Interstage HTTP Server 2.2では、アクセス数、転送量、通信スレッドの状態など、Webサーバに関するさまざまな動作状態を表示して確認できます。
注意
サーバステータスの監視機能を運用する場合、Webサーバの動作が遅くなることがあります。
表示内容、設定方法、および運用手順について、以下に示します。
■表示内容
サーバステータスの監視機能では、以下の項目の動作状態を表示します。
Webサーバ全体の動作状態
Webサーバ全体の動作状態が、西暦年「yyyy」の場合、以下の例のように表示されます。
例
上記で表示された各項目の意味を以下に示します。
項目名 | 意味 | 備考 | |
---|---|---|---|
Server Version | Interstage HTTP Server 2.2のサーババージョン |
| |
Server Built | Interstage HTTP Server 2.2のコンパイル日時 |
| |
Current Time | 現在の日時 |
| |
Restart Time | 起動日時 |
| |
Parent Server Generation | 再起動回数 |
| |
Server uptime | 連続稼働時間 |
| |
Total accesses | 起動時からの総アクセス数 | (注) | |
Total Traffic | 総転送量 | (注) | |
| u | 通信プロセスが消費したCPU時間(秒) | (注) |
s | 通信プロセスによりシステムが消費したCPU時間(秒) | (注) | |
cu | CGIアクセスにおいて生成した子プロセスが消費したCPU時間(秒) | (注) | |
cs | CGIアクセスにおいて生成した子プロセスによりシステムが消費したCPU時間(秒) | (注) | |
| CPU使用率(%) | (注) | |
requests/sec | 平均毎秒リクエスト数 | (注) | |
B/second | 平均毎秒転送量 | (注) | |
B/request | リクエストあたりの転送量 | (注) | |
requests currently being processed | 処理中のリクエスト数 |
| |
idle workers | 待機中の通信スレッド数 |
|
注)サーバステータス情報の拡張表示を行う場合(環境定義ファイル(httpd.conf)のExtendedStatusディレクティブの設定値が「On」の場合)に表示されます。
通信スレッドの状態一覧
Webサーバが生成した通信スレッドの状態一覧が、以下のように、通信スレッドの番号(Srv)の順でキーごとに1つずつ表示されます。この表示をスコアボードと呼びます。
例
上記の例の場合は、通信スレッドが以下の状態であることを意味します。
1つ目から5つ目までの通信スレッド:待機中
6つ目の通信スレッド:応答中
7つ目以降の通信スレッド:未起動
通信スレッドの状態を示すスコアボードのキーとその意味を以下に示します。
スコアボードのキー | 意味 |
---|---|
"_" Waiting for Connection | 待機中 |
| 通信スレッドの生成中 |
"R" Reading Request | リクエストの読込み中 |
"W" Sending Reply | リクエストの応答中 |
"K" Keepalive (read) | Keep-Alive接続中 |
"D" DNS Lookup | DNSでホスト名を検索中 |
"C" Closing connection | コネクションクローズ中 |
"L" Logging | ログファイルの書込み中 |
"G" Gracefully finishing | 未起動 |
"I" Idle cleanup of worker | - (注) |
"." Open slot with no current process | 未起動 |
注)Interstage HTTP Server 2.2では、サポートしていないため、無効です。
通信スレッドごとの動作状態
通信スレッドごとの動作状態が以下のように表示されます。
例
上記で表示された各項目の意味を以下に示します。
項目名 | 意味 | 備考 | |
---|---|---|---|
Srv (Child Server number - generation) | 通信スレッドの番号 - 再起動した回数 | (注) | |
PID (OS process ID) | 通信プロセスのプロセスID |
| |
Acc (Number of accesses this connection / this child / this slot) | Number of accesses this connection | 同一コネクション内でのアクセス数 | (注) |
this child | 通信スレッドあたりの総アクセス数 | ||
this slot | 通信スレッドあたりの総アクセス数 | ||
M (Mode of operation) | 通信スレッドの状態 (「通信スレッドの状態一覧」を参照) |
| |
| CPU消費時間(秒) | (注) | |
SS (Seconds since beginning of most recent request) | 最新リクエストからの経過時間(秒) | (注) | |
Req (Milliseconds required to process most recent request) | 最新リクエストの処理時間(ミリ秒) | (注) | |
Conn (Kilobytes transferred this connection) | 同一コネクション内での転送量(Kバイト) | (注) | |
Child (Megabytes transferred this child) | 通信スレッドあたりの総転送量(Mバイト) | (注) | |
Slot (Total megabytes transferred this slot) | 通信スレッドあたりの総転送量(Mバイト) | (注) | |
Client | クライアントまたはプロキシサーバなどのIPアドレス | (注) | |
VHost | 最新リクエストを受け付けたWebサーバのホスト名 | (注) | |
Request | 最新リクエストの内容 | (注) |
注)サーバステータス情報の拡張表示を行う場合(環境定義ファイル(httpd.conf)のExtendedStatusディレクティブの設定値が「On」の場合)に表示されます。
■設定方法
サーバステータスの監視機能は、環境定義ファイル(httpd.conf)で設定します。
サーバステータスの監視機能の設定方法については、「3.15 サーバステータス監視の設定」を参照してください。
注意
サーバステータス監視機能を運用する場合、ネットワーク上の悪意のある人(またはマシン)がそのサーバステータスをのぞき見る脅威があります。この脅威に備え、以下を設定することをお勧めします。
以下の機能を併用して設定し、特定のアクセスだけを許可します。
ユーザ認証の設定
特定の管理者からのアクセスだけに対して、サーバステータス情報を表示します。
IPアクセスコントロールの設定
特定のクライアントからのアクセスだけに対して、サーバのステータス情報を表示します。
<Location>セクションのURLを複雑化して設定します。
サーバステータス監視機能で<Location>セクションを設定する場合、URLには一般的に「server-status」という文字列が使用されます。このため、URLに「server-status」という文字列を設定すると、サーバステータス情報が安易に表示される可能性があります。URLには「server-status」以外の文字列を設定してください。
■運用手順
サーバステータスの監視機能を運用する場合、クライアントからWebブラウザで任意のURLにアクセスすることにより、上記の表示内容の動作状態を表示します。
URLの形式
http://ホスト名:ポート番号/パス
Webサーバのホスト名またはIPアドレス。
ポート番号。ホストのポート番号が「80」の場合は、省略可(省略時、コロン(:)は不要)。
環境定義ファイル(httpd.conf)の<Location>セクションで設定したURL。
ポイント
URLの末尾に「?auto」を指定すると、簡略化したステータスを表示できます。
URLの末尾に「?refresh=N」(N:秒数)を指定すると、指定した秒数ごとにステータスの表示を更新できます。なお、「?refresh」を指定した場合は、10秒となります。
例
Webブラウザ(クライアント)でWebサーバのIPアドレス「192.168.1.1」と<Location>セクションに指定したURL「/server-status」を指定して、サーバステータス情報(バージョン「x.x.xx」、OS「WinXX」(Win32またはWin64)、西暦年「yyyy」)を表示する場合
Webブラウザ(クライアント)でWebサーバのIPアドレス「192.168.1.1」と<Location>セクションに指定したURL「/server-status」を指定して、サーバステータス情報(バージョン「x.x.xx」、西暦年「yyyy」)を表示する場合