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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 16.0 運用ガイド
FUJITSU Storage

G.2.4 運用

ZFSのストレージプールをバックアップおよびリストアする手順を説明します。

AdvancedCopy Managerを使用するための事前設定(デバイスの設定)や、バックアップ/リストアの詳細な手順などは、「第7章 レプリケーション運用」または『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド Copy Control Module編』を参照してください。

ここで記載している手順およびコマンド例はスナップショット型コピー(OPC)の例です。ほかのコピー種別を利用する場合は、コピー種別に応じた手順およびコマンドに置き換えて実施してください。

ZFSの操作は、参考情報として代表的な方法を記載していますが、使い方の詳細はOSのマニュアルを参照してください。

バックアップ

オンラインバックアップを行う手順を示します。

項番

内容

操作サーバ

初回バックアップ時 (注)

1

バックアップ用ストレージプールをexportします。

バックアップサーバ

2

AdvancedCopy Managerでバックアップ用ストレージプール配下のデバイスからバックアップボリュームへバックアップします。

バックアップサーバ

3

業務用ストレージプールのスナップショットを作成します。

業務サーバ

4

AdvancedCopy Managerで業務用ストレージプール配下のデバイスから、バックアップ用ストレージプール配下のデバイスへバックアップします。

業務サーバ

5

バックアップ用ストレージプールの状態を確認します。

バックアップサーバ

注: 初回バックアップ時は"○"の処理だけ実施してください。

オンラインバックアップの手順は、以下のとおりです。

  1. バックアップ用ストレージプールをexportします。

    ZFSストレージプールのexportの詳細は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zpool list
    NAME   SIZE   USED     AVAIL    CAP  HEALTH  ALTROOT
    STP1   345G   121M     345G     0%   ONLINE  -
    # zpool export STP1
    #
  2. AdvancedCopy Managerでバックアップ用ストレージプール上のバックアップデータをバックアップボリュームに退避します。

    バックアップ用ストレージプールにバックアップを取得する前に、バックアップ用ストレージプールを構成するすべてのデバイスをバックアップボリュームにバックアップします。バックアップボリュームを複数使用している場合(2世代以上のバックアップを保持する場合)、未使用または最も古い世代のバックアップボリュームにバックアップします。

    レプリケーション管理を使用する場合

    -Xgroupオプションにバックアップ用グループ"BKSTP1"を指定して、swsrpmake(複作成コマンド)を実行します。

    [実行例]

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -Xgroup BKSTP1
    GROUP=BKSTP1 swsrpmake completed
    #
    AdvancedCopy Manager CCMを使用する場合

    -gオプションにバックアップ用グループ"BKSTP1"を指定して、AdvancedCopy Manager CCMのacopc start(OPCまたはQuickOPCのコピー開始コマンド)を実行します。

    [実行例]

    # /opt/FJSVccm/bin/acopc start -g BKSTP1
    DX440/0x11:DX440/0x12
    # DATE : 2012/01/01 00:00:00 - << OPC Started >>
    # From:BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=11/Adr_high=0/Adr_low=0/size_high=0/size_low=0
    # To:BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=12/Adr_high=0/Adr_low=0
    Succeeded : 1
    Failed : 0
    #

    注意

    ストレージプールを構成するすべてのデバイスに対して処理を行うため、コピーペアは指定しないでください。

  3. 業務用ストレージプールのスナップショットを作成します。

    1. 業務用ストレージプールへのリストアに使用しないスナップショットを削除します。
      ZFSのスナップショットの削除方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    2. syncコマンドを実行し、業務用ストレージプールとファイルシステムの同期をとります。

    3. ファイルシステム業務用ストレージプールでスナップショットを作成します。
      ZFSのスナップショットの作成方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    4. syncコマンドを実行し、業務用ストレージプールとファイルシステムの同期をとります。

    [実行例]

    # zfs destroy STP1@SNAP0
    # sync
    # zfs snapshot -r STP1@SNAP0
    # sync
    #
  4. AdvancedCopy Managerで業務用ストレージプール配下のデバイスから、バックアップ用ストレージプール配下のデバイスへバックアップします。

    レプリケーション管理を使用する場合

    -Xgroupオプションにバックアップ/リストア用グループ"STP1"を指定して、swsrpmake(複製作成コマンド)を実行します。

    [実行例]

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -Xgroup STP1
    GROUP=STP1 swsrpmake completed
    #
    AdvancedCopy Manager CCMを使用する場合

    -gオプションにバックアップ/リストア用グループ"STP1"を指定して、AdvancedCopy Manager CCMのacopc start(OPCまたはQuickOPCのコピー開始コマンド)を実行します。

    [実行例]

    # /opt/FJSVccm/bin/acopc start -g STP1
    DX440/0x01:DX440/0x11
    # DATE : 2012/01/01 00:00:00 - << OPC Started >>
    # From:BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=01/Adr_high=0/Adr_low=0/size_high=0/size_low=0
    # To:BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=11/Adr_high=0/Adr_low=0
    Succeeded : 1
    Failed : 0
    #

    注意

    ストレージプールを構成するすべてのデバイスに対して処理を行うため、コピーペアは指定しないでください。

  5. バックアップ用ストレージプールの状態を確認します。

    1. バックアップサーバでバックアップ用ストレージプールをimportします。

    2. バックアップサーバでバックアップ用ストレージプールをexportします。

    ZFSストレージプールのimport/exportの詳細は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zpool import
      プール: STP1
            ID: 15271135801818262407
          状態: ONLINE
    アクション: プールの名前または数値識別子を使用してプールをインポートできます。
          構成:
    
            STP1        ONLINE
              c2t1d11   ONLINE
    # zpool import -f STP1
    # zpool list
    NAME   SIZE   USED     AVAIL    CAP  HEALTH  ALTROOT
    STP1   345G   345M     345G     0%   ONLINE  -
    # zpool export STP1
    #

    注意

    import/exportに失敗した場合は手順3から再実施してください。

リストア

リストアを行う手順を示します。

項番

内容

操作サーバ

1

業務用ストレージプールをexportします。

業務サーバ

2

バックアップ用ストレージプール配下のデバイスからリストアする場合は、バックアップ用ストレージプールをexportします。

バックアップサーバ

3

AdvancedCopy Managerでバックアップ用ストレージプール配下のデバイス、またはバックアップボリュームから、業務用ストレージプール配下のデバイスへリストアします。

業務サーバまたはバックアップサーバ

4

業務用ストレージプールをimportします。

業務サーバ

5

業務用ストレージプールをリストア対象のスナップショットにロールバックします。

業務サーバ

6

対象のZFSファイルシステムをマウントします。

業務サーバ

リストア手順は、以下のとおりです。

  1. 業務用ストレージプールが存在する場合は、exportします。

    ZFSストレージプールのexportの詳細は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zpool list
    NAME   SIZE   USED     AVAIL    CAP  HEALTH  ALTROOT
    STP1   345G   345M     345G     0%   ONLINE  -
    # zpool export STP1
    #
  2. バックアップ用ストレージプール配下のデバイスからリストアする場合は、バックアップ用ストレージプールをexportします。

    ZFSストレージプールのexportの詳細は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zpool list
    NAME   SIZE   USED     AVAIL    CAP  HEALTH  ALTROOT
    STP1   345G   121M     345G     0%   ONLINE  -
    # zpool export STP1
    #
  3. AdvancedCopy Managerでバックアップ用ストレージプール配下のデバイス、またはバックアップボリュームから、業務用ストレージプール配下のデバイスへリストアします。

    バックアップ用ストレージプール配下のデバイスからレプリケーション管理を使用してリストアする場合

    -Xreverseオプションと-Xgroupオプションにバックアップ/リストア用グループ"STP1"を指定して、swsrpmake(複製作成コマンド)を実行します。

    [実行例]

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -Xgroup STP1 -Xreverse
    GROUP=STP1 swsrpmake completed
    #
    バックアップ用ストレージプール配下のデバイスからAdvancedCopy Manager CCMを使用してリストアする場合

    -rオプションと-gオプションにバックアップ/リストア用グループ"STP1"を指定して、AdvancedCopy Manager CCMのacopc start(OPCまたはQuickOPCのコピー開始コマンド)を実行します。

    [実行例]

    # /opt/FJSVccm/bin/acopc start -g STP1 -r
    DX440/011x:DX440/0x01
    # DATE : 2012/01/01 00:00:00 - << OPC Started >>
    # From: BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=11/Adr_high=0/Adr_low=0
    # To: BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=01/Adr_high=0/Adr_low=0/size_high=0/size_low=0
    Succeeded : 1
    Failed : 0
    #
    バックアップボリューム配下のデバイスからレプリケーション管理を使用してリストアする場合

    -XGroupオプションにリストア用グループ"RSSTP1"を指定して、swsrpmake(複製作成コマンド)を実行します。

    [実行例]

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -Xgroup RSSTP1
    GROUP=RSSTP1 swsrpmake completed
    #
    バックアップボリューム配下のデバイスをからAdvancedCopy Manager CCMを使用してリストアする場合

    -gオプションにリストア用グループ"RSSTP1"を指定して、AdvancedCopy Manager CCMのacopc start(OPCまたはQuickOPCのコピー開始コマンド)を実行します。

    [実行例]

    # /opt/FJSVccm/bin/acopc start -g RSSTP1
    DX440/0x12:DX440/0x01
    # DATE : 2012/01/01 00:00:00 - << OPC Started >>
    # From: BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=12/Adr_high=0/Adr_low=0/size_high=0/size_low=0
    # To: BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=01/Adr_high=0/Adr_low=0
    Succeeded : 1
    Failed : 0
    #

    注意

    ストレージプールを構成するすべてのデバイスに対して処理を行うため、コピーペアは指定しないでください。

  4. 業務用ストレージプールで、リストア手順の手順3でリストアしたデバイスをimportします。

    ZFSストレージプールのimport方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zpool import STP1
    #
  5. 業務用ストレージプールでリストア対象のスナップショットにロールバックします。

    ZFSストレージプールのスナップショットにロールバックする方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    SNAP1にロールバックする場合

    # zfs list -t snapshot
    NAME           USED  AVAIL  REFER  MOUNTPOINT
    STP1@SNAP1       0       -    19K   -
    STP1@SNAP2     16M       -    18K   -
    STP1@SNAP3     32M       -    18K   -
    # zfs rollback -r STP1@SNAP1
    #
  6. リストアを行った業務用ストレージプール上のZFSファイルシステムをマウントします。

    手順5までにZFSファイルシステムが自動マウントされなかった場合は、手動でZFSファイルシステムをマウントしてください。

    ZFSファイルシステムのマウント方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zfs mount STP1/data1
    # zfs mount STP1/data2
    #