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NETSTAGE/FIC V1.0 説明書CAFIS接続オプション編
FUJITSU Software

1.2.2 パススルー通信機能

富士通メインフレームとCAFISセンタとのパススルー通信の制御について説明します。

1.2.2.1 セション制御方式

セション制御は、FNAセションとTCPグループ間の論理的な通信経路を開設・閉塞することによりCAFISセンタとのTCPコネクションの接続・切断を制御します。

通信経路の開設は、CAFISセンタからのTCPコネクション接続を可能にして、TCPコネクションの接続を行います。

通信経路の閉塞は、CAFISセンタとのTCPコネクションを切断します。

セション制御の方式は、通信経路の開設・閉塞する契機の違いにより、以下の2つの方式があります。

セション制御の方式は、sys定義文のpathcntlオペランドで指定します。連動方式と非連動方式の処理について、以下に説明します。

連動方式

連動方式には、通信経路の開設・閉塞契機に応じて、以下の方式があります。

連動方式の通信経路の開設・閉塞契機を表1.1に示します。

表1.1 連動方式の通信経路の開設・閉塞契機

通信経路
開設・閉塞の動作

通信経路の開設・閉塞契機

完全連動方式

業務連動方式

セション連動方式

通信経路の開設

TCPグループ配下のすべてのFNAセション確立時

TCPグループ配下のすべてのFNAセション確立時
※1

TCPグループ配下の最初のFNAセション確立時

通信経路の閉塞

TCPグループ配下の最初のFNAセション解放時

・経路種別を区別する場合
経路種別ごとの送信用または受信用のすべてのFNAセション解放時
・経路種別を区別しない場合
送信用または受信用のすべてのFNAセション解放時

TCPグループ配下のすべてのFNAセション解放時

CAFISセンタからのTCPコネクション切断時

CAFISセンタからのTCPグループ配下のすべてのTCPコネクション切断時

CAFISセンタからのTCPグループ配下のすべてのTCPコネクション切断時

※1 : sys定義のpathwttmオペランドに指定した時間が経過後、経路種別ごとの送信用および受信用のFNAセションがそれぞれ1つ確立された場合、通信経路を開設します。

完全連動方式(pathcntl=auto-comp)

TCPグループ配下のすべてのFNAセションの確立を契機として、通信経路を開設し、CAFISセンタからのTCPコネクション接続要求を受信することによりTCPコネクションを接続します。

完全連動方式のFNAセション確立による通信経路の開設を図1.14に示します。

図1.14 完全連動方式のFNAセション確立による通信経路の開設

TCPグループ配下の最初のFNAセションの解放時に、通信経路を閉塞し、TCPコネクションを切断します。

完全連動方式のFNAセション解放による通信経路の閉塞を図1.15に示します。

図1.15 完全連動方式のFNAセション解放による通信経路の閉塞

通信経路を閉塞時、sys定義文のpathwttmオペランドに指定した時間が経過後、TCPグループ配下のすべてのFNAセションを強制解放します。

CAFISセンタよりTCPコネクションを切断された場合、確立状態のFNAセションにFNAセション強制解放を通知および通信経路を閉塞します。

なお、sys定義文のrlswattmオペランド値に指定した時間が経過するまで、確立状態のFNAセションへの強制解放の通知および通信経路の閉塞を保留し、富士通メインフレーム上の業務アプリケーションからの業務終了によるFNAセション解放要求を受け入れて肯定応答を通知します。

完全連動方式のTCPコネクション切断による通信経路の閉塞を図1.16に示します。

図1.16 完全連動方式のTCPコネクション切断による通信経路の閉塞

業務連動方式(pathcntl=auto-all)

TCPグループ配下のすべてのFNAセションの確立を契機として、通信経路を開設し、CAFISセンタからのTCPコネクション接続要求を受信することによりTCPコネクションを接続します。

業務連動方式のFNAセション確立による通信経路の開設を図1.17に示します。

図1.17 業務連動方式のFNAセション確立による通信経路の開設

なお、TCPグループ配下の最初のFNAセションが確立後、sys定義文のpathwttmオペランドに指定した時間が経過した場合、TCPグループ配下のFNAセションが以下の状況になった時点で業務通信可能と判断して、通信経路を開設します。

TCPグループ配下のFNAセションが以下の状況になった時点で通信経路を閉塞し、TCPコネクションを切断します。

業務連動方式のFNAセション解放による通信経路の閉塞を図1.18に示します。

図1.18 業務連動方式のFNAセション解放による通信経路の閉塞

通信経路を閉塞時、sys定義文のpathwttmオペランドに指定した時間が経過後、TCPグループ配下のすべてのFNAセションを強制解放します。

CAFISセンタよりTCPコネクションを切断された場合、確立状態のFNAセションにFNAセション強制解放を通知します。

なお、sys定義文のrlswattmオペランド値に指定した時間が経過するまで、確立状態のFNAセションへの強制解放の通知を保留し、富士通メインフレーム上の業務アプリケーションからの業務終了によるFNAセション解放要求を受け入れて肯定応答を通知します。

TCPグループ配下のすべてのTCPコネクションが切断された時点で、通信経路を閉塞します。

業務連動方式のTCPコネクション切断を図1.19に示します。

図1.19 業務連動方式のTCPコネクション切断

セション連動方式(pathcntl=auto-ses)

TCPグループ配下の最初のFNAセションの確立を契機として、通信経路を開設し、CAFISセンタからのTCPコネクション接続要求を受信することによりTCPコネクションを接続します。

セション連動方式のFNAセション確立による通信経路の開設を図1.20に示します。

図1.20 セション連動方式のFNAセション確立による通信経路の開設

TCPグループ配下のすべてのFNAセションが解放された時点で、通信経路を閉塞し、TCPコネクションを切断します。

セション連動方式のFNAセション解放による通信経路の閉塞を図1.21に示します。

図1.21 セション連動方式のFNAセション解放による通信経路の閉塞

CAFISセンタよりTCPコネクションを切断された場合、確立状態のFNAセションにFNAセション強制解放を通知します。

なお、sys定義文のrlswattmオペランド値に指定した時間が経過するまで、確立状態のFNAセションへの強制解放の通知を保留し、富士通メインフレーム上の業務アプリケーションからの業務終了によるFNAセション解放要求を受け入れて肯定応答を通知します。

TCPグループ配下のすべてのTCPコネクションが切断された時点で、通信経路を閉塞します。

非連動方式

TCPグループ資源が活性になった時点で、通信経路を開設し、CAFISセンタからのTCPコネクション確立要求を受信することによりTCPコネクションを接続します。その後、FNAセションが確立した時点で、富士通メインフレームとの通信が可能となります。

なお、TCPグループ資源が活性となるのは、以下の契機です。

TCPグループの強制非活性を実施することで、TCPグループ配下のすべてのTCPコネクションを切断、およびFNAセションを強制解放し、通信経路を閉塞します。


非連動方式には、TCPコネクション未接続時、FNAセションの確立を受け付けるかどうか、CAFISセンタからのTCPコネクション切断時にFNAセションを解放するかどうかを選択する以下の方式があります。

TCPコネクションの状態によるFNAセションの確立・解放の制御を表1.2に示します。

表1.2 非連動方式のTCPコネクションの状態によるFNAセションの確立・解放の制御

FNAセションを制御する契機

非連動
(セション解放)方式

非連動
(セション未解放)方式

完全非連動方式

TCPコネクション未接続時のFNAセション確立要求に対する制御

FNAセション確立要求を拒否します。

FNAセション確立要求を拒否します。

FNAセション確立要求を受け付けます。

TCPコネクション切断時のFNAセションに対する制御

FNAセションを強制解放します。

FNAセションの確立状態を維持します。

FNAセションの確立状態を維持します。

非連動(セション解放)方式(pathcntl=none-rls)

TCPコネクションが接続されていない場合、富士通メインフレーム上の業務アプリケーションからのFNAセションの確立要求を拒否します。

非連動(セション解放)方式のFNAセション確立要求を図1.22に示します。

図1.22 非連動(セション解放)方式のFNAセション確立要求

富士通メインフレーム上の業務アプリケーションよりFNAセションを解放した場合でも、NETSTAGE/FIC CAFIS接続オプションからはTCPコネクションを切断しません。

CAFISセンタよりTCPコネクションが切断された場合、確立状態のFNAセションにFNAセション強制解放を通知します。

なお、sys定義文のrlswattmオペランド値に指定した時間が経過するまで、確立状態のFNAセションへの強制解放の通知を保留し、富士通メインフレーム上の業務アプリケーションからの業務終了によるFNAセション解放要求を受け入れて肯定応答を通知します。

非連動(セション未解放)方式(pathcntl=none-no)

TCPコネクションが接続されていない場合、富士通メインフレーム上の業務アプリケーションからのFNAセションの確立要求を拒否します。

富士通メインフレーム上の業務アプリケーションよりFNAセションを解放した場合でも、NETSTAGE/FIC CAFIS接続オプションからはTCPコネクションを切断しません。

CAFISセンタからTCPコネクションが切断された場合でも、FNAセションを解放しません。

完全非連動方式(pathcntl=none-comp)

TCPコネクションが接続されていない場合でも、富士通メインフレーム上の業務アプリケーションからのFNAセションの確立要求を受け付けます。ただし、FNAセションの確立要求を受け付け後、TCPコネクションが接続する前の電文送信は異常となります。

完全非連動方式のFNAセション確立要求を図1.23に示します。

図1.23 完全非連動方式のFNAセション確立要求

富士通メインフレーム上の業務アプリケーションよりFNAセションを解放した場合でも、NETSTAGE/FIC CAFIS接続オプションからはTCPコネクションを切断しません。

CAFISセンタからTCPコネクションが切断された場合でも、FNAセションを解放しません。

1.2.2.2 代行通知機能

FNAセションまたはTCPコネクションの一方が使用できない場合でも、同じTCPグループ配下の別のFNAセションまたはTCPコネクションを使用して通信を継続します。この機能を代行通知機能といいます。

代行通知機能は、TCPグループ定義文(tcpg)のagentオペランドで定義します。

CAFISセンタへの電文送信、CAFISセンタからの電文受信およびCAFISセンタからのTCPコネクション切断について以下に説明します。

CAFISセンタへの電文送信

代行通知機能を使用する場合、FNAセションと対応づけられたTCPコネクションが未接続のとき、TCPグループ配下の接続済のTCPコネクションを使用して電文を送信します。ただし、TCPグループ配下のTCPコネクションがすべて未接続の場合は、電文送信は異常となります。

なお、代行通知機能を使用しない場合、FNAセションと対応づけられたTCPコネクションが未接続のときは、電文送信は異常となります。

代行通知機能を使用する場合のCAFISセンタへの電文送信を図1.24に示します。

図1.24 代行通知機能を使用する場合のCAFISセンタへの電文送信

CAFISセンタからの電文受信

代行通知機能を使用する場合、TCPコネクションと対応づけられたFNAセションが未確立のとき、TCPグループ配下の同じ属性である確立済のFNAセションで電文を受信します。

代行通知機能を使用しない場合、TCPコネクションと対応づけられたFNAセションが未確立の場合、受信電文は破棄します。

なお、同じ属性のFNAセションとは、以下のFNAセションのことをいいます。

代行通知機能を使用する場合のCAFISセンタからの電文受信を図1.25に示します。

図1.25 代行通知機能を使用する場合のCAFISセンタからの電文受信

CAFISセンタからのTCPコネクション切断

代行通知機能を使用する場合、CAFISセンタからTCPコネクションが切断されたとき、当該TCPコネクションに対応づけられたFNAセションを解放しません。

ただし、TCPグループ配下のすべてのTCPコネクションが切断された場合は、sys定義文のrlswattmオペランドに指定した時間が経過後、TCPグループ配下のすべてのFNAセションにFNAセション強制解放を通知します。

代行通知機能を使用する場合のCAFISセンタからのTCPコネクション切断を図1.26に、代行通知機能を使用する場合のCAFISセンタからの最後のTCPコネクション切断を図1.27に示します。

図1.26 代行通知機能を使用する場合のCAFISセンタからのTCPコネクション切断

図1.27 代行通知機能を使用する場合のCAFISセンタからの最後のTCPコネクション切断