ZFSのストレージプールをバックアップまたはリストアする際に必要な事前準備の説明をします。
各操作の詳細およびAdvancedCopy Managerを使用するための事前設定などは、「第7章 レプリケーション運用」および『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド Copy Control Module編』を参照してください。
ZFSの操作は、参考情報として代表的な方法を記載していますが、使い方の詳細はOSのマニュアルを参照してください。
ポイント
実行例は、「G.2.2 システム構成」におけるレプリケーション運用またはAdvancedCopy Manager CCM運用の構成を基に記載しております。実際の操作は構成に合わせて実施してください。
事前準備は以下の手順で実施します。
業務用ストレージプール内デバイス一覧の取得
業務サーバでバックアップ対象の業務用ストレージプールを構成しているデバイスを確認します。
[実行例]
ストレージプールのディスク情報を確認します。以下の例では、ストレージプール(STP1)は1つの物理ディスク(c1t1d1)で構成されています。
# zpool status STP1 pool: STP1 state: ONLINE scrub: none requested config: NAME STATE READ WRITE CKSUM STP1 ONLINE 0 0 0 c1t1d1 ONLINE 0 0 0 errors: No known data errors # |
バックアップ用およびリストア用のコピー設定
以下の3つのコピー設定を行います。
業務用ストレージプールとバックアップ用ストレージプールのコピー設定 (バックアップ/リストア用)
バックアップ用ストレージプールとバックアップボリュームのコピー設定 (バックアップボリュームへのバックアップ用)
業務用ストレージプールとバックアップボリュームのコピー設定 (バックアップボリュームからのリストア用)
以下の組合せでAdvancedCopy Managerに登録します。
用途 | コピー元 | コピー先 | グループ名(例) |
---|---|---|---|
バックアップ/リストア用 | 業務用ストレージプール | バックアップ用ストレージプール | STP1 |
バックアップ用 | バックアップ用ストレージプール | バックアップボリューム | BKSTP1 |
リストア用 | バックアップボリューム | 業務用ストレージプール | RSSTP1 |
デバイス | 登録するデバイス | 例 (注) | |
---|---|---|---|
デバイス名 | LUN番号 | ||
業務用ストレージプール | 「業務用ストレージプール内デバイス一覧の取得」で確認した、業務用ストレージプールを構成するデバイス | c1t1d1 | 0x01 |
バックアップ用ストレージプール | バックアップ用ストレージプールを構成するデバイス | c2t1d11 | 0x11 |
バックアップボリューム | バックアップボリュームとして準備したデバイス | c2t1d12s1 | 0x12 |
注: レプリケーション管理を使用する場合はデバイス名、AdvancedCopy Manager CCMを使用する場合はLUN番号を使用します。
「表G.1 コピーグループ」で示したコピー元を複製元ボリューム、コピー先を複製先ボリュームとして、それぞれ「表G.2 登録デバイス」で示したデバイスを登録します。
バックアップ/リストア処理において同期をとって操作するため、1つのストレージプールを構成するすべてのデバイスを1つのグループとして登録します。グループ操作の詳細は、「7.4.7 グループの作成」を参照してください。
[実行例]
バックアップサーバで複製元/複製先ボリュームを指定して、表で示した3つのグループを作成します。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol -o BOTH -Xgroup STP1 /dev/dsk/c1t1d1@SV /dev/dsk/c2t1d11@BKSV swsrpsetvol completed # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol -Xgroup BKSTP1 /dev/dsk/c2t1d11 /dev/dsk/c2t1d12s1 swsrpsetvol completed # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol -o BOTH -Xgroup RSSTP1 /dev/dsk/c2t1d12s1@BKSV /dev/dsk/c1t1d1@SV swsrpsetvol completed # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpvolinfo -L Server Original-Volume Size Replica-Volume Size Copy Op-Server Group BKSV /dev/dsk/c1t1d1@SV 4.0 Gbyte /dev/dsk/c2t1d11@BKSV 4.0 Gbyte bi-direction both STP1 BKSV /dev/dsk/c2t1d11@BKSV 4.0 Gbyte /dev/dsk/c2t1d12s1@BKSV 4.0 Gbyte bi-direction original BKSTP1 BKSV /dev/dsk/c2t1d12s1@BKSV 4.0 Gbyte /dev/dsk/c1t1d1@SV 4.0 Gbyte bi-direction both RSSTP1 # |
ぞれぞれのコピー元とコピー先の組合せを登録します。
バックアップ/リストア処理において同期をとって操作するため、1つのストレージプールを構成するすべてのデバイスを1つのグループとして登録します。グループ操作の詳細は、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド Copy Control Module編』の「コピーグループの作成」および「コピーペアの追加」を参照してください。
コピーグループの作成
コピー設定ごとにコピーグループを作成します。
[実行例]
表に示した3つのコピーグループを作成します。(コピーのタイプはOPC)
# acgroup create -g STP1 -type OPC -a DX440 Successful completion. # # acgroup create -g BKSTP1 -type OPC -a DX440 Successful completion. # # acgroup create -g RSSTP1 -type OPC -a DX440 Successful completion. # |
コピーペアの登録
作成したコピーグループに、コピー元とコピー先の組合せを登録します。1つのストレージプールを構成するすべてのデバイスを登録してください。
[実行例]
作成したコピーグループに、表で示したデバイスをそれぞれ登録します。
# acpair add -g STP1 -p DX440/0x01:DX440/0x11 Successful completion. # acpair add -g BKSTP1 -p DX440/0x11:DX440/0x12 Successful completion. # acpair add -g RSSTP1 -p DX440/0x12:DX440/0x01 Successful completion. |