機能の詳細および使用方法については、“アプリケーション開発ガイド(埋込みSQL編)”の“アプリケーションのデバッグ”を参照してください。
注意
本機能の利用は性能に影響を与えるため、デバッグ作業が終了したら、本実行パラメタの設定をOFFにしてください。
また、格納データを暗号化している場合でも、スナップファイル内の情報は暗号化されません。そのため、デバッグ作業が終了したら、本実行パラメタの設定をOFFにしてください。
SQL_SNAP機能を利用する場合に指定します。
SQL_SNAP機能を利用しない場合に指定します。
SQL_SNAP機能が出力するSQL文の実行情報の出力先ファイル名を指定します。ファイル名を省略した場合は、アプリケーションのファイル名の拡張子を“.SNP”に変更したものとなります。ファイル名にディレクトリの指定がない場合は、カレントディレクトリが指定されたものとみなします。指定されたファイルがすでに存在する場合は、情報を追加して出力します。
複数のアプリケーションが動作する場合は、クライアント用の動作環境ファイルの実行パラメタ(DIV_TRACE_FILE)の指定により、出力ファイル名の後にプロセスIDなどの情報を付加して、個別のトレース情報を出力します。
アプリケーションがマルチスレッド環境で動作する場合は、DIV_TRACE_FILEの指定に関係なく、出力ファイル名の後にプロセスIDやセションIDなどの情報を自動的に付加して、個別のトレース情報を出力します。
出力する情報のレベルとして、1、2、PRC1、PRC2のいずれかを指定します。省略した場合は、2が指定されたものとみなします。
参照
出力レベルの指定と出力情報の対応については、“アプリケーション開発ガイド(埋込みSQL編)”の“SQL_SNAP機能の利用方法”を参照してください。
出力する情報の繰り返し幅を、1から32767の範囲で指定します。1つのSQL文の出力を1とします。繰り返し幅を指定した場合は、その幅でサイクリックに情報を出力します。省略した場合は、先頭からの情報をすべて出力します。
ACCESS_PLAN = ({ON | OFF},ファイル名[,[出力レベル][,[SQLアドバイザ出力レベル]]])
アプリケーション単位でアクセスプランを取得するかどうかを指定します。
本実行パラメタの指定を省略した場合は、以下の値が設定されます。
ACCESS_PLAN = (OFF)
アクセスプランについては、“3.1 アクセスプラン”を参照してください。
アクセスプラン取得機能を利用する場合に指定します。
アクセスプラン取得機能を利用しない場合に指定します。
出力先のサーバ側のファイル名を、絶対パスで指定します。指定されたファイルがすでに存在する場合は、情報を追加して出力します。
また、指定するパスが存在することと、CONNECT文で指定したユーザIDに対する書込み権があることを確認してください。
出力レベルには1または2を指定します。1を指定すると、アクセスプランのセクション情報のみを出力します。2を指定すると、セクション内の各エレメント詳細情報も出力します。省略した場合は、2が指定されたものとみなします。
SQLアドバイザ出力レベルには、“ADVICE”または“NOADVICE”を指定します。“ADVICE”を指定すると、SQL文に対するアドバイスを出力します。“NOADVICE”を指定すると、SQL文に対するアドバイスを出力しません。省略した場合は、“ADVICE”が指定されたものとみなします。
SQL_TRACE = ({ON | OFF},性能情報ファイル名[,出力レベル])
アプリケーション単位でSQL性能情報を取得するかどうかを指定します。
本実行パラメタの指定を省略した場合は、以下の値が設定されます。
SQL_TRACE = (OFF)
SQL性能情報取得機能を利用する場合に指定します。
SQL性能情報取得機能を利用しない場合に指定します。
出力先のサーバ側のファイル名を、絶対パスで指定します。指定されたファイルがすでに存在する場合は、情報を追加して出力します。
複数のアプリケーションが動作する場合は、クライアント用の動作環境ファイルの実行パラメタ“DIV_TRACE_FILE”の指定により、出力ファイル名の後にプロセスIDなどの情報を付加して、個別のトレース情報を出力します。
アプリケーションがマルチスレッド環境で動作する場合は、DIV_TRACE_FILEの指定に関係なく、出力ファイル名の後にプロセスIDやセションIDなどの情報を自動的に付加して、個別のトレース情報を出力します。
出力レベルには1または2を指定します。1を指定すると、DSOごとに集計された性能情報を出力します。2を指定すると、DSI単位の情報までも出力します。
データベース簡単運用の場合は、表またはインデックスに関する情報が出力されます。出力レベルによる出力内容に違いはありません。
省略した場合は、2が指定されたものとみなします。
参照
出力レベルによる、出力内容の詳細については、“SQLTOOLユーザーズガイド”の“実行エレメント情報”を参照してください。