機能説明
メッセージキュー上の先頭メッセージを取り出します。取り出したメッセージの内容は、バイナリファイルおよびテキストファイルとして出力されます。
本コマンドでは、コマンドの実行を確認するための問合せが行われます。
本コマンドは、データの異常が原因でアプリケーション(TRO、TJNL、JournalTransfer)が処理を継続できない場合などにおいて、メッセージの内容を確認またはメッセージを破棄する目的で使用します。
形式
trmqdgetmsg [-s sysname] [{-r | -j}] -f filename [-o] qname |
パラメタ
対象のTRMシステム名を指定します。
本パラメタを省略した場合、TRMシステム名は"TRM001"となります。
取り出し後のメッセージおよび問い合わせメッセージの扱いを指定します。
省略 | メッセージを取り出します。取り出したメッセージは、メッセージキューから削除されます。 |
-r | メッセージを取り出します。取り出したメッセージは、メッセージキューから削除されません。 |
-j | メッセージを取り出します。取り出したメッセージは、メッセージキューから削除されます。 |
取り出したメッセージを出力するバイナリファイルのファイル名を指定します。
"指定したファイル名.txt"に、データの内容を示すテキストファイルを出力します。
本オプション指定時は、出力ファイル名が存在する場合に上書きします。
本オプション省略時は、出力ファイル名が存在する場合に上書きせず、エラー終了します。
メッセージキューの名前を指定します。
復帰値
復帰値について説明します。
復帰値 | 意味 |
---|---|
0 | 正常終了しました。 |
1 | 取り出すメッセージが存在しないため、処理を終了しました。 |
2 | ファイルの出力は完了しましたが、後処理でエラーが発生しました。(-r省略時はメッセージの削除も完了しています。) |
3 | ファイルの出力は完了しましたが、メッセージの削除でエラーが発生しました。 |
4 | エラーが発生しました。 |
なお、復帰値は、以下の形式で標準出力に出力します。
retcode:復帰値 |
注意事項
本コマンドは、スーパユーザおよびTRM利用者グループのユーザが実行できます。権限の詳細は、"17.1.3 TRM利用者グループの作成"を参照してください。
TRMに接続しているアプリケーション(TRO、TJNL、JournalTransfer)を運用中に、本コマンドによりメッセージを削除しないでください。更新差分データが失われる可能性があります。
メッセージを削除する前に、TRMに接続しているアプリケーションが停止していることを確認してください。TRMに接続しているアプリケーションが異常終了する可能性があります。
使用例
先頭メッセージを取り出します。(Windowsサーバの場合)
C:\>trmqdgetmsg -s TRM001 -f C:\dir1\aaa QUE01 |
バイナリファイルとして"C:\dir1\aaa"、テキストファイルとして"C:\dir1\aaa.txt"が出力されます。
出力ファイル
出力ファイルの内容について説明します。
バイナリファイルおよびテキストファイルに出力する内容は同じです。バイナリファイルにはバイナリデータそのものを出力します。テキストファイルには、バイナリデータの内容を、項目ごとに見出しやデータに区切って読みやすくした形式で出力します。
メッセージの内容がバイナリ形式で出力されます。
バイナリファイルと合わせてテキストファイルが出力されているので、テキストファイルの内容を参考にデータを解析してください。
取り出したメッセージをバイナリエディタで表示した例
各項目の内容は、以下のとおりです。
見出し部 | データ部 | ||
---|---|---|---|
ジャーナルヘッダ | レコード長 | ジャーナル全体のレコード長 | |
ジャーナルヘッダ長 | ジャーナルヘッダ長 | ||
識別子 | "00 01 (ジャーナルヘッダ)"固定 | ||
ジャーナル取得システム | ジャーナルを取得したシステム | ||
パッキングトランザクション数 | パッキングしたトランザクションの数 | ||
利用ジャーナル数 | 利用ジャーナル数 | ||
パッキング状態 | パッキングの状態 | ||
データ状態 | データの種類 | ||
空き | "00"固定 | ||
コード種別 | データの文字コードの形式 | ||
空き | "00 00 00"固定 | ||
項目付加情報 | 項目属性表示領域の有無 | ||
空き | "00 00 00 00 00 00 00 00"固定 | ||
ジャーナルヘッダ | レコード長 | ジャーナル全体のレコード長 | |
ジャーナルヘッダ長 | ジャーナルヘッダ長 | ||
識別子 | "00 01 (ジャーナルヘッダ)"固定 | ||
ジャーナル取得システム | ジャーナルを取得したシステム | ||
パッキングトランザクション数 | パッキングしたトランザクションの数 | ||
利用ジャーナル数 | 利用ジャーナル数 | ||
パッキング状態 | パッキングの状態 | ||
データ状態 | データの種類 | ||
エンディアン種別 | エンディアンの種別 | ||
コード種別 | データの文字コードの形式 | ||
浮動小数点形式 | 浮動小数点形式(MVS形式など) | ||
外部10進数形式 | 外部10進数形式(ゾーン10進形式など) | ||
JCKP項目付加状態 | JCKP項目付加状態 | ||
項目付加情報 | 項目属性表示領域の有無 | ||
空き | "00 00 00 00 00 00 00 00"固定 | ||
ジャーナル | ジャーナル長 | 1個のジャーナルの長さ | |
レコード内有効項目数 | 1個のジャーナルに含まれる有効な項目数 | ||
項目 | 属性 | 属性 | |
精度 | 精度(外部10進または内部10進の場合に出力) | ||
位取り | 位取り(外部10進または内部10進の場合に出力) | ||
項目長 | 項目長 | ||
項目有効表示 | 項目有効表示 | ||
データ | 項目のデータ |
データ部は、"16進形式 (値の意味)"という形式で出力します。なお、項目付加情報が"付加なし"の場合、"(値の意味)"の部分を出力しません。
グローバルサーバおよびオープンサーバで共通の見出し部については、グローバルサーバの用語で出力します。オープンサーバで抽出した場合はオープンサーバの用語に読み替えてください。
グローバルサーバで抽出した場合の詳細は、"TJNL使用手引書"を参照してください。
オープンサーバで抽出した場合の詳細は、"第14章 データ形式"を参照してください。
なお、テキストファイルの文字コードは以下となります。
Solarisサーバ:EUC
Windowsサーバ:シフトJIS
Linuxサーバ:UTF-8
以下にテキストファイルの出力例(グローバルサーバで抽出した場合)を示します。
取り出したメッセージの出力例(テキストファイル)