Interstageの分散トランザクション機能は、Systemwalker Resource Coordinatorとの連携により、トランザクション障害を自動的にリカバリすることができます。
本機能を使用するためには、以下の作業を実施する必要があります。
注意
本機能を使用するには、リソースマネージャがクラスタリング環境で構成されている必要があります。
ServerView Resource Coordinator VEまたはServerView Resource Orchestratorと連携して、本機能を使用することはできません。
業務システムの構築
対象となる業務システムを構築してください。
注意
リソース管理プログラムの配置先のフルパスにダブルクォーテーション(")、カンマ(,)は使用できません。
業務システム情報定義ファイルの設定
Systemwalker Resource Coordinatorのサービス階層間イベント配送機能にリソースマネージャダウン時のイベントを登録する必要があります。Interstageでは、分散トランザクション機能を利用する場合のイベント登録時に使用するスクリプトとスクリプトの動作定義ファイル(業務システム情報定義ファイル)を提供しています。
トランザクションサービスにOTSを利用する場合は、OTSシステム用業務システム情報定義ファイルとOTSアプリケーション用業務システム情報定義ファイル、JTSを利用する場合は、OTSシステム用業務情報定義ファイルとJ2EEアプリケーション用業務システム情報定義ファイルに設定してください。
OTSシステム用業務システム情報定義ファイル
/opt/FSUNots/etc/otssysevent.def
/opt/FJSVots/etc/otssysevent.def
OTSアプリケーション用業務システム情報定義ファイル
/opt/FSUNots/etc/otsevent.def
/opt/FJSVots/etc/otsevent.def
J2EEアプリケーション用業務システム情報定義ファイル
/opt/FSUNots/etc/jtsevent.def
/opt/FJSVots/etc/jtsevent.def
ここでは、スクリプトの動作を決定する業務システム情報定義ファイルの項目について説明します。
定義ファイルには記述する項目は以下があります。
OTSシステムのトランザクション処理閉塞の振る舞いを指定(factory_quemode : OTSシステム用業務システム情報定義ファイル)
業務システムで利用しているリソース管理プログラムとリソース定義名の指定(resource : OTSアプリケーション用業務システム情報定義ファイル)
業務システムで利用しているワークユニットの指定(workUnit : OTSアプリケーション用業務システム情報定義ファイル、J2EEアプリケーション用業務システム情報定義ファイル)
OTSシステムのトランザクション処理閉塞の振る舞いの指定
リソースマネージャダウンのイベントが通知された場合、トランザクションのリカバリが完了するまで、トランザクション開始要求を受け付けないようにする必要があります。
そのため、OTSシステムのトランザクション処理を閉塞するが、その際の振る舞いを選択する必要があります。選択できる振る舞いは以下のとおりです。
トランザクション開始の受付を行わない。トランザクション開始要求をエラーとする。
factory_quemode = que
トランザクション開始の受付を行わない。トランザクション開始要求は受け付けるが、処理は待ちとなります。
factory_quemode = dsp
注意
isinit type2 でトランザクションサービスのセットアップを実施している場合、factory_quemodeにqueを指定すると、Interstageが停止処理が動作しますので、dspを指定してください。Interstage管理コンソール、otssetupコマンドを使用してトランザクションサービスのセットアップを実施した場合は、どちらの指定も可能です。
リソース管理プログラムとリソース定義名の指定
トランザクションのリカバリを実施するためには、リソース管理プログラムを再起動する必要があります。OTSアプリケーション用業務システム定義ファイルに対象となるリソース管理プログラムとリソース定義名を指定することでイベント発生後にリソース管理プログラムの再起動を自動で行います。
トランザクションサービスにJTSを使用している場合は、指定を行う必要がありません。
resource = "/tmp/otsrmp1",rsc1 resource = "/tmp/otsrmp2",rsc2
注意
リソース管理プログラムのパスはダブルクォーテーションで括って指定してください。
リソース管理プログラムのパスとリソース定義名はカンマ(,)で区切ってください。
複数指定する場合は、複数行で指定してください。
ワークユニットの指定
業務システムがリソースマネージャとトランザクション連携用の接続を復旧するためには、ワークユニットの再起動を行う必要があります。業務システムに存在するワークユニット名を指定することで、イベント発生後にワークユニットの再起動を自動で行います。
workUnit = WU001,WU002 workUnit = WU003
注意
複数指定する場合は、カンマ(,)で区切ってください。複数行で指定することも可能です。
Systemwalker Resource Coordinatorへのスクリプト登録
サービス階層間イベント配送の登録を行います。登録するスクリプトは以下です。
トランザクションサービスにOTSを使用している場合は、OTSシステム用とOTSアプリケーション用のスクリプトを、JTSを利用している場合は、OTSシステム用とJ2EEアプリケーション用のスクリプトを登録してください。
トランザクション処理閉塞用スクリプト
/opt/FSUNots/program/swrc/otssysdeactivate.sh
/opt/FJSVots/program/swrc/otssysdeactivate.sh
トランザクション処理閉塞解除用スクリプト
/opt/FSUNots/program/swrc/otssysactivate.sh
/opt/FJSVots/program/swrc/otssysactivate.sh
OTSアプリケーション用スクリプト
/opt/FSUNots/program/swrc/otseventrecover.sh
/opt/FJSVots/program/swrc/otseventrecover.sh
J2EEアプリケーション用スクリプト
/opt/FSUNots/program/swrc/jtseventrecover.sh
/opt/FJSVots/program/swrc/jtseventrecover.sh
Systemwalker Resource Coordinatorへの登録方法
サーバファームリソース管理画面のツリーまたはリストでサービスグループを選択し、メニューから[操作]-[イベント連携]を選択するとイベント配送の管理画面が表示されます。
登録方法の詳細については、「Systemwalker Resource Coordinator ユーザーズガイド」を参照してください。