クラスタシステムで管理サーバを運用する場合の環境設定について説明します。
注意
共存サーバに対してクラスタシステムの環境設定を行わないでください。
管理サーバとして運用するサーバへのInterstageのインストールは、スタンドアロンサーバとして運用する場合と同様です。「4.2.1 Interstageのインストール」を参照してInterstageをインストールしてください。
注意
クラスタ環境では、Interstage管理コンソールの制御を引継ぎません。必ず運用ノードの切替え後、Interstage管理コンソールに再ログオンしてください。
クラスタシステム上で管理サーバを運用する場合、その同一サーバではInterstage Application Serverのサーバ機能を使用できません。Interstage Application Serverのサーバ機能をインストールしないでください。
Interstageのインストール後は、Interstageを構成するサービスが、マシン起動時に自動的に起動される設定となります。
クラスタ環境では、マシン起動時にクラスタ製品がInterstageを起動しますので、Interstage独自の自動起動設定を無効化する必要があります。
以下に、無効化のための作業手順を説明します。
作業手順
以下のサービスの「スタートアップの種類」を確認し、「自動」が設定されている場合は「手動」に変更します。
以下のサービスの状態を確認し、「開始」している場合には、サービスを停止します。
FJapache
Interstage JServlet(OperationManagement)
Interstage Operation Tool
Interstage Operation Tool(FJapache)
Interstage Directory Service(リポジトリ名)
注) リポジトリを作成した場合に登録されます。
INTERSTAGE
注意
上記サービスでインストールされていないものについては、対処不要です。
作業手順
Interstageパッケージインストール後には、サーバ起動時に呼び出されるスタートシェルとサーバ停止時に呼び出されるストップシェルがシンボリックリンクファイルとして格納されています。クラスタを使用する場合は、当該シェルが呼び出されないように、別ディレクトリなどに退避します。
以下のファイルが格納されている場合、退避してください。
格納先ディレクトリ | 退避対象ファイル(スタートシェル、ストップシェル) |
---|---|
/etc/rc0.d | K00FJSVirep、K17FJapache |
/etc/rc1.d | K17FJapache |
/etc/rc2.d | S99FJSVirep、K17FJapache、S99FJSVjs2su、S99isstartoptool、S95isjmxstart |
/etc/rc3.d | S51FJapache、S99FJSVjs2su |
/etc/rcS.d | K17FJapache |
(RHEL5/RHEL6)
以下のファイルが格納されている場合、退避してください。
格納先ディレクトリ | 退避対象ファイル(スタートシェル、ストップシェル) |
---|---|
/etc/rc0.d | K18FJSVirep、K14FJapache |
/etc/rc1.d | K18FJSVirep、K14FJapache |
/etc/rc2.d | S82FJSVirep、S86FJapache |
/etc/rc3.d | S82FJSVirep、S86FJapache |
/etc/rc4.d | S82FJSVirep、S86FJapache |
/etc/rc5.d | S82FJSVirep、S86FJapache |
/etc/rc6.d | K18FJSVirep、K14FJapache |
(RHEL7)
以下のサービスについて自動起動/自動停止をしない設定にしてください。設定方法については、「運用ガイド(基本編)」の「RHEL7でのサービス自動起動/自動停止」を参照してください。
Interstage HTTP Server
Interstage ディレクトリサービス
クラスタシステムで管理サーバを運用する場合のクラスタシステムの事前設定について説明します。
共用ディスク装置の設定
クラスタシステムで管理サーバを運用する場合、Interstageの環境設定時に共用ディスク装置が必要となります。
クラスタサービス(PRIMECLUSTERではuserApplication)に共用ディスクを登録し、Interstageの環境設定時にファイルシステムとして使用できるようにしてください。
業務構成管理のリポジトリ
共用ディスク上の専用パスに業務構成管理のリポジトリを用意します。共用ディスクに業務構成管理のリポジトリを用意したディレクトリを設定する方法については、管理サーバに関する「4.3.1.4 Interstageの環境設定」を参照してください。
例
MD E:\jmx\repository
mkdir /jmx/repository
Interstage ディレクトリサービス
Interstage管理コンソールのログインユーザを管理するリポジトリにディレクトリサービスを使用する場合は、共用ディスクにInterstage ディレクトリサービス専用のパスを用意します。
例
MD E:\irep\repository
mkdir /irep/repository
注意
業務構成管理のリポジトリとログインユーザを管理するリポジトリは、異なる場所を指定してください。
ネットワーク(IPアドレス)の設定
クラスタシステム上で管理サーバを運用する場合は、IPアドレスを設定する必要があります。IPアドレスの設定は、スタンドアロンサーバとして運用する場合と同じです。「ネットワーク(IPアドレス)の設定」を参照してIPアドレスを設定してください。
ノード名に関する注意事項
ノード名に関する注意事項は、スタンドアロンサーバとして運用する場合と同じです。「ノード名に関する注意事項」を参照してください。
クラスタシステムで管理サーバを運用する場合のInterstageの環境設定について説明します。
1. クラスタサービス(userApplication)の起動
クラスタサービス(userApplication)の起動は、スタンドアロンサーバとして運用する場合と同じです。「クラスタサービス(userApplication)の起動」を参照して、クラスタサービス(userApplication)を起動します。
2. ノード1に業務構成管理のリポジトリを作成
ノード1に業務構成管理のリポジトリを作成します。
Interstage管理コンソールの統合管理タブを使用して、以下の手順で作成します。
Interstage管理コンソールにログインします。
ツリー画面で統合管理タブを選択します。
以下の画面に移動します。
[統合管理] > [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [構成管理]
「リポジトリの格納先」を共用ディスクに変更します。
「適用」ボタンを押下します。
3. ノード1のInterstage管理コンソールのログインユーザを管理するリポジトリの構築
ログインユーザを管理するリポジトリにディレクトリサービスを使用する場合は、ノード1にInterstage ディレクトリサービスを構築します。
Interstage ディレクトリサービスの構築は、スタンドアロンサーバとして運用する場合と同じです。「4.2.4.4.11 Interstage ディレクトリサービスを使用する場合」を参照してInterstage ディレクトリサービスを構築してください。
ディレクトリサービスを使用したユーザリポジトリの作成方法については、「運用ガイド(基本編)」の「Interstage管理コンソールによるInterstage運用」-「ログインユーザの権限」を参照してください。
4. ノード1のInterstage資源のバックアップ
以下のサービスのInterstage資源をバックアップします。バックアップの詳細については、「マルチサーバ運用ガイド」の「マルチサーバの運用」の「バックアップ/リストア」を参照してください。
Interstage管理コンソールの資源ファイル
Interstage JMXサービスの資源ファイル
Interstage ディレクトリサービスの資源(ログイン認証にディレクトリサービスを使用する場合)
5. ノード2へInterstage資源の移入
手順4.でバックアップした資源をノード2へ移入します。移入の詳細については、「マルチサーバ運用ガイド」の「マルチサーバの運用」の「バックアップ/リストア」を参照してください。
ログインユーザを管理するリポジトリにディレクトリサービスを使用する際の、Interstage ディレクトリサービスの資源の移入については、「4.2.4.4.11 Interstage ディレクトリサービスを使用する場合」を参照してください。
注意
ノード1で以下の操作を行った場合、「4. ノード1のInterstage資源のバックアップ」から再度実行して、ノード1の資源をノード2に移入してください。
Interstage管理コンソール動作環境のカスタマイズを行った場合
詳細については、「運用ガイド(基本編)」の「Interstage管理コンソール動作環境のカスタマイズ」を参照してください。
Interstage管理コンソールのログイン認証方法を変更した場合
詳細については、「運用ガイド(基本編)」の「ログインユーザの権限」を参照してください。
管理サーバをクラスタシステムで運用する場合のクラスタサービスの設定は、スタンドアロンサーバとして運用する場合と同じです。「4.2.5 クラスタサービスの設定」を参照して、以下のサービスを設定してください。
Interstage JMXサービス
Interstage ディレクトリサービスのサービス(ログイン認証にディレクトリサービスを使用する場合)