ページの先頭行へ戻る
ETERNUS SF Express 16.1 / Storage Cruiser 16.1 / AdvancedCopy Manager 16.1 移行ガイド
FUJITSU Storage

10.1.2 クラスタ運用の場合のバージョンアップインストール

クラスタ運用をしている場合のバージョンアップインストール手順について説明します。

10.1.2.1 バージョンアップインストール前の作業

クラスタ運用時にWindows版AdvancedCopy Managerマネージャーのバージョンアップインストールを実施する前に、行っておくべき作業について説明します。

ポイント

バージョンアップインストールを行う前に、以下をバックアップすることを推奨します。
バックアップを採取しておくと、バージョンアップインストール中に異常が発生した場合にバックアップから復元(リストア)することで、バージョンアップインストール前の状態に戻すことができます。

  • システム(プライマリノードとセカンダリノード)

  • 運用管理サーバ業務の共有データ用共有ディスク

  • 管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスク

  1. 作業を行うサーバに、Administrator権限を持つユーザーでログオンします。

  2. セカンダリノードで、バージョンアップインストールを行うサーバのディスクに、バージョンアップインストールに必要な容量(400MB)が空いているか確認してください。
    バージョンアップインストールに必要な容量が空いていない状態でバージョンアップインストールを実行した場合、以下のメッセージが出力され、インストールがエラー終了します。インストールに必要な空き容量を確保してから、バージョンアップインストールを再実行してください。

    出力メッセージ(インストール先のドライブ文字がCの場合):

    指定されたディスク(C:)の容量が不足しています。ディスク領域を増やしてから、再度実行してください。
  3. セカンダリノードで、ETERNUS SF Managerサービスが停止していることを確認します。
    サービスが停止していない場合は、セカンダリノードで、フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、ETERNUS SF Managerが属する業務を停止します。

  4. ETERNUS VASA Providerを使用している場合は、セカンダリノードで、ETERNUS VASA Providerサービスが停止していることを確認します。
    サービスが停止していない場合は、セカンダリノードで、フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、ETERNUS VASA Providerが属する業務を停止します。

  5. プライマリノードで、バージョンアップインストールを行うサーバのディスクに、バージョンアップインストールに必要な容量(400MB)が空いているか確認してください。
    バージョンアップインストールに必要な容量が空いていない状態でバージョンアップインストールを実行した場合、以下のメッセージが出力され、インストールがエラー終了します。インストールに必要な空き容量を確保してから、バージョンアップインストールを再実行してください。

    出力メッセージ(インストール先のドライブ文字がCの場合):

    指定されたディスク(C:)の容量が不足しています。ディスク領域を増やしてから、再度実行してください。
  6. プライマリノードで、ETERNUS SF Managerのサービスを停止します。
    フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、ETERNUS SF Managerが属する業務を停止します。
    ただし、ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクはオンラインにします。

  7. ETERNUS VASA Providerを使用している場合は、プライマリノードで、ETERNUS VASA Providerサービスを停止します。
    フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、ETERNUS VASA Providerが属する業務を停止します。
    ただし、ETERNUS VASA Providerの共有データ用共有ディスクはオンラインにします。

  8. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、以下の手順を実施します。

    1. 対象業務のセカンダリノードで、管理対象サーバ業務が停止していることを確認します。

      管理対象サーバ業務が停止していない場合は、セカンダリノードで、フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、管理対象サーバ業務を停止します。

      管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のセカンダリノードで本手順を実施します。

    2. 対象業務のプライマリノードで、管理対象サーバ業務を停止します。

      フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、管理対象サーバ業務を停止します。

      ただし、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクはオンラインにします。

      管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のプライマリノードで本手順を実施します。

  9. すべてのノードのローカル業務サービスを停止します。
    Windowsのサービス画面で、「AdvancedCopy Manager COM Service」を停止してください。

10.1.2.2 バージョンアップインストール手順(プライマリノード)

Windows版のバージョンアップインストール手順は、以下のとおりです。

  1. AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル(sys.properties)を退避します。
    AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル :

    $INS_DIR\CCM\sys\sys.properties

    AdvancedCopy Manager CCMのインストール先ディレクトリ以外の、任意のディレクトリにコピーしてください。
    退避したファイルは、バージョンアップインストール後の作業で使用します。

  2. AdvancedCopy Manager CCMのオリジナルの環境設定ファイル(sys.properties)を復元します。
    オリジナルの環境設定ファイルをコピー先ファイルに上書きします。

    オリジナルの環境設定ファイル

    コピー先ファイル

    $INS_DIR\CCM\noncluster\sys\sys.properties

    $INS_DIR\CCM\sys\sys.properties

  3. AdvancedCopy Manager CCM用汎用スクリプトを退避します。
    該当する旧バージョンレベルの『ETERNUS SF クラスタ適用ガイド』の各OSおよびノードに対応した「AdvancedCopy Manager CCM用汎用スクリプトの準備」で、汎用スクリプトをAdvancedCopy Manager CCMのプログラムディレクトリのbinディレクトリ配下に格納した場合は、AdvancedCopy Manager CCMのインストール先ディレクトリ以外の、任意のディレクトリにコピーしてください。
    退避したファイルは、バージョンアップインストール後の作業で使用します。

  4. C.3 Express/Storage Cruiser/AdvancedCopy Manager 16.xのマネージャー機能のバージョンアップインストール手順(Windows版)」を参照して、バージョンアップインストールを実施してください。

  5. ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクをオフラインにします。

ポイント

バージョンアップインストールが異常終了した場合は、「11.3.1 ETERNUS SF Managerのバージョンアップインストールで問題が発生した場合の対処(Windows環境)」を参照し、正常な状態に復旧してください。

10.1.2.3 バージョンアップインストール手順(セカンダリノード)

  1. ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクをオンラインにします。

  2. セカンダリノードでバージョンアップインストールをします。
    バージョンアップの手順はプライマリノードと同じです。「10.1.2.2 バージョンアップインストール手順(プライマリノード)」を参照してください。

  3. ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクをオフラインにします。

10.1.2.4 バージョンアップインストール後の作業(プライマリノード)

クラスタ運用の場合に、Windows版AdvancedCopy Managerマネージャーのバージョンアップインストールを実施したあとに、プライマリノードで行っておくべき作業について説明します。
ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクはオンラインにします。

本バージョンレベルのETERNUS SF Managerでは、Symfowareを使用していません。
以下の手順でSymfoware Serverをアンインストールします。

  1. ほかの製品が、Symfowareを利用していないことを確認します。利用している場合はアンインストールしないでください。

  2. [プログラムの追加と削除]画面または[プログラムと機能]画面で、Symfowareをアンインストールします。
    Symfoware ServerとSymfoware Clientがインストールされていますが、先にSymfoware Clientをアンインストールしてください。

  3. AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル(sys.properties)を復元します。
    10.1.2.2 バージョンアップインストール手順(プライマリノード)」で退避した環境設定ファイル(sys. properties)を、バージョンアップインストール後の以下のファイルに上書きします。
    AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル :

    $INS_DIR\CCM\sys\sys.properties
  4. 退避したAdvancedCopy Manager CCM用汎用スクリプトを復元します。
    10.1.2.2 バージョンアップインストール手順(プライマリノード)」で汎用スクリプトを退避した場合は、退避した汎用スクリプトを復元します。復元先は、該当する旧バージョンレベルの『ETERNUS SF クラスタ適用ガイド』の各OSおよびノードに対応した「AdvancedCopy Manager CCM用汎用スクリプトの準備」で格納したディレクトリです。

  5. ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスク上の、AdvancedCopy Managerの環境設定ファイルを編集します。

    以下のファイルを編集します。

    • <ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクのドライブレター>:\etc\opt\swstorage\clsetup.ini

    • <ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクのドライブレター>:\etc\opt\swstorage\etc\swstg.ini

    それぞれのファイル内のVersion情報を、移行後の文字列に変更します。

    移行パターン

    Version情報の記述内容

    移行前

    移行後

    16.0から16.1

    Version=V16.0

    Version=V16.1

    注意

    Version行以外は、変更しないでください。

  6. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスク上の、AdvancedCopy Managerの環境設定ファイルを編集します。

    対象業務のプライマリノードで以下のファイルを編集します。

    • <管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクのドライブレター>:\etc\opt\swstorage\clsetup.ini

    • <管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクのドライブレター>:\etc\opt\swstorage\etc\swstg.ini

    それぞれのファイル内のVersion情報を、移行後の文字列に変更します。

    移行パターン

    Version情報の記述内容

    移行前

    移行後

    16.0から16.1

    Version=V16.0

    Version=V16.1

    注意

    Version行以外は、変更しないでください。

  7. ETERNUS SF Managerが属する業務からリソースを削除します。
    フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、ETERNUS SF Managerが属する業務から以下のリソースを削除します。リソースが存在しない場合は対処不要です。

    • リソース名

      • AdvancedCopy GUI Service

      • SymfoWARE RDB RDBSWSTF

    共有データ用共有ディスクとリポジトリ用共有ディスクを分けた運用の場合は、リポジトリ用共有ディスクのリソースを削除します。

10.1.2.5 バージョンアップインストール後の作業(セカンダリノード)

クラスタ運用の場合に、Windows版AdvancedCopy Managerマネージャーのバージョンアップインストールを実施したあとに、セカンダリノードで行っておくべき作業について説明します。

  1. 本バージョンレベルのETERNUS SF Managerでは、Symfowareを使用していません。
    以下の手順でSymfoware Serverをアンインストールします。

    1. ほかの製品が、Symfowareを利用していないことを確認します。利用している場合はアンインストールしないでください。

    2. [プログラムの追加と削除]画面または[プログラムと機能]画面で、Symfowareをアンインストールします。
      Symfoware ServerとSymfoware Clientがインストールされていますが、先にSymfoware Clientをアンインストールしてください。

  2. ETERNUS SF Managerのサービスが停止していることを確認します。
    停止していない場合は、フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、ETERNUS SF Managerが属する業務を停止します。

  3. AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル(sys.properties)を復元します。
    10.1.2.3 バージョンアップインストール手順(セカンダリノード)」で退避した環境設定ファイル(sys. properties)を、バージョンアップインストール後の以下のファイルに上書きします。
    AdvancedCopy Manager CCMの環境設定ファイル :

    $INS_DIR\CCM\sys\sys.properties
  4. 退避したAdvancedCopy Manager CCM用汎用スクリプトを復元します。
    10.1.2.3 バージョンアップインストール手順(セカンダリノード)」で汎用スクリプトを退避した場合は、退避した汎用スクリプトを復元します。復元先は、該当する旧バージョンレベルの『ETERNUS SF クラスタ適用ガイド』の各OSおよびノードに対応した「AdvancedCopy Manager CCM用汎用スクリプトの準備」で格納したディレクトリです。

10.1.2.6 ETERNUS SF Managerの起動

10.1.2.4 バージョンアップインストール後の作業(プライマリノード)」、「10.1.2.5 バージョンアップインストール後の作業(セカンダリノード)」のあとに、以下の作業を行います。

  1. プライマリノードで、ETERNUS SF Managerサービスが起動していることを確認します。

    起動していない場合は、フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、ETERNUS SF Managerが属する業務を起動します。

  2. ETERNUS VASA Providerを使用している場合は、プライマリノードで、ETERNUS VASA Providerサービスを起動します。
    フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、ETERNUS VASA Providerが属する業務を起動します。

  3. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、対象業務のプライマリノードで、管理対象サーバ業務を開始します。

    フェールオーバークラスタマネージャーを利用して、管理対象サーバ業務を開始します。
    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務に対して本手順を実施します。

  4. すべてのノードのローカル業務サービスを起動します。
    Windowsのサービス画面で、「AdvancedCopy Manager COM Service」を起動してください。

続いて、「10.1.3 運用再開」を実施してください。