本項では、IPv6環境での運用について説明します。
注意
IPv6/IPv4デュアルスタック環境での運用のみをサポートします。IPv4を無効にした場合の運用はサポートしません。
グローバルアドレスおよびユニークローカルアドレスを使用した運用が可能です。リンクローカルアドレスについては、機能ごとにサポート有無が異なります。詳細は、以降の各機能の説明を参照してください。
ホスト名指定によりIPv6運用を行う場合、そのホスト名をIPv6アドレスで名前解決できる必要があります。pingコマンドなどを使用して、対象ホスト名に対して正しくIPv6通信できることを事前に確認してください。
一時アドレス対応(プライバシ拡張)を有効にした環境での動作はサポートしません。一時アドレス対応(プライバシ拡張)の詳細については、各OSのマニュアルを参照してください。
IPv6アドレスをログ・メッセージに出力する場合、設定ファイルなどに指定した値(入力値)の形式と異なる形式で出力される場合があります。
IPv6環境において運用可能な機能は、Interstage管理コンソールを使用してIPv6通信を設定することもできます。設定方法の詳細については、Interstage管理コンソールのヘルプを参照してください。
■運用可能な機能
IPv6環境において、以下の機能が使用できます。表内で使用している略称については、「製品名称の略称について」を参照してください。
機能名 | WS | SJE | EE | |
---|---|---|---|---|
○ | ○ | ○ | ||
○ | ○ | ○ | ||
EJB | - | ○ | ○ | |
JTS/JTA | - | ○ | ○ | |
CORBAサービス | - | - | ○ | |
イベントサービス | - | - | ○ | |
データベース連携サービス | - | - | ○ | |
コンポーネントトランザクションサービス | - | - | ○ | |
○ | ○ | ○ | ||
- | - | ○ | ||
○ | ○ | ○ | ||
○ | ○ | ○ | ||
○ | ○ | ○ |
○:使用可 -:使用不可
JDK/JRE
JDK/JREを使用してIPv6通信を行うことが可能です。
注意
java.nioパッケージを使用する場合は、Windows Vista(R)/Microsoft(R) Windows Server(R) 2008以降のOSを使用する必要があります。
Java EE 6
IPv6環境でJava EE 6を使用することが可能です。
注意
Windows Vista(R)/Microsoft(R) Windows Server(R) 2008以降のOSを使用する必要があります。
リンクローカルアドレスは使用できません。
J2EE
以下の機能において、IPv6通信を行うことが可能です。ただし、SSL連携機能を使用した場合はIPv6通信を行えません。
EJB
JTS/JTA
ポイント
CORBAサービスの環境設定が必要です。
CORBAサービスの動作環境ファイル(config)において、“IP-version”に“v4-dual”または“v6”を設定し、Interstageを再起動してください。デフォルトは“v4-dual”です。詳細は、A.1 configを参照してください。
注意
リンクローカルアドレスは使用できません。
入力値としてIPv4射影アドレスを使用することはできません。
マルチ言語サービス
以下の機能において、IPv6通信を行うことが可能です。ただし、SSL連携機能を使用した場合はIPv6通信を行えません。
CORBAサービス
イベントサービス
データベース連携サービス
コンポーネントトランザクションサービス(サーバマシン状態監視機構、IPCOM連携を利用した負荷分散を除く)
ポイント
CORBAサービスの環境設定が必要です。
CORBAサービスの動作環境ファイル(config)において、“IP-version”に“v4-dual”または“v6”を設定し、Interstageを再起動してください。デフォルトは“v4-dual”です。詳細については、“A.1 config”を参照してください。
コンポーネントトランザクションサービスを使用する場合、コンポーネントトランザクションサービスの環境設定が必要です。
コンポーネントトランザクションサービス環境定義ファイルにおいて、“IP version”に“v6”を設定し、Interstageを再起動してください。デフォルトは“v4”です。詳細については、“付録B コンポーネントトランザクションサービスの環境定義”を参照してください。
注意
リンクローカルアドレスは使用できません。
入力値としてIPv4射影アドレスを使用することはできません。
Interstage HTTP Server
IPv6環境でのHTTP/HTTPS通信を行うことが可能です。
注意
リンクローカルアドレスは使用できません。
入力値としてIPv4射影アドレスを使用することはできません。
MessageQueueDirector
SMTP連携サービスにおいて、IPv6通信を行うことが可能です。
ポイント
サービス環境定義(MXHost)にIPv6形式のIPアドレス(またはホスト名)を記述する必要があります。
詳細は“MessageQueueDirector 説明書”を参照してください。
注意
入力値としてIPv4射影アドレスを使用することはできません。
Interstage シングル・サインオン
IPv6環境でInterstage シングル・サインオンを使用することが可能です。
注意
リンクローカルアドレスは使用できません。
入力値としてIPv4射影アドレスを使用することはできません。
IPv6アドレスを直接指定することはできません。ホスト名、またはFQDNを指定してください。
Interstage ディレクトリサービス
IPv6環境でInterstage ディレクトリサービスを使用することが可能です。
注意
リンクローカルアドレスは使用できません。
入力値としてIPv4射影アドレスを使用することはできません。
IPv6アドレスを直接指定することはできません。ホスト名を指定してください。
SMEEコマンドによる証明書/鍵管理環境
cmgetcrlコマンド(CRLの取得)において、IPv6通信を行うことが可能です。
注意
リンクローカルアドレスは使用できません。
入力値としてIPv4射影アドレスを使用することはできません。