アプリケーションからの要求でネットワーク通信が発生する以下の機能について応答時間に影響する時間監視機能と、その各時間監視機能の相関関係を説明します。
応答時間に影響する時間監視機能以外の、不当に残存したオブジェクトを解放する無通信時間を監視する機能(コネクションプーリング機能など)については、各機能説明を参照してください。
時間監視機能により異常を検出するまでの時間をタイムアウト時間と呼び、タイムアウト時間を超過したことにより異常を検知することをタイムアウトと呼びます。
タイムアウトによる異常を検出して呼び出し元で処理を中断するか再実行するかなどの判断を行うため、タイムアウト時間は呼び出し元に近いほど大きな値に設定するのが一般的です。
相関関係の図において実線は処理の流れを表します、点線は時間監視機能の監視間隔を表します。
緑色の部分がアプリケーションの処理部分です。
HTTP通信
※1 HTTPリスナー/Webコンテナに接続されてからリクエストの処理が開始するまでの待機時間です。詳細は以下を参照してください。
監視対象となる時間 | 時間監視機能 | 説明 |
---|---|---|
(a) | Webサーバコネクタの送受信タイムアウト <設定方法>
| WebサーバコネクタがHTTPリスナー/Webコンテナとの間でデータパケットを送受信するときの待機時間を監視します。 注) |
(b) | HTTPリスナーのタイムアウト <設定方法>
| HTTPリスナー/Webコンテナがクライアントからのデータパケットを受信するときの待機時間を監視します。 |
(c) | アプリケーション最大処理時間 <設定方法>
| ユーザアプリケーションの呼び出しからレスポンス送信までの処理時間を監視します。 |
ポイント
以下の現象が頻繁に発生する場合、対処方法を行うことで回避できる可能性があります。
回避できない場合は、サーバの処理能力を超えている可能性があります。
サーバの増設または、より性能の良いサーバへのリプレースを検討してください。
現象:WebサーバコネクタのログにIJServer12035、IJServer12044が出力される
対処方法:(a)の設定値を大きくする
現象:イベントログ/システムログにISJEE_OM1005、またはISJEE_OM1020が出力される
対処方法:(c)の設定値を大きくする
注意
以下の条件に該当する場合、プロセスが強制停止します。
(b) > (c) に設定した、かつ
プロセス制御の定義項目 [アプリケーション最大処理時間超過時の制御]を"true"に設定した、かつ
相関関係図における“リクエストのメッセージボディの送信”が(c)の設定値を超えても完了しなかった場合
IIOP通信
時間監視間隔 | 時間監視機能 |
---|---|
(a) | IIOP接続の待機時間監視機能 |
(b) | IIOP通信ソケットの送受信待機時間監視機能 |
(c) | IIOP通信時のサーバメソッド復帰時間監視機能 |
(d) | アプリケーションの最大処理時間監視機能 |
(e) | IIOP通信クライアントの無通信監視機能 |
トランザクションとデータベースアクセス
時間監視間隔 | 時間監視機能 |
---|---|
(a) | EJBコンテナのトランザクション完了時間監視機能 |
(b) | トランザクションサービスのトランザクションタイムアウト |
(c) | JDBC接続プールの最大待ち時間 |
(d) | JDBC接続プールの文のタイムアウト |